こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。ご存知だと思いますがウインタブでは中国の通販サイト「GEARBEST」からしばしばタブレットの実機提供を受けています。ここ最近は提供してもらったタブレットを死蔵させることなく、もっぱら読者レビュー企画の開催を通じて読者の方に再提供しています。それでも現在のところ、私の手元には3台の中国タブレットがあります。「Chuwi Hi 8」「Teclast X98 Pro」そして「Cube iWork 11 Stylus」です。
今回はこれら3台のタブレットの「その後」ということで使用感などを簡単にお伝えしたいと思います。
1.Chuwi Hi 8
ウインタブが初めて実機レビューをした中国タブレットです。この製品は日本のAmazonなどでも販売されており、中国タブレットとしては人気機種になっているようです。
OS: Windows8.1 with Bing 32ビット/ Android 4.4
CPU: Intel Atom Z3736F
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB(Windows分とAndroid分の合計)
ディスプレイ: 8インチIPS(1,920 × 1,200)
カメラ: イン30万画素/アウト200万画素
入出力: microUSB、microSD、ヘッドフォンジャック
サイズ: 約207.4 × 122.1 × 7.9 mm、重量310g
こんなスペックです。CPUは最新のCherryTrailではなくBayTrail世代のAtomですが、Z3736Fとやや新しい型番が搭載されていますし、ディスプレイ解像度も高いです。そしてOSはWindows 8.1 とAndroid 4.4のデュアルブート(現在はWindows 10とAndroid 4.4)ということで、初めて使う中国タブレットとして面白さ満点でした。
実機レビューでは薄く軽い筐体に好感を持ちつつも、質感が低いことにやや失望し、マイナーな不具合が散見される、という指摘もしました。
この製品、現在は「室内用、ファミリー用Androidタブレット」として使用されています。Windows側は8.1のままなので、私の必要に応じて、たまにWindowsの方も起動しています。Androidタブレットとして使う場合、CPUがIntel製だと使えないアプリが結構多いですが、処理速度など性能面では全く不満を感じません
実機レビューの際に指摘した「安っぽくてヤワな筐体」は今や傷だらけになってしまいましたが、それでも毎日元気に家人がとっかえひっかえ使っています。天気予報アプリとかWebブラウザーの使用頻度が高いですね。ちょっと意外なことに、大きな不具合もありませんし、故障知らずです。ヤワな筐体は予想外の粘り腰をみせ、薄くて軽い、というメリットもあって家人の評価も高いです。
ちょっと思ったんですけど、日本製品、中国製品など手元にある多くのタブレットの中で、実はこの製品が一番タブレットらしい使い方をされているんじゃないかな、と思います。まさに実用品、という位置づけになっています。
この製品はGEARBESTで97.89ドル(11,918円)で販売されていて、もし私がこの製品を普通に買っていたとしても十分元が取れるくらいには使われてますねw
実機レビュー記事:Chuwi Hi8 - 中国のWindowsタブレットは激安で面白い! 手はかかるけど(実機レビュー)
GEARBEST製品ページ: Chuwi Hi8 Android 4.4 + Win10 Tablet PC
後継機の紹介記事:Chuwi Hi8 Pro - 話題の激安8インチタブレットがCherryTrailになった
GEARBEST製品ページ:Chuwi Hi8 Pro Tablet PC
※後継機は価格据置でCherryTrail搭載ですが、Windowsのみのシングルブート機です
2.Teclast X98 Pro
この製品は私にとって2台目の中国タブレットです。いわゆる「iPadクローン」というべきパッケージングになっている、日本製品にはない特徴を持っています。
OS: Windows 10 64ビット / Android 5.1
CPU: Intel Atom X5-Z8500
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 9.7インチIPS(2,048 × 1,536)
カメラ: イン2MP / アウト5MP
入出力: microUSB2.0、microHDMI、microSD
サイズ: 23.9 x 16.9 x 0.8 cm / 0.526 kg
