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dynabook SZ/MX(Sシリーズ)レビュー - 低価格で使いやすい13.3インチのモバイルノート

dynabook SZ/MX レビュー
DynabookのノートPC「dynabook SZ/MX」の実機レビューです。この製品には家電量販店などで販売されるカタログモデル「Sシリーズ」とDynabook Directのみで販売されるWebオリジナルモデル「SZシリーズ」があり、今回レビューするのはWebオリジナルモデルの「SZ/MX」です。カタログモデルのSシリーズは「単一バリエーションでOfficeがセット」ですが、SZシリーズに関してはOSのバージョンや搭載CPU、Officeの付属有無などの選択余地があるので、読者の方々にはSZシリーズのほうが向くと思います。

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なお、このレビューはメーカーよりレビュー機をお借りして実施しています。

ここがおすすめ
・コンパクトで軽量、毎日バッグに入れて持ち運べるサイズ
・発色品質が高いIGZOパネルのディスプレイ
・クセがなく、使いやすいキーボード
・公称値通りのバッテリー駆動時間
・Dynabookのモバイルノートとして安価
ここがイマイチ
・RAMがシングルチャネル
・スピーカーの音質は「実用品」レベル
販売サイトはこちら
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【特定サイト限定】クローズドサイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
※上記特別サイトの画面上部にある検索窓に「SZ」と入力して検索すると簡単に製品を探せます

1.概要

スペック表

  dynabook SZ/MX
OS Windows 11 Home
CPU Intel Core i5-1334U/Core 7 150U
外部GPU なし
RAM 16GB(DDR4-3200、シングルチャネル、最大32GB)
※空きスロット×1
ストレージ 256GB/512GB SSD(PCIe)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 13.3インチ(1,920 x 1,080)IGZO
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.3
入出力 USB3.2  Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen1 Type-A × 2、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSDカードリーダー
カメラ Webカメラ(92万画素)顔認証対応
バッテリー 動画再生 約8時間
サイズ 305.9 × 201.7 × 15.95 mm
重量 1.16 kg

コメント

冒頭にも書きましたが、WebオリジナルモデルのSZ/MXは構成の選択肢が広いです。OSはHome版とPro版を選べ、CPUは第13世代のCore i5-1334UとCore 7 150U(発売時期は新しいですが、中身的には第13世代Core i7のリフレッシュ版です)が設定されています。また、RAMとSSDについてもカタログモデル(Sシリーズ)が8GB/256GBのみであるのに対し、SZ/MXのRAMは全モデル16GBでSSDも512GBの設定があります。

総じてSシリーズよりもワンランク上のシステム構成になっていると言っていいでしょう。なお、このレビューで使用した製品のシステム構成は「Windows 11 Home/Core 7 150U/16GB/256GB」でした。

SZ/MXは13.3インチで重さが1.16 kgと、毎日バッグに入れてパソコンを持ち歩いている方にもうれしい、コンパクトで軽量なモバイルノートです。

2.外観と使用感

ACアダプター

dynabook SZ/MX ACアダプター
ACアダプターと電源ケーブルです。ACアダプターは45Wとやや小さめの出力ですが、そのぶんコンパクトで実測重量は電源ケーブル込みで177 gと、モバイルノート用としても小型・軽量な部類です。これなら持ち運びもラクですね。

天板と底面

dynabook SZ/MX 天板
天板です。筐体素材はアルミです。筐体色は「オニキスブルー」というDynabookのノートPCでは広く使われている色で「濃いネイビーブルー」という感じです。また、SZ/MXの筐体はほとんどの部分に「抗菌加工」が施されています。

dynabook SZ/MX 底面
底面です。この画像の下がヒンジ側、上が手前側(開口部)で、(ちょっと見にくくて申し訳ありませんが)画像の上部左右にスピーカーがついています(ステレオスピーカー)。中央下寄りに通気口があります。

側面

dynabook SZ/MX 前面

前面

dynabook SZ/MX 背面

背面

前面と背面です。こちらにはポート類やボタン類はありません。背面の両サイド上部に突起が見えますね。これはdynabook SZ/MXのヒンジが180度開口する設計のため、ヒンジ開口時に天板後部にキズがつかないようにするための保護材です。

dynabook SZ/MX 左側面

左側面

dynabook SZ/MX 右側面

右側面

左側面には画像左からDC-INジャック、LEDインジケーターを挟んでHDMI、USB3.2 Gen1 Type-A(5Gbps)、USB3.2 Gen2 Type-C(10Gbps)があります。なお、このUSB Type-Cポートは5V/3Aでの充電に対応していますので、(15Wなので時間はかかりますが)USB Type-Cポートからの充電も可能です。

