LenovoがThinkPadシリーズでは比較的低価格であるスタンダードノート「E490(14インチ)」と「E590(15.6インチ)」を発売しました。製品名から「わかる人はわかる」と思いますが、2018年モデルのE480/E580の後継機種となります。もちろん新型なので、従来モデルから変更されている箇所はありますが、「そんなには変わっていない」という印象です。ただ、色が…。
1.スペック
冒頭に書いた通り、E490は14インチ、E590は15.6インチなので、もちろんサイズは異なりますが、基本スペックは共通です。E480/E580からの最大の変更点はCPUで、Kaby Lake RからWhiskey Lakeに変更されています。Core i3/Core i5/Core i7と、ニーズに合わせ3種類から選べます。
E480/E580のころから、外部GPUのRadeon RX550(VRAM2GB)の搭載が可能でしたが、E490/E590でも全く同じ型番のGPUを搭載できます(オプション価格10,800円)。このGPUはRadeonの中では低スペックな部類となりますのでオンラインゲームなどをするのには少々力不足ながら、グラフィック処理系の作業をする際には強い味方になってくれるでしょう。
RAMは1月11現在だと最低で8GB、最大で32GBまでカスタマイズ可能です。E480/E580にあったRAM4GBという設定は今のところありません。ストレージは最低構成で128GB SSDですが、256GB/512GBへの増量もできますし、SSDとは別にHDDも搭載できます。最大だと512GB SSD + 2TB HDDまで増やせます。また、Intel Optaneメモリーの装備もできますが、ストレージをHDDのみとした場合に可能で、SSDを選択する場合にはOptaneメモリーは装備できません。
ディスプレイはE490/E590ともTN液晶・HD解像度とIPS液晶・FHD解像度の2種類を選べます。TNからIPSに変更するオプション料金はわずかに3,240円なので、個人使用の場合はIPSのほうをおすすめします。
入出力ポートは充実しています。E490/E590共通で、合計で4つのUSB、HDMI、有線LANを備えていますので、ビジネス利用にも便利でしょう。ただし、SDカードリーダーはmicro規格になっています。これ、E480/E580の頃からmicro規格なのですが、できればフル規格にしてもらいたかったですね。
サイズのほう、E480/E580と全く変わりません。厳密にいうと1ミリ未満の相違はありますが、基本的に同一筐体であると考えていいでしょう。E490は14インチとして、E590は15.6インチとして「平凡」なサイズ感です。2019年の水準だと、大きすぎるということもなければコンパクトであるとも言えません。ただし、E490の重量1.75 kgというのはその気になればモバイルマシンとして使えないこともないくらいの重さではあります(個人的にはモバイルノートとしてはちょっと重すぎると思います)。
なお、上に掲載したスペック表で、E490の厚さが「ABS」と「AL」で異なる、という記載になっています。常識的にはABS=ABS樹脂、AL=アルミニウムという意味だと思うのですが、E490の筐体素材が2種類あるという説明はなく、意味がよく分かりませんでした。ただ、基本的にはThinkPadの素材はABSだと思います。
2.筐体
こちらが14インチのE490です。14インチのノートPCには普通テンキーはつきません。ただ、ベゼル幅は思ったよりも細いですよね。
こちらが「驚愕の」E590です。どこが「驚愕」なのかと言いますと、筐体色ですw ThinkPadシリーズにブラック以外の筐体色が設定されるのはこれが初めてではありませんが、Eシリーズとしては「初」だと思います。「一般的なノートパソコンらしくていいじゃない!」と思うかもしれませんが、ThinkPadユーザーとしては違和感がかなり大きいですね。
ただし、E590はすべてこの色(「シルバー」と言います)になるというわけではありません。従来通りのブラックも健在なので、お好きなほうを選べばいいだけです。
ということで、参考までにシルバーの天板を。色は別として、E490/E590とも、「ベリーThinkPad」な天板デザインです。
キーボードです。上の画像がE490、下の画像がE590です。ご覧のようにE490にはテンキーがつかず、E590にはテンキーが装備されます。また、E490、E590ともオプションで指紋センサーを装備できます。また、この製品に限らず、ThinkPadシリーズは英語キーボードと日本語キーボードを選べます。
キーボードの品質に関しては疑う余地はないでしょう。ThinkPadシリーズのキーボードはどれも非常に高品質です。
側面と入出力ポートの配置です。E490とE590で若干位置は異なりますが、基本的には同一のポートが装備されています。ビジネスにもプライベートにも不足のない構成だと思います。
3.価格など
Lenovo ThinkPad E490/E590はLenovo直販サイトで販売中で、1月11日現在の価格はE490が税込み71,712円から、E590が税込み76,032円から、となっています。この価格は平日用のセール価格なので、おそらく土日にはもう一段価格が下がるものと思われます。
一通りチェックしてみましたが、従来モデルのD480/E580との相違点はCPUの型番くらいで、数値上はあまり変更点がありません。E590はシルバーも選べるようになった!というのはありますけどね。もちろんCPUが変わったということで筐体の内部構造やパーツは変わっている可能性がありますが、私たちユーザーにしてみればさほど変化がない、と理解していいと思います。E480/E580も当面は併売されることになります。もちろん最新のCPUのほうがいいのは間違いないですが、新しいCPUが出たからと言って直ちにKaby Lake Rが陳腐化するわけもなく、新旧モデルの価格差などをよく考えて判断されたらいいと思います。