こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は中国のミニPCメーカー「MINISFORUM」の高性能モデル「EliteMini H31G」の実機レビューです。MINISFORUMのミニPCについては、先日ライターの.TAOさんが「DeskMini UM300」という、Ryzen搭載の高性能モデルを実機レビューしていますが、この「EliteMini H31G」はさらに高性能です。というかオンラインゲームのプレイも楽しめるくらいの実力があります。
中華のミニPCといえば「低価格でCPUにAtomやCeleronを搭載したもの」というイメージがありますが、MINISFORUMでは(Celeron機もありますけど)メインPCとしても不足のない高性能マシンを次々にリリースしている印象があります。ということで、このレビューを楽しみにしていました。
なお、この製品はMINISFORUMからサンプル提供頂いております。MINISFORUMにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
MINISFORUM EliteMini H31G | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Core i3-9100F/Core i5-9400F/Core i5-9500F/Core i7-9700F |
外部GPU | NVIDIA GeForce GTX1050 Ti(4GB) |
RAM | 8GB/16GB |
ストレージ |
256GB/512GB M.2 NVMe SSD 2.5 inch SATA HDD or SSD(拡張用) M.2 2242 SATA SSD(拡張用) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.0 × 4、HDMI、Mini DisplayPort、microSDカードリーダー、LAN(RJ45)、イヤホンジャック、マイクジャック、LINE-IN、LINE-OUT |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 154 × 153 × 62 mm |
重量 | 1.15 kg |
スペック表には記載がありませんが、EliteMini H31Gには「ベアボーン(OS、CPU、RAM、ストレージなし)」もありますし、「CPUのみでRAMとストレージなし」という構成も選べますが、この記事では一応「完成品のPC」という構成に絞ってご説明します。
搭載CPUは第9世代のデスクトップ用CPU「Core i3-9100F/Core i5-9400F/Core i5-9500F/Core i7-9700F」の4種類です。型番末尾が「F」なので、Intel UHD GraphicsやIntel Iris Plusといった内蔵GPUはありません。グラフィックを担当するのは外部GPUのGeForce GTX1050Tiです。このGPUは現行世代ではなく、GTXシリーズの中では下位のモデルですが、もちろん内蔵GPUよりは格段に高性能なので、オンラインゲームや動画編集なども十分こなせると思います。
RAMは8GBと16GBを選べます。筐体内部に2つのスロットがあり、最大で64GBまで搭載可能です。ストレージも256GBと512GBが選べ、 M.2 NVMe SSDです。またストレージに関しては2.5インチのSATAスロットとM.2 SATAスロット(2242サイズ)が空きになっていますので、増設して大容量にすることができます。この製品はデスクトップPCなので、DIYでのカスタマイズ自由度があります。
通信まわりではWi-Fi6に対応し、有線LANポートも装備しています。また入出力ポートはUSB 3.0 Type-A × 4と、当座困らないくらいの数が確保されていますが、Type-Cポートの装備はなく、また絶対数も高性能デスクトップPCとしてはやや物足りない印象があります。映像出力ポートはHDMIとMiniDPの2つがありますので、2画面出力も可能です。
レビュー機のシステム情報です。市販品の構成と変わりはありませんが、レビュー機はメーカーから「サンプル」という前提で送ってもらっています。CPUはCore i5-9500F、GPUはGTX1050Ti、RAMは8GB、256GB SSDという構成でした。
2.筐体
同梱物です。画像上部に大きな(150Wの)ACアダプター、その左に電源ケーブルがあります。コンセントは日本で使える形状でした。その下にネットが2枚(上部の通気口に置き、ホコリの侵入を防ぐためのものです)、さらにその下にはディスプレイの背面などに取り付けるためのマウンターがあります。マウンターの横にあるのは取り付け用のネジです。
中央右にはHDMI(オス)- HDMI(オス)のケーブル、その下にDisplayPort(オス)- miniDisplayPort(オス)のケーブルがあります。常識的には必要なケーブルは揃っていると言えます。あとはディスプレイ、キーボード、マウスを用意するだけですね。
また、画像上部の右端に取扱説明書があります。
簡単な表記ですが日本語もありました。また、この製品の場合、使っていくうちに筐体を開口してRAMやストレージの増設をする機会が出てくる可能性がありますが、取扱説明書には筐体開口のやり方なども記載されていました。実際このレビューでは筐体を開口していますが、取扱説明書の記載に従って問題なく作業ができました。
前面です。割とそっけないといいますか、画像左下にイヤホンジャック、その横にリセットボタン(PCがフリーズしたときなどに押します。SIMピンなどの細くて尖ったものが必要です。ピンは同梱されていません)、右下に電源ボタンがあります。
注意したいのは「前面にはUSBポートがない」という点ですね。これは使い勝手を左右するポイントになります。
背面です。入出力ポートが整然と並んでいます。左からDC-IN、HDMI、miniDP、有線LAN、そしてUSB 3.0 × 4です。ウインタブがよくレビューしているノートPCだと十分な構成と言えるのですが、デスクトップPC、それも高性能マシンということだとこのポート構成は少々寂しいものがあります。
右側面には通気口のみ。特にポートやボタンはありません。
左側面にはLINE IN、マイクジャック、イヤホンジャック、そしてmicroSDカードリーダーがあります。これらのポート類は前面寄り(画像の右側が前面です)に配置されていますので、使い勝手は悪くないと思います。
上面です。メッシュ状の窓があります。同梱物のところで説明したネットは、この窓に重ねるようにして置きます。これを見るとこの製品がデュアルファンであることも見て取れます。カッコいいですよね!