右側面には画像左からmicroSDカードリーダー、イヤホンジャック、USB3.2 Gen1 Type-A(5Gbps)、有線LAN、セキュリティロックスロットがあります。13.3インチのモバイルノートの場合、有線LANポートがないものが多いですが、Dynabookのモバイルノートはウインタブが知る限りすべて有線LANポートがついています。

ディスプレイ

dynabook SZ/MX ディスプレイ

ディスプレイのベゼル幅は細めですが、すごく細い、というほどでもありません。このディスプレイにはIGZOパネルが使われており、発色品質は高いです。手持ちのPCモニター(100%RGBのもの)と比較してみましたが、「ほとんど同じくらい」の発色でした。また、ノングレア(非光沢)タイプなので映り込みも小さく、外出先でも(映り込みを気にしなくていいので)設置場所に困りません。

※液晶ディスプレイは、液晶パネルの特性や製造工程により、各製品で色合いが異なる場合があります。

dynabook SZ/MX 色合い調整ユーティリティ

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Dynabook製品には「dynabook 色合い調整ユーティリティ」というアプリが入っています。「色温度と色の濃さのみ調整できる」というシンプルなものですが、「かなり有能」です。ごく簡単な操作で効果的に色味の調整ができ、個人的には「必要にして十分、めんどくさくなくて最高!」だと評価します。

キーボード

dynabook SZ/MX キーボード

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キーボードは「87キー(JIS配列準拠)、キーピッチ:18.8 mm、キーストローク:1.5mm」と開示されています。バックライトはありませんが、キーの印字が見やすく、必要性は感じられません。それと、キーボード部分についても抗菌加工が施されていますので、お友達や同僚の方と仲間とシェアして使うときも安心・快適です。

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実際にしばらくレビュー機を使ってテキスト入力などをしてみましたが、「使いやすい」です。キーピッチ、キーストロークとも適切なサイズ感ですし、配列にも強いクセは感じませんでした。やや押下圧(キーの重さ)が小さめに感じられましたが、それもすぐに慣れました。Dynabook製品のキーボードはどれも非常に使いやすく、SZ/MXのキーボード品質も高く評価できます。

筐体その他

dynabook SZ/MX ヒンジ開口
dynabook SZ/MXはヒンジが180度開口します。

dynabook SZ/MX 画面回転ユーティリティ

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また、「dynabook画面回転ユーティリティ」という機能(アプリ)もあり、簡単に画面を回転(反転)させることができますので、ビジネスミーティングなどの際に向かい側にいる人と簡単に画面共有ができます。

Webカメラ・マイク・スピーカー

dynabook SZ/MX Webカメラ

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dynabook SZ/MXのWebカメラは92万画素(720p、HD画質)で、最近だと多くのノートPCがカメラ品質に力を入れている(200万画素・FHD画質は当たり前、500万画素のものもあります)中ではありますが、まあ「並」の品質です。カメラ用のアプリもなく、Windowsの設定である程度の画質調整ができるのみ。

ただ、「必要十分かな」という気はします。AIで目線を修正してくれたり、妙なエフェクトをかけたり、といったことは私は好きではありませんし、実際ビジネスミーティングでエフェクトバリバリ、というのはどうなんですかね?「ありのまま」のほうがまだマシな気もしますけど…。

dynabook SZ/MX AIノイズキャンセリング

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マイクに関してはRealtec Audio Consoleというアプリでノイズキャンセリングが可能です。リモートワーク時などではどうしても生活音が混ざってしまうので、ここでAIの力を借りてノイズキャンセリングができる、というのは歓迎ですね。

dynabook SZ/MX DTS Audio Processing

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スピーカーの音質は「実用品レベル」にとどまります。あまり音楽鑑賞なんかを想定して作られてはいない、という感じですね。低音域が弱く、中高音域もややこもり気味の音になります。dynabookの上位モデルであるGZとかRZシリーズよりも相当に劣ると思います。

音響システムはDTS Audio Processing。シーン別のモードが選べ、グラフィックイコライザーもついていますので、ある程度お好みの音質にできますが、「素の品質(ハードウェアとしての品質)」が良くないので、音質が大きく改善する、という感じではありません。

3.性能テスト

ベンチマークテスト

すみません、今回レビュー機でPC Markが動作しなかったため、PC Markのスコアはなく、CPU性能を測定するCINEBENCH 2024およびグラフィック性能を測定する3D Mark、そしてSSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアを掲載します。

dynabook SZ/MX CINEBENCH 2024
CPU性能のみを測定するCINEBENCH2024のスコアです。

主な過去データ(搭載CPUを記載):
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Snapdragon X1E-78-100:108、1,038
Ryzen 7 8845HS:106、956
Core Ultra 7 155H:105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Core Ultra 5 125U):95,533
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

