こんにちは、ゆないとです。2020年9月30日、Rakuten Mobileが5Gサービスの提供を開始しました。開始と同時に詳細が発表されたので紹介していきます。併せて、Rakutenが独自に提供しているスマートフォン「Rakuten Mini」に続き、新たな自社モデル「Rakuten BIG」も登場しています。この製品は5G通信にも対応したミドルハイクラスの製品で、この記事で一緒に紹介します。
肝心のプラン料金は既に5Gサービスを提供開始している他3社よりも大幅に安くなっており、その点は大きなアドバンテージです。また、発表された「Rakuten BIG」は日本で販売される製品としては珍しい機能を備えた魅力的な製品に仕上がっていることにも注目したいですね。
1.Rakuten Mobileの5G
概要
まず、Rakuten Mobileが提供するサービスの特徴です。従来だと、ハードウェア上で動作するソフトウェアがあって、保守・運用やバージョンアップにもそれなりの手間と時間がかかります。Rakuten Mobileでは、4Gや5Gを制御するソフトウェアと汎用的なハードウェアを分けて構成することで、ハード面でのコスト低減とネットワーク制御部分のクラウド化によるアップデートのし易さやコスト低減を可能にしています。同社は、こうした特徴のおかげで、4G→5Gの展開もソフトウェアアップデートで対応できるような仕組みになっていると説明しています。
特徴
5Gサービス開始に伴い、プラン名称が”Rakuten UN-LIMIT 2.0”から「RakutenUN-LIMIT V(ファイブ)」に変更となりました。変更された部分と言えばそのくらいで、4Gサービスから実施されていたデータ使い放題の容量や楽天回線エリアとパートナー回線(au)エリアの存在は継続されます。
楽天回線エリアの5Gカバーエリアでは、5G通信が無制限で使用可能になっています。パートナー回線エリアでは、変わらず月5GBの制限で、5GB超過後は最大1Mbpsへ制限されてしまいます。なお、パートナー回線エリアでは4G通信となります。
また、価格も変更はなく「月額2,980円」です。他社が7,000~8,000円前後の料金なのに対し、非常に低価格です。さらに、契約者数300万人に達するまで、料金1年間無料キャンペーンも継続です。
新規契約/MNP契約の申し込み受付は9月30日から開始しています。2020年9月30日以前に契約済みのユーザーについては、10月12日から順次自動的に追加費用無しで無料で「RakutenUN-LIMIT V(ファイブ)」へアップグレード予定です。なお、先行してアップグレードしたいユーザー向けに手続きページも設けられています。
エリア
2020年9月30日現在、提供されているエリアは「非常に限定的」です。北海道、埼玉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県が案内されています。しかし、どこも1~2つの街だけなど5Gサービスを享受できるレベルではありません。東京は比較的広いですが、それでも世田谷区の一部と板橋区の一部だけとなっています。2021年3月末には全都道府県に広げる予定とのことですが、それでも主要な都市に限定されると思われます。
2.Rakuten BIG
スペック
Rakuten BIG | |
カラー | ホワイト/ブラック/クリムゾンレッド |
OS | Android 10 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 765G 5G |
RAM | 6GB |
ストレージ | 128GB |
カメラ |
リアカメラ:約800万画素 (超広角) + 約6,400万画素 (広角) + 約200万画素 (深度測位) + 約200万画素 (マクロ) フロントカメラ:約3,200万画素(画面内部搭載) |
ディスプレイ | 6.9インチ FHD+(2,460×1,080) 有機ELディスプレイ |
ネットワーク | IEEE802.11 a/b/g/n/ac、Bluetoothバージョン不明 |
SIMタイプ | eSIM ×1 |
バッテリー容量 | 約4,000mAh(ワイヤレス充電非対応) |
入出力 | USB Type-C |
その他機能 | おサイフケータイ/NFC、IP68(防水防塵対応)、指紋認証、VoLTE |
サイズ | 174 x 80 x 9mm |
重量 | 約227g |
カラーは”Rakuten Mini”と同じく「白/黒/赤」の3色展開です。OSには「Android 10」を搭載します。
CPUには5G通信対応のオクタコアCPU「Qualcomm Snapdragon 765G 5G」を搭載します。700番台で末尾にGがつく、ゲームプレイでも実力を発揮するミドルハイクラスのCPUです。
RAMとストレージは6GB/128GBという構成です。日本で自社製スマホを出しているキャリアはありません(正確にはdocomoがタブレットを出していますね)が、十分高いスペックに感じます。
