こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。2015年冬のWindowsタブレット・2 in 1機種比較特集、今回は「10インチ、CherryTrail搭載機」ということで進めていきます。なお、このジャンルの有力機種として「ASUS TransBook T100シリーズ」と「acer Aspire Switch 10シリーズ」がありますがこの2つ(のシリーズ製品)については別途比較記事を書いていますので、この記事ではそれ以外の機種で比較していきます。
Windowsタブレット・2 in 1 機種比較 - (2015年冬)10インチの人気者、TransBook VS Aspire Switch
目次
1.比較対象機種
HP Pavilion x2 10-n000
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 10.1インチ(1,280 × 800)
カメラ: インのみ92万画素
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth4.0
入出力: USB Type-C、USB2.0、microHDMI、microSD、オーディオ
サイズ: 265 × 175 × 10 mm / 600 g
サイズ(キーボード込): 265 × 183 × 16.7 – 20 mm / 1.19 kg
価格(HP直販サイト):64,584円
※この記事の価格表記はすべて税込みです。
ウインタブ紹介記事:HP Pavilion x2 10-n000シリーズ - OSとCPUがレベルアップした冬モデルが登場!
販売サイト(HP直販サイト):HP Pavilion x2 10-n100
コメント: HPの人気2 in 1で、別記事としたASUS TransBook T100シリーズやacer Aspire Switch 10シリーズと競合するスペック、価格帯の製品。「x2」という型番では2モデル目となるが、筐体構造が大きく改善され、Aspire Switch 10とよく似たマグネット式のヒンジつきキーボードを装備する。
NEC LAVIE Tab W TW710
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Atom X7-Z8700
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 10.1インチ(1,920 × 1,200)
カメラ: イン120万画素 / アウト500万画素
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth4.0
入出力: USB3.0、microHDMI、microSD、オーディオ、電源
サイズ: 256.5 × 177 × 9.1 mm / 597 g
サイズ(キーボード込): 256.5 × 197.4 × 16.95 – 23.95 mm / 1.147 kg
価格: 69,794円(CAS) / 74,573円(CBS)
※2015年12月5日現在の価格ドットコム最安値
ウインタブ紹介記事: NEC LAVIE Tab W TW710 - 2015年秋冬モデルの10インチタブレットはCherryTrail搭載の64ビット機!
販売サイト: 価格ドットコム等で検索してください
コメント: 後述するLenovo ThinkPad 10と兄弟機といえる製品で、筐体サイズやスペックはほぼ同一。OS、CPU、RAMの組み合わせはAtom機としては最高レベル。標準で電池式のデジタイザーペンが付属する。キーボードが付属するモデル(CBS)とキーボードが付属しないモデル(CAS)がある。
Lenovo ThinkPad 10
OS: Windows 10 Home 64ビット / Windows 10 Pro 64ビット
CPU: Intel Atom X5-Z8700
RAM: 2GB / 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 10.1インチ(1,920 × 1,200)
カメラ: イン120万画素 / アウト500万画素
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth4.0
入出力: USB3.0、microHDMI、microSD、オーディオ、電源
サイズ: 256.5 × 177 × 9.1 mm / 597 g
サイズ(キーボード込): 256.5 × 197.4 × 16.95 – 23.95 mm / 1.147 kg
価格(Lenovo直販サイト): 71,280円 ~ 84,240円
※クーポン割引等は考慮していません
ウインタブ紹介記事: Lenovo ThinkPad 10 - 個人向けモデル、ついに登場!
