こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はHPの15.6インチコンバーチブル2 in 1「ENVY x360 15」の実機レビューです。昨年から大人気のENVY x360シリーズですが、この6月に13.3インチ版、15.6インチ版が同時にニューモデルとなりました。このレビューに先立ち、13.3インチ版のほうもウインタブで実機レビューをしていますので、こちらもあわせてご覧ください。
HP ENVY x360 13(ay0000)の実機レビュー - キープコンセプトながらサイズはひと回り小さく、パフォーマンスは劇的にアップ!
コンバーチブル2 in 1筐体ということもあり、どちらかと言うと13.3インチ版のほうがより人気が高いのではないか、と思いますが、15.6インチ版のほうは可搬性が劣ってしまうぶん、ディスプレイサイズが大きく(これは当然ですね)、迫力ある画像・映像が楽しめますし、13.3インチと同様に高品質なペン入力に対応しているため、イラストやマンガの制作にあたっては「より大きなキャンバス」になりますので、「大きいなりの魅力」があります。
1.スペック
ENVY x360 15(ee0000) | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | AMD Ryzen 5 4500U / Ryzen 7 4700U |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB / 16GB(DDR4-3200MHz) |
ストレージ | 512GB SSD (PCIe NVMe M.2) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチIPS(1,920 × 1,080)タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.1 Gen2 Type-C、USB 3.1 Gen1 ×2、HDMI、オーディオジャック、SDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素) |
バッテリー | 稼働時間 最大約17時間 |
サイズ | 358 × 230 × 18.9 mm |
重量 | 2.0 kg |
HPのノートPCは基本的にカスタマイズ余地が大きくはありませんが、ENVY x360 15は多少のカスタマイズが可能です。
CPUはモバイル用第3世代のRyzen 5もしくはRyzen 7です。13.3インチ版に設定のあるRyzen 3はありません。RAMはRyzen 5モデルが標準で8GBですが、注文時のカスタマイズで16GBに増量可能です。また、8GB→16GBのカスタマイズ料金が4,000円(税抜き)と低額なので、個人的には8GBで問題ないとは思いますが、「とりあえず16GBにする」というのもいいと思います。Ryzen 7モデルは16GBで固定です。
ディスプレイは15.6インチのIPS液晶、FHD(1,920 × 1,080)解像、タッチ対応です。筆圧4,096段階、傾き検知にも対応するHP MPPペンが別売りで用意されていますので、イラストやマンガの制作にも向きます。残念ながら今回はペン入力がレビュー対象外となってしまいますが、冒頭に書かせていただいたとおり、15.6インチという大画面に直接ペン入力ができる、というのはこの製品の大きなメリットだと思います。
通信まわりではWi-Fi6に対応します。また、入出力ポートはUSBポートが合計で3つと、15.6インチサイズの製品としては若干少なめですが、HDMIやフル規格のSDカードリーダーも装備しています。
サイズのほうはかなりコンパクトに仕上がっています。特にニューモデルになり、奥行き(短辺)が245 mmから230 mmへと、大幅に小型化されました。タテ・ヨコサイズに関しては15.6インチPCで最小クラスと言っていいでしょう。ただし、重量は2.0 kgと、決して軽いほうとは言えません。
レビュー機のシステム構成です。今回HPからお借りしたのは米国仕様で、キーボードが英語配列になっていました。また、システム構成としては日本仕様の「スタンダードモデル(最低価格のモデル)」と近い構成でしたが、「Ryzen 5/RAM8GB/256GB SSD」と、ストレージ容量が日本仕様に設定のないものでした(日本仕様は512GB SSDのみ)。
2.筐体
レビュー機は米国仕様で同梱物は日本仕様と異なりますので、ACアダプターのみ掲載します。また電源ケーブルもコンセントに挿すプラグの形状が異なっていました。65Wのもので、重量の実測値は電源ケーブル込みで263gです。
天板です。筐体の素材感や質感は先にレビューした13.3インチ版と全く同じです。「ナイトフォールブラック」という色名で、純粋なブラックというよりは若干茶色がかった色味です。筐体素材はおそらくアルミ合金製と思われます。HPは製品ブランドによってロゴマークを使い分けていますが、ENVYに使われているロゴはプレミアムタイプのものです。
底面です。上下にゴム足があり、中央やや上に通気口がありますが、ユーザーが開口することを前提とした作りではありません。画像下側の左右にスピーカーグリルがあります。この製品はステレオスピーカー(2スピーカー)を装備しています。
右側面です。左からSDカードリーダー、USB、DC-INです。13.3インチ版ではSDカードリーダーはmicro規格でしたが、15.6インチ版はフル規格です。
左側面です。左からオーディオジャック、HDMI、USB(Type-A)そしてUSB Type-Cがあります。入出力ポートの配置は基本的に13.3インチ版と同じですが、前述の通りSDカードリーダーがフル規格になっていることと、13.3インチ版にはないHDMIポートが装備されています。