実機レビューに先立って、「BIOSループ(してOSが起動できない)」という怖い不具合があり、コマンドラインからのBIOSアップデートを強いられたことをよく覚えています。しかし、それ以降は特に不具合もなく、快調と言っていい状態です。中国タブレットから受けがちな先入観を吹き飛ばしてくれるような質感としっかり感もありますね。ただし、相変わらずバッテリー稼働時間は短いままですねw
実は私、この製品はあまり活用できていません。CPUが中国タブレットとしては珍しくAtom Z8500を搭載し、Android 5.1とのデュアルブート機ということなので、検証用には役立っていますし、Chuwi Hi 8と異なり、この製品は家族用にはしておらず、普段はしまいこんでいます。スペックが少し変わっているので手元に残していますが、正直ちょっともったいないとも思います。読者レビュー企画を思い立ったのは、この製品がうまく使えていないことに対する反省の気持ちもあります。
紹介記事:Teclast X98 Pro - 実力派の中国タブレットを試す(実機レビュー)
GEARBEST製品ページ:Teclast X98 Pro Tablet PC
CPU違い製品の紹介記事:Teclast X98 Plus - CPUを変更してさらに低価格になった9.7インチタブレット
GEARBEST製品ページ:Teclast X98 Plus
3.Cube iWork 11 Stylus
この製品は上の2機種よりも使用頻度が高く、ほぼ毎日使っています。
OS: Windows 10 Pro 32ビット
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 10.6インチIPS(1,920 × 1,080)
ネットワーク: 802.11b/g/n、Bluetooth
カメラ: イン2MP / アウト5MP
入出力: microUSB3.0、miniHDMI、DC電源アダプタ、オーディオ、microSD
入出力(キーボード): USB2.0 × 2
サイズ: 27.3 x 17.2 x 1.0 cm / 重量 673 g
サイズ(キーボード): 27.3 x 18.2 x 1.3 cm / 重量 600 g
バッテリー: 8600mAh、最大稼働時間5時間
その他: ワコムデジタイザ搭載。ただしスタイラスペンと専用キーボードは別売り
毎日使っている、ということはいいところも悪いところもそれなりにわかってきている、ということです。10.6インチワイドタイプのディスプレイはキーボードを接続して使う場合、10.1インチタブレットよりも快適です。画面が大きい、という単純な理由もありますし、アスペクト比16:9というのもノートPCとして考えると使い慣れたレイアウトですよね。また、専用キーボードは本格的なもので、モバイルキーボードにありがちな「使用頻度の高いはずのキーが省略されている」ということもなく、打鍵感もいいです。またキーボード側にフルサイズのUSBポートが2つついているというのも実用的です。
しかし、不具合も出ています。一番困っているのがキーボードの数字キーの一部がたまに反応しなくなることです。「1, 2, 3, 4」キーなどです。私は日本メーカーの製品でこういう経験をしたことがありません。それと(たぶん海外で使ったときのことを言ってると思いますけどw)Wi-Fiが弱いです。言い換えるとネットワークアダプターの品質が悪い、ということです。通信環境があまりよくないときに接続を失いやすいですね。それと、Bluetoothの品質もよくありません。Bluetoothマウスを接続するとスタンバイ状態からの復帰がかなり遅いです。そして、この製品のセールスポイントであるデジタイザーもダメですね。「ずっと使いっぱなし」なら大丈夫ですが、待機させていると接続を失うというか反応しなくなります。これだとデジタイザー目当てで購入した人には満足できないでしょう。ただし、これは私の使っている製品固有の不具合かもしれませんので、Cube iWork 11 Stylus全体の問題であるとはいえません。
この製品は試用機としてGEARBESTに提供してもらっているものなので、修理しろなんてことは到底言えませんが、特に数字キーの問題は本来なら保証で修理してもらうべきものだと思います。とはいえ、パッケージングが非常に優れており、本当に使いやすいと思います。
紹介記事:Cube iWork11 Stylus- 10.6インチでフル装備!な2 in 1(実機レビュー)
GEARBEST製品ページ:Cube iWork11 Ultrabook Tablet PC
4.まとめ
