こんにちは、吟遊詩人です。今回は、EarFunのイヤーカフ型のオープンイヤーのイヤホンの実機レビューです。EarFun様にはレビュー用機材を提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
吟遊詩人はイヤーカフ型オープンイヤーのイヤホンの使用ははじめてです。今まではオープンイヤーのイヤホンでは耳掛け式のを使っていました。これは非常に楽だったのですが、音漏れがかなりあるため電車に乗る必要がある出勤時には利用を躊躇していました。
本製品は「音漏れを抑制するために最適化されたハウジング構造と、瞬時に音量を制御できるマナーモード機能を搭載」という機能があり、この点に惹かれました。
また、Bluetooth 6に対応するなどBluetooth関連チップが最新化されていることも楽しみです(といっても吟遊詩人はBluetooth 6に対応するスマホがないのでフル機能を使えるわけではありません)。
・慣れればどれだけ長時間装着していても全く問題なし
・周囲の音がしっかりと聞こえる
・物理ボタンは誤操作知らず
ここはイマイチ
・LDAC接続時はバッテリーの消耗が大きい
1. スペック
項目 | 仕様 |
---|---|
ドライバー | 10.8mmカーボンファイバードーム振動板ドライバー |
Bluetoothバージョン | 6.0 |
対応プロファイル | A2DP、AVRCP、HFP、HSP |
対応コーデック | AAC、SBC、LDAC |
接続可能距離 | 15メートル |
マルチポイント接続 | 2台まで可能 |
バッテリー | イヤホン:60mAh × 2 充電ケース:490mAh |
稼働時間 | 最大10時間(LDACオフ) 最大5.5時間(LDACオン) 充電ケース込み40時間(LDACオフ) 充電ケース込み22時間(LDACオン) |
充電端子 | USB Type-C |
サイズ | 充電ケース:66 × 48.3 × 28 mm |
重量 | イヤホン (片側):5.7g 充電ケース:49.2g |
カラー | シルバーグレー、ホワイト |
防水・防塵 | IP55 |
2. 付属品・筐体
外装のパッケージです。LDACとHi-Res、Fast Pairのマークが印象的です。安っぽくなく「いい感じ」に思われました。
同梱物はマニュアルと保証書、イヤホン本体が格納された状態の充電ケースとUSB充電ケーブルです。
充電ケースです。ツルっとした素材で、角もなくポケットへのおさまりは非常に良いです。
充電ケースの蓋を開けるとついにイヤホンと対面です。ただ、蓋を開けると安定しなくなるので、開いたままで置いておくことはあまり考えられていないように感じました。
イヤホン本体です(保護用のシートが貼られた状態です)。色で左右がわかるのがおしゃれでいいですね。(Red)が右(Right)です。ツルの部分はA級ニッケルチタン形状記憶合金ワイヤー製で弾力のある素材です。
装着方法の説明です。音が出る球体の方を耳に入れて挟み込むようにします。最初は「違和感ありまくり」でしたが、実はこの装着方法、眼鏡のツルに「全く干渉しない」んです。耳掛け式のオープンイヤーイヤホンも良かったんですが、眼鏡のツルと干渉して、もしマスクまでした日には「耳の上が大渋滞」となるので、イヤホン装着を諦めていたんです。ですが、イヤーカフ型の場合、このような問題はありません。これには正直感動しました。
(この画像は英語ですが)マニュアルはしっかり日本語化されているので、困ることはないと思います。スマホアプリのダウンロードリンクはQRコードもあるので、スマホで読み込めば各ストアでアプリが表示されます。地味ですが、こういう「使う側への心配り」がすごくいいですね!
3. アプリ
まず、スマホでイヤホンとペアリングを行います。やり方はマニュアルにある通り、ふたを開けてスマホ側でBluetoothのデバイスの追加を行えば、「EarFun Clip」が見つかるので追加します。まあ、Bluetoothのいつもの手順ですね。接続出来たら、ダウンロードしておいたアプリを起動します。
本機は「Fast Pair」に対応しています。
Fast Pairでは、このようにBluetooth BLEを使い、自分でBluetoothのペアリングモードに入らなくてもペアリングを行えます。使ってみるとわかりますが、すごく便利です。
(1)アプリに関してはプライバシーポリシーなどに同意が必要です。
(2)AppleやGoogleのアカウントで登録しましょう。
(3)Bluetoothのアクセス権を付与しましょう。
この画面は既に吟遊詩人用にカスタマイズされています。初期状態では恐らく「バージョン」のところが赤くなっていると思います。バージョンアップを促している状態ですね。バージョンをタップするとバージョンアップ画面になりますので、バージョンアップをしましょう。
レビュー中に2回バージョンアップがあったので結構頻繁に機能向上をしているようです。頼もしいですね!
