こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。「スポットクーラー」ってご存知ですか?簡単に言うと「設置工事が不要で簡単に移動できる、局所用のクーラー」のことを言います。今回はこのスポットクーラー「NABAIDUN スポットクーラー PC12-SMA」の実機レビューです。
なお、レビュー機はメーカーのNABAIDUNからサンプル提供いただきました。この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。今回は(提供元には少し申し訳なかったのですが)1週間ほどじっくり使ってみましたので、メリットとデメリットがある程度明確になったと思います。
・予想以上に高い冷房性能
・設置工事不要、自分で設置可能
・部屋間の移動も可能
ここはイマイチ
・騒音は大きい
・窓パネル・ダクトの取り付けは多少手間
・電気代が高めかも
販売サイトはこちら:
NABAIDUN スポットクーラー PC12-SMA:Amazon
※製品ページに3,000円OFFクーポンあり
※7月22日まで有効の2,000円OFFクーポンコード「XPL88G3Y」
※両者は併用可能
目次
1.NABAIDUN スポットクーラー スペック
スペック表
Modern 15 A5M | |
電源 | AC100V(50Hz/60Hz共用) |
冷房能力 | 2.9KW(50Hz)/3.5KW(60Hz) |
定格消費電力 | 890W(50Hz)/1,090W(60Hz) |
電流 | 9.4A(50Hz)/11A(60Hz) |
コンプレッサー | 往復式 |
冷媒 | R410A |
冷媒封入量 | 200g |
設定可能温度 | 17℃~30℃ |
騒音値 | 約49~51dB |
電源コード長 | 約1.8m |
サイズ | 42 × 61 × 87 cm |
サイズ | 33.5 kg |
コメント
クーラー(エアコン)のスペック表なんて日頃ガン見する機会がほとんどないので、この表を見てもそんなにピンときません。知っておきたいこととして
・自宅の電源周波数は50Hzなの?60Hzなの?
→こちらをご参照ください(シャープ公式サイトの説明です)
電源周波数地域(50Hz地域/60Hz地域)について
※私は関東在住なので50Hzです。
・定格消費電力の890W(50Hz)/1,090W(60Hz)というのはどんなもんなの?
→こちらをご参照ください(日立公式サイトの説明です)
エアコンの消費電力・期間消費電力量の調べかたを知りたいです
※これを見ると、一般的なルームエアコンの冷房では400W(木造10㎡・約5.5畳、鉄筋15㎡・約8畳)~825W(木造16㎡・約9畳、鉄筋25㎡・約14畳)くらいなので、この製品は冷房能力の割に定格消費電力が大きめであると言えます
・騒音値51dBって、うるさいの?
→こちらをご参照ください(深谷市の説明です)
騒音の大きさの目安
※家庭用エアコンの室外機の騒音がおよそ50dBです。詳しくは後述しますが、この製品の構造上、納得できる説明です
スペック表で押さえるべきポイントはこの3つかと思います。サイズ感等についてはこれからご説明します。
2.NABAIDUN スポットクーラー 筐体
構造
PCやスマホ、タブレットの実機レビューだと、いきなり同梱物とか各部説明をするのですが、スポットクーラーと言われてもピンとこない人も多いと思いますので、前フリを入れさせていただきます。
NABAIDUN スポットクーラーはこうやって使います。本体からダクトが伸び、窓から熱気を排出する仕組みですね。冒頭に「スポットクーラーは設置工事が不要で簡単に移動できる」と書きました。確かに設置業者さん(電器屋さんなど)を呼ぶ必要はありませんが、電源に接続してボタンを押せばすぐに動き出す、というほどイージーなものではありません。また、移動はもちろん可能ですが、その都度ダクトを窓枠に装着する必要がありますので、掃除機や扇風機ほど簡単に移動はできません。
