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スティックPC 機種比較 - 選択肢がすごく増えましたね(2015年8月現在)

スティックPCなので杖
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。昨年11月にマウスコンピューターが初めて日本市場に投入したスティックPCですが、ポケットにもラクラク収まる超小型サイズと2万円そこそこというお手軽な価格によって大ヒットとなりましたね。現在ではマウスコンピューターだけでなく、いろんなメーカーでスティックPCが販売されています。そうなると「どれを買えばいいの?」という話になるわけで、今回はスティックPCの機種比較をしてみたいと思います。

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1.スティックPCの差別化ポイント

タブレットやノートPCの場合、「CPUガー」とか「デザインガー」とか、機種選びの際にいろいろチェックしておきたい項目があるのですが、スティックPCの場合、CPUはすべてIntel Atom Z3735Fだし、RAMは2GBだし…ということで、製品ごとの差別化ポイントは多くありません。ですが、よく見るとそれぞれ個性があるので、チェックすべき相違点を最初に洗い出しておきましょう。

OS

2015年8月12日現在、スティックPCに搭載されているOSは「Windows 8.1」「Windows 10」「Windows 8.1 Pro」です。法人でスティックPCを導入する場合はリモート接続ができるPro版OSを選択するというのもあるかもしれませんが、通常の場合はWindows 8.1かWindows 10を選択することになります。Windows 8.1を選択しても1年間は無償でWindows 10にアップグレードできるので、「慣れないOSはちょっと心配」という人はWindows 8.1を、「面倒なアップグレード作業はイヤ」という人はWindows 10がプリインストールされている製品を選べばいいでしょう。でも、スティックPCというのはサイズこそ超小型ですが、実用面ではデスクトップPCやノートPCと同じ利用スタイルになるので、Windows 10モデルにしといたほうがいいのではないか、と個人的には思っています。

ストレージ

ストレージはほぼ全機種が32GBとなっています。唯一例外となるのがマウスコンピューターの「MS-NH1」で、64GBのストレージも選べるようになっています。ただし、この製品の64GBモデルはOSがWindows 8.1 Proしか選べないこともあって、税込み39,800円と他の製品の2倍前後の価格になってしまいます。ストレージ容量は大きいに越したことはないですし、スティックPCをストレージ代わりに使う、というニーズもありますから、64GBモデルというのは魅力ですが、「とりあえずひとつ買ってみようか」くらいの感覚でスティックPCを購入するのなら32GBモデルで十分かな、と思います。

発熱対策

実はこれこそ各社が知恵を絞っているポイントになります。昨年マウスコンピューターが初めてスティックPCを発売した後、発熱による性能低下というデメリットが指摘されました。スティックPCはサイズを極限まで小さくしているため、冷却機能が他のPCやタブレットと比較して弱い、というのは事実だと思うのですが、高解像度の動画を長時間再生し続けるとか、かなりCPUに負荷がかかるような操作をしない限り問題はない、というのが私の(複数の実機を試用した上での)意見です。

現在、発熱対策として
・冷却ファンを装備
・大型のヒートシンクを装備
という対策が取られたものが出ています。どうしても心配なら、これらの製品を選ぶといいでしょう。でも、部品が増えれば故障のリスクは上がりますし、それが可動部品ならなおさら、ということも言えます。

入出力ポート

スティックPCは入出力ポートが非常に少ないです。ほとんどの場合、「フルサイズUSB × 1」と「microUSB × 1しかし給電専用」のみです。スティックPCはバッテリーを内蔵していないため、microUSBは常に給電に使わなくてはならず、実質的に使えるのはフルサイズUSBがひとつだけ、となります。なので、ハブを用意することは必須です。ひとつの無線レシーバーで複数のデバイスを接続できる機器があり、そういう機器を持っている場合はハブは不要ですが、そうでなければやっぱりハブがいりますね。また、キーボードやマウスにBluetoothを使う、というのはいい考えですが、スティックPCを初期設定する場合だけはBluetoothキーボードは使えません。BluetoothはOSが起動して初めて使える機能だからです。したがって最低限初期設定時はUSBキーボードが必要となります。

こういう制約がある中で、唯一ドスパラだけは給電用のmicroUSBのほかにもうひとつmicroUSBポートを備えています。たったひとつ、と思うかもしれませんけど、そうではありません。「普通は3つだけどこれは4つ」という場合は感動が少ないけど「普通は1つだけどこれは2つ」という場合はかなり感動します。ハブを使わなくてすむ場面がほとんどになりますから。なので、個人的にはこれはすごく大きな差別化ポイントであると思います。

価格

最後に「価格」です。機器構成的に差別化ポイントが少ないため、余計に価格差が気になるところです。発売当初は価格差があまりなかったのですが、ここにきて結構な差になっていますので、しっかり比較しておきましょう。要はこれまで書いてきた差別化ポイントをチェックして、自分の好みにあうなかで最安値のものを選べばいいわけでです。

