こんにちは、natsukiです。ちょっと前に、DB POWERの「DVDプレーヤー」のレビューがありましたが、今回は、その「子供向けバージョン」の製品をレビューさせていただきます。レビューさせていただく製品は、今回もDB POWERに提供していただきました。DB POWERにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
はじめに、あらためて申し上げておくと、この製品は「子供向け」です。まあ、見た目からして、大人が自分から使うためにコレを買うことはないと思いますが。それで、大人の目線と子供の目線って、なんか根本的に違うんですよね。何が言いたいかというと、普段のレビューで気にしている「純粋な性能の高低」は、子供向け製品についてはあまり意味をなさないということです。
ということで今回のレビューは、実際に使った小学校2年生の娘の意見を参考にしつつ、子供のいる親の目線でのレビューとなっています
目次
1.子供のテンションが上がる筐体
箱と同梱品
まずは、一応外箱と、同梱品の紹介を。
同梱品のケーブルは、左からコンセントでの充電・給電ケーブル、車載シガーソケット用の充電・給電ケーブル、映像入出力用の「4極3.5mm―3本RCA」ケーブルです。
リモコンは、細かい操作用に。ただ、基本的な操作はリモコン無しでも十分できます。書類は、右上から、取扱説明書、車載用ホルダープレゼントキャンペーン申込書、保証書、となります。真ん中のキャンペーン申込書ですが、Amazonにレビューを書くと車載ホルダーがもらえるキャンペーンをやっています。これは必ずやっているキャンペーンかは分かりませんが、車載ホルダーの購入を考えている人は、とりあえず製品が届くまで買うのは控えて、キャンペーンをやっていたらそれで手に入れてしまうのがいいと思います。
分かりやすい筐体
筐体は、はっきり言って、大人の目から見ると「チャチい」、しかし、子供の目から見るとテンションMAX! 例えば、大人目線だと、GPD Pocketとかこそ、撫でながら思わず「これはよいものだ」とか呟いてしまうわけですが、子供は見向きもしないですね。一方、このDVDプレーヤーは、一目見るなり「わ~! なにこれ!?」と声が裏返ります。手に取ると、もう、満面の笑みが止まりません。なぜか、こういうプラスチック感バリバリの方が子供には受けるんですよね。
なお、このキャラクター、一見、某ネズミの国のキャラクターのようですが、よく見るとどのキャラクターとも異なります。まあ、著作権とかうるさいですから、既存のキャラクターではなく、それっぽい(笑)オリジナルのイメージキャラクターということのようです。
ディスプレイは、9インチで、解像度は1,024 × 600ピクセルです。DVDはそもそもが720 × 480ピクセルで記録されているため、これで十分でしょう。そして、ご覧のように回転します。こういうギミックも、子供心をくすぐります。ただし! 一点だけ、重要な注意を。
180度回転ギミックは、「時計回りのみ」で、反時計回りは、画像のように90度までしか回転しません。これだけは、あらかじめよく注意しておかないと、「バキッ」とやりかねません。このギミックは、小さい子供に操作させるのはちょっと不安かもしれませんね。大人がやってあげましょう。
操作ボタンは、この通り。真ん中の丸形キーとその下側に並ぶキーで、十分基本的な操作ができます。特に説明が無くても、子供でも直感的に使えます。実際、娘も説明書なんかまったく読まずにすぐに使いこなしています。
リモコンはこんな感じ。ただ、実際にはあんまり出番は無いでしょう。後述の、レーティング機能のパスワード設定くらいかな。
2.ポータブルDVDプレーヤーとして十分な性能
ディスプレイとスピーカー
性能評価で最も基本となる、ディスプレイとスピーカーです。
レビュー画像は、ちょっと酷なものを選んでますね。絢爛豪華な映像美とガチな音響で、DVDという媒体の性能を限界まで活用しきっている「オペラ座の怪人」コレクターズエディションです。この他には、子供向けのアニメや、発表会のDVDなども見ています。
