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ついに引いてしまった!容量を偽装した偽物のmicroSDカードを本物と比較してみます!

偽物のmicroSDカード
こんにちは、natsukiです。日頃、激安中華microSDカードをずいぶん買って使っていますが、ついに引いてしまいました! 容量を偽装した「偽物」です。せっかくなので、あらためて本物も購入して、じっくり比較してみますよ。

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1.入手の経緯

偽物のmicroSDカード
こちらが、買ってしまった偽物。Lexarという、国際的にも著名なブランドで、もともとアメリカのブランドですが、その後紆余曲折あって、現在は中国資本のようです。その辺はややこしいので省略。容量は256GBの大容量。

入手の経緯は、はい、やっぱりAliexpressです。11/11のセールで買ったものです。
・「Lexar」という、曲がりなりにも有名ブランドである(その分偽物も多いのだが)。
・そこそこ老舗の販売実績も十分にあるセラーで(ただしトップブランドマークは無し)、商品に付いているレビューも十分な数と評価があった。
・価格は相場通りで不自然に安いわけではなかった。素の価格では3,000円強と、Amazonでの価格と変わらず。ただ、クーポン適用で約2,500円まで値引き。

と、必ずしもAliexpressで買う必然性はなかったんですが、他の商品とまとめ買いで値引きが適用されるので、つい……。もちろん、後であげるような証拠を並べて、きっちり全額返金を勝ち取りました。

余談ですが、microSDカードの偽造品は、32GBまではあんまり無い、64GBは注意すれば十分回避可能、128GB以上になると一気に増えるようです。1枚あたりの「利ざや」の問題でしょうね。この辺はAliexpressを使う上では常識ながら、よーく商品レビューとセラーの評価を見て買いましょう。レビューを見る際も細かく見ないと、高評価は64GBまで、128GB以上はこぞって低評価、なんてのもザラなので注意。microSDカードに限らず、レビューが少なかったり、新規登録したてのセラーから買うのは、「覚悟の上で」です。ともかく、届いたらすぐチェックは必須です。

余談の余談ですが、AliexpressでPayPalがまた使えるようになっていますね。こんなカオスな市場で保証とかできるんだろうか? なんて、余計な心配は置いておいて、利用可能になったこと自体は、ユーザーにとって嬉しいことです。

Amazonで「本物」を購入

さて、無事返金はされたのでいいとして、こうなってくると、俄然、本物との差が気になってきます。と、いうことでAmazonで、マーケットプレイスの並行輸入品を買ってしまいました。もちろん、Amazonでも、特にマーケットプレイスともなれば偽物を掴ませられる可能性はあるので、当然ながら届いたらすぐチェック。後述のように、速度は申し分なく、容量エラーもないので、まず「本物」と見てよいでしょう。

2.「偽物」の性能と判別

CrystalDiskMarkでチェック

microSDカードの偽物を見分ける、比較的手っ取り早い方法が、「CrystalDiskMark」による、転送速度の測定です。規格値よりあまりにも低い数値が出た場合は、偽物の可能性が高いです。もちろん、他のmicroSDカードで、ポート側に問題がないか確認してからです。

偽物のmicroSDカード
さて、これがこのカードの、Crystaldiskmarkの結果です。このカードの規格は「U3」「V30」で、公称最大値はリード95MB/s、ライト45MB/sなので、シーケンシャルリード・ライト、ともに最低30MB/sは出ないとおかしい。ランダムライトは測定できずに止まってしまいました。これも、このクラスとしてはおかしい。

はい、この時点で偽造品なのは濃厚です。ただ、これだけでは、性能が足りていないだけなので、証拠としては弱いです。保証を求めても、USB2.0に繫いだんじゃないの、とか言われるのは目に見えています。

H2testwでチェック

偽物のmicroSDカード
そこで、容量偽装を暴くのに国際的にも広く使われているのが、「H2testw」です。まずは、公式サイトからダウンロード。ドイツ語なんで一瞬焦りますが、まあ、分かるでしょう。言語を英語にして、対象となるストレージを選択、「Write + Verify」をスタート。

