DELLは個人向けメインストリームPCライン「Inspiron」にてAMD搭載のスタンダードノート「Inspiron 15 3000(AMD)」を発売しました。なんか最近よく「メインストリーム」という表現を見かけるんですけど、メーカーの定義はともかく、「中堅」とか「ボリュームゾーン」という意味で理解すればいいと思います。Inspironの場合、上位の製品ブランドに「XPS」がありますが、Inspiron自体に「3000(エントリー)」「5000(プレミアム)」「7000(ハイエンド)」という、さらなるランク付けがなされていて、一言で理解するのが難しいです。
今回紹介する製品は「メインストリームであるInspiron」の「エントリーである3000」ということになるので、DELLとしては低価格帯に位置する製品で、実際価格も40,980円(税込み44,258円)からと、お手頃な価格になっています。
1.スペック
スペック表を見て感じる、この製品の最大の特徴はCPUがAMDである、というところです。ウインタブではAMDを搭載する製品の実機レビュー経験はほとんどなく、その魅力についてもきちんと理解できていないのですが、読者の中にはAMDユーザーの人も少なくないですね。ただ、この製品のCPU(AMDではAPUといいます)は注目のRyzen Mobileとかではなくて、低価格帯に位置するものなので、AMDユーザー(おそらくハイエンドCPUを使っていると思います)でもいまいちピンとこないかもしれないですね。
一応、PASSMARKが公表しているベンチマークスコアをチェックしてみます。
AMD E2-9000: 1,819
Celeron N3350: 1,118
Celeron N3450: 1,826
Core i3-7100U: 3,782
※2月3日現在のPassmark公表値
※数値が大きい方が高性能
IntelのCPUと比較するとApollo Lake世代のCeleron N3450とほぼ同性能、ということになります。ただし、これはあくまでPassmarkのベンチマークスコアでしかないので、これだけで完全に性能評価ができる、というわけではありません。ウインタブの数少ない実機試用経験だと、AMDはグラフィック処理に優れていると感じますので、ドラクエベンチなどをやるとCeleron N3450よりも高いスコアとなる可能性はあると思います。でも、Core i3とは勝負にならないでしょうね。
また、E2-9000の内蔵するグラフィックチップは「Radeon R2」と言います。Intel製のCPUでいう「Intel HD Graphics」と同じ位置づけですね。
RAMは4GB、ストレージは1TB HDDです。残念ながら注文時に構成のカスタマイズは出来ません。また、ディスプレイも15.6インチでHD解像度となります。これもまたカスタマイズは出来ないです。その他の部分を一通り見ても、典型的な低価格帯のスタンダードノート、って感じですね。
しかし、スペック表に反映されない特徴として、「DELL CINEMA」対応というのがあります。DELLはパソコンによるエンターテインメント体験を充実させるべく「DELL CINEMA」を提唱しており、これは「CinemaColor/CinemaSound/CinemaStream」という三本柱から成り立っています。
Inspiron 15 3000 AMDの場合、CinemaColor(ディスプレイ品質)は該当していないようですが、他の2つには対応しています。
CinemaStream : SmartByteは通信パケットの種類を検知し、映像や音楽に最大の帯域幅を割り当てます。途切れることのない快適なストリーミングでスムーズな映像を楽しめます。
CinemaSound : Waves MaxxAudio Pro音響処理プロセッサーを搭載。ボリュームを上げてもあらゆる音域をクリアに再現し、プロ仕様の高音質を体験できます。
(DELL製品ページより引用)
つまり、SmartByte(ネットワーク通信の最適化)とWaves MaxxAudio Pro(高品質なスピーカーシステム)を採用しており、パソコンでの映画視聴や音楽鑑賞を快適に楽しめる、とのことです。AMDのCPUはそれに一役買っているのかもしれないですね。
2.筐体
この製品、あまり多くの筐体画像が公開されていません。しかし、既存モデルであるInspiron 15 3000(IntelのCPUを搭載)と同一の筐体が使われているようです。製品サイズを見てもタテ・ヨコサイズは決して小さいとはいえず、したがってDELLの上位モデルのような狭ベゼル設計にもなっていません。また、筐体素材もプラスティック製と思われます。
側面とポート類です。「1.SDカードリーダー / 2.オーディオジャック / 3.USB 2.0 / 4.DVDドライブ / 5.ケンジントンロック / 6.DC-IN / 7.LANポート / 8.通気口 / 9.HDMI / 10.USB 3.0」となります。スタンダードノートとして標準的な構成だと思います。あと1つUSBポートがあればもっと良かったですね。また、低価格な製品ですが光学ドライブはしっかり装備されています。
3.価格など
DELL Inspiron 15 3000(AMD)はDELL公式サイトで販売中で、価格は40,980円(税込み44,258円)から、となっています。またこの製品は2月4日現在、スペックの異なるバリエーションモデルは存在せす、OSのバージョン(HomeかProか)、Officeの有無、筐体色(ブラックかグレーか)を選択できます。
DELL公式サイトもクーポンによる値引き販売が常態化しており、この記事を書いている2月4日現在だと「5%オフクーポン」が使えます(製品ページにクーポンコードがあります)。その結果、価格は38,931円(税込み42,045円)からと、少しお買い得になっています。
価格帯からしてエントリークラスのスタンダードノートということになりますが、CPUにAMDを採用し、DELL CINEMAによる充実したエンターテインメント体験ができる、というのが魅力です。お値段の割に楽しそうな製品といえるんじゃないでしょうか?
コメント
CINEMAってなんのこっちゃとおもったのですが
いわゆるカクつき防止みたいですね
APUは、CPU+GPUなのでグラボのせる(スペース的にも)必要がないのがいいですね
ムービー再生中は、それほどCPUいらないのが逆に割り切った考え方になってますね
SSDもそれでHDDになってるし
ただUSB2.0は3.0にしてほしかったですね
Raven Ridge(Ryzen U)が見えてる状況でBristol RidgeのE2-9000は買いにくいんだよなあ…
海外分で供給埋まってしまってるってとこなんだろうけど
E=mc^2さん、こんにちは、コメントありがとうございます。ノート用、いつ発売になるんでしょうね?私はAMD系のCPUやGPUを試した経験がほとんどありません。でもRyzenは興味津々です。