底面です。マウント用のネジ穴があるほか、4つのゴム足の内側に開口用のネジがあります。当たり前ですが、この4つのネジを外して開口します。開口は精密ドライバーではなく、「普通のプラスドライバー」を使います。
開口(その1)です。画像上側にポート類が見えますが、こちらが背面、画像下側が前面となります。「1」がM.2 NVMe SSDでヒートシンクが取り付けられていました。「2」が2.5インチドライブベイ(空き)です。左下にSATAのコネクターが見えます。「3」がM.2 SATA SSDスロット(空き)で、適合するSSDのサイズは2242です。
この画像は「底面を外しただけ」なので、非常に簡単に見ることができます。したがって、ストレージの増設も非常に容易にできる、ということです。
すみません、画像が少し斜めになってしまいましたが、開口(その2)です。ひとつ上の画像から2.5インチドライブベイを取り外したものになります。「4」にRAMスロットがあります。レビュー機は8GBのものが1枚刺さっていて、もう1つ空きスロットがありました。ちなみに16GBを購入すると、「8GB+8GB」という構成になります。
ちなみに私はこのレビュー終了後もH31Gを仕事用に使わせてもらうつもりでいますが、この構造であればいつでも好きなときにRAMやストレージの増設が可能なので、非常に心強く感じます。というか、H31Gは小さくともデスクトップPCの範疇に入る製品なので、DIYでのRAMやストレージの増設は当たり前といえば当たり前なんですけどね。
PCの自作知識が十分ある人ならこれ以上の開口(いや、これ以上の作業は「分解」と表現すべきかと思います)が可能とは思いますが、全ての人にとって簡単な作業とは言えませんので、おすすめしません。一応、CPUはデスクトップ用なので、ソケットさえ合えば換装は可能です。しかしGPUは換装が難しいでしょう。というか、そこまでする芸風の製品ではないと思いますね。
3.使用感
EliteMini H31GはノートPCではないので、キーボードが使いやすいとかディスプレイがキレイとかバッテリーが長持ちするとかは製品評価と関係がありません。そのため、しばらく使ってみた感想を書かせていただきます。
カチッとした筐体
かなり前のウインタブでは、中華PCは「少しねじるとミシミシ言う」とか「外観がめっちゃ安っぽい」なんていう評価をしていましたが、ここしばらくはそういう製品にはお目にかかりません。H31Gは金属筐体で「がっしり」した雰囲気を備え、華奢な印象はありません。
また、操作ボタン(電源ボタン1つしかないですけど)の感触もカチッとしたもので、「つくりの良さ」は感じられます。レビューにあたり筐体を開口してみましたが、整然としていて、2.5インチドライブベイに使用するSATAケーブルも結束ワイヤーでしっかり固定されていました。製品の質感とか仕上げについては心配いらないと思います。
ポートの使い勝手はイマイチ
レビューにあたり、H31Gに「キーボード、有線マウス、ディスプレイ、LANケーブル」を常時接続し、必要に応じて「外付けSSD、ゲーム用にXBOXコントローラー」を接続しましたが、これらを全て接続するとUSBポートは全てふさがります。ノートPCと違って「キーボードとマウスがUSBポートを専有する」ので、それを考えるとUSBポートは足りないのかな、と。
「Bluetooth接続にしたらいいじゃん」という指摘もあるかと思いますが、ゲーマーならずともキーボード、マウスともBluetoothだと使いにくいという人もいるでしょうし、特にゲームプレイ時にはこのくらいの周辺機器接続をすることが多いと思いますので、前面にあと2つくらいUSBポートがあるとなお良かったですね。
「前面に」というのは「使い勝手の面で」という意味です。私だけかも知れませんが、外付けSSDは他のPCと使いまわしていますし、ゲームコントローラーもゲームをするとき以外は取り外します。なので、前面にUSBポートがあると格段に使いやすくなるんですよね。またUSBメモリースティックを挿したりする場合にも前面にUSBポートがあると便利です。
ファン音と発熱
ファン音はそれなりにします。一般的なCoreプロセッサー搭載のノートPCよりは確実にファン音は大きいですね。これをどう捉えるかは人によると思いますが、個人的には特に気になりません。ただし、夜などに静かな室内で映画を観るような場合は少し耳障りに感じられるかも知れません。ちなみにゲームプレイ中は「それどころではない」ので、全く気にならないですけど。
また、レビューに際し、オンラインゲームも1時間ほど連続でプレイしてみましたが、その場合、背面から熱風(というほどでもないのですが、そこそこ熱いです。デスクトップPCとしては特に珍しい感じでもありません)が出るのと、底面が多少熱を持ちます。ミニPCとは言え、ファンも2基搭載していますし、ノートPCよりは筐体内部のスペースに余裕がありますので、特に「マズイ」とかは思いません。
ゲームプレイ
ウインタブの実機レビューで最近しばしばご紹介しているトンデモなレースゲーム「Wreckfest」を1時間ほどプレイしてみました。このゲームは重量級とまでは言えませんが、推奨されるGPUはGeForce GTX970ということなので、そんなにライトなものではありません。
一応動画を撮影してみました。前半パートは「バスのドライバーになり、コンパクトカーを蹴散らす」という、意識高い系のツイッタラーが激怒しそうなゲーム、後半パートは「ハコスカ」を駆ってのサバイバルレースです。
Wreckfestのプレイでは、グラフィック品質を上げると挙動がカクつきました。「中画質をベースに、一部を低画質に落とす」くらいの設定だと快適にプレイできます。少なくとも私は特に不満を感じませんでした。なので、レビュー機の構成だと、「ライトなオンラインゲームなら問題なし、中量級・重量級のゲームだと画質を落とせばプレイ可能」くらいだと思います。上級ゲーマーが最新のFPSゲームをプレイすると少しストレスを感じると思います。カジュアルゲーマーなら十分楽しめそう。
