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Windows互換OS「ReactOS」- 現時点では一般ユーザーにおすすめできませんが、今後に期待!

オピニオン

Windows互換OS、ReactOSを紹介します
Microsoft Windowsの互換OS、「ReactOS」をご紹介します。Windows XP(2001年10月リリース、2014年4月サポートが終了)の互換OSで、現時点ではまだ「アルファ版」のため、実機にインストールして常用できるような状態ではありませんが、動作するアプリも徐々に増えてきています。

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1.React OSとは

冒頭に書いた通り、ReactOSはMicrosoft Windows XP(正確にはそのサーバー版OSであるWindows Server 2003、NT 5.3)の互換OSです。Windowsは開発に必要なソースコードが公開されていないので、OSの動作に必須となるカーネルからエクスプローラー、メモ帳、コマンドプロンプトといったアプリに至るまですべて1から開発されているのが特徴です。

もともと1996年にWindows 95の互換OS「FreeWin95」として開発がスタートしましたが、途中で現在のWindows 10/11の元にもなったWindows NT系OS互換に切り替わっています。LinuxやmacOSなどでWindowsアプリケーションを動作させるための互換レイヤー、「Wine」の技術も取り入れられていて、Intel x86(32bit)版のほか、x64(64bit)版、Windows 2000まで公式サポートしていたかつての「国民標準機」、NEC PC-9800シリーズ版の開発も行われています。

現時点ではWindows XP互換OSとしてリリースされていますが、将来的にはWindows Vista以降のWindows NT 6.0系OS向けアプリ(Windows 10・11を含む)もサポートされる予定です。

ただし、ソースコードが公開されていないOSを再現するのは時間がかかるようで、前述の通り現時点ではまだ実用出来る「ベータ版」ではなく、動作が不安定な「アルファ版」で、日本語入力ソフト(IME)の動作に必要な仕組みも古い「TSF」がようやく実装された段階なので、実際にWindows 11のシステム要件を満たしていない古いPCの代替OSとして運用できるようになるにはまだまだ時間がかかりそうですが、徐々に動作するアプリも増えてきているので、個人的には期待しています。

2.スクリーンショット

この記事を執筆している時点での最新バージョンは2023年12月にリリースされたバージョン0.4.14です。開発自体は積極的に行われていて、開発途中のナイタリービルドがほぼ毎日更新されているのですが、ビルドによっては全く起動しないなど、動作がさらに不安定なので、実際に試してみるのであれば安定版のバージョン0.4.14がおすすめです。

実機で動作するデバイスドライバーも増えてきていますが、現状常用するレベルではないのでVMware Workstation、VMware、Hyper-Vなどの仮想環境へのインストールをお勧めします。いくつかスクリーンショットを掲載するので、「インストールするのはちょっと・・・」という方に雰囲気だけでも伝われば幸いです。

クリーンインストール・初期セットアップ完了直後のデスクトップ
インストール直後のデスクトップです。アイコンのデザインが異なりますが、UIはほぼWindows XPそのものなので、迷うことなく使い始めることが出来ます。

今となっては懐かしい「Luna」テーマを適用するとほぼWindows XPそのものに
Windows XP用のビジュアルテーマをサポートしているので、「Luna」テーマを適用して「Bless(草原)」壁紙を設定すればほぼ「そのまま」の見た目になります。

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メモ帳やワードパッドといった標準アクセサリも用意されている
Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)ではついに削除されてしまった簡易ワープロソフト「ワードパッド」やテキストエディター「メモ帳」も用意されています。ほぼそのままの見た目ですが、もちろんオリジナルのWindows XPから違法にコピーしたものではなく、互換レイヤー「Wine」に含まれているクローンアプリ版がプリインストールされています。

動作するアプリは徐々に増えてきている
現時点ではWindows XP時代の古いアプリしかサポートされていませんが、デスクトップ上にもショートカットが配置されている「アプリケーション マネージャ」からLibre OfficeやGIMPといったメジャーなアプリを入手出来ます。もちろんネットで公開されているWindows XP対応フリー・シェアウェアや、手持ちのパッケージアプリもインストール可能です(正常動作しないアプリもあります)。

日本語入力ソフト(IME)はWindows XP以前に対応する古いものしかサポートされていないので、今となっては秋葉原・日本橋のジャンクショップやオークションサイトでも探すのが大変になってきましたが、ReactOSの開発に関わっている片山博文さんが開発されている「MZ-IME 日本語入力」をインストールすれば日本語入力も可能になります。

MZ-IME日本語入力 ver.0.9.8.7
概要これは、片山博文MZによる「MZ-IME日本語入力」(mzimeja)です。 このプログラムは、Windows XP/2003で動作する日本語入力システム(IME)です。MZ-IMEの特徴勝手にインターネットに接続しません。キー入力や変...

より「モダン」なインストーラーも実装に向けて現在開発中
セットアップ時に起動するインストーラーはWindows Vista以降で採用されているWindows PE(簡易版Windows)ではなく、Windows NT 3.1からWindows XPまで採用されていたテキストベースのものです。今となっては逆に新鮮に感じられます。フォントが含まれていないためカタカナ表示になりますが、日本語ロケールも用意されています。

3.まとめ

現時点では「安定版」として公開されている0.4.14でもWindowsでいうところの「ブルースクリーン」すら表示されず、突然システムファイルが破損して起動できなくなったり、アプリインストール中にフリーズしたり動作が不安定で、一般ユーザーに勧められる日が来るのはだいぶ先になるのではないかと予想していますが、開発が進むにつれて実用性も上がってきているので、個人的には期待しています。

本家Windowsが近年個人向けエディションでの強引な自社クラウドサービス・生成AI機能の押しつけや、Windows Insider Programに参加しているパワーユーザーの意見がフィードバックされているとは思えない不安定なWindows 11 2024 Update(24H2)のリリースなど、個人で使っていても仕事で使っていても「いまの方針、どうなの?」と思えるようになってきているので、「Windows代替OSの本命」として勧められる日を楽しみに待っています。

4.関連リンク

Welcome to ReactOS:ReactOS 公式サイト

執筆者:かのあゆ
初めてしゃべった言葉が「ソニー・TDK」という筋金入りのガジェットマニア。中学生時代NEC PC-98シリーズに出会ったのをきっかけに本格的にPDAやスマートフォン、PCの世界にはまり込む。リュックには常にPC 2台 + タブレット 1台 + ゲーミングUMPC 1台 + スマホ4台を常備。
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