カメラは特徴的です。トレンドの4眼カメラをリアに搭載していますが、フロントカメラは何と画面下に内蔵されており、ノッチやポップアップの無い「これこそ真のフルスクリーン」を実現しています。リアカメラは超広角・広角・深度・マクロと各画角が揃っています。またフロントカメラは約3,200万画素と高解像度のレンズを搭載しています。
現在発表済みの「画面下にフロントカメラ」の製品はZTE製の”Axon 20 5G”だけなので、Rakuten BIGもこの製品をベースにしていると推測できます。フラッシュライトの位置が異なっているので、「全く同じものではなく、ベースになっている」と判断しています。日本では、こうした最新の機能を搭載したガジェットはどうしても遅れて入ってくる印象でしたが、ほぼ遅れること無く出してきた楽天はすごいな、と個人的に感じています。この流れが続いてほしいですね。
ディスプレイは6.9インチと大型サイズで、解像度はFHD+で有機ELを搭載しています。有機ELではバックライトがないので、画面の下にカメラを仕込むことも可能になっています。いつかは液晶ディスプレイの下にもカメラを搭載できる日が来るのでしょうか。また最近では安価な製品でも有機EL搭載機が増えているので、低価格モデルでもフルスクリーンが増えるじゃないか、と思っています。
SIMタイプはeSIMのみです。eSIMサービスを提供しているところが非常に少なく、この製品を他のキャリア契約でも使いたいという場合にはハードルになりそうです。おサイフケータイも搭載していますし、IP68の防水防塵対応ということで、デザインを気にしなければメイン端末にもできるスペックを備えているだけに、現状(実質的に)Rakuten Mobileだけしか選択肢が無いのは残念に思う人もいるでしょうね。しかし、既にRakuten Mobileメインで運用ができている人には十分選択肢になり得ると思います。
バッテリーも約4,000mAhと大容量です。しかし。ディスプレイサイズやバッテリーが影響しているのか、重量が約227gと重めに感じます。このサイズ、この重量をずっと手に持って操作をするというのは大変かもしれません。
外観
ディスプレイ上にはノッチやパンチホールは存在しておらず、上下左右のベゼルはほとんど無いように見えます。また、左右のエッジは微妙にカーブしているようですが、ベゼル領域のみでカーブも急なため、カーブディスプレイ特有の光の映り込みは少なく見えます。
背面は光沢感のある仕上げです。Rakuten Miniと同じ加工がなされているようで高級感があります。リアの4眼カメラは左端に配置されており、その横にはおサイフケータイ(NFC)のマークがあります。ロゴは”R”のみでシンプルですが、それがかえって印象に残りますね。
Rakuten Miniとのサイズ比較です。Rakuten Miniが手のひらの中にすっぽりと収まるようなサイズ感なので、Rakuten BIGは余計に大きく見えます。ただ、ご覧の通り背面のデザインは同じです。
カラーは3色で、赤のみ2020年11月以降の販売予定です。赤は少し暗めの赤で、楽天の色(と言っていいと思います)「クリムゾンレッド」です。
価格
Rakuten BIGは、一括払いの場合税別63,455円(税込69,800円)で販売中です。分割払いも選択可能なので、スタイルに合わせて選択できます。
3.まとめ
遂に国内4つのキャリアでの5Gサービスが始まることになります。Rakuten Mobileの場合はネットワークの仕組みの効率化のおかげで高速な5Gエリア展開に期待できる一方、Rakuten Mobile自体のサービス開始当初にあったエリアのカバー率のイマイチさやパートナー回線の存在など、ネガティブな印象もありました。それが今回の5Gサービス開始でも影響してしまいそうな予感がしています。また、現状は「満足とは言い難い」くらいにエリアが限定的なのも悩みどころです。
しかし、Rakuten BIGという、画面下内蔵フロントカメラという珍しい製品を独自に取り入れたところは非常に好感が持て、他のキャリアとは少し異なる流れを作り出してくれそうな点は評価できるポイントだと思っています。
私はRakute Miniのキャンペーン価格から契約をしたユーザーですが、今住んでいる千葉のエリアはだいたい楽天エリアでカバーされており快適に利用できています。それでも、SNSでは「どこへ行ってもパートナー回線エリア」だったりという投稿も見かけます。他3キャリア以上に、自分の行動圏内のカバー率確認などをしておく必要がありますが、それを考慮しても5G通信込みで月額2,980円にまとめているため、今後の携帯電話業界の流れに一石を投じたのではないかという印象を受けた発表でした。
コメント
フェリカと防水対応なのはいい
けどZTEオリジナルが35k円なので流石に高すぎます
NFCでも今なら牛丼半額になる!