なお、今回は「デザイン」と「サイズ(特に重量)」についてはあまり言及していません。スティックPCって、テレビとかPCディスプレイに接続するとほぼ存在感がなくなる(ほど小さい)ので、デザインは気にしなくていいかな、ということと、サイズについて確かに若干のばらつきはありますが、重さ40gでも60gでも、持ち歩く時に差を感じることはまずないよね、ということが理由です。

また、今回の記事内容のいかんに関わらず、「好きなメーカー」がはっきりしているのなら、そのメーカーの製品を選べばいいと思います。買って後悔するようなものはないと思いますから。では、上にあげた差別化ポイントに基づき、各社の製品をメーカーごとに紹介していきます。なお、それぞれの製品はすべてウインタブで紹介記事を書いているので、必要に応じて個別記事を確認してみてください。

2.マウスコンピューター

最初に紹介するのはスティックPCを最初に発売したマウスコンピューターです。「最初に出した」ということだけでも十分購入したい気持ちにさせてくれます。また、冷却ファンの有無によって2種類の筐体デザインがあり、ファンなしモデルはOSとストレージを選べるようになっています。スティックPCの草分けにして最大勢力と言えますね。

マウス m-Stick MS-NH1
製品名: m-Stick MS-NH1
OS: Windows 8.1 / 8.1 Pro / 10
ストレージ: 32GB/64GB(64GBはPro版OSとセット)
発熱対策: 特になし
入出力ポート: USB × 1, microUSB × 1(通電専用)
価格: 19,800円~39,800円(税込み)

コメント:日本初のスティックPCで、発売当初から変わらぬデザイン。おそらくもっとも人気の高い製品と思われる。Windows 8.1モデルは総額で2万円を切る。最近Windows 10モデルが追加されたが、「熱に弱い」と指摘されたこの機種にあえてモデル追加したのはマウスコンピューターの意思の表れか。

紹介記事:マウスコンピューター m-Stick MS-NH1 実機レビュー 「これ、楽しいわ」
公式ページ: スティック型PC 「m-Stickシリーズ MS-NH1」
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m-Stick MS-PS01F サイズ感
製品名: m-Stick MS-PS01F
OS: Windows 8.1
ストレージ: 32GB
発熱対策: 冷却ファン装備
入出力ポート: USB × 1, microUSB × 1(通電専用)
価格: 20,800円(税込み)

コメント: MS-NH1に冷却ファンを追加したモデル。プリインストールOSはWindows 8.1のみだが無償アップグレード可能。冷却ファン追加による価格差はわずか1,000円なので、熱対策が気になる人には向いている。

紹介記事: マウスコンピューター m-Stick MS-PS01F - あのスティックPCに冷却ファンがついた!
公式ページ: 冷却ファン搭載 スティック型PC 「m-Stick PS01F」
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3.ドスパラ

続いてドスパラです。ここのスティックPCは思わずおススメしたくなります。「冷却ファンの有無」「ひとつ多いmicroUSB」そして「価格」の3点が理由です。「ゲーミングPCのBTOメーカー」から「タブレットとスティックPC」への勢力拡張が感じられますね。

ドスパラ Diginnos Stick DG-STK1
製品名: Diginnos Stick DG-STK1
OS: Windows 8.1 / 10
ストレージ: 32GB
発熱対策: 特になし、ただし筐体はアルミ製で排熱効果ありそう
入出力ポート: USB × 1, microUSB × 1, microUSB × 1(通電専用)
価格: 15,984円(税込み)

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コメント: ドスパラが最初に投入したスティックPCで、購入時にOSを選択できる。また、microUSBポートがひとつ多いため、利便性が非常に高い。激安価格ながらアルミ筐体を使用し、安っぽさを感じさせない。

紹介記事: ドスパラ Diginnos Stick DG-STK1 - 激戦スティックPCで最安値の実力(実機レビュー)
公式ページ: Diginnos Stick DG-STK1

ドスパラ Diginnos Stick DG-STK2F
製品名: Diginnos Stick DG-STK2F
OS: Windows 10
ストレージ: 32GB
発熱対策: 冷却ファン装備
入出力ポート: USB × 1, microUSB × 1, microUSB × 1(通電専用)
価格: 15,984円(税込み)

コメント: 先行モデルDG-STK1に日本メーカー製の冷却ファンを装備した派生モデル。OSはWindows 10しか選べない。mcroUSBポートがひとつ多いというメリットはそのまま。価格もそのまま据え置きで、製造原価と販売価格の関係性を無視しているとしか思えない製品。

紹介記事: ドスパラ Diginnos Stick DG-STK2F - Windows 10搭載のファン付きスティックPC
公式ページ: Diginnos Stick DG-STK2F

4.iiyama

iiyamaはマウスコンピューターのブランド名となっているので、事実上マウスコンピューター製と言えます。とはいいつつ、スティックPCに関してはマウスコンピューター製品のネーム替えではなく、オリジナリティのあるものを投入しています。

Picoretta 全体図
製品名: Picoretta
OS: Windows 8.1
ストレージ: 32GB
発熱対策: 大型ヒートシンク装備
入出力ポート: USB × 1, microUSB × 1(通電専用)
価格: 19,800円(税込み)

