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Microsoftがフル版Windows 10をARM向けに2017年リリース!「今度」はx86エミュレーションもサポート(かのあゆ)

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Microsoftは「WinHEC Shenzhen 2016」会場においてARM向けWindows 10を2017年にリリースすることを発表しました。ARM向けにはすでに小型タブレットやスマートフォン用のWindows 10 Mobileや組み込み機器向けのWindows 10 IoT Coreが存在しますが、モバイル向けのサブセット版ではなく、デスクトップUIも備えた「通常の」Windows 10がARM系CPUを搭載した端末に提供されることになります。

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一般的なWindows OSはIntelのx86/x64プラットフォームに基づいたCPUで動作していますが、今後スマートフォンやタブレットでサポートされているARM系CPUが「再び」サポートされることになります。

実はARM向け”フル版”Windowsというのは既に存在していた

Windows RT
「再び」と書いたのは実はフル機能を備えたWindowsのARM CPUのサポートはこれが初めてというわけではなく、以前も存在していたからです。2012年にWindows 8がリリースされた際にNVIDIA Tegra3/4やQualcomm SnapDragon S4 ProをサポートしたARM版Windows 8である「Windows RT」を発表し、実際に日本でもMicrosoftの「Surface RT/2」やNECの「LaVie Y」、ASUSの「Vivotab RT」が投入されています。

こちらもWindowsの機能としてはWindows Phone/10 Mobileのような携帯端末向けに機能を削減したサブセット版ではなく、デスクトップUIやOffice (Home and Business) 2013 RT もプリインストールした”ARM CPU向けのフルセットの”Windows OSを搭載した製品として投入されました。

ただし当時はCPUの性能などによる制限からか、一般的なIntel x86 CPU向けに開発されたWin32向けデスクトップアプリケーションが一切動作せず、インストールできたのはWindows Storeで配信されているストアアプリのみ、しかもIntel CPU向けのストアアプリはやっぱり導入不可能という中途半端なものでした。そのせいか、搭載タブレットを販売していたNECやSamsung、ASUSは早々とWindows RTから撤退し、Microsoft自身はTegra 4を搭載したSurface 2を投入したものの、そのあとはWindows 8.1相当 + Windows 10の初期開発ビルドに搭載されていたものと同等のスタートメニューを追加するアップデートをリリースしたのを最後に、Windows 10でARM向けのサポートはスマートフォン・小型タブレット向けのWindows 10 Mobileに統合し、フル機能をサポートしたWindows RTは廃止となっていた”はず”でした。

それだけに今回のARMの”再登場”は突然すぎて驚いています。

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今回はWin32向けデスクトップアプリも動作する

ARM版Windows 10のシステム情報
今回発表されたARM版Windows 10は以前のWindows RT/RT 8.1とは異なり、一般的なIntel CPU搭載PC向けに開発されたWin32デスクトップアプリケーションのバイナリ変換機能が搭載されたため、ARM向けに開発されていない、通常のWindowsアプリケーションもQualcomm SnapDragonを搭載した製品で動作することになります。

実際にデモ動画も公開されており、Qualcomm SnapDragon 820に4GB RAMを搭載したWindows 10 Enterprise Insider Preview搭載デモ機で、Intel x86 CPU向けに開発されたWin32デスクトップアプリケーション版Adobe PhotoshopをIntel CPU搭載機と同じパフォーマンスで動作していることが確認できるかと思われます。


システムのプロパティも表示されていますが、Intel AtomやCore MなどのIntelプロセッサではなくQualcomm SnapDragon 820で動作していることが確認できます。

2012年当時と比較して、ハイエンド端末向けARM CPUがより高性能化し、x86のバイナリ変換機能を搭載しても実用的な速度で動作すると判断したうえでのリリースなのでしょうが、上記デモ動画を見た感じだとARM向けに開発されたアプリとほぼ同じような速度でIntel向けアプリも動作していることに時代の流れを感じてしまいます。

二度目のチャレンジでIntel Atom系低価格タブレットの置き換えなるか?

