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MSI Prestige 13 AI Evo A2HM - Arrow Lake-H搭載、990gのハイエンド超軽量モバイルノート。既存モデルとのCPU性能比較

MSI

MSI Prestige 13 AI Evo A2HM
MSIがノートPC「Prestige 13 AI Evo A2HM」を発表しました。1キロを切る超軽量筐体にハイエンド・モバイルノートと呼ぶのにふさわしいスペックを備えた製品です。なお、この製品には搭載CPUが異なる「Prestige 13 AI+ Evo A2VM」既存モデルもあり、こちらはウインタブで実機レビュー済みです。

筐体構造やディスプレイ品質などCPU性能以外の使用感は変わらないと思いますので、詳しくは既存モデルの実機レビュー記事をご覧ください。この記事では主に「既存モデルとのCPUの違い」について説明します。

既存モデルの実機レビュー記事はこちらです。
MSI Prestige 13 AI+ Evo A2VM レビュー - Core Ultraシリーズ2を搭載、ディスプレイも有機EL、そして重量1キロ切り!理想的なモバイルノートです

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1. スペック表

項目 仕様
OS Windows 11 Home
CPU Intel Core Ultra 7 255H
RAM 32GB (LPDDR5X, オンボード)
ストレージ 1TB SSD(M.2 NVMe)
ディスプレイ 13.3インチOLED (2,880×1,800) 60Hz
無線通信 Wi-Fi 7(11be)、Bluetooth 5.4
ポート類 USB Type-C (Thunderbolt 4) × 2
USB 3.2 Gen1 Type-A、HDMI
microSDカードリーダー
オーディオジャック
カメラ Webカメラ (207万画素) 顔認証対応
バッテリー 75Whr (動画再生 最大約11時間)
サイズ 299 × 210 × 16.9 mm
重量 990 g

2. バリエーションモデルとCPU

この記事のモデル
・A2HMG-5133JP:Windows 11 Home/Core Ultra 7 255H
既存モデル
・A2VMG-4889JP:Windows 11 Pro/Core Ultra 7 258V
・A2VMG-6403JP:Windows 11 Pro/Core Ultra 9 288V

既存モデルはCPUにLunar Lakeを搭載するCopilot+ PC、この記事で紹介するニューモデルはArrow Lake-Hを搭載する非Copilot+ PCです。そのため、既存モデルは「Prestige 13 AI+ Evo~」と製品名に「+」がつき、ニューモデルは「Prestige 13 AI Evo~」と、「+」がつきません。

MSI Prestige 13のCPU

これはPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。これを見るとシングルスレッド性能はArrow Lake-H(Core Ultra 7 255H)のほうが少し高く、マルチスレッド(CPU Markの数値)性能はArrow Lake-Hが圧倒しています。Intelは現行のCPUでハイパースレッディングを廃止したため、マルチスレッド性能ではコア数/スレッド数の差がはっきりと出た、ということです。ただし、このスコアは狭義のCPU性能(OSやアプリの起動、動画のエンコーディングなど)のみの測定結果なので、GPU性能やNPU性能は反映されていません。

MSI Prestige 13のCPU

こちらもPassmarkからの引用で、GPUのベンチマークスコアの公表値です。Arc 140TがArrow Lake-Hの内蔵GPU、Arc 140VがLunar Lakeの内蔵GPUです。G3D Ratingの数値が「3Dゲームの描画性能を総合的に評価したもの」とされます。Passmarkを悪く言うつもりは全くありませんが、GPUスコアに関しては「参考程度」に留めるようにしてください。というのも、Intelの内蔵GPUは搭載CPUによって周波数が異なっていたりするので、同じArc 140Tという名称でもCore Ultra 9 285HとCore Ultra 7 255Hでは性能が違います。Passmarkのスコアは例えば「Core Ultra 9 285HとCore Ultra 7 255HのArc 140Tを一緒くたに平均化したスコア」が表示されていると思います。ただ、140Tと140VのG3Dスコアはそれなりに大きな差になっていますので、140Tのほうが高性能だろう、ということは言えると思います。

NPU性能に関しては明らかにLunar Lakeのほうが上です。Intel公式の説明では「Core Ultra 9 288V:48TOPS、Core Ultra 7 258V:47TOPS、Core Ultra 7 255H:13TOPS」と顕著な差があり、Lunar LakeのみCopilot+ PCの性能要件(40TOPS以上のNPU)を満たしています。そのため、オンデバイスである程度複雑なAI処理ができるようになった際にはLunar Lakeのほうが高いオンデバイスAI性能を発揮するはずです。

最後にバッテリー持ちについて触れます。MSIの公表値だとLunar Lake搭載の既存モデルは「動画再生最大14時間」、Arrow Lake-H搭載のニューモデルは「動画再生最大11時間」と開示されています。いずれもJEITA3.0による測定なので以前(JEITA2.0)よりは遥かに信頼できる数値ですし、ウインタブの経験上も「Lunar Lakeのバッテリー駆動時間は驚異的」と感じていますので、バッテリー持ちに関してはLunar Lakeのほうが上だと思います(ただし、これはあくまでウインタブの私見です)。

3. RAM/SSD/ディスプレイ

MSI Prestige 13 AI Evo A2HM

ニューモデル、既存モデルともRAMは32GB、SSDは1TBと余裕のある容量です。またディスプレイは13.3インチの有機ELで解像度は2.8K(2,880×1,800、アスペクト比16:10)、「DisplayHDR True Black 500、DCI-P3相当」と開示されており、素晴らしい発色品質になっています。

このディスプレイ品質であれば購入後に後悔することもないと思います。ただし、グレア(光沢)タイプなので、外出先で使う場合は設置場所をよく考えないと映り込みが気になりますけどね。

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4. 筐体

MSI Prestige 13 AI Evo A2HM

筐体はマグネシウム合金製で重量は1キロを下回る990 gと「超軽量モバイルノート」です。筐体色はステラグレイ(黒に近いグレー)でMIL規格(MIL-STD-810H)準拠の堅牢性を備えています。

MSI Prestige 13 AI+ Evo A2VM キーボード

Prestige 13 AI+ Evo A2VMのキーボード(クリックで拡大します)

これは既存モデルのキーボードです(実機レビューの際に撮影しました)。キーピッチは手採寸で約19 mm弱、キーストロークはノートPCとしては標準的くらい、バックライトも搭載しています。

このキーボード、十分に使いやすかったのですが、配列に一部厳しいところがあります。具体的には右のAltキーがやたらと小さいことです。私は右のAltキーはほとんど使わないので問題ありませんでしたが、これを常用している人だと慣れるまでに少し戸惑うかもしれません。

MSI Prestige 13 AI Evo A2HM

上:左側面、下:右側面

側面とポート構成です(この画像の右側面の画像は筐体色が「マットホワイト」ですが、この色は日本では発売予定がありません)USBポートは合計で3つ、うち2つがThunderbolt 4と高規格でmicroSDカードリーダーも装備しています。

5. 価格など

MSI Prestige 13 AI Evo A2HMは8月28日の発売予定で、MSIストアで予約販売がスタートしています。8月10日現在の価格は219,800円です。また、既存モデルの価格はCore Ultra 7 258Vモデルが279,800円、Core Ultra 9 288Vモデルが249,800円と、なぜかCore Ultra 9モデルのほうが安いです。

CPU以外の仕様は既存モデルとニューモデルで差がなく、「どのCPUを選ぶか」ということになりますね。どれを選ぶにしても、国内で販売されている超軽量モバイルノートとしては最高性能の製品だと思います。

6. 関連リンク

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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