多少なりともWindows タブレットの購入を検討したことのある人なら、中国タブレットのカタログスペックの高さと価格の安さには魅力を感じると思います。実際私の手元にある3機種はいずれも高いコストパフォーマンスを発揮してくれていると思います。でも、カタログスペック以外のところで不具合というのはあります。記事中でさらっと書きましたが、Teclast X98 Proの「コマンドラインからのBIOSアップデート」というのはPC初心者の方が安心してできる作業とは到底思えません。 また、Cube iWorkのキーボード不具合とデジタイザーの品質の悪さというのも購入者を怒らせるレベルの不具合だと思います(ただし、こちらは特定個体の問題かもしれません)。
一方、長期間使っていると実機レビューの際に感じた印象が変わってしまう、というのもあります。上に書きましたが、「安っぽくてヤワな」1万円タブレット「Chuwi Hi 8」が私の家族の情報端末として非常に大きな役割を果たし、毎日酷使され、傷だらけになりながらも快調に動いている、ということには少し驚いています。「Teclast X98 Pro」はChuwiがあるので使用頻度が少なくなっていますが、おそらく家族向けに開放したら大活躍することは間違いないでしょう。高精細なディスプレイを活かした動画視聴タブレットとしても使えるはずです。ただ、この製品はテスト用にとっておくつもりですけどね。
低価格な中国タブレットを購入する場合、個体差(つまり「アタリとハズレ」)は日本製品よりも大きそうですし、運が悪いと修理が必要になるものもあると思います。また、TeclastのBIOSのように個体によるものではなく、製品全体の不具合が出てくる可能性があります。日本製品の場合、こういう問題はメーカーが放置しません。Teclastのケースでもメーカーは放置しませんでしたが、情報開示に問題があり、私は2ちゃんねるの掲示板にあった書き込みを参照させてもらいました(2ちゃんねる住民の皆様、その節はお世話になりました)。こういうのは気軽に低価格なタブレットを、と考えるPC初心者の方だと対処できないと思います。
これらの経験を踏まえ、中国タブレットの読者レビュー企画ではPC初心者の方にレビュアーをお願いするのははばかられるなあ、と最近は思っています。
逆に、こういう問題に対処するだけの情報収集能力があり、OSのバックアップとかクリーンインストール、適切なドライバーの収集やアップデートなどができるくらいのスキルがあるのなら、やはりお買い得であるといえます。
私がもしPCまわりに潤沢な予算を割けるとしたら、自宅で使うメインマシンには日本メーカーのハイスペックなものを、モバイル用には中国製品を、と考えるかもしれません。最低限自宅に信頼できるPCが控えていれば、タブレットと2 in 1は安くて面白いのでもいいや、となるかもしれないです。ただし、多少の不具合は覚悟しますし、何かあったら自分でいろいろ試してみるんだ、くらいのモチベーションは持っているつもりです。また、頼りになる最愛のタブレット、ThinkPad 8とacer Aspire Switch 10も持ってるから、というのもありますね。
コメント
ここを見て中華タブに興味を持ち、Cube iWork11を購入いたしました。
私の個体でも突然デジタイザが反応しなくなることがあるという報告を。
また使っているうちに何かありましたらコメントさせていただきます。
こんにちは、コメントありがとうございます。中国製品って、こういう感じの不具合があるんですよね。スペック表に現れないところです。私はあまりデジタイザーを使わないのですが、これ目当てで買った人の中にはかなり困っている人もいると思います。ただ、こういう話は新品の実機レビューではわからない部分なので、読者レビュアーにも協力してもらって継続フォローしていきたいです。
はじめまして。
Pipo W5を使ってるんですが、こちらはスリープさせてしまうと接続が切れてしまい毎回イラスト書いてる途中でも稀に再起動するはめに …
Pipoが漢王のデジタイザー使ってるらしいのでデジタイザー側の仕様と思い
そこでCube iwork11への買い換えを検討してたんですが、まさかiwork11にも類似の不具合あるとは
こんにちは、コメントありがとうございます。私と一部の読者の方のコメントによる見解ですが、Cubeのデジタイザーは良くないです。なのでイラストをご趣味にされている方にはお勧めできません。もちろん個体差である、という可能性もありますが、私はデジタイザーをほとんど使わないから我慢出来ているのであって、そうでなければキレていると思います。なのでその場合、中国製品よりも日本製品(東芝のdynabook Tabの型落ちとか)のほうが安心だと思います。