このテストのシングルコア、マルチコアの項目ではグラフィック性能は関係なく「素のCPU性能」となります。dynabook SZ/MXのスコアを見ると、シングルコアは高く、マルチコアは低い、と言えます。実際のところ、事務系や営業系のビジネス利用ではほとんどの作業に影響するのはシングルコアのほうですから、ビジネス利用では快適に使えると思います。マルチコアのスコアが影響するのは3Dのレンダリングや動画編集などで、クリエイターの場合はCore Ultraなどの高性能CPUとの性能差が出てくると思います。

dynabook SZ/MX 3D Mark
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。

主な過去データ(搭載CPUを記載):
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,658、4,709、14,122
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア

3D Markのスコアは明らかに低いです。SZ/MXが搭載するCPU「Core 7 150U」はCore i7-1355Uのリフレッシュ版と言えますので、少なくともCore i7-1355Uとは同等以上のスコアになるはずですが、テスト結果はそうなっていません。

原因は、SZ/MXのRAMがシングルチャネルであるためです。Core 7 150Uの内蔵GPUは「Intel Graphics」といい、第13世代までのIris Xeのリネーム版ですが、この内蔵GPUはRAMがデュアルチャネルでないと実力を発揮できません。SZ/MXにはRAMスロットの空きが1つありますので、ここにもう一枚RAMを挿せばグラフィック性能は大幅に向上します。

ただ、なぜDynabookがSZ/MXのRAMを(空きスロットがあるにもかかわらず)シングルチャネルにしているのか理解に苦しみます。ビジネスユーザーが簡単に無駄なくRAMを増設できるように、という配慮なのかもしれませんが、初期が8GBなのであればわかりますけど、16GBならデュアルチャネルにして販売するほうが顧客には親切だと思いますけどね。

dynabook SZ/MX Crystal Disk Mark
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。最近のノートPCのスコアとしては低めですが、ビジネスPCのストレージ速度としてはこれで十分だと思います。

バッテリー駆動時間

ディスプレイの輝度を70%に、音量を30%に、Windowsの電源モードを「トップクラスの電力効率」にして下記の作業をしてみました。

・画像加工ソフトGIMPの利用:約40分
・YouTube動画・音楽:約20分
・Web閲覧、テキスト入力:約30分

上記トータル約90分の使用でバッテリー消費は20%でした。単純計算だと1時間あたり約13%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は約7.5時間となります。メーカー公称のバッテリー駆動時間は「動画再生で約8時間」なので、ほぼほぼ公称値に近い駆動時間となります。JEITAも3.0規格になってようやく「少しは参考にできる」ものになりましたね。

SZ/MXに関しては常識的な使い方をすれば外出先で終日バッテリー駆動ができるんじゃないかと思います。

発熱とファン音

発熱・ファン音とも特筆すべきことはありません。文書作成やWeb閲覧、動画視聴ではほぼ無音、ベンチマークテスト中にはファン音が聞こえるものの音量は小さく、よほど神経質な人でもない限り気にならないと思います。

発熱についても同様で、文書作成など一般的なビジネス利用では機にする必要はありません。ベンチマークテスト中にキーボード面上部がやや熱を持ちますが、発熱によってキーボードの使用に不快感がある、というほどでもなく、ごく常識的なものでした。

4.レビューまとめ

dynabook SZ/MXはDynabook Directで販売中で、ウインタブ読者は「特別サイト」が利用できますので、通常価格(会員価格)よりも安く購入できます。この記事を執筆している10月24日現在だと、特別サイトでの最低価格は106,480円です(Windows 11 Home/Core i5/16GB/256GBという構成です)。また、レビューに使用した「Windows 11 Home/Core 7/16GB/256GB」のモデルは119,680円です。

Dynabook DirectではSZ/MX(SZシリーズ)のほか、RZシリーズ、GZ・GAシリーズ、XZシリーズなどの超軽量かつスペックの高いモバイルノートがありますが、その中にあってSZシリーズは最も安価に購入できます。筐体重量はDynabookの上位モデルには及ばないものの(上位モデルは軒並み1キロ切りです)、13.3インチで1.16 kgというサイズ感はこの価格帯のモバイルノートとしては文句なしの水準だと思います。

ちょっと残念だったのはグラフィック性能ですね。RAMがシングルチャネルなので搭載CPUが本来持っているグラフィック性能を十分に発揮できていないと感じました。一般的なビジネス利用であれば特に問題はないと思いますけど。

外資系メーカーに負けないコストパフォーマンスで、国内メーカーらしい品質(IGZOパネルのディスプレイや使いやすいキーボードなど)を備えた、とても魅力的なモバイルノートです。

5.関連リンク

この製品は「特別サイト」から安く購入ができます。特別サイトのアクセスにはIDとパスワードが必要です。
【特定サイト限定】クローズドサイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
※上記特別サイトの画面上部にある検索窓に「SZ」と入力して検索すると簡単に製品を探せます

執筆者:ウインタブ
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
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