4.性能テスト
参考1:
Lenovo Legion Y7000(i7-9750H):3,722、8,164、26,019
ドスパラ GALLERIA GR1650TGF-T(Ryzen 5 4600H)(注1):3,690、9,009、25,197
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF7(i7-9750H):3,686、8,290、26,358
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen5 4600H):3,637、8,779、25,063
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF(i5-9300H):3,627、8,240、24,774
MSI GF63 Thin(i7-10750H)(注1):3,530、8,372、26,065
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen5 3550H):3,441、8,036、19,066
MSI Prestige 15(i7-10710U)(注2):3,286、7,326、23,978
Microsoft Surface Book 3(i7-1065G7、)(注2):3,144、6,958、16,333
MSI Prestige 14(i7-10710U、Max-Q)(注2):3,111、6,973、22,126
ASUS ZenBook 15 UX534FT(i7-8565U):2,988、6,789、20,260
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア
※GPUがGTX1650のもの
※(注1)GTX1650Tiを搭載
※(注2)GTX1650 Max-Qを搭載
参考2:
DELL G7(i7-8750H、GTX1060):3,703、9,743、26,843
GALLERIA GKF1060GFE(i7-7700HQ、GTX1060):3,625、9,784、24,233
GALLERIA Mini 1060(i5-7500、GTX1060):3,583、9,276、22,203
GALLERIA GCF1050TNF(i7-8750H、GTX1050Ti):2,528、6,776、17,005
GALLERIA GCF1050TGF-E(i5-8300H、GTX1050Ti):2,523、6,802、20,045
ThinkPad X1 Extreme(i7-8750H、GTX1050Ti Max-Q):2,393、6,490、19,506
Critea VF-HGK1050(i7-7700HQ、GTX1050):1,826、5,553、17,109
Pavilion Power 15(i5-7300HQ、GTX1050):1,797、5,230、14,052
※過去データからGTX1060、GTX1050Ti、GTX1050搭載PCのスコアを一部抜粋
※レビュー機はSkyDiverのデータなし
まずはグラフィック性能をテストする「3D Mark」です。基本的にGPUの型番である程度はっきりと差が出ます。最初にお断りを。レビュー機はどうしてもSkyDiverのスコアが測定できませんでした(たまにこういうことがあります)。なので、Time SpyとFireStrikeのみのデータでご容赦ください。
EliteMini H31GのCPUはCore i5-9500F、GPUはGeForce GTX1050Tiです。直近のデータと比較してみると、やはり新しい型番であるGTX1650には及びません。また、旧型番でもGTX1060との比較でははっきりと差が出ますね。ある意味典型的なGTX1050Tiのスコア、と言えるかもしれません。このテストに関してはサプライズなし、といったところでしょう。
参考:
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q): 6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(i9-10980HK、RTX2070SUPER):6,023
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):5,852
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 5,830
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 5,727
MSI Bravo 15(Ryzen 5 4600H、Radeon RX5300M): 5,635
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 5,618
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 5,573
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(Core i7-9750H、RTX2060): 5,506
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 5,505
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
MSI GP65 Leopard(Core i7-9750H、RTX2060): 5,299
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
ASUS ZenBook 14 UM4125IA(Ryzen 7 4700U): 5,014