販売サイト(Lenovo直販サイト): ThinkPad 10
コメント: NEC LAVIE Tab Wと兄弟機。ハードウェアスペックはLAVIE同様、Atom機としては最上位となるが、RAM2GBモデルがあるほか、ストレージを128GBまで増量することができるなど、LAVIEよりも選択できるバリエーションが多い。筐体の堅牢性は折り紙付きで、Pro版のOSも選択できるのでビジネス利用にも適する。
Microsoft Surface 3
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Atom X5-Z8700
RAM: 2GB / 4GB
ストレージ: 64GB / 128GB
ディスプレイ: 10.8インチ(1,920 × 1,280)
カメラ: イン350万画素 / アウト800万画素
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth4.0
入出力: USB3.0、miniディスプレイポート、microSD、オーディオ、microUSB(充電用)
サイズ: 257 × 187 × 8.7 mm / 622 g ~ 641 g
サイズ(タイプカバーのみ): 268 × 188 × 4.9 mm / 265 g
価格(Microsoftストア): 77,544円 ~ 99,144円
※タイプカバーは別売りで16,934円です。
ウインタブ紹介記事: Microsoft Surface 3に「納得の」Wi-Fiモデルが追加されたよ
販売サイト(Microsoftストア): Surface 3
コメント: もっとも注目度の高いMicrosoft Surfaceシリーズのひとつ。Surfaceとしては最小の10.8インチディスプレイを備えるが、対象機種中では最もサイズが大きい。OS、CPU、RAMはAtom機中で最上位だが、RAM2GBモデルと4GBモデルが存在し、4GBモデルはストレージも128GBとなる。Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービスが対象機種中唯一付属する。WiFiモデルのほかLTEモデルもあり。Surfaceという名前からイメージされるカラフルなキーボードは付属品ではなく別売りであることに注意。
2.スペックで選ぶ
せっかくCherryTrail世代のAtomを搭載しているのだから、できるだけ高いスペックのものがほしい、というのが人情です。Atomを搭載した製品で最上位の組み合わせは「64ビットOS、Atom Z8700、4GBのRAM」という組み合わせになりますが、Pavilion以外はすべてこの条件を満たします。PavilionはAspire Switch 10シリーズやTransBook T100シリーズと競合する製品で、この2機種を別記事扱いとしたため、今回の記事の構成上割りを食う格好となってしまいました。処理速度、という意味ではLAVIE、ThinkPad、Surfaceが互角、ということになるでしょう。
次にストレージについても少し触れてみたいと思います。対象機種中ThinkPadとSurfaceだけはストレージ128GBを選択することができます。ちなみにThinkPadはストレージを64GBから128GBに増量するために10,800円かかります。Windows 10ではストアアプリも外部ストレージに保存できるようになりましたし、OneDriveなどクラウドストレージを賢く使うことも大切だと思うので、個人的には128GBが必要だとは思いませんが、「あると便利」なのは間違いないので、選択肢を用意してくれているThinkPadとSurfaceは評価すべきと思います。
あと、ディスプレイについてもちょっとだけ。対象機種はSurfaceを除きすべて10.1インチサイズ、Surfaceのみ10.8インチサイズとなります。その差は数値上はわずかですが、実際に使ってみると意外に体感差は大きいです。キーボードを接続し、ノートPCとして使う場合はSurfaceの視認性が優れます。また、Surfaceはアスペクト比が3:2で、他の製品よりも正方形に近い形状なのですが、これについては一概にどちらがいいとは言えません。
一方、タブレットとして使う場合、Surface以外の製品のほうが持ちやすく、使いやすいと感じるでしょう。これ、10.1インチの2 in 1と10.6インチの2 in 1をしばらく併用してみたものとしての感想です。それと、解像度について、やっぱりPavilionだけワンランク落ちます。価格帯などを考慮すればやむを得ないですし、1,280 × 800でも実用上そんなに悪いとは感じないと思うのですが、1,920 × 1,200のものと見比べると、はっきりと差を感じるくらいには違います。
3.筐体で選ぶ
これも難しいところです。利用目的が「ノートPC的に使うことがメイン」なのであればPavilionの筐体が最も優秀です。マグネット接続のヒンジは強力で、細かい角度調整もできますし、膝の上など不安定な場所でも問題なく使えます。デザインではやっぱりSurfaceで、独特のカラフルなタイプカバーを取り付けたスタイルはSurfaceならではですし、筐体の素材もマグネシウム製と凝っていて、高級感も高いです。一方筐体の堅牢性ということではLAVIEとThinkPadも負けてはいません。この2つは兄弟機種ですが、とてつもなく過酷な耐久テストを実施しており、半端でなく頑丈です。ちなみに私はThinlPad 8を持っていますが、室内で落下させたくらいでは傷一つつきません。むしろ床がへこんだ、っていうね…。
なので、使う人の利用目的によって評価が変わるため、どれが一番、というのは難しいところです。
4.付属品やオプションで選ぶ
後述する価格の話にもつながってきますが、対象機種中キーボードが付属するのはPavilionとLAVIEのCBSのみで、ThinkPad、Surfaceはオプション扱いとなります。全機種とも製品純正のキーボードが存在するので全く問題はありませんが、購入する際、キーボートの価格が上乗せされることになるので注意が必要です。
