こんにちは、takumiです。今回はMSIのゲーミングノート「GF75 Thin(GF75-8RD-031JP)」をレビューしていこうと思います。ゲーミングノートとしてはエントリークラスのシステム構成ながら、筐体デザインの水準は高いものになっており、更に薄型軽量も実現することで、17.3インチながら快適かつ持ち運びやすい製品となっています。
1.スペック
スペックは上記のとおりです。MSIの製品は家電量販店などでも購入できますが、RAMとストレージの増設は公認販売店でのみ可能です(国内ではPCショップアークのみです)。画面サイズは17.3インチで、CPUは第8世代の「Core i7-8750H」を搭載しています。RAMは標準で16GB(最大32GBまで増設可)、GPUはNVIDIAの「Geforce GTX 1050 Ti Max-Q(VRAM:4GB)」を搭載しています。Max-Qモデルは通常のモデルよりも動作クロックを調整し、低消費電力と低発熱を実現しています。これにより、従来のシリーズより2-3割程筐体サイズを小さくし、また重量もバッテリー込みの公称値2.2kgと軽量になっています。性能もそれほど犠牲になってるわけではなく、画質調整することでほとんどのゲームを快適に動かすことが出来ます。
その他、ストレージは標準で256GB SSD(NVMe対応)と1TB HDDを搭載しており、Realtek製の有線LANポートとIntel製の無線LANレシーバーを備えています。光学ドライブは非搭載で、SDカードスロットを備えています。
ディスプレイは解像度フルHD(1920×1080)、リフレッシュレートは60Hzです。なお、HDMIは1.4に対応しているので、対応モニターとケーブルがあればフルHD120Hz出力に対応します。そして、バッテリー駆動時間は、JEITA2.0基準で公称7時間となっています。
MSIの製品には音声調整ツール「Nahimic」が標準で付属しています。バーチャルサラウンドやバスブーストの調整以外にも、様々な項目が設定されており、自分好みの音質にすることが出来ます。
レビュー機のシステム構成は画像のとおりです。OSはWindows10 Home 64bit、RAMは標準の16GBですね。
ストレージも標準で、256GB SSD + 1TB HDDとなっています。
GPU情報です。ドライバーバージョンは執筆時点で最新の418.81です。
内蔵SSDの速度を「Crystal Disk Mark」で測定してみました。エントリーモデルということで、ハイエンドモデルと比較すると速度は劣りますが、それでもSATA接続タイプと比較すると非常に速いです。
2.外観
ここからは外観を詳しく見ていきます。まずは天板です。アルミ合金パネルに赤色のロゴが刻印されており、非常にスタイリッシュでカッコイイです。
天板を開いたところです。画面の占有率が非常に高いので、大迫力のゲーム体験が楽しめます。液晶パネル上部にはカメラ(720p30fps、WindowsHello非対応)、その左右にはマイクが搭載されており、キーボード面上部中央に電源ボタン、その隣には電源インジケータランプが搭載されています。
左側面には通気口の他、DC-IN、HDMI、USB3.0×2、充電インジケータランプが装備されています。DC-INが左側に配置されているのは個人的に嬉しいです。
右側面には排気口の他、有線LANポート(Realtek製)、USB3.0、USB3.1 Gen1 Type-C、イヤホンジャック、マイクジャック、セキュリティロックスロットが搭載されています。ジャックはノイズや劣化対策の為、金メッキ加工がされています。
正面にはインジケータ等は装備されていませんが、筐体がどれほど薄いか、というのはある程度ご理解いただけると思います。
背面にポート類は配置されておらず、排気口が左右に配置されています。
底面は吸気口になっていますが、デザインが独特のものになっており、カッコよく仕上がっています。また。下部左右にはスピーカーが配置されています。
キーボードです。押し心地は非常に軽く、スラスラとタイピングをすることが出来ます。キーの配置スタイルはキーが全て独立している「アイソレーション」タイプです。また、このキーボードは元々英語配列のものを日本語配列にしているので、スペースの長さが短かったり、右側のテンキー周りがゴチャゴチャしていますので、ここら辺は慣れがいるでしょう。
キーボードのバックライトは赤単色になっています。もちろんバックライトをオフにすることも出来ます。
ゲーミング用途を意識しているため、左側のWindowsキーがファンクションキーに変更されています。キーピッチは手採寸で18.5 mm程です。
付属品はACアダプタと接続用のメガネケーブル、マニュアル類一式です。ACアダプタとケーブルの重量は約600g程です。
ヒンジの最大開度は目視で約135°と標準的なものです。また、この製品は「ドロップダウン式ヒンジデザイン」を採用しており、ヒンジを開口すると筐体下部が浮き上がる構造になっているので、どんな角度でも最適な入力環境を実現できます。
3.使用感
ディスプレイ
筐体サイズは15インチサイズなのですが、その中に17.3インチの液晶パネルを組み込んでいるので、映像の迫力は桁違いです。ディスプレイレベルはIPS相当なので視野角も広く、エントリーモデルながら快適にゲームがプレイできます。「MSI True Color」アプリを使えば、ゲームや動画向けの発色に変更できますし、ブルーライトを抑えた映像表示も出来ます。リフレッシュレートはノートPCとしては標準的な60Hzですが、動きの軽いゲームならば十分楽しめるかと思います。
スピーカー
この製品に唯一不満があるとすれば、スピーカーの音質ですね。音楽を流したりするだけでもノイズが鳴ってしまいますし、音量もそこまで大きくは出来ないので、作業用に音楽を鳴らす、とかいった用途でも一部の人には許容できないかも知れません。但し、音の指向性に関してはサウンドソフト「Nahimic」である程度は調整できるので、FPS(特にCS系)なら使えないこともないのかな、と思いました。
冷却面
「ゲーミングノートで冷却といえばMSI」という人も多いと思います。本製品は独自の冷却構造「Cooler Boost 3」を採用しており、2基のファンと4本のヒートパイプを組み合わせることによって、効率よく冷却できます。事実、実際にファンをフル回転させて状態でベンチマークを動かすと、筐体はほとんど熱くなりませんでした(もちろんファン音はすごいので、お好みで回転数を調整してください)。
ユーティリティ
MSIの専用ツール「Dragon Center」では、マシンのファン回転速度や画面解像度、色調だけでなく、CPUやGPU、メモリ状況のモニタリングや、「Nahimic」と連携したボイス調整、ゲーミングモードでは対応アプリに合わせてパフォーマンスやキーボードマクロの最適化を行ってくれます。さらに、スマートフォンに専用アプリを導入すれば、スマートフォンからパソコンのパフォーマンスをリモートコントロール出来ます。
4.性能テスト