製品チュートリアルを選ぶと紙のマニュアルと同じものが電子媒体で見られます。これで、あれ?この機能なんだっけという時でも、紙のマニュアルを探さなくてもいいので便利です。
マルチポイントとLDAC
ちょっと面倒なのがここです。デュアルデバイス接続とBluetoothオーディオの品質は「排他」となっています。LDACはBluetoothの帯域を目いっぱい使う高音質コーデックなので、LDACをオンにするためにはマルチポイントをオフにする必要があります。
…それはわかるのですが、自動的に排他にはなりません。
つまり、デュアルデバイス接続がオンになっている状態からLDACを有効にするには、次のようなステップを踏む必要があります。
1.デュアルデバイス接続をオフにする。
2.イヤホンが再起動
3.Bluetoothオーディオの品質のLDACをオン
4.LDACの注意事項などが表示されるので確認をタップ
5.イヤホンが再起動
これでやっとLDACが有効になります。
4. 使用感
音質
LDACを有効にし、Xperia 5 IIIとLDAC接続で音楽を再生しました。残念ながら吟遊詩人はHi-Res音源を購入していないため、代わりに「ハイレゾ対応」とされるFlac形式の音源をダウンロードして聞き比べを行いました。
結果として、LDACの方が音の解像度が高く感じられました。特に、大きな音に埋もれがちな細かい音(背景音や余韻など)が、AAC接続では潰れてしまう一方、LDACではより明瞭に再生されました。また、以前LDACを試した際には、吟遊詩人のPC/スマホ環境だと接続が不安定になることがありましたが、今回はそうしたトラブルはなく、非常に安定していました。
再生環境がまったく同一ではないため断定はできませんが、EarFun Clipは接続品質も含めて良好な印象です。Hi-Res音源を多数所有している場合は、LDACを常用することで音質面でのメリットをより享受できるでしょう。ただし、LDACは明らかに消費電力が大きく、バッテリーの減りはやや早く感じました。
なお、AAC接続でも音質が著しく劣るというわけではありません。日常使用では十分満足できるレベルです。
このイヤホンのスピーカー構造にも注目です。スピーカーユニットは球体部分(耳にいれる側)の真ん中ではなく、45度ほど斜めに配置されています。これにより、音が耳道により近い位置から伝わるため、音漏れを抑えつつ、クリアで臨場感のある音質を実現しています。
この点についてはメーカーの説明そのままではありますが、実際に装着してみて嘘偽りないと感じました。耳に装着している感じからは信じられないほど良い音がします。しかも耳を完全に塞がない構造なので、外の音もしっかりと聞こえます。
操作性
物理ボタンはしっかりと押し込む必要がある構造です。これは賛否が分かれるかもしれませんが、吟遊詩人としては誤操作がなくこちらの方が好ましいと思います。例えば髪が耳に触れた際や不意に手が当たった際などに誤操作するリスクが小さく、安心感があります。
操作は「1回押し」「2回押し」「3回押し」「長押し」の4パターンがあり、アプリを使ってそれぞれに機能を割り当てることが可能です。ただし、すべての機能をすべての操作に割り当てられるわけではなく、例えば「ゲームモード」や「マナーモード」への切り替えは3回押しにしか設定できないなど、いくつか制限があります。
操作自体は慣れれば問題ありませんが、カスタマイズの自由度という点ではやや物足りなさを感じる場面もありました。
装着感
最初は耳をつままれているような感じがして、違和感がありました。しかし、しばらく使っていると次第に慣れてきます。慣れてしまえば重さも気にならなくなります。
吟遊詩人は眼鏡をかけているのですが、耳掛け式オープンイヤー型では、眼鏡のツルと干渉してイヤホンがズレたり、逆にイヤホンを直すと眼鏡が動いてしまったりと、煩わしさを感じていました。しかし、イヤーカフ型の本機はその心配が全くないのです。なんならマスクのひもも気になりません。
こんな感じなので一日中つけていても快適で、耳への負担もほとんど感じません。また、防塵防水性能はIP55に対応しており、シャワーを浴びて水がかかるくらいなら問題ありません(ただし、水没には対応していませんのでご注意ください)。
バッテリー
AAC接続時のバッテリー持ちは非常に良好で、吟遊詩人の環境ではテレワークで一日使ってもバッテリー切れにはなりませんでした。終業時には残量警告のアナウンスが流れましたが、それでも9時間以上は連続使用できた計算になります。
軽快な装着感を保ったまま、ここまで長時間駆動できるのは驚異的とすら感じます。LDAC接続時にはバッテリーの減りが早くなりますが、AACでの使用をメインにする限り、日常的な利用には十分だと思います。
5. まとめ
EarFun ClipはEarFun公式サイトとAmazonで販売中です。7月28日現在の価格は公式サイトで5,992円(製品ページのクーポンを使用した価格)、Amazonで6,490円です。なお、価格は変動しますので、下記のリンクボタンでチェックしてください。
本機は、暑い季節にこそ向いていると感じました。汗をかいても全然支障がない(不快感がない)からです。
カナル型イヤホンは密閉性が高く、汗をかいてしまうと耳が蒸れてしまいますし、外の音が聞こえないので野外での使用は厳しいです。また、耳掛け式のオープンイヤー型はアーム(イヤーフック)の部分があり、耳と接触面積が広いため、やはり汗をかくと不快に感じます。
本機のようなイヤーカフ型だと耳への接触面積が最小限で、汗の不快感もほとんどありません。暑い日本で登校/出勤しなければいけない我々にとって「救世主」といってもいいでしょう。
本機は価格帯も手ごろなので、野外での活動がある人は一つ持っておくと音楽に囲まれた生活がパワーアップします。バッテリー内蔵のイヤホンはある意味消耗品(バッテリーが劣化するとどうにもならないため)ですのでこのくらいの価格帯でいろいろ試してみるのもお勧めです。
6. 関連リンク

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