マウスコンピューターがCPUにデスクトップPC用のRyzenを搭載するクリエイターノート「DAIV 5D-R5 / DAIV 5D-R7」を発売しました。デスクトップPC用のRyzenを搭載するノートPCとしては、先日「iiyama LEVEL-15FR104」というゲーミングノートをご紹介していますが、このDAIV 5D-R5/5D-R7はそのクリエイターノート版と言える製品性になっています。
1.スペック
DAIV 5D-R5 / DAIV 5D-R7 | |
OS | Windows 10 Home / Pro |
CPU |
5D-R5:AMD Ryzen 5 3500/Ryzen 5 3600 5D-R7:/AMD Ryzen 7 3700X/ |
外部GPU | NVIDIA GeForce GTX 1660Ti(6GB) |
RAM | 8GB/16GB/32GB/64GB |
ストレージ |
512GB/1TB SSD ストレージ2基搭載可 |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5 |
入出力 | USB 3.1 Type-C、USB 3.1 × 2、USB 2.0、HDMI、MiniDisplayPort、イヤホンジャック、マイクジャック、LAN(RJ45)、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(100万画素) |
バッテリー | 稼働時間 約1.5時間 |
サイズ | 361 × 258 × 33 mm(突起部含まず) |
重量 | 2.62 kg |
5D-R5/5D-R7で、末尾がR5になっているのがRyzen 5搭載、R7になっているのがRyzen 7搭載を意味します。いずれもデスクトップPC用のCPUで、R5のほうはRyzen 5 3500とRyzen 5 3600を選べます。Passmarkが公表しているベンチマークスコアは下記のとおりです。
Ryzen 7 3700X:22,763
Ryzen 5 3600:17,836
Ryzen 5 3500:12,698
Ryzen 7 4800H:19,377
Core i7-10750H:12,717
※8月20日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
下の2つ(Ryzen 7 4800HとCore i7-10750H)はゲーミングノートによく使われている型番、つまりノートPC用のCPUです。5D-R5/5D-R7に搭載されているCPUはもちろん非常に高性能ではありますが、最近はノートPC用のCPUも高性能化が進んでいることがわかりますね。
GPUはGeForce GTX1660Tiです。こちらはノートPC用(だと思います、さすがに…)で、ゲーミングノートであれば中位クラスくらいの性能となります。5D-R5/5D-R7はクリエイターノートという位置づけですが、GTX1660Tiを搭載することにより、グラフィック関係の制作業務も十分快適になるものと思われます。
RAMは5D-R5が標準で8GB、5D-R7が標準で16GBで、ともに最大64GBまでの増設注文が可能です。また、ストレージは標準で512GB SSDで、1TBに増設することができ、このほかにもう1基SSDもしくはHDDを追加可能です。クリエイターの作業では大容量のRAMやストレージが必要になる場合があると聞いている(自分では体験していない)ので、これだけの増設に対応できるのは歓迎されるでしょう。
ディスプレイは15.6インチのFHD(1,920 × 1,080)解像度ですが、製品ページに「NTSC比 約72%(参考値 sRGB比換算 約102%相当)」という記載がありましたので、「クリエイター仕様」と言えます。そのかわり、ゲーミングノートのように高リフレッシュレートのものではありません。
通信まわりではWi-Fi6に対応し、ゲーミングノートと同様にたくさんの入出力ポートを装備しています。外部ディスプレイ出力も3系統(HDMI、MiniDP、USB Type-C)が確保されており、マルチ画面での作業も容易でしょう。
iiyama LEVEL-15FR104のときもちょっと驚いたのですが、この製品のバッテリー稼働時間は「1.5時間」です。ノートPCとしては「最短レベル」ですが、CPUがデスクトップ用ですし、下手に「4.5時間(JEITA)」みたいなことを書かれるよりもずっとスッキリします。ということで、この製品は基本的に電源接続が必須で、内蔵バッテリーはUPS(無停電電源装置)みたいなもん、と理解しておきましょう。
サイズはiiyama LEVEL-15FR104と微妙に異なりますが、「ほぼ同じ」と理解していいと思います。厳密には厚さが異なるのですが、これは「ゴム足を含むか含まないか」の差であろうと思います。まあ、「デカイ」ですね。特に厚みがすごいです。
2.筐体
サイズは大きいんですけど、横幅は361 mmなので一般的な15.6インチノートと変わりません。なので、左右のベゼルは細くなっています。制作に集中できそうですね。
天板です。マウス製品らしく非常にシンプルで、DAIVのロゴがプリントされているのみ。また、この製品は背面にもポートがあります。
キーボードです。キーピッチは19 mm、キーストロークは約1.8 mmと開示されていましたので、サイズは十分、ストロークはやや深めになるかと思います。テンキーがつきRGBバックライト(1ゾーン)が装備されています。
側面です。かなりの厚さですよね!ポートが小さく見えますし、microSDカードリーダーがすごく可愛いです。
背面のポートです。ご覧のように映像系のポートが背面にまとめられています。
3.価格など
マウス DAIV 5D-R5 / DAIV 5D-R7はマウスコンピューター公式サイトで販売中で、8月21日現在の価格はRyzen 5搭載の5D-R5が109,800円(税込み120,780円)から、Ryzen 7搭載の5D-R7が139,800円(税込み153,780円)から、となっています。
デスクトップ用のCPUを搭載していること、またバッテリー稼働時間が非常に短いこと、そして筐体サイズを考慮すれば、基本的に据え置き型で使うことになると思います。もちろん性能は非常に高いと言えますが、以前のようにデスクトップPC用CPUとノートPC用CPUに極端な性能差がないことから、CPU性能のメリットと、ノートPCらしい柔軟な使い方に制約が出てくることのデメリットをよく比較検討して購入すべきでしょう。ただ、Passmarkスコアからみた価格は安いと思います。