内部をすべてチェックするので、べらぼうに時間がかかるのは覚悟の上です。しかも偽造カードの場合、転送速度が遅かったり、途中でエラーを起こして止まったりするのでなおさらです。256GBともなると、まる1日は覚悟しましょう。

偽物のmicroSDカード
はい、結果です。途中で止まってしまいました。「28.2GByte OK」とあるように、まともに記録できたのは28.2GBのみ。「36.5GByte DATA LOST」とあるように、少なくとも36.5GBは失われました。ただ、28.2GBまでは、普通に記録できてしまうというのが、ただ使っているだけでは偽装に気づきにくくやっかいです。なお、書き込み速度は「18.3MByte/s」、読み込み(検証)速度は「4.97MByte/s」と、やはり非常に低速です。

偽物のmicroSDカード
セラーから、再フォーマットしてテストしてくれと言われたので、もう1日かけてやってやりましたよ。こんどは、完走。ご覧のとおり、「220.7GByte」がエラーです。

Check Flashでチェック

偽物のmicroSDカード
念のため、別のソフト「Check Flash」でもチェックします。赤はセクタの物理エラーを示しますが、ご覧の通り、真っ赤っか。もうこれは、容量偽装の偽物であることは明白です。

3.「本物」の性能

では、Amazonで買った「本物」の性能を見てみましょう。まずはCrystaldiskmarkの結果。

偽物のmicroSDカード
うんうん、そうだよね、このくらいは出るよね。

偽物のmicroSDカード
もちろん、H2testwでのチェック結果も問題なし。これが「本物」です。

4.比較

さーて、お待ちかね、外見の比較です。本物と偽物では、何が違うのか? もちろん、偽物といっても千差万別にあるし、本物もロットや販売地域によってパッケージの詳細が異なることはよくあるので、ここの話は、あくまで、「私が実際に手に入れたもの」を比較しただけのことです。一般論として通用するものではないことを、ご承知おきください。以下、すべて、左側が「本物」、右側が「偽物」です。

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パッケージ

偽物のmicroSDカード
まずはパッケージ。う、ううむ? よく「フォントが違う」なんて話も聞きますが、まったく一緒。表記上の違いは2カ所。本物は、下部に追加の表記があります。でも、こんなん、ロットや販売地域の違いかと思いますよね。それと、最大速度の表記。本物のパッケージには「100MB/s 45MB/s」、偽物のパッケージには「95MB/s 45MB/s」と表記されています。偽物の方がちょっと遅い。でも待って!

偽物のmicroSDカード

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こちらは、Lexar公式メーカーサイトの製品ページ。うおおおぉい、偽物の方がメーカーサイトの表記と一致してるじゃんか!勘弁してくれ!

ウインタブ注:この記事の編集中に再度メーカーサイトを確認したところ、デフォルトで表示される500GBのものは「最大読込速度100MB/秒、最大書込速度70MB/秒」という記載になっていますが256GBのものを選択すると「最大読込速度95MB/秒、最大書込速度45MB/秒」という記載になります。

偽物のmicroSDカード
比較してみて、唯一「偽物っぽい」のは、グラデーションのドットが粗いこと。右側が偽物です。でもこんなん、並べて比較してはじめて分かるレベルだぞ。

偽物のmicroSDカード
貼り合わせの工作精度も、やはり偽物は甘いですね。偽物の方は、貼り合わせがわずかですが傾いています(ズレ自体は本物もある)。

偽物のmicroSDカード
裏面の表記はかなり違います。偽物の方がシンプルです。ただ、メーカーロゴやその他の各種ロゴは完璧。「表面と裏面で速度などのスペック表記にズレがあれば偽物」とも言われますが、それもありません。

見かけではわからない部分で、パッケージのはがしやすさですが、両方しっかり貼りつけられているものの、本物の方は、はがすのが非常に困難でした。パッケージ裏面にハサミマークがついているように、はがして開けることは想定していないようです。今回は、パッケージを残したいので切らずにはがして開けましたが、とても苦労しました。