それと、スポットクーラーには「室外機」がありません。言うなれば「本体に室外機が内蔵されている」構造です。そのため、騒音レベルが高くなってしまうんですね。
外箱
デカイです。配送してくれた佐川急便の方が「これ重いんで、私が中まで運びましょうか?」と言ってくれました。スペック表にある通り、本体重量が30 kgを越えていますので、この外箱の段階だと35 kgとかになっていたんじゃないかと思います。
で、佐川急便の方に、「もし私がこの製品を東京から北海道に送る場合、配送料はいくらになりますか?」と聞いてみたところ、その場で調べてくれて「ああ、5,500円ですね」とのことでした…。
画像にはありませんが、外箱は梱包用の紐が巻かれていて、それを外すと、このようにスポッと上方向に抜くことができます。この構造のおかげで開封が非常にラクでした。
本体登場。これね、予想以上に大きいと思いました…。
同梱物
同梱物です。中央上にある2枚のペーパーは実は同じもので、組み立て方法、設置方法が説明されていました。左下にあるのが取扱説明書、その横に延長保証の案内が入っていました。すべて日本語化されていて、特に不自然でわかりにくい表現とは感じられませんでした。
その横にリモコンとリモコン用の乾電池(単4サイズ×2本)があります。あと、左右にある物体について、これからご説明します。便宜的に1、2、3と番号を振ってあります。
「1」は窓パネルです。この章の一番上にご説明した通り、この製品は室外機がないので、ダクトを取り付けて熱気を屋外に排出する必要があります。その際、ダクトを取り付るためにこのパネルを使います。
パネルは2枚組で、長さを調整するためのネジ(蝶ネジ)が付属していました。窓パネルの最小長(高さ)は78.5 cm、最大長(高さ)は100 cmです。また、別売りでアタッチメントが用意されているようで、アタッチメントを併用すれば141.5cmの高さまで対応します。要は、標準だと窓枠の高さ(窓の上端から下端までの長さ)が78.5 cm – 100 cmまで、アタッチメントを使えば141.5 cmまでOK、ということです。
これ、私の作業部屋に窓パネルを取り付けようとしたところです。…長さが全然足りません。アタッチメントはレビュー品に含まれていなかったので、これ以上はどうすることもできませんし、仮にアタッチメントがあったとしても、絶対に長さが足りないはずですね。
こちらは子供部屋に窓パネルを取り付けようとしたところ。やはり長さが足りません。私はマンション住まいですが、すべての窓の上端から下端までの長さが100 cmを越えていましたので、少なくとも私の自宅では何らかの手当をしないとこの製品は使えない、ということになります。
ホームセンター等に行けば隙間を埋めるための資材が手に入ると思うのですが、今回は「まあ、ちゃんと使えればいいか」ということでボール紙を使って目張りしました。レビュー(試用)ではなく、本格的に使うとなると、もう少し見栄えを良くしたいところではありますw
「目張り」はそれほど大変な作業ではないので「まあいい」として、窓パネルを取り付けてしまうと、その窓にカギをかけることができなくなります。私はマンションの3階に住んでいるのであまり気になりませんが、1階の住戸の場合、この点は心配ですね。ただ、おそらくホームセンターなどで「それ用」の防犯グッズはあると思います。
次に「2」の物体です。コンパクトな「筒」ですが
これ、「ダクト」です。引っ張ると「びろーん」と伸びます。厳密に測定はしていませんが、2 mくらいまでなら大丈夫、という感じでした。
で、「3」です。これはダクトと窓パネルを接続するためのアタッチメントです。
これが利用シーン。この後本体の説明をさせていただきますが、本体は思ったより大きいサイズながら、底面にキャスターがついていて簡単に移動可能です。しかし、ダクトの取り付けの手間と、ダクトがないとクーラーとしては使えない、ということを考慮すれば、おのずと設置場所は限定されますし、そう簡単に部屋間の移動ができるわけではない、と言えます。もちろん、業者さんに設置工事を依頼するほどではないので、一般的なエアコンよりはずっと簡単に移動可能ではあるんですけどね。
本体