また、純正オプションの数としてはSurfaceとThinkPad、特にThinkPadが充実しています。キーボードはやや重く、しっかりしたものと、タブレットカバーを兼ねる簡易的なものの2種類がありますし、ドッキングステーションやスタイラスペン、iPadでおなじみの風呂蓋タイプのカバーなどが用意されています。
また、もう一つ特筆すべきこととして、Surfaceのみ製品版の「Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス」が付属する、ということがあります。Windows 10がプリインストールOSとなる場合、製品版のOfficeが付属することはまれで、オプション扱い(2万円以上します)となるのが普通なのですが、さすがMicrosoft製品だけあって、Surfaceだけは別格、ということになりますね。Officeの製品版が必要であるとあらかじめわかっている場合は、他の製品であれば2万円以上の追い金となるので、Surfaceの割安感が一気に高まります。
5.価格で選ぶ
キーボード込みの税込み価格、ということで比較すると、
HP Pavilion x2: 64,584円
NEC LAVIE Tab W(CBS): 74,573円
Lenovo ThinkPad 10: 86,400円(ウルトラブックキーボード15,120円)
Microsoft Surface 3: 94,478円(タイプカバー16,934円)
となりますが、ThinkPadとSurfaceはRAM2GBの価格です。また、各製品の販売サイトでのセール価格は反映されていないため、ガチの価格比較は難しいところです。あと、LAVIEだけ価格ドットコムの最安値を使っている(他は直販サイト)というのもありますしね。ThinkPadとSurfaceを購入する場合はRAM4GB、ストレージ128GBのものを選択する可能性が高いと思われますが、この記事を書いている時点でLenovoはクーポンセール、Microsoftもキャッシュバックキャンペーンをしているため、それを考慮して再度計算すると
Lenovo ThinkPad 10(4GB,128GB): 88,344円(キーボード10,584円)
Microsoft Surface 3(WiFi、4GB,128GB): 97,278円(タイプカバー16,934円)
※Lenovoは本体10%引き、付属品30%引き
※Microsoftは8,000円キャッシュバックキャンペーン中
となります。なので、やっぱりSurfaceが一番高くて、納得できるスペックのものをタイプカバー付きで買うと10万円近くすることになりますが、上に書いた通り製品版のOfficeがつくので、実質的には意外と割安であることが分かります。
対象機種中最低価格なのはPavilionとなりますが、この製品のみスペックがやや低くなる代わりに筐体構造が抜群、と他の機種と明らかに異なる特性の製品です。なので、むしろAspire SwitchかTransBookかPavilionか、という選択肢になるでしょう。
今回記事を書いていて、Surface 3という製品が実は決して割高でなく、スペックや付属品(Office)、オプションを考慮すればかなり価格競争力があって魅力的、と感じました。一方ビジネスマシンとしての信頼性はやっぱりThinkPadかな、と思います。ThinkPad 8ユーザーとして繰り返し言わせてもらえば、ThinkPadの頑丈さは特筆すべきものがありますし、Pro版のOSを選べるというのも魅力でしょう。
でもなあ、アンチSurface人間としては少し不本意だけど、今回はやっぱSurfaceかなあ…。「あのデザイン、あの性能、あのコスパ」だもんなあ…。
6.関連リンク
Windowsタブレット・2 in 1 機種比較 - (2015年冬)中国タブレット、8インチ編
Windowsタブレット・2 in 1 機種比較 - (2015年冬)国内メーカー、8インチ編
Windowsタブレット・2 in 1 機種比較 - (2015年冬)低価格タイプ、10インチ編
Windowsタブレット・2 in 1 機種比較 - (2015年冬)10インチの人気者、TransBook VS Aspire Switch
コメント
Surface3のCPUの型番がz8700なのにatomx5になっていますよ。
こんにちは、コメントありがとうございます。訂正しておきました。ご指摘ありがとうございます。
CherryTrailの魅力がいまいちだから値段高いだけにしか見えない
こんにちは、コメントありがとうございます。たしかにそうなんですよねえ。オンラインゲームのベンチマークテストをすると確実にいいスコアになるんですけど、じゃオンラインゲームが遊べるかといったら、そのレベルじゃないし、エクセルとかならBayTrailでもサクサク動きますしね。どこでBayTrailとCherryTrailの差がつくのか?みたいな検証をしてみたいところです。
このサイト、WIN-TABは物欲をそそるからキケンです…。(^^ゞ
ところでTOSHIBAはどうですか?
↓はどうでしょう?。
http://dynabook.com/pcs/mobile-notebook-tablet/n-series/n40t-2015-fall-winter-model-satin-gold-10-1-inch-detachable-pn40tgp-nya/spec.html
個人的には、8.9型の物理接続キーボード付き、WUXGAのモデル(PN29TGP-NYA)が、お店を選ばなければ5万円台で買えるので、食指が動いています。(^^ゞ
しいふうるさん、こんにちは、コメントありがとうございます。リンク先の製品、記事に入れるべきでした。いまさら遅いですね。うっかりしてたなあ。あとで加筆しようかな。
インテル、はいってるタブレット の8インチと10インチのレビューもあれば嬉しいです。
個人的には後者か気に成りますがサイトの評価は前者の方が高い感じですね。
うぃるさん、こんにちは、コメントありがとうございます。この製品、実機レビューは難しいんですが、何か考えてみます。