偽物のmicroSDカード
中のプラスチックケースは、本物がカードをはさみ込む2重構造になっているのに対し、偽物は1枚でカードがはめ込んであるだけです。

アダプター

偽物のmicroSDカード
変換アダプターです。これもよく、偽物は印刷が甘いなどと言われますが、表面はまったく区別がつきません。非常に精巧。

偽物のmicroSDカード
裏面は、本物のみ「Lexar」の表記があります。偽物は、印刷も薄め。

本体

偽物のmicroSDカード
肝心のカード本体です。色は本物の方が濃いですね。でも、これも並べてみてはじめて分かるレベル。印刷精度についても、偽物が粗いということはまったくありません。フォントの違いは、「本来と違う」というのは、右上の「C10」、右はじの「U3」のロゴくらいで、それもご覧の通りのわずかな違い。その他のロゴに関しては「Lexar」「A1」「microSDXC I」「V30」いずれも、非常に精巧で区別がつきません。強いていえば「Lexar」の「L」が、偽物の方がやや細身ですが、これは単独で判別するのはまず不可能でしょう。製品名の「633x」と容量の「256GB」は、フォントがかなり違うものの、ここは違うからといって、どっちが偽物というのは判別できませんからね。

ということで、本体の表面では、かろうじて「C10」「U3」のロゴが、本来とフォントが違うかなというくらいです。

偽物のmicroSDカード
裏面です。これは大きく違いますね。偽物は印刷が非常に薄く、「FCC」「VCCI」のロゴがありません。

5.まとめ

と、いうことで、容量を偽装した偽物のmicroSDカードを手に入れましたので、いったいどんなものか、本物と比較しながら詳しく見てみました。こういうものも出回っているということで、十分に気をつけましょう。

偽物のmicroSDカードのやっかいなところは、「ある程度までなら普通に記録できてしまう」ことです。チェックの方法としては、短時間で行うなら、「CrystalDiskMark」で転送速度のチェックを行い、不自然に遅ければ怪しいです。しかし、きちんとしたチェックは、「H2testw」などを使う必要があります。これは、大容量であれば大変な時間がかかりますが、仕方ない。

ともかく、microSDカードを買うときは、たとえAmazonだろうと、まずレビューを見て出品者の信用を量ることはとても大切です。あと、容量にも注意です。32GBと64GBのmicroSDカードは、中華通販で先日また買い足して、これで累計約20枚ほど買っていますが、幸いにして、まだ容量偽装品に出会ったことはありません。もちろん、Aliexpressで購入する場合は、出品者を慎重に選んでいます。どうも、Aliexpressの商品レビューをざっと見ている限りだと、128GB以上の容量になると、一気にリスクが高くなるようですね。実は、その辺の容量になると、中華通販でも一定の信用ある出品者の価格は、Amazonの例えばSandiskの下位グレード「Ultra」とさほど変わりません。128GB以上の大容量のものは、保証の安心できるAmazonで買うことをお勧めします。

そして、microSDカードが手元に届いたら、特に大容量のものは、すぐにチェックすることを忘れずに。確認が遅れると、それだけ保証が難しくなりますからね。

6.関連リンク

CrystalDiskMark
H2testw
Check Flash

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コメント

  1. けい より:

    ヤフオクでつかまされました!同じものです。

    • natsuki より:

      ヤフオクやメルカリなどのオークションサイトのものはヤバいですね。もともとジャンク扱いや保証しませんを明記されたものだと、補償も厳しいですし。証拠並べれば返金勝ち取れる海外通販よりたち悪いです。ともかく、証拠写真とともにできりだけ早くクレーム入れるしかないですね。無事返金されることを、お祈りいたします。

      やはり、microSDは、家電量販店などの実店舗か、Amazonで然るべき業者から買うに限ります。

      まあ、その後、Aliexpressで別ブランドの512GBの本物を4600円弱で手に入れましたけど。(←懲りてない)