ASUSは10.1インチのデタッチャブル2 in 1でMicrosoft Surfaceシリーズによく似た構造の「TransBook Mini T103HAF」を発売しました。この製品に先立って紹介記事を掲載した「TransBook T101HA(2018)」と同様、このT103HAFにも同じ名称の従来モデルがありまして、変更点はストレージ容量くらいです。ただし、ニューモデルには「eSIM搭載」モデルも追加されています。
1.スペック
CPUはT101HAと同じくAtom Z8350です。Atomの開発が終了していることもあり、この型番を見ても新鮮味がありませんね。個人的にはこのクラスの製品に搭載するCPUとしてはまだ十分いける、とは思いますが、PCに詳しい人ならCPUの型番を理由に購入を見送る人もいるかもしれません。ExcelとかWord(いずれも複雑な構造のものだと厳しいかもしれませんが)、Webブラウジング、動画視聴くらいに使うのであれば特に問題ないだろうとは思います。
RAMは4GB、ストレージのほうは従来モデルから倍増され、128GB eMMCとなりました。タブレットとしてならともかく、ノートPCとしてガンガン使うなら128GBあったほうが安心なのは間違いありません。
ディスプレイは10.1インチで解像度は1,280 × 800と、特に高精細とは言えないものの、実用性は十分かと思います。また、ASUSではこの製品のディスプレイ形式を開示していませんが、おそらくIPS相当と考えていいと思います。
ディスプレイに関してわからないところがあります。従来モデルだと1,024段階の筆圧に対応するASUS Penが付属していました。しかしニューモデルではASUS Penについての説明が一切なく、付属品のリストにも記載されていません。ASUS Pen対応というのは変わっていないと思われますが、付属品として同梱されない可能性があります。
この製品は2つのバリエーション(カラーバリエーションも入れると3つ)があり、相違点は「eSIM」です。eSIM(embedded SIM)というのは、一般的なSIMカードではなく、SIMの機能がハードウェアに組み込まれていて、ユーザーが自由に通信キャリアを選べる構造になっているものをいいます。T103HAFのeSIMモデルには物理的なSIMスロットは搭載されておらず、Windows 10の標準アプリである「モバイル通信プラン」から対応通信キャリアを選び、契約する仕組みです。すみません、私この「モバイル通信プラン」について十分な知識がないのですが、日本だとKDDI(au)が対応しているようです。
国内通信事業者初、Windows 10 April 2018 Updateの「モバイル通信プラン」に対応:KDDI
話をスペックに戻します。入出力ポートはフルサイズ(Type-A)USB 3.0とmicroUSB(充電ポートも兼ねます)、microHDMIにmicroSDスロットと、T101HAによく似た構成になっていて、ノートPCとしては最低限は実用的、というレベルです。
サイズはタブレット本体が10.1インチサイズとしてはやや大きめ、そしてやや重め、キーボード込みだと1 kgを切っていますので十分に軽量であると思います。
2.筐体
このアングルから見ると一目瞭然、Microsoft Surfaceシリーズにそっくりな構造です。タブレット本体にキックスタンドを備え、薄型のキーボードを接続して使います。Surfaceシリーズと異なり、キーボードは付属品です。また、筐体素材は「少なくともキックスタンド部分はメタル」です。
正面から見たところです。この製品は横幅がT101HAとぴったり同じで、ベゼルもかなり太くなっています。ノートPCでの使いやすさ(キーボード幅など)を考慮すればこれでいいのかもしれませんが、デザイン面では不利ですね。
キーボードです。薄型で重量も250 gに抑えられています。その割にキーストロークは1.5 mmと十分に深く、メーカー公称値ではありませんがキーピッチも18 mmくらいはあるようです。また、タッチパッドはジェスチャ対応します。画像は英語配列になっていますが、日本向けには「87キー日本語配列」のものがセットされます。
側面とポート配置です。
これまで掲載してきた製品画像は「スレートグレー」で、eSIMモデル、Wi-Fiモデルのいずれにも設定があります。一方この画像は「アイシクルゴールド」といい、Wi-Fiモデルのみに設定されます。アイシクルゴールドではキーボード面がホワイトになりますので、明るい雰囲気になりますね。
3.価格など
ASUS TransBook T103HAFはASUS Storeで販売中で、12月17日現在の価格はeSIMモデルが69,500円(税込み75,060円)、Wi-Fiモデルが49,500円(税込み53,460円)です。
注目のeSIMモデルですが、個人的にはまだ日本国内ではeSIMを利用する環境が十分とは言えず、普通のSIM + MVNOの格安SIMのほうが使いやすいのでは?と思います。ただ、海外出張や旅行の機会が多い人にはかなり便利なんでしょうね。
新しいT103HAFの変更点といえば、このeSIMのほかはストレージが128GBになった、という点くらいで、逆に「ASUS Penがついてくるの?」と少々不安な点があったりもします。また、従来モデルのT103HAF(ストレージが64GBなので、そこで識別できると思います)のほうは価格ドットコムを見ると税込みで4万円台前半くらいまで値崩れしていますので、購入される場合は従来モデルも比較対象に加えていいかもしれません。
4.関連リンク(ASUS Store)
ASUS TransBook Mini T103HAF(Wi-Fi)
ASUS TransBook Mini T103HAF-LTE
コメント
CPUはもう少し良いものにならないかなあ。
PYUさん、返信が遅れてすみません。そろそろGemini Lakeにしてもらいたいですよね。
安価PCだからSIM対応で+2万は高いね。
こんにちは、返信が遅れすみません。確かに本体価格に占めるオプション料金としてはかなり高く感じてしまいますね。20万が22万とかならわかりますけど…。
CPUはアレなんですが、自立式とストレージ容量と64bitOSが決め手で買っちゃいました。
ASUS Penは残念ながら付属しません、参考になれば。
kazuさん、こんにちは。ご購入おめでとうございます。やっぱりペンは付属しませんか…。絵描きさんには残念な話です。