まず、ディスプレイは、発色は非常に美しい。ただし、典型的なTN液晶で、今流行りの「くっきり感」はさほどありません。別に悪いということではなく、素直なDVDの画質であるということです。
ちなみに、ちょっと脱線しますが、「ポータブル」で使うことを考えると、DVDくらいの画質がちょうどよいと思います。どういうことかというと、乗り物で鮮明なディスプレイを見ると酔いやすいんです。私自身、最近、長距離バスでVivotab Note8(8インチで1280×800ピクセル)を使っても酔わなかった、新幹線でGPD Pocket(7インチで1,920 × 1,200ピクセル)を使うと酔う、という経験をしました。ましてや子供は、気付かずに映像にのめり込んで、突然限界に達して「オロロロロ…」といきますからね。
やや残念なのは、前回のレビュー製品でもそうでしたが、視野角がかなり狭いこと。見えなくなるほどではありませんが、正面から30度くらい外れただけで、白っぽくなってしまいます。まあ、これも「オペラ座の怪人」が、全体的に暗いシーンが多いから目立つということで、明るい色調の子供向けアニメなんかだとさほど気にならなくはなります。
スピーカーは、いわゆる「高性能」とは方向性の違うものです。低音や高音は弱いですし、常に多少「サー」という音がスピーカーから出てしまうのと、駆動音がそこそこするため、小さい音や細やかな音は苦手です。しかし一方で、大音量の方は健闘していて、このサイズにしてはかなりの音量でも割れません。つまり、静かな場所で音にこだわった作品を鑑賞するのには向きませんが、音量のレンジが狭い子供向けのアニメ作品や、発表会のDVDなどを鑑賞するには十分快適です。特に、低音や高音が弱いということは、結果的に人間の音声が聞き取りやすくなります。この辺は、使用目的に合わせてうまく構成しているなー、と思いました。
シンプルな操作性
上述のように、リモコンは基本的に必要無く、小学2年生が直感的に操作して使いこんなしています。私が注意したのは、「ディスプレイを逆方向にひねるな」(笑)ということだけでした。
公称通りの電池保ち
電池保ちは、公称3時間以上。実際、3時間は十分保ちました。子供向けの映画作品って、だいたい1時間半程度なので、ちょうど2本見られる計算になります。もうちょっと頑張って欲しかったかな、とは思いますが、実際、旅行などに持っていくとしてバッテリー使用で3時間以上時間をつぶすということはないでしょう。想定されるのは車の中かもしれませんが、シガーソケット用給電プラグは付いていますので。それに、子供は寝ますからね。
レーティング設定
子供向け、ということで、レーティング設定が可能です。設定した以上のレーティングを再生するには、パスワードが必要になります。うちの場合は、レーティングがあるようなDVDを持っていないので、正直、この機能は使わないのですが、DVDをたくさん持っている場合は、勝手に子供が再生して見ないように、有用な機能かと思います。
3.惜しいぞ、付属機能あれこれ
ポート類は、ご覧のとおり、かなり充実しています。
まあ、あくまで単独で完結するDVDプレーヤーなので、外部接続機能はオマケということになると思いますが、ひととおり見てみます
外部入出力
外部入出力端子は、4極ミニプラグ(本機)から3本RCAへ。わざわざ、本機へ入力することはちょっと考えにくいので、使うとすれば出力でしょう。DVDであることを考えれば、HDMIでないことはやむを得ませんね。もし必要なら、3本RCからHDMIへの変換プラグはAmazonで数百円で手に入ります。
給電
本体の給電電圧は、9V~12Vと表記されていて、ポートの形状はDC-INです。ということは、一般的な、USB出力タイプのモバイルバッテリーからは給電できません。一方、車のシガーソケット用の給電アダプターは同梱されています。
USB、SDカード読み込み
これ、惜しかった機能です。子供向けだからこそ、もうちょっと作り込んでくれれば魅力になり得たかもしれないのに。
まず、動画再生ですが、これも前回のレビューにあるようにmp4には対応していません。最近のmp4は高画質が前提ですから、DVDプレーヤーには荷が重いのでしょうか。