日本に来ると盛々になって価格が上がるのは仕方ないにしても、倍近いお値段ですよね…
楽天はワンプライスをうたっているので、5Gでも2980円という価格は予想はできましたがやはり驚きです。世間では4G、5Gともにエリアの狭さが批判されていますが、立ち上げたばっかなんだから仕方ないかと。これから待てばいいと思います。
一方、Rakuten BIGの画面下内蔵フロントカメラ搭載による全画面仕様については、過度な期待は禁物かと思います。ZTEと同じ仕様という前提での話ですが、まずフロントカメラ部位が透けたような感じで、そこだけ四角く色味に違和感がでます。またホーム画面などでは確かに全画面になるのですが、アプリ使用時などはフロントカメラ部を含む画面上部(時刻やアンテナが表示されているステータスバー部位)が帯状にグレー化してしまいます。ざっくりいうと、スマホ使っている間はほとんど画面上部がグレー化していて、ノッチありモデルとほとんど使用感が変わりません(もしくはノッチありモデルより画面占有率が低く感じるかも)。なので全画面を期待して買うとがっかりする可能性があります。
画面下内蔵フロントカメラはナイスチャレンジなので、これからさらにブラッシュアップされるといいですね。
分かりやすい記事ありがとうございました!
そうですね。価格については驚くばかりです。
エリアは仰るとおり、まだサービス始まって半年しか経っていませんので十分すぎるくらいだと思います。
Rakuten BIGあるいはZTEのフロントカメラは、まだ世界初なので今後の他のメーカーの対応にも期待したいですね。画面下カメラが発展するのか、パンチホールなどのスタンダードになるつつあるものが続くのか…これからが楽しみな技術ですよね。
褒めて頂けて嬉しいです。今後も精進してまいります!
ピンポイントに21カ所しかエリア提供しなくてサービス開始って言われても…
2021年3月に全国って言っても47都道府県に1カ所ずつ置けばそれで全国対応になるのよね。
正直5Gスマホは来年買えばいいと思う。
利用者としては、満足に使えるようになった状態でリリースしてほしいものです。
どれだけ早く始めてどれだけ早く展開できるかを競い合うような形になってしまっているので、現在のピンポイント方式は残念に感じることもあると思います。
それに5Gの通信距離はとても短いので、様々なところに設備を設置しないといけないのも広がるスピードが遅い要因の1つかもしれませんね。
私も5Gスマホ持ちですが、契約してから一度も5G通信はしていません…購入タイミングはまだまだ先かもしれませんね。
もはやエリアでもなんでもないレベルですからね、対象地域内で楽天回線利用者がいったい何人いるのだろうかというところです。
エリア拡大の前倒しは出来ていると謳ってはいますがまだまだでしょうし…。
今のところは価格なりのサービスといった域を抜けていないので
大手三社を脅かせるようになってほしいですね。
5Gはどうしてもピンポイントでの展開になるので仕方ないことですが、5Gエリアとして案内して良いものか難しいですよね。
そもそも4Gでも十分な速度なので、スマホ用の展開を急ぐよりも事業用などに集中したほうが良かったのではないかとも個人的には思います。
ただ、価格は本当に驚くほど低価格なので、大手三社より先に展開がもしできれば驚異になると思うので、頑張って欲しいと思います。