こんにちは。ひつじです。最近グラフィックカードは高騰しているわ、ゲーム機も転売の影響で定価での製品入手が困難だわ、という状況。私生活も忙しくすっかりゲームから遠のいてしまっていました。
しかし今回レビューさせていただいたゲーミングUMPCである「ONEXPLAYER」を通じ、久しぶりにゲームをするとやっぱりちょっとワクワクしてしまいましたし、最近の内蔵GPUはやはり優秀。ゲームコンソールとしてもパソコンは優秀だな、と再確認した次第です。
それでは早速製品を見ていきましょう。
目次
1.ONEXPLAYER スペック
ONEXPLAYER | |
OS | Windows 10(レビュー機はHome) |
CPU | Intel Core i5-1135G7 / Core i7-1165G7 / Core i7-1185G7 |
外部GPU | なし(内部GPUはiRIS Xe) |
RAM(メモリ) | 16GB(LPDDR4X) |
ストレージ | 512GB/1TB/2TB M.2 NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 8.4インチ(2.560×1.600)10点タッチ対応、筆圧検知4,096段階対応 |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C(USB4)× 2、USB 3.0、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | なし |
その他 | ゲームコントローラ搭載(脱着不可・振動機能有)/指紋認証 |
バッテリー | 59Wh/20V 3.25A、65W |
サイズ | 288×130×21mm |
重量 | 820g |
ゲームコンソール型のパソコンでありながら構成はなかなかにハイエンド志向。CPUはTiger Lakeとも呼ばれる第11世代のCoreシリーズを搭載しています。Ice Lake以前におけるUシリーズ相当の、いわゆる低電圧仕様のCPUですね。
ただGPUはいずれも内蔵ながらiris Xeを謳っており、(CPUに統合されたCPUとしては)高い実力が期待できる内容でもあります。
RAMは16GBのLPDDR4Xを搭載。クロックも4,266MHzと非常に高いです。一般的なパソコンであれば、クロック数は高いものでも3,200位の製品が多いのでこの点は強みだと言えます。
ストレージもPCIE×4接続の高速なSSDを採用しており、容量は512GB~2TBと必要十分な領域が確保されています。
ディスプレイは8.4インチのIPS液晶。色域はsRGBカバー率100%(NTSC比72%)。解像度は2,560×1,600です。今回試せてはいませんがスタイラスが別売りされる予定なのか、4,096段階の筆圧検知に対応していることも謳っていますね(このスタイラスに関する情報は現在無し)。
その他、USB4を採用したUSB Type-C端子を2つ(映像出力にも対応)搭載している点、CPUのTDPを切り替えるボタンが搭載されている点、指紋認証に対応している点、振動機能を搭載したコントローラやWi-Fi6に対応した無線LANを実装している点等が特徴的です。
今回のレビュー機は実製品版とは異なる部分がありますが、スペック上は中位に近いものでした(Core i7-1165G7/16GB RAM/512GB ストレージ)。
2.ONEXPLAYER 外観
3.ONEXPLAYER 使用感
今回、オプションのキーボードなどはお借りしておりません(別途一般的な無線キーボード等は添付頂いていました)。その前提での使用感ですのでご容赦ください。
ディスプレイ
解像度が高く、この点は良質だと感じました。色域はスペック通りで広色域とは言えないながらもサイズ等から想定している期待度は超えた性能を発揮しているようには感じます。色の脚色も気になる程ではありません。及第点はクリアしているといったところですね。
微妙な評価に聞こえるかもしれませんが、これは製品の問題等というよりこの画面サイズと解像度で高画質なパネルというのが部材としてそもそもレアな存在なので、そういったところを鑑みた上で「頑張っている」と認識すべきポイントだと思います。
また、画面サイズはポータブルゲーム機として考えれば明らかに大きいです。没入感が高まっているように思いますね。
一方で一部のゲームやベンチマーク(FINALFANTASY15)などではフルスクリーン表示だとスケーリングが機能せず小さい表示になってしまう、といった挙動面で気になるポイントがチラホラ。この辺りは使いこなしが必要かもしれません。
スピーカー
低域が弱めの音調です。良くも悪くも調節などがなされている様子はありません。原因は不明ですが左右でやや音色やゲインが違うように感じたのが多少気がかりでした。ゲームプレイ時はそこまで気にならないのですが、動画再生などではそういったポイントが気になるときも。
「実用品」と評価すべきか「実用品プラスα」と評価すべきか迷う感じですね…。
コントローラ
ボタン配置は基本的にXbox準拠です。ただそれらに加え「デスクトップ表示」ボタン(左下オレンジ)、「スクリーンキーボード表示」ボタン(右下2つのボタンのうち上)、「CPUのTDP切り替えボタン」(右下2つのボタンのうち下)が搭載されています。また背面にはボリューム上下およびミュートボタンもありますね。
ボタンの配置や押下したときの感覚は非常に良好。多少十字キーの押し込み感が深めなことが気になる位で、他の部分は配置を含め使いやすく仕上がっていると思います。
また、振動機能がポータブルゲーム機のような筐体でありながらしっかり搭載されていることが面白いです。振動は力強いですね。振動表現そのものは単純でかつ動作音がやや大きめです。本音を言えば振動のON/OFFがハードとして切り替えられたらありがたいので次回実装してくれたらいいな、と思いました。
その他
