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Teclast TBook 16 Pro - 11.6インチの中国タブレット(2 in 1)を日本メーカー製品と徹底比較(読者レビュー:もりけんさん)

Teclast Tbook 16 Pro
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は中国製品の読者レビューです。中国製品は近年どんどん品質が向上していますが、依然として日本メーカーの製品よりはずいぶんと割安です。「安かろう、悪かろうなんじゃないの?」という疑問や不安を感じるのも無理のないところ。レビュアーの「もりけんさん」はそんな疑問にしっかり回答してくれます。きっちりと欠点を指摘し、その上でいいところもきちんと見ています。中国製品はまだまだ日本メーカーの製品に品質面で及びませんが、このレビューを見てもらえれば購入する価値があるのかないのか、ご自分なりの判断ができるのではないでしょうか?では、もりけんさんのレビューをどうぞ!

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1.はじめに

こんにちは、ウィンタブ様のご厚意によりTeclast TBook 16 Proのレビューをさせていただく機会をいただきました、もりけん、と申します。

今回は今までに使用してきた2 in 1のリプレースを目標に今回のTeclast TBook 16 Proをいろいろ触ってみました。レビューにあたりウィンタブ様には十分な時間をいただけたので、他の端末を封印し、無理矢理Teclast TBook 16 Proで置き換えることでこの端末ととことん向き合ってみましたのでレビューにまとめさせていただきます。

2.リプレースされた端末たち(比較対象)

Teclast TBook 16 Proを使用前に使っていた端末がこちらになります。

Windowsマシン

Teclast TBook 16 Pro それまで使っていたWindowsマシン
Windows搭載機の対抗馬はこちらの「VAIO Duo 11」と「VAIO Tap 11」になります。SonyなVAIO末期に発売された機種で、両方とも画面サイズは11.6型ワイド(16:9)とTeclast TBook 16 Proと同じサイズです。Duoはスライダーを搭載した独創的な非分離型2 in 1、Tapはキーボードを除けば所謂surfaceタイプに近い2 in 1です。

Androidマシン

Teclast TBook 16 Pro それまで使っていたAndroidマシン
Android搭載機の対抗馬はこちらの「XperiaTabletZ4+専用キーボードBKB50」です。白が素の状態をスタンドにかけたもの。黒はBKB50とドッキングした状態になります。

11.6インチのTeclast TBook 16 Proより一回り小さいサイズになります。ヒンジ付きキーボードという点は同じですがこちらのキーボードはBluetooth接続です。国内メーカーや有名海外メーカーのAndroidタブレットは最大で10.1インチというサイズを採用しているところが多いですね。

実際のところ、Windows環境が必要な時だけVAIODuo/Tapを引っ張り出してくるような感じで基本的にXperiaZ4Tabがレギュラーですので、Z4Tabとの比較をメインに行っていきたいと思います。

3.リプレース前に…カタログスペック/計測結果まとめ

具体的な比較に入る前に、カタログスペックのおさらいとベンチマークの結果です。ウィンタブ様でも触れられているので、さらっと流していただければと思います。

Teclast TBook 16 Pro スペック比較

クリックで拡大します

※VAIOのバッテリー容量は公式値ではありません。表の値は私が個人で分解した際バッテリー表面に印字されていた値になります。また、OSクリーンインストール、分解してSSD他の交換を行っているためVAIOの性能は普通に購入したものと多少ずれている可能性があります。

ドラクエベンチは全て「標準品質/1280×720/ウィンドウ」、Windowsのバッテリープランは「バランス」に設定し、バッテリー満充電してACに接続した状態で行っています。ベンチマークはAntutu、ドラクエ両方とも間隔を5分以上開けた上で5回測定しました。中央値のものを掲載します。

最新のSnapdragon820を搭載したXperia X Performanceはもちろん、1年以上前のSnapdragon810を搭載したXperia Z4 Tabletともベンチマークでは大きな差がついていますが、そもそも外出中にそう重い作業をさせることはないのでCPUの差をはっきり体感することはありませんでした。ギリギリではありますが801搭載のXperiaZ3には勝てているのでちょうど2年前のフラッグシップあたりの性能ということですね。