前述のとおりWindows RTはフル機能を備えたWindowsそのものでありながら、一般的なデスクトップアプリが動作しないという中途半端さから市場的には失敗に終わってしまいましたが、今回は一般的なデスクトップアプリの動作もサポートするようになったため、膨大なWindowsアプリケーションがほぼそのままARM CPU搭載Windows 10タブレットでも動作することとなり、Windows RTでの弱点はついに克服された形になります。

すでにIntelは低価格タブレットに提供してきたAtomプラットフォームを終息させており、CherryTrail世代のAtom機も世代交代の時期に来ていることから、2017年以降Qualcomm SnapDragonを搭載した低価格Windows 10タブレットがこれらの市場に普及するんじゃないかなぁ…と個人的には期待しています。

なお現時点ではQualcomm SnapDragon 821がサポートされているようです。Windows 10 MobileのほうにもハイエンドCPU搭載機向けにWin32アプリケーションのバイナリ変換機能が搭載され、Continuumモードで一般的なデスクトップアプリが動作可能になるといううわさもあり、2017年以降のARM向けWindowsの”再チャレンジ”に期待したいところです。

関連リンク

【速報】Microsoft、2017年に“ARMベース”のフル機能Windows 10を投入:PC Watch
XPERIA X Compactと過ごすかのあゆブログ

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コメント

  1. 匿名 より:

    とりあえず中華とドスパラがどうでるのか楽しみ

  2. 匿名 より:

    中華はAndroidとWindows両方用意してきそう。
    薄型になるし楽しみだけどARM版は小さい容量で動くようにして欲しい。

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。で、デュアルブートにしちゃうんですよね…。ARMだとAndroidのほうがサクサク動くんでしょうかね?あ、でもWindows PC用のソフトじゃなければWindowsも快適かな?

  3. ワケシ より:

    Snapdragon820にRAM4GBとなるとさすがにお値段はりそうなので最低要求スペックがどの程度になるのかが気になるところですね
    技術的にはハイスペックスマホでも動くということで5インチスマホにフルWindowsカスROMみたいなロマンも期待できるのかな…
    激安中華タブを期待するならMediatekなど他メーカー製のCPUでも動いてほしいところですがQualcommさんは許さないでしょうね…

    • wintab より:

      ワケシさん、こんにちは、コメントありがとうございます。価格は少し心配ですね。要求スペックによっては常にApollo Lakeのほうが安い、なんてことになりそうです。

  4. 匿名 より:

    AndroidとWindowsのデュアルブート環境が楽に構築出来そうで楽しみですね。

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。やるでしょうね、中華。しかし、彼らのOSに関する権利関係はどうなってるんでしょうね?

  5. 匿名 より:

    Snapdragon搭載のgpdwin2・・・(^p^)

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。その場合、お値段がむしろ高くなりそうな…

  6. アゲオ より:

    こんな複雑な事するよりも、x86で小型PC作れた方がいい。デュアルブートだってはっきり言ってメリットないよ。小さいデバイスなら2つ持ち運んだってなんともないし。

    • wintab より:

      アゲオさん、こんにちは、コメントありがとうございます。特に価格がAtomとかApollo Lakeよりも高くなるのなら、はっきり言ってメリットなさそうですよね。

  7. タケル より:

    期待と不安が6:4w

    • wintab より:

      タケルさん、こんにちは、コメントありがとうございます。だいたいそんな比率でいいんじゃないか、とw

  8. 匿名 より:

    バイナリ変換と書いてるので厳密にはエミュレートではないですね。

    確か以前マイクロソフトの話として『エミュレートはできるけど消費電力の点から現時点では実用的じゃないと判断してRTに載せなかった』って話を聞いたことがあります。

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。バイナリ変換とエミュレートの違いはユーザー目線だとどんな感じですかね?システムの振る舞いが異なるという意味だと思うのですが、そのもたらすものの違いがよくわかりません。

      • 匿名 より:

        >バイナリ変換とエミュレートの違い
        大雑把に言って、実行ファイルをそのまま動かすように仮想の環境を整えるのがエミュレートで、実行ファイルを対象の環境で動くように変換するのがバイナリ変換です。
        一般的にはバイナリ変換の方が難易度が高いのと、インストール時に変換する時間がかかる代わりに性能面では有利になります。
        どっちにしろどこまでちゃんと動くかは試してみないとわかりませんが。

  9. かぜ より:

    個人的にはモバイル向けにOSの容量が小さくなってくれると嬉しいかな

    • wintab より:

      かぜさん、こんにちは、コメントありがとうございます。そう言えばOSのサイズってどのくらいなんでしょう?実はOSのサイズが小さくなる、というのが最大のメリットだったりして…。

  10. 匿名 より:

    ふと思ったけどARM版はWindows10 Mobile継続で
    むしろWin10 IoTに近い形で上位ARMボードを広くサポートしてきそう
    デスクトップのフィードバックを得ながら、ARM版WinSarver出すとか・・・