最近、朝の情報番組でUSBモバイルバッテリーを使ったヒーター内蔵のウエアを紹介していたのを見て、「スマホ世代はモバイルバッテリーとか普通に持っているから、アリだよね。」なんて思っていました。 今回、ヒーターベストの専門メーカーを自負するVinmoriの、モバイルバッテリーをつないで体を温める電熱ジャケットのレビューをお届けしたいと思います。なお、この製品はメーカーのVinmoriよりサンプル提供をしていただきました。この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
推奨電源環境:5V-2A 10W以上
推奨電池容量:12,000mAh / 8,000mAh
動作効率:10wUSB 出力端子規格:DC 5V-2.1A
入力端子規格:DC 5V-2.1A
ウエア素材:外装、内装共にポリエステル100% 発熱素材:カーボン繊維
特徴:
●前後の独立したWヒートシステム採用。カーボン繊維を使ったヒーターを後ろ側に背中×1,腰×2、正面側に腹部×2の計5つ搭載し、前側と後ろ側はそれぞれ3段階のレベル調整が可能。
●自宅で洗濯ができる。バッテリーを外してUSB端子に付属のキャップをすることで、洗濯ネットに入れれば洗濯機でまる洗いが可能(内部の電子機器はIPX7に対応しています)。
●高い安全性。カーボン繊維を使ったヒートシステムはブラウン運動による発熱で素早く、遠赤外線による優しい暖かさを提供します。さらに、インテリジェントな温度制御保護システムで故障時の安全を確保しています。
4.日本語の説明書と3ヵ月間の無条件返品
2.デザイン
11/29現在、Amazonでは、パーカータイプのグレーと黒、ユニクロのウルトラダウンぽい(ダウンではない)デザインの黒、それと今回提供してもらったライダースジャケット風の黒の4種類が販売されています。どれもユニセックスでサイズはM〜XXLが選択可能です。
今回レビューする黒のライダースジャケット風のタイプ。 アクセントに腕と胸ポケットにグレーのラインがあります。ここは反射剤が使われており、暗い夜間では車のライトなどが反射するので安全対策の意味もあるのでしょう。
胸元には腹部と背中側で独立したスイッチが並んでいます。バッテリーをつないでスイッチを長押しするとONになります。ボタンを押すたびに強中弱のレベルがトグルして、再度長押しすればOFFになります。 このスイッチのLEDは通電中常に光っていて、わかりやすい代りに暗いところでは結構目立ちます。少しはずかしい気もしますが、自分が思うほど周りの人は気にしていないものというか無関心なので自分は気にしません。
パッケージには製品保証書と取り扱い説明書(日本語表記あり)、それに洗濯ネットが入っていました。保証書の裏にはLINEで友達登録すると洗濯ネットが6個無料プレゼントの案内が記載されていました。「なぜに洗濯ネット?」と突っ込みを入れたくなりますが、こちらでAmazonの注文番号を送信すると6カ月の延長保証の登録ができるようです。メーカーへの問い合わせなどがLINEでできるのは便利かもしれませんね。
外の左右のポケットと胸ポケットの他に内側に2カ所ポケットがあります。 外側左のポケットの中にUSB端子があり、そこにモバイルバッテリーを接続して使用します。端子には洗濯時に使用する防水キャップがついています。レビューで使ったモバイルバッテリーは、3年前から使っている 5,200mAhのANKER Astro E1。結構ヘタってきているので能力に心配がありますが、今回はこれで検証いたします。
腰の部分の内側にサイズ調整用のゴムが入っています。おなかと腰に当たるヒーターが丁度この位置にあるので、体にフィットするよう調整するとよりヒーターの効率が高まりダイレクトに暖かさが伝わってきます。
3.使用感
素材がポリエステルということもあり、見た目はほぼジャージというかトレーニングウエアですね。 一見ジャージですが、素材に厚みがある事と裏布もあるので、ジャージと比べればある程度は防風性もあります。あくまでジャージと比べればの話ですが。 素材に伸縮性がほとんどありませんので、タイトに作られた袖は腕まくりができませんが、着た感じに窮屈感はありません。軽くて動きやすい作りです。
身長165cmで68Kgのガッチリタイプの私は、今回 Lサイズを着ています。たぶんフィット感があるくらいのほうがヒーターの熱効率が高くなるので、Mサイズで良かったかもしれません。ただし、私の場合あまりにフィットされるとおなかあたりがふっくらしてしまい、シルエットが中年そのものになってしまうものでご容赦を。
-2℃の肌寒い早朝、Vinmoriの電熱ジャケットを着込んで散歩に行ってきました。
もう11月も終わろうとしているこの時期の北海道では、いつ雪が降り積もっても驚きはしません。白い息を吐きながら散歩する私の背中は、発熱繊維のやさしい遠赤外線の熱で太陽の光に温められてように心地よく、「もう少し歩こうかな。」という気にさせてくれました。
