AYANEOがミニPC「Retro Mini PC AM01S」のクラウドファンディングを開始しました(@INDIEGOGO)。AYANEOからのニュースメールに「The long wait is over!」と書かれていて、それもそのはず、ウインタブでこの製品の記事を掲載したのは2024年5月ですから、製品発表から1年強を経てようやく販売が開始された、ということです。
しかし、CPUにRyzen AI 9 HX 370を搭載するなど、スペック面はしっかりアップデートされています。「世界初のセカンダリー・スクリーン搭載ミニPC」です。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 7 8745HS AMD Ryzen AI 9 HX 370 |
RAM | 32GB (DDR5, 5600 MT/s, 最大64GB) |
ストレージ | 1TB/2TB SSD (M.2 PCIe NVMe) ※M.2 2280 PCIe 4.0 ※M.2 2242 NVMe |
ディスプレイ | 4インチ (960×400) タッチ ※セカンダリースクリーン |
無線通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
ポート類 | USB4 Type-C (映像/PD対応) ×2 USB 3.2 Gen 2 Type-A×5 USB 2.0 Type-A HDMI 2.1×2、LAN (RJ45)×2 オーディオジャック SDカードリーダー |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 134×134×59.6 mm |
重量 | 730-750 g |
※このスペック表はベアボーンモデルを考慮していません
2. OS/CPU
AYANEO Retro Mini PC AM01Sにはベアボーンモデル(OS/RAM/SSDなし)もありますが、この記事では触れません。
OSはWindows 11 HomeでCPUはRyzen 7 8745HS/Ryzen AI 9 HX 370の2つから選べます。Ryzen 7 8745HSはAMD公式サイトに製品詳細ページがありませんが、この型番を搭載する製品はすでにPC市場にあり、各所の情報によれば「Ryzen 7 8845HSからNPUをなくしたもの」とのことです。
Ryzen 7 8745HSとRyzen AI 9 HX 370のPassmarkスコア(公表値)です。これを見るとCPU性能にそれなりのスコア差があります。事務仕事などの軽負荷作業では両者の体感差はほとんどないと思いますが、高負荷な作業ではその差を感じるかもしれません。また、8745HSはNPU非内蔵、HX 370は最大50TOPSのNPU内蔵なので、AI処理、特にオンデバイスAI処理ではかなりの性能差があるでしょう。
3. RAM/SSD
RAMは全モデル32GBで2スロットあり (空きなし)、最大64GBまで搭載可能です。SSDもM.2 スロットが2つあり、M.2 2230 NVMeスロットが空きになっていますので、増設は容易と思われます。
4. セカンダリー・スクリーン
AYANEO Retro Mini PC AM01Sは4インチサイズのモニターを搭載しています。タッチ対応し、角度調整も可能です。製品ページに詳細な説明はありませんでしたが、おそらくPCモニターとしては使えず、各種通知など限定的な用途に使えるものと思われます。
製品ページにあったセカンダリー・スクリーンの機能は「パフォーマンスモニター、時計と天気、スクリーンセーバー・アニメーション、音量や通信などの設定」の4つです。
5. ポート構成
ポートも豊富です。この画像だとわかりにくいですが、USB4 Type-Cが2つ、USB 3.2 Gen 2 Type-Aが5つ、USB 2.0 Type-Aが1つと、合計で8つのUSBポート、2つのHDMIポート、2つの有線LANポートを備え、SDカードリーダーもついています。これにより、最大4画面出力が可能です。
6. B.DUCK
かつてのMacintoshをオマージュしたレトロなデザインが魅力のAYANEO Retro Mini PC AM01Sですが、クラウドファンディングではさらに面白いデザインのモデルが用意されています。
これです。B.DUCK。多くは語りません(語れません)が、これは欲しい!
7. バリエーションモデルと価格
これがクラウドファンディング価格です。「だいたい1ドル=150円」で計算していただければいいと思いますが、Ryzen 7 8745HSの32GB/1TBモデルだと約74,800円(製品ページの表示価格は74,437円)、Ryzen AI 9 HX 370の32GB/2TBモデルだと約140,000円(表示価格は140,075円)です。たぶん為替はFIXされていないと思うので、円建ての価格は日によって少し変わります。また、B.DUCKバージョンは50~60ドル(7,500円~9,000円)高いですね。
「レトロデザインでセカンダリー・スクリーン搭載のミニPC」ですが、スペックから見た価格は「GMKtec EVO-X1 (Ryzen AI 9 HX 370搭載)のセール価格よりも1万円くらい高い程度で、おそらくGMKtec以外のメーカーのミニPCとは同等か、むしろ少し安いくらいだと思います。
8. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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