背面には通気口があるのみで、ポート類やボタン類はありません。
左側のヒンジには「E N V Y」のロゴ。個人的にこのロゴはなんとなくカッコいい!と感じます。
前面です。ヒンジ開口用の窪みはありませんが、上部(ディスプレイ面)は上から下に、下部(キーボード面)は下から上に角度がつけられ、中央部がへこんでいる形状なので、開口は容易です。
キーボードです。レビュー機は米国仕様のため英語配列になっていますが、日本仕様は日本語配列となります。13.3インチ版との大きな相違点として、「テンキーがついている」ことが挙げられます。アルファベットキーのキーピッチは18.7 × 18.7 mm、キーストロークは約1.5 mmと開示されています。ほぼ標準的なサイズと言えますね。ニューモデルとなり、奥行きがかなり小さくなった関係でパームレストが小さくなりましたが、15.6インチ版は13.3インチ版と比較して「そうは言っても絶対的に筐体が大きいので」特にパームレストが小さくて使いにくい、という感じはありません。
キートップはフラットで、中央部が凹んでいるなどの加工は見られませんでした。またこのキーボードはバックライトがついていて、明るさを2段階に調整できます。
正面から見たところです。もともとENVY x360 15は15.6インチノートとしてはコンパクトサイズだったので左右のベゼルも十分に細かったのですが、ニューモデルになって下部ベゼルも非常に細くなりました。
参考までに従来モデルの画像を掲載しておきます。これを見ると下部ベゼルの幅が大きく変わっているのがわかると思います。
コンバーチブル2 in 1の実機レビューでの「お約束」と言える画像です。クラムシェルノートとは異なり、スタンドモード(上の画像)、テントモード(中の画像)、タブレットモード(下の画像)にして使うことができます。ウインタブでもコンバーチブル2 in 1を使っていますが、割とよく使うのはタブレットモードですね。特にENVY x360 15では高品質(Microsoft Pen Protocol 2.0)なペン入力ができますので、タブレットモードにしてイラストなどの制作に使うと、大きなディスプレイも相まって非常に快適に作業ができると思います。なお、ペンは別売りで税抜き9,800円と安価ではありませんが、この製品を購入するのならぜひセットで買いたいところです。
タブレットモード時の側面です。コンバーチブル2 in 1筐体の場合「タブレットモード」と言っても完全に一枚板のようになるわけではなく、このように少し隙間ができてしまいます。
一通り筐体をチェックしてみました。入出力ポートの構成やキーボードレイアウトに違いがあるとはいえ、「13.3インチと全く同じ」という印象です。筐体の素材感や質感、そして外観の雰囲気は見事なまでに同じですね。これは決して悪い意味で言っているのではなく、「シリーズものとしての統一感」がある、ということです。個人的にはENVY x360という製品を、従来モデルから何度もレビューしているので、あまり新鮮味はないのですが、間違いなく「HPのプレミアムPC」と言えるだけのデザイン性や質感を備えていると思います。
ウインタブのセール情報記事で頻繁にENVY x360を取り上げていますが、ここまで(筐体の外観や質感)は、「どう考えても実売価格に見合わないくらいの素晴らしさ」があると評価します。
3.使用感
スピーカー
13.3インチ版も高く評価しましたが、この15.6インチ版も非常に高品質なスピーカーだと評価します。低音から高音までクリアに聞こえるのはもちろん、13.3インチ版と比較するとよりパンチが効いている、つまり迫力を感じますね。おそらく筐体サイズが大きくなったことの恩恵と思われます。13.3インチ版のスピーカーとの比較でどちらが上かと聞かれれば、間違いなくこの15.6インチ版がより高品質であると思います。
音響アプリは13.3インチ版と同様に「Bang&Olufsen Audio Control」です。ロック、ポップ、低音(重視)、高音(重視)といったレディーメードの音質設定もできますし、グラフィックイコライザーを使って手動で好みの音質に仕上げることもできます。このアプリは出来が良く、イコライザーの効きもしっかり体感できます。
製品価格以上に満足できる、とても素晴らしいスピーカーだと思います。
ディスプレイ
ENVY x360 15のディスプレイは15.6インチFHD(1,920 × 1,080)解像度、IPS液晶、グレアタイプです。また、コンバーチブル2 in 1筐体のため、タッチ対応もします。ディスプレイサイズは異なりますが、13.3インチ版と同一品質と思われます。
グレアタイプなので、映り込みは大きいです。手元にグレアタイプのディスプレイを搭載するASUS ZenBook 14があり、ZenBookと比較して特に映り込みが激しいとは言えないものの、私の私物のPCはほとんどがノングレアタイプということもあり、個人的には「ちょっとなあ」とは感じますね。日中に窓を背にして作業すると少々気が散ります。
ENVYに限らず、タッチディスプレイの製品の場合、ほとんどがグレアタイプである、というのはあります。技術的な事情はよく分かりませんが、「タッチディスプレイなのでグレアタイプで仕方ない」ということなのかもしれません。
また、グレアタイプゆえに発色は良好です。手持ちのディスプレイ(23インチ・FHD解像度・IPS液晶・ノングレアタイプ、15.6インチFHD解像度・IPS相当・ノングレアタイプ)との比較では、より「くっきり鮮やか」に見えます。原色はもちろん、特に黒がしっかり表現できているのだと思います
13.3インチ版と同じような評価になりますが、この製品のディスプレイであれば、一般的なビジネス利用にしても、エンターテイメント系の利用にしても満足できるものと思われます。また、サイズが大きいぶん、持ち歩く頻度は少なくなると思いますし、決まった場所で作業することが多くなると思いますので、グレアタイプである、ということも過度に心配する必要はないでしょう。