また、プライベートなDVDのデータを、USBメモリに「そのままコピー(ifoファイルと、vobファイル)」、「仮想化(isoファイル)」の2通りでコピーして試してみましたが、いずれも読み取りできませんでした。DVDそのままであれば、もちろん問題なく再生できます。vobファイルは対応表には載っているんですがねぇ。動画の形式というのは、拡張子だけではなく、実際にはそうとうややこしいらしいので、対応をうたっているものでも、ものによって再生できるものとできないものがあるのだと思われます。
それから、SDカードスロットが付いていることで期待したのが、画像ファイルビュワーとして。これ、需要あるんですよ。旅行なんかの時、デジカメで取った画像を宿や移動中に大きめの画面で確認できたら楽しいですからね。
で、結論から言うと、イマイチでした。
まず、表示はこのような感じになります。
ご覧のように、ファイル名が列挙され、右側にプレビューが表示されます。ここは、サムネイル表示が良かった。それと、プレビュー表示が非常に遅い(画像のプレビューは顔が映っているのでぼかしてあります)。
また、画像を表示するにしても、問題がありまして、ちょっとこの画像だと分かりにくいんですが、これ、本来は3:4です。それを、画面サイズの1024×600ピクセルに合わせて、横方向に無理矢理引き延ばしちゃってます。比率を維持してその分左右に余白を作って、とは表示されません。
操作性もいただけない、画像を表示した状態は、スライドショー状態になって、一定時間で次の画像に切り替わり、止めたければ「再生・一時停止」ボタンで止められます。しかし、上下左右や送り・戻しボタンなど、どれを押しても、「画像の回転・反転」になってしまい、「次の画像に切り替え」ができないんですよ。つまり、任意のタイミングでの画像送りができない。これでは使いづらい。
まあ、DVDプレーヤーとしてはオマケの機能なのであんまり作り込んでないのかもしれません。サムネイルやプレビュー表示の迅速化は、本来の部分でないところで処理能力を喰いますし。でも、「子供向け」だからこそ、ここは本当に「惜しい」と思った。大人向けなら、そもそも1,024 × 600ピクセルという解像度の時点で、静止画機能には期待しません。でも、子供向けの場合は解像度とかどうでもいいんですよ。撮った写真をすぐ大きく見られる、それだけで楽しいんですから。
4.まとめ ― 子供用に「ちょうどよい」製品
前回のDVDプレーヤーのレビューの冒頭でも触れられているように、「DVDプレーヤー」というジャンル自体が、大人目線からすれば存在意義が薄れつつあるものかもしれません。が、子供にとっては、DVDというのはまだまだ需要のある媒体だと思います。
まず、子供にとっては、質より量。好きな作品をじっくりと何回も見直すということは、あんまりありません。だからこそ、TSUTAYAなどでも、特に子供向けジャンルを中心にDVDレンタルは健在です。それから、行事や発表会などの記録って、コストの問題もあって、こちらもまだまだDVDが主流です。大人目線でいえば、時代はブルーレイということになるでしょう。でも、子供の世界では、「廉価」かつ「枯れた」媒体であるDVDは依然として現役バリバリということです。
と、せっかくのレビューなので、ここまでいろいろと細かいことも書いてきましたが、総評としては、娘が、普通にテレビ画面で見たら確実に途中で飽きるであろう「オペラ座の怪人」を、このDVDプレーヤーでは最後まで熱中して見ていた、という事実がすべてでしょう。自分で自在に扱えるからこその喜びってものがありますから。
この製品はAmazonで6,599円となっています。ポータブルDVDプレーヤーは、だいたいこのあたりの値段で商品の差別化が少ないジャンルですが、子供向けにということであれば、これで決まりだと思います。蛇足ながら、親としては、見せたい作品、ってのがある一方、熱中されすぎるのも困りものです。使用にあたってはルール作りも大切ですね。
5.関連リンク
子供用 9型 ポータブルDVDプレーヤー:Amazon
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