LenovoがIdeaPadシリーズにニューモデルを投入しました。14インチサイズの「S340(14)」で、型番から考えて従来モデルの「330S(14)」の後継モデルと思われます。とはいえ、筐体からして新しくなっていますし、性能面でもワンランクアップしています。そして、かなりのお買い得価格ですよ!
1.スペック
この製品はCPUの型番だけ見るとかなりのワイドバリエーションです。Intel搭載モデルとAMD搭載モデルでLenovoの製品ページがわかれていますが、基本的に同一筐体と思われ、外観上の相違点も見当たらないことから、この記事でまとめてご紹介します。
とりあえず、搭載CPUのPassmarkスコアを掲載します。
Core i7-8565U: 9,088
Core i5-8265U: 8,137
Ryzen 5 3500U: 7,646
Core i3-8145U: 4,798
Pentium 5405U: 3,152
Athlon 300U: データなし
Celeron N4100: 2,317
※5月18日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
個人的に最も気になるのがPentium 5405UとAMDの2型番です。残念ながらAthlon 300Uに関してはPassmarkでもスコアが見当たりませんでしたが、Pentium 5405Uはありました(ただし、サンプル数が「1」なので、信頼性は低いです)。また、参考までにエントリークラスのノートPCに使われることが多いCeleron N4100のスコアも載せています。
予想通り、といいますか、Pentium 5405UはCore iプロセッサーには及ばないものの、Celeronよりはずっと高性能ですね。3,152というスコアなんですけど、私が現在使っているノートPCのCPU「Core i3-6100U(第6世代)」で3,603、Core i5-5200U(第5世代)で3,486なので、Pentium 5405Uは「少し前のCore i3やCore i5に引けを取らない」くらいの実力になっているようです。仮に私(Core i3-6100Uユーザー)がノートPCを買い替えてこの製品のPentiumモデルにしても、性能差を体感できないように思われます。
Ryzen 5 3500Uも、Passmarkでのサンプル数が「12」なので、信頼性は今ひとつですが、Whiskey LakeのCore i5に引けを取らないスコアになっていると言えるでしょう。Ryzenはグラフィック性能が高めだと思いますので、Passmark以外のベンチマークテストをすればCore i5よりも高いスコアとなる可能性もありますね。
RAMは4GBもしくは8GBです。ただ、ThinkPadとは異なり、注文時にRAM容量をカスタマイズできず、Pentium、Core i3、Athlonを搭載するモデルは4GB、Core i5、Core i7、Ryzenを搭載するモデルは8GBで固定されます。
ストレージも同様で、Pentium、Core i3、Athlonだと128GBのみ、Ryzenなら256GB、Core i5とCore i7は256GBか512GBを選べます。できればもう少しカスタマイズ余地があると良かったですね。
ディスプレイはFHD解像度ですが、IPS液晶ではなくTN液晶となります。個人的にはノートPC用の液晶は視野角の広いIPS液晶のほうが好ましいと思っていて、このディスプレイはS340のウイークポイントになる、と思っていますが、このへんの評価は人それぞれでしょう。
入出力ポートは14インチでモバイル利用も視野に入れた筐体としては普通くらいかと思います。USBポートは合計で3つありますし、HDMIも装備します。それと、SDカードリーダーがmicro規格ではなくフル規格というのがポイント高いですね。最近のノートPCは大型サイズのものでもmicro規格のものが増えていますから。
バッテリーの稼働時間はAMD搭載モデルが11時間、Intel搭載モデルが14.3時間となっています。個人的には実際に10時間以上持つとは思っていませんが、やはりAMDのほうがバッテリー消費が大きめなんでしょうね。
サイズはモバイルノートとして考えることができるくらいにコンパクトです。14インチサイズの製品としては悪くありません。ちょっと微妙なのが重量で、ウインタブ的には「モバイルノートは1.5 kg」という考えなので、それに沿うと「重量オーバー」です。ただ、このへんは個人差もあると思いますし、別に毎日持ち歩くのがめちゃめちゃ苦痛、とは言えませんね。ちなみに13.3インチサイズのモバイルノートだと、上位機種は1 kgを切っているものもありますので、それらの製品と比較してしまうと少し厳しいです。
2.筐体
タテ・ヨコサイズがコンパクトになっていることもあり、ベゼルはかなり細いです。この製品は3万円台から購入できますが、とてもそんなふうには見えません。
天板です。LenovoではThinkPadシリーズと同様にIdeaPadシリーズもデザインに統一感を持たせていて、この製品の外観は他のIdeaPadシリーズと見分けがつかないくらいに似ています。使う人を選ばない、シンプルで好感の持てるデザインだと思います。なお、筐体素材は不明です。
すみません、キーボードの拡大画像がありませんでした。この画像では英語配列になっていますが、日本向けには「84キー(Fnキー+Windowsキーを含む)、JIS配列」となります。また、バックライトは装備されないようです。画像を見る限り、他のIdeaPadシリーズとよく似ていて、14インチということもありますのでキーピッチなどに狭さを感じることはないでしょう。
また、この画像の通り、ヒンジは水平位置(180度)開口します。
各部名称です。ここで「Novoボタン」というのがありますが、これはシステムが正常に動作しない際に、BIOS画面を呼び出したり、起動の設定メニューを呼び出してくれるボタンとのことです。このボタンを使うためには「Lenovo Onekey Recovery ソフトウェア」が必要となりますが、当然この製品にはインストールされているものと思います。NovoボタンについてはLenovoが説明ページを用意しています。
NOVO ボタンとは?:Lenovo
3.価格など
Lenovo IdeaPad S340はIntel版がLenovo直販サイトで販売中、AMD版は5月21日から直販スタートとなる予定で、Intel版の5月18日現在の価格は税込み38,016円から、です(セール価格)。38,016円モデルのシステム構成は「Pentium/RAM4GB/128GB SSD」となっています。また、最も高価な「Core i7/RAM8GB/512GB SSD」という構成だと税込み87,091円(5月18日現在)です。
AMD版は価格が判明していないのでコメントは控えます。ここではIntel版について述べます。スペックと価格のバランス、という観点だと「壊れている」レベルと言えるかもしれません。非常に安いと思います。一方で、個人的にはこの製品が「TN液晶のみ」という点に少し不満を感じます。特に上位モデルは割安とは言いつつもしかるべき金額を支払うことになるので、「これでTN液晶かよ」って思いますね。
これを踏まえると、この製品の場合、Intel版に関してはPentiumモデルに特に大きな魅力を感じます。TN液晶だとか、RAMが4GBだとか、必ずしも満点とは言えないと思いますけど、それを帳消しにしてくれるくらい安いと感じますからね。コスパ重視でPC選びをする場合、この製品は有力候補になると思います。