良くも悪くもWindowsタブレットに近い成り立ちの製品だと感じています。Windowsタブレットの泣き所だったスクリーンキーボードの使い勝手等は相変わらず、といったところ。また、デスクトップ上でコントローラのスティック等が使用できないのはちょっとだけ残念(使用できる方法もあるのかもしれませんが…)。
一方で便利だったのがデスクトップ表示ボタンでした。これがあることでフルスクリーンのアプリケーションをいくつか併用しても使い勝手がかなり良好になります。
ちなみに手で保持してゲームをするには本体が重くて厳しいです、幸いキックスタンドが搭載されているので「テーブルに設置しつつゲームプレイをする」という使い方がちょうどいいように感じましたね。んー…。やっぱり前述の振動機能はこういった場合、OFFに出来る方がありがたい。ゲームプレイそのものは非常に快適です。
また仕事等で使用するにはコントローラが目立つので、取り外しが可能だと嬉しいですね。スペック的には非常に余裕がある作りなので多少ハードな事務処理であってもガッツリ使用出来ると思います。在宅勤務ならむしろゲームをしつつ仕事が出来る、メリットさえあるかもしれません。笑
なお、バッテリー持ちはゲーミング用途を想定し、FF15のベンチマーク実施時のバッテリー消費を見ていましたが、ボリューム10%。画面照度最低、「最大パフォーマンス」設定時だと、ベンチマーク1周(約6分30秒)する毎に5%ほどバッテリーを消費していることを確認しています。画面照度最低というのはあまり現実的ではないので、バッテリーを使用してのゲームプレイ可能時間は1時間半程度だと見込んでおけば大丈夫かと思います。
4.ONEXPLAYER ベンチマーク
計測は特に断りが無い限り非ターボモードで計測しています。
まずは3DMark(すみません。WildLifeも計測したほうが良かったですね…。)。Core i7-1165G7搭載機としては順当な性能を発揮していますね。ゲーミングノートと比較すると辛い部分もあるかと思いますが、正直8.4インチの画面であれば多少画質設定を落としても画質低下が目立つという程では有りませんし、「ポータブル用途」や「サブ用途」であれば十分な内容じゃないかな、と思いますね。画質設定を行えば最近のAAA級ゲームもなんとか動くかと思います。
続いてPCMark。こちらも順当な結果ですね。ただ中身を見ていくと高速なメモリが効いているのかアプリのスタートアップスコア等はかなりの好成績。他の要素もTURBOモードをONにすれば数値向上は図れるかと思います。画面が小さいのでデスクワークに向いている、とは言い難い面もありますが外付けのディスプレイ等を用意すれば仕事においても快適に活用することが出来るでしょう。
CPU性能のみを計測するCINEBENCH R23のスコアですが、こちらは特にマルチコア性能でCPUの割にはやや振るわない結果に。TURBO設定でないことが影響している可能性はあります。他のベンチマークは比較的順当なスコアを出しているので憂慮をする必要はないかと思いますね…。
FINALFANTASY15のベンチマークです。こちらのスコアは通常状態で計測したもの。バッテリー駆動でも「最大パフォーマンス」設定ならば数値はほとんど変わりませんでした。「重い」という評価は一見厳しく見えるかもしれませんが、「動作困難」とは違い動作可能な下限、といったところ。画質設定などをもう少し煮詰めればなんとかゲームプレイが可能になるレベルだと思います。
一方こちらは「TURBO」モードで計測したもの。スコアが大きく向上しており、評価も「やや重い」と1段階向上しています。こちらであれば画質設定次第で「普通」の評価を得られる可能性もあります。持ち運び可能なゲーム機としては画期的と言って良いでしょうね。
こちらはストレージの速度を計測するCrystal Disk Markの結果。SSDの速度はPCIE3.0×4接続の機器としては妥当だと言えます。これだけの速度が出ていればまず不満は無いのではないでしょうか。
なお、レビューに際しベンチマークと合わせて実際にForza Horizon4もプレイしています。下記画像の自動計測に基づく設定にてプレイしていますがフレームレート上は不具合なくそれなりに走れるかな、といったところ。自車の画質がやや低下する点は気になるものの、ゲームプレイそのものを阻害するようなトラブルは特に無いですし背景の描写は十分綺麗。「ポータブルXbox」的な使い方が可能だな、と思いながらプレイしていました。これは楽しい。
また、コントローラが振動する、というのも新鮮味があっていいですね。振動の緻密さ等はかなり大味ではあるのですがそれでもパソコンゲームを携帯ゲーム機と同じ感覚でプレイできて、かつコンシューマーゲームのような機能体験も出来るのは素直に面白いです。
参考までに自動計測によるベンチマーク結果はこんな感じでした。
5.ONEXPLAYER レビューまとめ
ONEXPLAYERはIndiegogoでのクラウドファンディングを終了し、現在は製品の正式発売を控えている状態です。国内での販売価格はまだ明らかになっていませんが、公式サイト上でメールアドレスを登録することで2,000円OFFのクーポンの配信を受けることが可能です。
一般的なノートパソコンと異なり、かなり個性に溢れた製品だと言えますが、その分刺さる人には刺さる機種だと思います。もうすぐ賞与がもらえる人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。思い切って購入してみても面白いかもしれませんよ!
6.関連リンク
ONEXPLAYER:One-Netbook日本公式サイト(テックワン運営)
コメント
ロマンティックという言葉が相応しい品ですね。
>在宅勤務ならむしろゲームをしつつ仕事が出来るメリット
ひつじさん、本音がダダ漏れですよ?
>筆圧検知4,096段階対応
あゝ、、何度この形状の製品が発表される度に妄想したことか、、
Win-Tabさん、今こそ大々的にこの機を喧伝すべき!