右側面です。上部に「持ち手」のくぼみがあり、中央には排水口があります。室外機のないクーラーなので、冷房時や除湿時には本体に水が貯まる仕組みです(一応、自己蒸発機能もありますので、すぐに満水になることはありません)。この製品には2つの排水口があり、この位置にあるものは「連続排水」、つまり「ここにホースを取り付けて、常時排水したいとき」に使います。
今回のレビューではこちらの排水口は使用しませんでした。ホースをつけっぱなし、というのは見苦しいように思われましたので…。
それと、外板の素材はおそらく樹脂製と思われます。
前面です。微妙に「VネックのTシャツを着たウインタブ」が写り込んでいますが、どうかご容赦くださいw こちらには上部に冷気の排出口があります。排出口は「首振り」にも対応していますので、お好みの角度に風向きを調整することができます。
左側面です。こちらにも上部に「持ち手」のくぼみがあるのと、大きなエアフィルターがあります。この画像ではカバーが取り付けられていますが、
カバーを外すとこんな感じになります。エアフィルターの取り外しも可能で、掃除機でホコリを吸い取ったり、水洗いしたりできます。
左側面の下部です。白くて丸いものが排水口で、通常はここから水を抜きます。このレビューにあたり、「1週間ほど毎日2時間くらい」この製品を使っていましたが、コップ半分ほどの水が溜まっていました。なお、水タンクが満水になると、上部ディスプレイにエラー表示(E4と表示されます)が出ますので、そうなったら排水してやればOKです。排水する際は薄型のトレイを使うか、なんならちょっと薄めの洗面器でもいけると思います。
それと、底面には4つのキャスター(タイヤ)がついていますので、(本体は30キロ以上ありますけど)本体のみの移動は容易です。
背面です。こちらにはダクトを取り付ける穴があります。ここにダクトを「ねじ込む」のですが、着脱は容易でした。
上面です。LEDディスプレイがあり、各種操作ボタンがついています。
操作部分を拡大してみます。この製品は「冷房/除湿」の運転切り替え、「強/中/弱/自動」の風量切り替え、「風向き(首振り)」「タイマー運転」「おやすみモード(設定開始時より設定温度を徐々に上昇(1時間後に1℃、2時間後に2℃上昇)させ、2時間後に自動停止」の設定が可能です。また、温度は17℃から30℃まで、1℃刻みで設定できます(上の画像では20℃に設定しています)。
では使ってみた感想を。
3.NABAIDUN スポットクーラー 使用感
予想以上に冷える!
AmazonにあるNABAIDUN PC12-SMAの製品ページの説明を見ると、「11-17㎡の広さに対応」という記載があります。17㎡といえばおおよそ9畳強くらいの広さになりますので、もはや「スポット」ではないような気もします。
レビュー中、私の作業部屋(兼物置)で使ってみました。作業部屋の広さは8.4畳(鉄筋の洋間)なのですが、「ちゃんと冷えます」。レビュー期間中の最高気温は30℃強くらいだったので、盛夏(35℃以上)での実力はなんとも言えませんが、少なくとも期間中の冷房能力は「余裕で合格」と評価します。メーカー説明の通り、9畳以下であれば部屋全体をしっかり冷やせると思います(ただし、鉄筋の場合。木造建築での冷却性能については判定ができません)。
騒音は気になる
騒音は「大きい」です。この製品は温度調整機能がありますので、運転音は室温によって変化します。つまり、比較的静かなとき(送風のみ)と騒々しいとき(コンプレッサーが仕事をしている、でいいんでしょうか)が交互に訪れる、という感じです。この画像はスマホアプリを使って測定したもので、左から「弱」「中」「強」の音量になっています。
測定位置は冷気の排出口ではなく、風が当たらない横方向で、本体から10センチほど離しています。弱運転でももっと騒々しくなるときがありますし、強運転でももっと静かなときもありますが、平均的には「60dBくらい」でした。もちろん設定温度を高めにすれば送風のみの時間が長くなるのでもっと静かに、設定温度を低めにすれば冷房の時間が長くなるのでもっと騒々しくなります。