キーボード
このキーボードはテンキーの有無などの相違はあるものの、13.3インチ版と同一品質ですね。テンキーがあるぶん、数値入力が多い人は重宝すると思います。
打鍵音は小さめで、あまりパチパチと言いません。どちらかというと「もそもそ」という感じの打鍵音ですが、これは別に悪い意味ではありません。むしろ「静音に近い」という意味合いで書いています。キーピッチも十分ですし、確実かつ快適に打鍵はできます。
レビュー機が英語配列だったので、日本仕様とは異なりますが、配列は常識的で戸惑うことはないと思います。テンキー部分のキーピッチがやたらと小さいとか、テンキー部分の配列がトリッキー、という感じもありません。
デメリットといえば、テンキー部分との境界線がほとんどない、という点でしょうか。ただし、私が使用していて、特にミスタイプなどはありませんでした。
バッテリー
ディスプレイ輝度を100%に設定し、画像加工ソフトのGIMPで画像加工を20分、その後テキストライティングを20分、ブラウザーを立ち上げ、ボリューム50%でYouTubeの音楽を20分、合計で60分使用して、バッテリー消費は16%でした。この使い方だと単純計算で6時間強バッテリー稼働が可能ということになります。この結果は13.3インチ版とほぼ同等ですが、13.3インチ版のときはディスプレイ輝度を70%に設定していたところ、今回は100%にしていますし、YouTube視聴の際も13.3インチ版ではボリューム30%だったところ、今回は50%にしていますので、それを考慮すると15.6インチ版のほうが若干バッテリー持ちは良好と判断していいでしょう。
ちなみにディスプレイは100%の輝度でなく、日中利用で70%くらいで十分明るいですし、スピーカーのボリュームも50%というのは「結構大きい」音です。
なので、バッテリー節約を意図してディスプレイを少し暗くするとか、スピーカーの音量を控えるというのは問題ありません。それらを考慮するとさらにバッテリー稼働時間は伸びるものと思われます。
4.性能テスト
参考:
HP ENVY x360 13(Ryzen 5 4500U) : 2,667、9,673
HP ENVY x360 15(Ryzen 5 3500U) : 2,269、7,922
Lenovo ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U): 2,259、7,741
Lenovo ThinkPad E495(Ryzen 5 3500U): 2,257、7,874
マウス m-Book X400B(Ryzen 5 3500U): 1,528、4,659
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 1,513、6,808
HP ENVY 13 X360(Ryzen 3 2300U): 1,513、5,396
ASUS VivoBook S15 S531FA(Core i7-10510U): 1,241、4,733
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)(Core i7-8665U):1,211、4,946
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 1,211、4,871
Lenovo ThinkPad T490s(Core i7-8565U): 1,181、4,845
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 1,189、4,586
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 1,178、4,574
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 1,161、4,719
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 1,157、4,652
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 1,136、4,524
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 1,126、4,746
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 1,116、4,367
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 1,114、4,389
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 1,111、4,325
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 1,097、4,471
HP Elite Dragonfly(Core i5-8265U): 1,092、4,383
Lenovo IdeaPad C340 (15)(Core i5-8265U): 1,085、4,370
DELL Inspiron 15 5000 2in1(Core i7-8565U):1,084、4,421
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 1,084、4,282
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 1,082、4,559