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ASUS VivoBook S15 M533IA(Ryzen 7 4700U): 4,975
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(Core i7-8750H、RTX2070): 4,893
HP ENVY x360 15(Ryzen 5 4500U) : 4,738
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 4,709
HP ENVY x360 13(Ryzen 5 4500U) : 4,678
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
ASUS ROG Zephyrus G GA502DU(Ryzen 7 3750H、GTX1660Ti): 4,365
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(Core i7-8750H) : 4,281
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad T490(Core i7-8565U、MX250): 4,158
ASUS VivoBook S15 S531FA(Core i7-10510U): 4,155
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-8665U): 4,132
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen 5 3550H、GTX1650): 4,124
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)(Core i7-8665U):4,120
ASUS ZenBook 14 UX434FL(Core i5-8265U、MX250):3,933
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
HP Elite Dragonfly(Core i5-8265U): 3,843
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 3,766
ドスパラ DX-C5(Core i5-10210U): 3,737
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 3,728
Lenovo ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U): 3,714
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
マウス m-Book X400B(Ryzen 5 3500U): 3,659
HP ENVY x360 15(Ryzen 3500U): 3,617
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
Lenovo ThinkPad E495(Ryzen 5 3500U): 3,574
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108
次にグラフィック性能だけでなく、ビデオチャットや画像加工、表計算ソフトなど、実際のビジネスシーンもシミュレートするPC Markのスコアです。3D Markと比較するとCPU性能がより重視されると言われていますが、テストにはグラフィック系のものも含まれますので、やはり外部GPU搭載機のほうがスコアが高くなる傾向にあります。
あくまで気分的なものではありますが、大台(5,000点)は越えましたね。GPUは今となってはエントリークラスではあるものの、CPUがデスクトップPC用のCore i5ということもあり、良好なスコアになりました。このスコアであればビジネスシーンでも不満を感じることはないだろうと思います。
参考:
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(Core i9-10980HK):497、4,120
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS):485、4,226
ASUS ZenBook 14 UM4125IA(Ryzen 7 4700U):479、2,637
ASUS VivoBook S15 M533IA(Ryzen 7 4700U): 475、2,821
MSI GF63 Thin(Core i7-10750H): 466、2,572
MSI Prestige 15(Core i7-10710U): 458、2,528
MSI Bravo 15(Ryzen 5 4600H): 454、3,280
HP ENVY x360 15(Ryzen 5 4500U) : 449、2071
HP ENVY x360 13(Ryzen 5 4500U) : 435、2,089
ドスパラ DX-C5(Core i5-10210U): 422、1,223
HP EliteBook x360 1040 G6(Core i5-8265U): 396、1,177
MSI Modern 14 B10R(Core i7-10510U): 389、1069
HP Elite Dragonfly(Core i5-8265U): 318、1,187
CHUWI Hi10 X(Celeron N4100): 153、404
Jumper EZbook x3 Air(Celeron N4100): 150、421
Microsoft Surface Go 2(Pentium Gold 4425Y): 147、366
