新年、あけましておめでとうございます。上の写真は、昨年の年明けに撮ったもの。昨年は、あらためてここで言うまでもなく、思いもよらぬ災いの年となりました。仕事の面でも生活面でも、それはもう、現在進行形で振り回されまくりです。一方で、災い転じて福となす。これを、旧態依然とした様々なやり方を変えるきっかけにもしていかないと。もちろん、何をやるにしても非合理的な制度や規制の壁に阻まれる不満は今まで以上なわけですが、少なくとも、日本社会の制度疲労がより明らかになって、多くの人が問題意識を持つようになったことは、間違いなく前進です。
目次
1.ドローン連載を続けていきたい
さて今年の抱負ですが、まずは、これ。ウインタブの読者の皆さんのニーズとかみ合うかは分かりませんが、ドローンについての情報発信は引き続き行っていきたいと考えています。
技術の進歩を実感できる
最大の理由は、もちろん「面白いから」です。日進月歩で、次々と新しいことができるようになっていく。技術の進歩を、文字通り「体感」できるジャンルです。新製品情報を追いかけているだけでも、月単位でできることが増えいきますから。その多くが、日本では非合法になっちゃいますけどね。
制度の矛盾が集約されている
ドローンの飛行に関する規制緩和と許可申請の簡素化が決まりました。目視外飛行や物品の投下、高度制限などが規制緩和されます。
— 河野太郎 (@konotarogomame) December 18, 2020
別の理由として、ドローンというと、なにかと規制が話題となりますが、これがいろんな意味で制度の矛盾が集約されているテーマだからです。上に引用したツィートは、例によって簡潔すぎ、かついろんな角度からツッコめる物議を醸しやすい文面ですが、とりあえず、政府も制度の抜本的組み直しに興味を持ったということは伝わります。あとは、政府の側は合理的な制度設計の基礎となる情報を取り入れ、社会の側は技術に対するリテラシーを高める、それがどのくらいできるかでしょう。
例えば、この画像は、Amazonでもおそらく最も売れ筋の一つ、Holy Stone社のトイドローンの旧型と新型の比較です。左が旧型、右が新型。
そして、まだまだマニアックなFPVドローンの世界でも、安全性や頑丈さの要求、モーター上下逆配置の流行などもあって、画像のようなタイプのものも出てきました。現在の、私の屋外でのメイン運用機です。安全性の向上は一目瞭然ですね(もちろん重量はアップするわけで、ここに重量で規制することとの矛盾があります)。このように、技術の普及が進めば、当然ながらメーカーは、顧客のニーズに合わせて社会に適合した製品開発を行っていきます。
当たり前すぎる話なんですが、規制ありきではなく、社会全体に技術に対するリテラシーがどれだけあるかがもっとも重要ですからね。どんな厳しい規制を行っても、社会に技術への理解がなければトラブルは避けられないし、普及が進めば、より社会的要求に沿った製品開発が進められるものです。
あとは、ドローンに限らずですが、魔窟の電波行政が少しでも健全化するように。70年前の技術水準を想定した免許制度、国際標準とズレて膠着した周波数帯割り振り、そして短距離通信の実態と全く噛み合わない技適制度……。一気にひっくり返すのは難しい話ながら、少しずつでも変えていくなら、今しかないでしょう。
2.気軽に技術を楽しむガジェットを紹介したい
昨年を振り返ってみると、ずいぶんと、電子技術を利用したアイデア商品的なものやしょーもないものを数多く紹介してきました。でもでも、こういう遊び心って大切だと思います。まさかの、オジルさんに乗っかっていただいて、実物レビュー記事も書いていただきました。
年末に紹介したLEDフルフェイスマスクだって、ベースとなる技術の進歩が、そこそこに価格を抑えて商品化を実現しているわけです。こういう、「技術を楽しむ」「発送の妙で技術を活かす」、そしてユーモアも含んだ製品を見つけたら、今年も紹介していきたいと思います。
3.リファレンス的な記事も
昨年の2月はじめに、Chromeリモートデスクトップについて紹介する記事を書きました。この記事を書いたときは、まさかその後リモートワークがここまで普及するとは夢にも思いませんでしたが、結果的にずいぶん多く参照していただいたようです。
スクリーンショットやショートカットキーについての記事は、けっこう気合い入れて書いたんですが、ニーズはあったのかな……? こういう、パソコンやスマホをちょっと便利に使いこなす小ネタ記事も、折に触れて投稿していきたいと思っています。
4.やっぱり中華メーカーは面白い
「2.」の話とも重なりますが、あらためて感じるのは、中国のものづくりの豊かさです。実にバラエティ豊かなアイデアとチャレンジ精神にあふれている。パソコンであれば、昨年年始に紹介して実機レビューもさせていただいた「PIPO X15」や、年末に登場した「PIPO X10s」は、中華ならではと言える製品です。
すっかり成熟したと思ったCHUWIなんかも、型落ちCPUに4Kディスプレイを組み合わせたりと、やんちゃぶりは忘れていません。
そうそう、CHUWIやTECLASTといった深圳の第一線メーカーが、ついに日本のAmazonで直売をはじめたのも、面白い動きですね。これらは、まだまだ日本では無名のメーカーなので、今までは「よく分かっている人だけが買う」ものでした。それが今年は、英字キーボードだったりというネックはあるものの、国際大手メーカーの納期が軒並み滞る中、そこそこ使えるパソコンを安く今すぐにという場合、有力な選択肢となってきたのではないかと思います。
こちらはもはや言うまでもなく、電子ペーパータブレットのパイオニア、BOOXシリーズは、常に新しい可能性を感じさせる製品を発表して楽しませてくれます。ここまでの電子ペーパータブレットの集大成とも言える「BOOX Nova2」、電子ペーパーの前提を覆す、カラー対応の「BOOX Poke2 Color」、さらに一段進んだペン入力機能で新しいコンセプトを切り拓く「BOOX Note Air」などなど、昨年も想像を超える製品を次々と送り出してくれました。
こういう「元気のよさ」は、引き続き注目して、伝えていきたいです。
5.まとめ
残念ながら、まだまだコロナ禍の終息は見通せません。一方で、技術の進歩は、コロナ禍の中でもそれなりに充実した生活を送ることができる、あるいは不自由な中でも工夫して生活を楽しめる水準にあると思います。技術を知り、よく活かせば、同調圧力や上からの命令ではなく、各自がそれぞれのアイデアで「新しい生活様式」を生み出していくことは、十分に可能なはずです。
自分自身のことを書かせていただくと、昨年は、ウインタブの他の方が書かれている記事を読ませていただき、また、自分も記事を書くことで、大きく希望を感じることができました。この「ウインタブ」というサイトとの関わりがなければ、世の中への見方がずっと悲観的なものとなっていたかもしれません。技術は人の生活を、そして心を豊かにする。今年も、わずかながらでも、その思いを読者の方と共有できるような記事を書いていければと思っています。少々大げさな話となってしまいましたが、ガジェットを楽しむという基本姿勢は変わりません。本年も、あらためてよろしくお願いいたします。