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-8665U): 1078、-
Lenovo ThinkPad X390(Core i7-8565U): 1,063、4,350
ドスパラ DX-C5(Core i5-10210U): 1,010、4,262
※左からFireStrike、SkyDiverのスコア
まずはグラフィック性能を確認するために「3D Mark」から。レビュー機のCPUはRyzen 5 4500Uで、13.3インチ版のENVY x360 13と全く同じです。テスト結果は13.3インチ版よりも若干低くなっていますが、これは「誤差の範囲」くらいに考えていいと思います。もしもテストの際に13.3インチ版のスコアが頭にあって、何度もテストすれば13.3インチ版を上回るスコアを記録する場面もあったでしょうね。
いずれにせよ、第3世代Ryzenのグラフィック性能は強力で、IntelのCoreプロセッサーを寄せ付けないくらいの実力になっていると思います。
参考:
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q): 6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(i9-10980HK、RTX2070SUPER):6,023
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):5,852
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 5,830
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 5,727
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 5,618
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 5,573
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(Core i7-9750H、RTX2060): 5,506
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 5,505
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
MSI GP65 Leopard(Core i7-9750H、RTX2060): 5,299
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(Core i7-8750H、RTX2070): 4,893
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 4,709
HP ENVY x360 13(Ryzen 5 4500U) : 4,678
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
ASUS ROG Zephyrus G GA502DU(Ryzen 7 3750H、GTX1660Ti): 4,365
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(Core i7-8750H) : 4,281
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad T490(Core i7-8565U、MX250): 4,158
ASUS VivoBook S15 S531FA(Core i7-10510U): 4,155
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-8665U): 4,132
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen 5 3550H、GTX1650): 4,124
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)(Core i7-8665U):4,120
ASUS ZenBook 14 UX434FL(Core i5-8265U、MX250):3,933
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
HP Elite Dragonfly(Core i5-8265U): 3,843
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 3,766
ドスパラ DX-C5(Core i5-10210U): 3,737
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 3,728
Lenovo ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U): 3,714
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
マウス m-Book X400B(Ryzen 5 3500U): 3,659
HP ENVY x360 15(Ryzen 3500U): 3,617
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
Lenovo ThinkPad E495(Ryzen 5 3500U): 3,574
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108