続いて「CPU性能のみ」を測定するCINEBENCH R20です。ここでももちろん良好なスコアとは言えますが、もはやノートPC用のCPUはデスクトップ用のCPUと比較してひどく劣っている、ということは言えないですね。もちろんデスクトップ用のハイエンドCPUならウインタブの過去データよりも遥かに高いスコアにはなるんでしょうけど、第9世代のデスクトップ用Core i5よりも高いスコアのノートPC用CPUはゴロゴロある、という状況です。特にRyzenは凄まじい…。
で、EliteMini H31Gのスコアですが、Core i7-10710UとかCore i7-10750Hとほぼ近いスコアになっています。なので、ハイエンドなゲーミング・デスクトップPCには及ばないでしょうが、ゲーミングノートと比較して遜色のないCPU性能になっている、とは言えるでしょう。
最後にSSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。H31GはPCIe ×4接続ですが、「その割にはあんまり速くない」です。ただし、本当に遅いわけではなく、SATA接続のものよりは格段に高速ですし、PCIe ×2接続のものよりも概ね高速と言えますので、実用上全く不満はありません。
5.まとめ
Minisforum EliteMini H31GはMinisforum公式サイトで9月29日に発売され、配送は11月下旬から、とのことです。価格は下記のとおりです。
ベアボーン:399ドル(42,437円)
i3-9100F/8GB/256GB:545ドル(57,966円)
i3-9100F/16GB/256GB:575ドル(61,157円)
i3-9100F/16GB/512GB:599ドル(63,710円)
i5-9400F/8GB/256GB:619ドル(65,837円)
i5-9400F/16GB/256GB:649ドル(69,028円)
i5-9400F/16GB/512GB:669ドル(71,155円)
●i5-9500F/8GB/256GB:629ドル(66,900円)
i5-9500F/16GB/256GB:659ドル(70,091円)
i5-9500F/16GB/512GB:679ドル(72,218円)
i7-9700F/8GB/256GB:769ドル(81,791円)
i7-9700F/16GB/256GB:799ドル(84,982円)
i8-9700F/16GB/512GB:809ドル(86,045円)
※「●」はレビュー機のスペック
※円貨は9月29日のみずほ銀行のTTS(106.36円)で計算
※50ドルOFFクーポンは考慮していません
※配送無料
となっていますが、先着100ユニットに関して50ドルOFF(5,318円)のクーポンが用意されています(クーポンコードは製品ページにあります)。クーポン使用の場合、レビュー機の構成だと61,582円ですね。
旧世代の型番ながらGeForce GTXを搭載するミニPCということで、レビューさせてもらうのをとても楽しみにしていました。処理性能に関しては「性能テスト」のところで触れたとおり、「概ね予想通り」と言えます。ビジネス用としてはもちろんのこと、オンラインゲームも十分楽しめるくらいの実力はありますね(ただし、プレイするゲームによってはグラフィック品質を少し落としてやる必要があります)。また、筐体は奇をてらったところのないデザインで、カチッとした作りになっていますし、RAMとストレージに関してはPC自作の経験がない人でも戸惑うことなく作業できるくらいの親切さもありました。
Core i3モデルでもメインで使うデスクトップPCとして不足はないと思いますが、時々はオンラインゲームも楽しみたい、ということだと、CPUをCore i5以上に、RAMを16GB、ストレージを512GBにしておくほうがいいと思いますので、「だいたい7万円弱くらいから」ということになります。また、もう少し奮発してCore i7モデルを選べば格段にCPU性能が上がりますので、これも悪い選択ではないと思います。
「だいたい7万円弱くらいから」と書きましたが、この製品はノートPCではないので、ディスプレイやキーボード、マウスを用意する必要があります。そのため、お手持ちではない人は、これらの周辺機器の購入も必要になりますが、その場合「結構いいやつ(メカニカルキーボードとか)」を揃えてもトータルで10万円は越えないと思います。
「だいたい7万円弱くらいから」とか「トータルで10万円は越えないだろう」とか言っても、それをどう受け止めるかは人それぞれだと思います。しかし、EliteMini H31Gを軸にして、他社製品の価格よりも安価にメインPCの環境が大きくレベルアップできそうな人も少なくないでしょう。自宅でPCに触れる機会が増えていると思いますので、悪くない先行投資と言えそうです。
6.関連リンク
Minisforum EliteMini H31G:MINISFORUM公式ストア
コメント
いいね。私は高性能みにPC派なのでこういうレビュー助かります。私のミニPCはi7-8576U 16GB 256GBの中華PC(半年前で52000円ぐらいだった)です。負荷かけなきゃ音はしないのでずっとつけっぱなしですが普通に夜寝れます。(アンチウィルスソフトが深夜にチェック入るとややうるさいですけど)
私が買ったヤツはCドライブ80GB Dドライブ160GBと勝手にパーティション別れていましたがこれはパーティション1つですか?
現在CHUWI-Higameを使っていますが、
同等性能で安いし、こちらについてはCPUが高性能なのが積めるところが良いですね。
性能対価で見るとかなり良さげですね
冷却もよく考えられてる感じ
GPUは一般的なデストップのPCIeスロットに挿す1050Tiじゃなくて
多分モバイル用1050Tiを使っていると思うので換装はだと思います
(MXMカードは一般に流通してないし互換性も担保されていない)