この製品はCPUに第8世代のCore i7-8750H、GPUにGeForce GTX1050TiMax-Qを搭載していますので、「ドラゴンクエスト X ベンチマーク」「ドラゴンズドグマオンライン(DDON)ベンチマーク」「3D Mark」そして「PC Mark」をやってみました。また、せっかっくのGeforceGTX搭載製品なので、普段ウィンタブでは取り扱わない「ファイナルファンタジーXV Windows Editionベンチマーク」とゲームの実働テストで「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」「Quake Champions」「Forza Horizon4」をテストしてみました。
参考:
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(Core i7-7700K、GTX1080): 21,271
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(Core i7-8750H、GTX1070): 19,008
MSI GS65 Stealth Thin(Core i7-8750H、GTX1070): 18,571
ドスパラ GALLERIA GKF1070NF(Core i7-7700HQ、GTX1070): 18,222
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 18,061
DELL ALIENWARE 17(Core i7-7700HQ、GTX1070): 18,045
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 17,833
ドスパラ GALLERIA GKF1060GFE(Core i7-7700HQ、GTX1060): 17,549
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 17,153
マウス NEXTGEAR-NOTE i4400GA1(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 16,951
ドスパラ GALLERIA GKF1060NF(Core i7-7700HQ、GTX1060): 16,865
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 16,820
ドスパラ raytrek RKF1060TGK(Core i7-7700HQ、GTX1060): 16,441
ドスパラ GALLERIA GKF1050TNF(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 16,156
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 15,923
ドスパラ GALLERIA GKF1050TGF(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 15,598
ドスパラ GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): 14,964
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 13,727
ドスパラ GALLERIA QSF965HE2(Core i7-6700HQ、GTX965M): 12,830
ドスパラ GALLERIA QF960HE(Core i7-4710MQ、GTX960M): 12,791
HP Pavilion Power 15(Core i5-7300HQ、GTX1050): 12,285
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 12,172
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(Core i7-7700K、GTX1080): 13,600
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(Core i7-8750H、GTX1070): 11,440
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 10,875
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 10,828
MSI GS65 Stealth Thin(Core i7-8750H、GTX1070MaxQ): 10,551
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 10,491
ドスパラ GALLERIA GKF1070NF(Core i7-7700HQ、GTX1070): 10,215
ドスパラ GALLERIA GKF1060GFE(Core i7-7700HQ、GTX1060): 9,951
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 9,462
DELL ALIENWARE 17(Core i7-7700HQ、GTX1070): 9,364
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 9,284
ドスパラ GALLERIA GKF1050TGF(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 9,124
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 8,979
ドスパラ raytrek RKF1060TGK(Core i7-7700HQ、GTX1060): 8,867
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 8,780
ドスパラ GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): 8,568
HP Pavilion Power 15(Core i5-7300HQ、GTX1050): 7,235
参考:
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(Core i7-7700K、GTX1080): 6,703、17,345、37,589
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 6,283、15,476、30,804
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,583、15,146、36,268