実際のバッテリーの消費量
この時は、前と後ろのヒーターを強で使用して約2時間でバッテリーが切れました。 Amazonにあるメーカーの説明には10,000mAhのバッテリーで約9時間から13時間の連続使用が可能とあったので、その約半分のバッテリー容量なら4時間くらいは保つのかと期待しましたが、あっけなくバッテリー切れ。 そこで、あらためて説明書にあったスペックから理論値を計算してみました。
まずは、Vinmori電熱ジャケットの消費電力を算出
2.1A × 5V = 10.5 Wh(一時間あたりに消費する電力)
ヒーターの1時間使用に必要なバッテリー容量(電圧5V)
10.5W (消費電力/h) ÷ 5V (バッテリー電圧) = 2.1Ah (2,100mAh)
Anker E1モバイルバッテリーでの使用可能時間
5,200mAh ÷ 2,100mAh ≒ 2.4h
バッテリーの劣化を考慮すれば、ヒーターの出力全開で約2時間でバッテリーが切れるのは当然の結果と言わざるを得ないでしょう。計算があっていれば、メーカーが言うところの連続使用9時間を達成するためには20,000mAhクラスのモバイルバッテリーが必要という事になります。
今度はヒーターを弱にして再検証してみました。さすがに外を何時間もうろついていられないので、室内で過ごしました。結果は、約3時間でバッテリー切れとなりました。 今回の検証結果から使用可能時間から逆計算すると
5,200mAh ÷ 3.0h ≒ 1,700mAh/h
となり、10,000mAhのバッテリーでヒーターのレベルが弱なら5~6時間位は使用できそうです。この検証の後1週間くらい普段のアウターとして着てみましたが、ヒーターのレベルは弱で十分暖かさが伝わってきますので、弱で使う分には実用的に問題なさそうです。
防寒性能は
遠赤外線のヒーターは、レベル弱でも使い捨てカイロを貼っているのと度程度の暖かさがありますので十分機能しています。ただ、Tシャツの上にこのアウターを1枚羽織っただけで、北海道の冬は乗り越えられないでしょう。
ここ1週間実際に使って見て、着用に適した環境としては、 「気温(室温)5℃~20℃位であまり風の当たらない場所が快適。」 といった所が妥当ではないか、と言うのが正直な感想です。 気温が氷点下になる環境ではアウター自体の保温性能が必要で、それプラスヒーター効果があると、より魅力的な製品になると思います。
4.まとめ
Vinmori 電熱ジャケットはAmazonで販売中で、レビューに使用したタイプのものは11月29日現在税込み8,799円ですが、製品ページに20%OFFのクーポンがあり、それを使うと7,039円で購入ができます。
Vinmoriがこだわってるのが第一に安全性。Vinmori電熱ジャケットは独自開発の4重の安全保護システムを搭載しており、ショートや感電防止のために安全なカーボン繊維を採用し、表面を耐熱防電防水の樹脂でコーティング、さらに難燃性の繊維で挟み込む徹底ぶり。さらには、温度検知センサーにより万一設定温度以上の高温になった場合は自動的に停止する上、その温度検知センサーの監視システムまで搭載しています。連続使用時間が言うほど長くありませんが、安全性に対するこの心意気は高く評価したいと思います。使用時間に関しては、使用者が自分に合わせてバッテリーをチョイスすれば良いだけなので、今回のレビューを参考にバッテリーを用意していただければ問題はないでしょう。
私が暮らしている北海道は寒いと思われがちですが、移動はほぼ車、家の暖房器具は高出力で真冬でも家の中では風呂上がりにTシャツでアイスを食べてるという具合なので、案外、実環境は冬でも暖かく過ごしています。なので、予め真冬の寒空の下に何時間もいる必要がある時はガッチリ防寒対策もしますが、普段は、家から車に乗る時間と駐車場から建物の中に入る短い時間さえしのげれば、着膨れした防寒着はかえって邪魔になってしまいます。もう少し基本防寒性能が高ければ、Vinmoriの電熱ジャケットを一枚Tシャツの上に着るだけで、屋外でも暖かい室内でもなんとかなりそうな気がしますので、メーカーさんには是非基本防寒性能のアップをお願いします。
今のままでも、室内で着る分には非常に良いものだと思います。腰の部分のヒーターは腰痛を和らげそうですし、肩甲骨の辺りにある背中のヒーターは肩回りの血流を促し肩コリや首まわりのコリを和らげてくれそうな暖かさがあります。おなかの弱い人なんかはおなかを冷やしたくないと思いますが、そんな方にもおすすめできます。
腰痛軽減ベルトとピップマグネループを愛用し、おなかの弱い私自身が、これ全部、今回のレビューで実感した事なので。
5.関連リンク
Vinmori 電熱ジャケット:Amazon