Windowsマシンとは…旧型とはいえさすがにCore-iシリーズと比較するのはかわいそうですね。

4.リプレースしてみて感心した点、気になった点

さて、ここからは実際の利用で気付いたことに関して項目ごとにまとめていきます。

1)ディスプレイについて

解像度はFullHD(1,920 × 1,080)で、Windowsマシンでは標準的なアス比16:9を採用しています。画面の美しさは流石にVAIO/Xperiaシリーズ勝つ、というところまでは行きませんでしたが十分に美しいです。視野角も十分確保出来ているようで、普通に使う分には特に気になる点はありません。

勝つと言うところまでは行かない理由として、Tbookのディスプレイは、全体的にやや白いというか、薄いような色だという印象を受けたという点が挙げられます。黒が灰色っぽく、青が水色っぽく見えるとでも言いましょうか。ただこれは比較対象があって初めて気付くようなレベルのもので、決してTbookのディスプレイが美しくないということではありません。客観的に見て美しく視野角広くバックライトも十分明るい。天気の良い日に屋外に持ち出してみましたが十分画面を認識することができる、素晴らしいディスプレイだと感じました。

欠点らしい欠点が見つからなかったディスプレイですが、強いて欠点を挙げるなら「縦の長さが足りない」と感じたことでしょうか。

Windows 2 in 1の代名詞とも言えるSurfaceシリーズは3:2(Pro4で2,736 × 1,824)という解像度を採用していますし、XperiaシリーズやHuaweiのMediaPadシリーズなんかは16:10(1,920 × 1,200)を採用しています。普段使いでXperiaZ4tabletを使っているからか特にタブレット利用の際に違和感を覚えました。タブレットとして使うときに16:9っていうのはちょっと横長すぎるのかなぁと。Windowsは標準でタスクバーの位置を上下左右に変更できるので左あたりに配置してしまえば多少広さを確保できますが、Androidでは上には時刻や通知領域が、下にホームボタンなどの領域が固定で表示されていますので、横で使う時には実質的な表示領域が本来の比率より横長になることになります。16:8=2:1くらいの感覚になってしまうイメージです。まぁこれはあくまでAndroidタブレットとして見た時の話であり、元々16:9が一般的なWindowsノートとして用いる分にはむしろ慣れ親しんだ環境で使用出来るため一概に悪いこととも言えませんね。

2)キーボードの質感、使い勝手について

2 in 1の使用方法は人それぞれだと思います。動画サイトの再生、電子書籍リーダー、ゲームといったコンテンツを消費型の使用をするもよし。書類作成や簡単な画像編集といった生産型の使用をするのもよし。

でもせっかく重さを増やしてキーボードをつけているのだから、2 in 1を買う人はきっと「入力する」というケースを少なからず意識していると思います。そうなればキーボードの質感というのは気になるところ。そこでTbookを少々持ち歩いて「講演や会議の内容をパソコンで文字におこす」といった作業を複数回行うことで「入力」について検証してみました。

まず良かった点から紹介します。

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Tbookのキーボードはキーピッチもキーストロークも必要十分確保されています。私が使用した環境ではチャタリングなどの発生もなく、普通に使うことができました。話の内容をタイプするときはめいっぱいのスピードで打っていたのですが、少なくとも私の打鍵スピード程度では誤作動を起こすことはないようです。

VAIOTapやXperiaのBluetoothキーボードでは打ち始めが遅延する現象がちょくちょく生じるのですが、TbookではWindows/Androidどちらで使っても物理接続のためか反応は良好でした、これは嬉しい。

Teclast TBook 16 Pro ヒンジ部分拡大
キーボード付属のヒンジも十分に角度が確保されていることがわかります(手前に写っているのがXperiaZ4Tab、後ろがTbook)。Z4Tab×BKB50より5度程度大きく角度をとれるようになっておりこれも好印象でした。

ここからはちょっとうーんな点を。

打鍵感は、値段なりです。なんというか「カチカチ」という感じというよりやや「ポフポフ」という感じの打鍵感ですね。そしてカチカチしないから打鍵音が小さいかと言えばそうでもないです。講演会等のシチュエーションではちょっと音が周りに迷惑をかけていないか気になってしまいました。

ウィンタブ様でもキーボードの質感については「キーボードが浮く」ことによる打鍵感の悪化を指摘されていますが、実際に使っているとキーボードがの浮きが少ないVAIODuo/Tapはもちろん、同一の構造を持つXperiaZ4Tab×BKB50と比較しても打鍵感はあまり良くないことに気付きます。

Teclast TBook 16 Pro ヒンジ部分比較
画像の通り、Xperia×BKB50(下)とTbook(上)の構造はよく似ていまず。浮く高さもほぼ同じ。