コメント: スティックPCとしてはデザイン性が高く、白い筐体とグリーンのロゴが目を引く。発熱対策として冷却ファンではなく大型のヒートシンクを採用しており、その分故障のリスクも小さい。

紹介記事: iiyama Picoretta(ピコレッタ) -スティックPCがまた登場!今年のトレンドになるか?
公式ページ(パソコン工房): Windows搭載スティックPC – Picoretta(ピコレッタ)
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5.Intel

ブランド名にこだわるならこれかな、と思います。スティックPCは直販モデルが多いのですが、Intel製品は当然直販じゃないので、いろんなところで買えます。不具合等があった関係で発売延期とかのトラブルもありましたけど、なんといってもあのIntelの製品ですから、購入候補にしている人も多いんじゃないでしょうか?

Intel Compute Stick 上から見たところ
製品名: Compute Stick
OS: Windows 8.1
ストレージ: 32GB
発熱対策: 冷却ファン
入出力ポート: USB × 1, microUSB × 1(通電専用)
価格: 22,140円(税込み)※ i・oデータの価格

コメント: 標準的なスペックながら、冷却ファンを装備したIntel製品。直販モデルではないため、複数の販売会社があり、実売価格もそれぞれ異なるため、価格をしっかり比較してから購入するのがおすすめ。

紹介記事: Intel Compute Stick - スティックPC祭りがスタート!Intel製も日本発売決定
i・oデータの紹介ページ: インテル® Compute Stick
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6.EPSON

EPSONが、ということではなく「EPSONのスティックPCが」ちょっと影が薄いように思われますが、れっきとした日本の伝統大手メーカーの製品になります。スティックPCに参入していること自体、ちょっと新鮮な驚きがありますね。

EPSON Endeavor Sy01 サイズ感
製品名: Endeavor SY01
OS: Windows 8.1
ストレージ: 32GB
発熱対策: 冷却ファン
入出力ポート: USB × 1, microUSB × 1(通電専用)
価格: 19,440円(税込み)

コメント: やはり標準的なスペックながら、冷却ファンを装備している。価格もわずかながら割安。メーカーの信頼性は非常に高い。キーボードとのセット販売もやっており、セット価格は23,220円(税込み)と購入しやすくなっている。

紹介記事: EPSON Endeavor SY01 - 話題のスティックPC、今度はエプソンからも出たよ!
公式ページ: スティック型PC SY01

7.FRONTIER

個人的に注目しているのがここ、FRONTIERです。BTOパソコンの会社として有名ですが、スティックPCに加えWindowsタブレットの販売も開始しました。マウスコンピューターやドスパラに続いてほしいと願っています。
FRONTIER Palm Stick PS01H
製品名: Palm Stick PS01H
OS: Windows 8.1
ストレージ: 32GB
発熱対策: 大型ヒートシンク
入出力ポート: USB × 1, microUSB × 1(通電専用)
価格: 18,360円(税込み)

コメント:発熱対策として大型ヒートシンクを装備したモデル。価格も安く、送料無料となっているのでお買い得感は高い。筐体は白い独特のデザイン。BTOの会社でもあり、品質やサポート体制も万全と思われる。

紹介記事:FRONTIER Palm Stick PS01H - スティックPCにフロンティアが参入!祭りが本格化してるよ!
公式ページ: Palm Stick PS01H
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8.意見

最後に私の意見を書きます。タブレットや2 in 1の場合、ディスプレイサイズやCPU、ストレージ容量などのスペックがまちまちなので、一概に「どれがいい」なんてことは書けません。価格だけに注目して最安値を、という考えはあるでしょうし、「いつもこのメーカーのを使ってるから」なんてのもあるでしょう。スティックPCに関してもそれは同じことなのですが、システム的に差別化できるポイントが少ないため、ある程度機種選択は容易になるとは思います。

それも踏まえて、ウインタブらしく1社を選ぶとしたら、現時点ではやはりドスパラになります。最近ドスパラはいろいろと製品を貸してくれたりして、こちらとしても感謝している、というのはありますが、今回出した結論はそういう話とは関係ありません。あくまで製品として優れていて、コストパフォーマンスがもっとも高い、というのが理由です。スティックPCは複数回試用したことがあります。そして、USBポートの数に余裕がある、ということのありがたみはよくわかっているつもりです。また、価格に関しても、結局最安値はドスパラなんです。あと、ファンつきもファンなしも同じ価格なんてことをやってるのもドスパラです。Windows 10もプリインストールされてます。そんなことを考えていくと、公正中立に、ということを呪文のように唱えた上でもやっぱりドスパラに軍配をあげざるを得ません。みなさんのお考えはどうでしょう?

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コメント

  1. ステッキの画像に笑ってしまいました。

    • wintab より:

      石井さん、こんにちは、コメントありがとうございます。たまにネタっぽいことをするのですが、スルーされるのが精神的に一番こたえるのでリアクションをもらってうれしいです。以前「WIMブート」に関する記事を書いて「ビリーズブートキャンプ」をトップ画像にした際に完全スルーされたときはちょっとへこんでしまいましたよ。