ドスパラ GALLERIA GKF1070NF(Core i7-7700HQ、GTX1070): 5,280、14,030、30,686
DELL ALIENWARE 17(Core i7-7700HQ、GTX1070): 5,257、13,233、29,845
ドスパラ GALLERIA GCF1060NF(Core i7-8750H、GTX1060): 3,965、10,506、29,442
ドスパラ GALLERIA GKF1060GFE(Core i7-7700HQ、GTX1060): 3,808、9,888、26,344
GALLERIA GKF1060NF(Core i7-7700HQ、GTX1060): 3,717、9,989、24,824
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 3,703、9,743、26,843
GALLERIA GKF1060GFE(Core i7-7700HQ、GTX1060): 3,625、9,784、24,233
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 3,583、9,276、22,203
ドスパラ raytrek RKF1060TGK(Core i7-7700HQ、GTX1060): 3,518、9,207、23,689
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 2,528、6,776、17,005
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 2,523、6,802、20,045
GALLERIA GKF1050TNF(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 2,492、6,858、18,179
NEXTGEAR-NOTE i4400GA1(Core i7-7700HQ、GTX1050Ti): 2,449、6,852、20,453
GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): –、5,344、16,987
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 1,826、5,553、17,109
HP Pavilion Power 15(Core i5-7300HQ、GTX1050): 1,797、5,230、14,052
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア
普通、1050Ti Max-Qは(Max-Qがつかない)通常のモデルよりも性能が落ちるのですが、MSIの冷却性能が高いおかげか、ノーマルモデルと大差ないスコアになっています。ここはMSIの腕の見せどころですね。
参考
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 4,228
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
ドスパラ Critea DX KS F7: 2,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 2,873
DELL Inspiron 15 7000(7570)(Core i7-8550U、GeForce MX130): 2,824
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 2,822
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 2,763
ドスパラ Critea DX-KS H3(Core i3-7100U): 2,198
GPUパワーがスコアに大きく影響を及ぼさないPCMarkですが、NVMe SSDのおかげで高めのスコアをマークしています。
参考(高品質):
ドスパラ GALLERIA ZZ(i7-8700K RTX2080Ti) 12532
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(i7-8750H GTX1070) 6691
MSI GS65(i7-8750H GTX1070 Max-Q) 5821
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(i7-8750H GTX1060) 4675
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(i7-8750H GTX1050Ti) 2914
FF15ですが、やはり高画質では少々厳しそうです。標準品質でも行けるかもしれませんが、解像度や画質を調整したほうがより快適にプレイできると思います。
トゥームレイダーですが、30fpsでも十分遊べる形になっていますが、画質を少し落としてもう少しフレームレートを稼ぎたい、というのが個人的な意見です。
トゥームレイダーの初期設定です。高設定で30fpsなら頑張ってるのではないかな、と思います。
QuakeChampionsですが、CPUパワーが高いため、設定を落とせば120hz対応モニターでも存分に力を発揮できます。快適に遊ぶなら外部モニターを用意したほうがいいでしょう。
初期設定では、High設定からほんの少し落ちているといった感じです。60fps狙いならこれで十分だと思います。
Forza Horizon 4も、特に不自由なく初期設定で60fpsをオーバーしています。(録画環境の設定ミスでフレームレートが不安定になっていますが、実際のプレイでは平均で70fps台後半をマークしています。)
初期設定ではプリセットが「ハイ」になっています。少し画質を上げても60fps前後はキープできると思います。
5.まとめ
MSI GF75 Thin(GF75-8RD-031JP)は、アプライド、ツクモ、PCショップアークにて送料・税込169,344円で販売中です。この製品はエントリーモデルながらも、薄型軽量で持ち運びにそこまで苦労せず、それでいてモニターサイズは狭縁17.3インチの大迫力、そして筐体デザインはメタル質感でスタイリッシュと、MSIの意欲がいたるところに詰まっています。特に筐体品質は上位モデルにも引けを取らない程で、ゲーミングシーンのみならず、オフィスに持っていっても場違い感の無い仕上がりとなっています。まさに「どこでも使える万能マシン」です。
他人とは違う「落ち着いたゲーミングマシン」が欲しい方、値段も手頃なので、狙ってみて損はないかと自信を持っておすすめできます。新たなエントリーモデルの定義が、MSIによって築かれていきそうな予感がしました。
6.関連リンク
GF75:MSI 製品情報
GF75 – MSIゲーミングノート:PCショップ アーク