続いてはグラフィックだけでなく、表計算ソフトやビデオチャットなど、PCの利用シーン全般をテスト範囲とする「PC Mark」のスコアです。3D Markのように外部GPUの搭載有無で極端なスコア差が出たりはしませんが、それでも外部GPU搭載機のほうが高いスコアとなります。
PC MarkでもRyzenの勢いはすごいと感じます。この製品の4,738というスコアを上回っているのは全て外部GPU搭載機、要するにゲーミングノート(あるいはクリエイターノート)だけです。また、ここでは13.3インチ版のENVYよりも若干高いスコアになっていますが、やはり「誤差の範囲」と理解していいでしょう。13.3インチ版と15.6インチ版、CPUが同じであれば性能も同等と言えます。
参考:
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(Core i9-10980HK):497、4,120
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS):485、4,226
MSI GF63 Thin(Core i7-10750H): 466、2,572
MSI Prestige 15(Core i7-10710U): 458、2,528
HP ENVY x360 13(Ryzen 5 4500U) : 435、2,089
ドスパラ DX-C5(Core i5-10210U): 422、1,223
HP EliteBook x360 1040 G6(Core i5-8265U): 396、1,177
MSI Modern 14 B10R(Core i7-10510U): 389、1069
HP Elite Dragonfly(Core i5-8265U): 318、1,187
CHUWI Hi10 X(Celeron N4100): 153、404
Microsoft Surface Go 2(Pentium Gold 4425Y): 147、366
こちらは「CPU性能のみ」がテスト範囲となる「CINEBENCH R20」です。ここでもRyzenの勢いは素晴らしく、Coreプロセッサーの高性能版(Comet Lake-H)あるいは6コア12スレッドのCore i7-10710Uには劣るものの、一般的にノートPCに搭載されるComet Lake(末尾U)のCPUには大きく水を開けています。
ラストはSSDの読み書き速度を測定する「Crystal Disk Mark」のスコアです。この製品のSSDは「PCIe」と開示されていて、おそらく×2接続だと思われます。一般的なビジネス利用はもちろん、グラフィック関係の仕事で使うにしても十分に高速であると言えます。
発熱について
ENVY x360 15には「HP Command Center」というアプリが入っています。ゲーミングノート用ではないので、機能は少なく、このように「サーマルプロファイル」を調整できるのみです。試用中、基本的に「HP推奨モード」を使い、ベンチマークテストのときに「パフォーマンスモード」にしました。ファン風量はパフォーマンスモードのほうが大きくなるはずですが、ファン音は特に耳障りな大きさではありません。ノートPCとしては妥当な音量でした。ちなみにこのアプリは13.3インチ版にも全く同じものが入っています。
ベンチマークテスト中、発熱は感じました。キーボード面上部と底面に熱を持ちます。ただし、テキストライティングや動画視聴時では特に熱いとかぬるいとかは感じなかったです。なので、事務作業に使う際には発熱を気にする必要はないと思います。
発熱に関しても13.3インチ版と同じ傾向があり、ノートPCとしては発熱量は大きめであると言えます。ただし、これは私の体感であり温度の測定はしていませんが、発熱量は13.3インチ版よりもマイルドであると思います。おそらく筐体サイズが大きいことも影響しているんでしょう。Ryzenに関しては以前から発熱を気にされる人が多いのですが、結論として、「ENVYという製品が想定しているビジネス利用とかイラスト、マンガなどの制作に関しては発熱の心配はしなくてよい。ただし、ゲーミングノートではないので、オンラインゲームや長時間の動画編集などに使う場合は注意したい、というかあまり向かない。」と考えます。
5.まとめ
HP ENVY x360 15(ee0000)はHP directplusにて販売中で、8月23日現在の価格は82,000円(税込み90,200円)から、となっています。今回のレビュー機は米国仕様でしたが、スペック的には82,000円のモデルのストレージのみ小さい、という構成でした。
また、13.3インチ版のENVY x360 13は最低価格が70,000円(税込み77,000円)からとなっていますが、Ryzen 5/RAM8GB/512GB SSDという、今回のレビュー機と同じシステム構成にすると80,000円(税込み88,000円)になりますので、13.3インチ版と15.6インチ版の価格差は非常に小さいと言えます。
13.3インチ版と15.6インチ版を連続してお借りし、レビューさせていただきましたが、品質面では「ほとんど同じ」でした。15.6インチ版はディスプレイサイズが大きく、したがって筐体サイズも大きくなりますが、キーボードにテンキーがつき、スピーカー品質も若干優れているように思われました。一方で、「モバイルノートとして使う」のであれば、問答無用で13.3インチ版が選ばれると思います。
HPのENVYという製品ブランドは「プレミアムPC」のジャンルとなります。したがって筐体品質は高く、デザインも素晴らしいです。「持つ喜び」を感じさせてくれる製品と言えるでしょう。にもかかわらず価格がかなり低く抑えられていて、「これなら大人気になるのもうなずける」と思います。あとは読者の皆さんそれぞれのニーズに合わせて13.3インチ版にするか15.6インチ決めることになるでしょうね。