上に書かせていただいた通り、私の作業部屋は8.4畳ありますので、NABAIDUN PC12-SMAから離れた位置にデスクを置けば、「ちょっと騒々しいくらい」で済むのかもしれませんが、あいにくデスクは窓際にあり、この製品からかなり近いところで作業をしなければなりませんでした。
その上で体感的なことを書かせていただくと
・ZoomなどのWebミーティングをする気にはなれない
・集中力を要する作業のときはかなり気になる
・単純作業(ごく簡単な画像加工や数字の転記など)ではあまり気にならない
・おやすみモードにして就寝したいとは思わない
という感じでした。この製品は冷却性能が高く、8畳間でも余裕で冷やすことができますので、レビューではなく、本格的に使う場合は「デスクの位置を窓から離す」ようにすればいいのかな、と思いました。また、「慣れ」というのも関係してきますね。私はもともと「音」にはそれほど神経質なほうではないので、1週間くらい継続使用してみて、耳障りと感じる場面が少しずつ減ってきました。
ある程度の個人差はあると思いますが、音に敏感な人にはあまり向きません。そういう人にとっては「うるさくて涼しいほうを取るか、静かで暑いほうを取るか」みたいな選択になってしまうでしょう。
部屋間の移動は「できなくはない」
本体重量が重く、サイズも大型の製品ですが、キャスターがついていますので「本体だけ」であれば苦もなく移動できます。ただし、窓パネルの設置とダクトの設置はそれなりに手間がかかりますので、「1時間おきに別の部屋に移動する」ような使い方には向きません。
ただし、業者さんを呼ぶ必要はなく、一人で移動作業を完結できますので、「やろうと思えばできる」のは間違いありません。あとは、こういう仕様がこの記事をお読みの人のニーズに合うかどうか、ということでしょうね。
電気代はちょっと心配…
レビューで試用した期間は1週間ほどなので、電気代がどのくらいか、ということについてはなんとも言えません。ただし、スペックのところでご説明した通り、「決して格安ではないはず」ですね。スポットクーラーという製品特性上、一日中電源を入れっぱなし、というわけでもないと思いますが、電気代がどうなるのかはちょっと心配です。
4.NABAIDUN スポットクーラー レビューまとめ
NABAIDUN スポットクーラー PC12-SMAはAmazonで販売中で、7月18日現在の価格は税込み43,800円ですが、製品ページに3,000円OFFクーポンがあるのと、ウインタブ読者向けに2,000円OFFクーポン「XPL88G3Y」を頂いておりますので、両者を併用すれば税込み38,800円で購入ができます。(読者用クーポンの有効期限は7月22日23:59まで)。
この製品は業者さんに依頼することなく設置が可能で、部屋間の移動も「エアコンとしては容易」にできます。また、「スポットクーラー」という名称とは裏腹に冷却能力は高く、鉄筋で8畳とか9畳くらいの部屋なら十分に冷やせます。
一方で、窓パネルやダクトといった、本体以外のパーツが意外に目立ちますので、人によっては部屋の美観に悪影響があると感じるかもしれません。またこれらのパーツがあるために、部屋間の移動は「そこまで手軽とは言えない」というのもあります。そして、室外機がない(あるいは室外機の機能を本体に内蔵している)ので、騒音レベルも高めで、音に敏感な人にはあまり向かないと思います。
室外機を置くスペースがない、賃貸物件で設置工事ができないなどの場合には非常に有効な製品だと思いますし、小さめの部屋が複数あり、全部にクーラーを設置するほどではないが、それぞれの部屋で使うニーズが発生することがある、という場合にも便利かと思います。また、設置工事が必要なエアコンよりもかなり安価に購入ができるというのも魅力ですね。
これから盛夏(酷暑)の時期がやってきますので、ニーズが合いそうならNABAIDUN スポットクーラー PC12-SMAを一台用意してみてもいいんじゃないでしょうか。
5.関連リンク
NABAIDUN スポットクーラー PC12-SMA:Amazon
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