それでよくキーボードを見てみると…

Teclast TBook 16 Pro 浮き
手持ちの撮影機材ではこの位の写真しか撮れなかったのでわかりにくくて申し訳ないですが…。右手前のゴム足が浮いてしまっているようです。キーボードが多少ゆがんでいるのかゴム足の個体差なのかは不明ですがこれが打鍵感悪化の一因になっているように思います。


上記の動画を見ていただければ分かると思いますが、押したキーの周辺も動いてしまっています。単純にキーボード自体の剛性が足りてないのかなと。

この「浮き」と剛性不足から来る「たわみ」は打鍵感の悪化を生じさせているだけでなく、キーボードが動くことでタブレット側も打鍵しているときに揺れも生じさせてしまいます。神経質な方だと気になるかもしれません。剛性不足はどうしようもないですが、浮き自体は1mm程度なので下にプラスチック物差しを一本かませるとキーボードの安定感が増して打鍵感は多少改善しました。

Teclast TBook 16 Pro キーボードを逆に
あと、この機種はタブレットを逆にしてキーボードにはめ込むことは出来ません。アシストに結構強力な磁石が用いられているようで反対にはめ込もうとすると反発してどう頑張っても押し込めません。最後に、Android側ではFn+ファンクションキーでの音量調整などが出来ませんでした。

3)バッテリー性能

Windows側で使用する分にはよくもつバッテリーのように感じられました。特に今までのWindows端末の感覚で使っていると「まだこんなに残っているの!?」となることが多かったです。

タブレット型であってもCore-iシリーズのCPUに冷却ファンを搭載したDuo11やTap11は消費電力が大きく、省電設定などを使わず連続使用すればもって3時間というところ。この機種はWindowsで省電力設定を使わず明るさ50%で連続使用しましたが5時間は完全にもちました、さすがAtomですね(動画再生などを行えばもっと短くなる可能性はあります。)。

一方Android側ではXperiaTabシリーズに比べ減りが早いです。

Teclast TBook 16 Pro バッテリー性能

クリックで拡大します

画像上がTbook、下がXperiaZ4Tabを25時間放置した結果です。25時間でTbookは60%、XperiaTabは79%まで減少しています。このように特に待ち受け時の減り方が顕著で、私が常用する上で使用するアプリなどをインストールし、Wifi,Bluetoothオン(キーボードとペアリング状態)のXperiaZ4Tabletに対し、無線関係を全てオフにし、ほぼアプリなど追加してないまっさらな状態にも関わらず、TbookはXperiaZ4Tabの1.5倍のペースでバッテリーを消費していることになります。スペック表を見ていただければ分かるのですが、バッテリー容量自体はTbookのが大きいのですけどね。これがCPUの種類の差なんでしょうか。

4)筐体全般…etc…

上の表でカタログスペックを見たときから分かってはいましたが、筐体は結構重めです。タブレット本体だけでXperiaZ4Tab+BKB50(専用キーボード)より重いのは持ち運ぶときやや辛いですね。

あ、そういえばこちらで使用して気になった点が一つ。microUSBからの充電が普通にできました。一応手持ちのケーブルと充電器全てで組み合わせを試しましたが全て問題なく…出来ないと思っていたので嬉しい誤算でしたね。

5.最後に

すでにウィンタブ様およびかのあゆ様がレビューされている通り、本製品は非常にスタンダードな構成の製品となっておりカタログスペックに不満が出るものではありません。

そして実際の使用を経ても印象は変わらず、実に素直で良いものだと感じました。上では結構辛めにレビューを書いたつもりですが、裏を返せば上に書いたくらいしか不満が出なかったということでもあります。

レビュー冒頭で述べたリプレースに関してもWindowsマシンとしては十分出来ると感じました。逆にAndroidとしてはちょっと厳しいかな…と。

これはTbookどうこうという問題というよりWindowsとAndroidというOSに存在する方向性の違いのためであり、一つの筐体で両方の条件を満たそうとするとどうしても生じてしまう部分ではあると思います。この製品は比較的大型であり、Windowsを使うのに向いているため「ウィンタブ」で紹介された製品らしくWindowsの2 in 1として使ってあげればきっと皆さんの期待を裏切らない一台になってくれると使用して感じました。

メーカーの名前やブランド力といったものにこだわらない方であれば、十分満足いく製品であるというように思います。

5.関連リンク

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※レビュアーが使用している製品はGearbestの提供品です。

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