今回も「あとで読む」ためのアプリを紹介します。前回は「はてなブックマーク」とその公式アプリの組み合わせでWindowsタブレットに「あとで読む」機能を実現したわけですが、今回は世界的にもメジャーな「Pocket」とサードパーティのクライアント「LaterMark」の組み合わせです。
1.Pocketについて
Pocketは2007年8月サービス開始で、当初は「Read It Later」というサービス名でした。まさに「あとで読む」ですね。サービスのコンセプトも「コンテンツをクラウド上に保存して、それをどんなデバイスからでもアクセスできるようにすること」なので、この記事の目的にもぴったりと合致します。前回のはてなブックマークのようなソーシャル性はなく、シンプルなオンラインブックマーク機能のみのサービスとなります。
ブックマークできるのはWebサイトの記事、動画、画像です。といってもURLを保存しているだけです。ブックマークの整理はタグで行います。ブックマークするサイトが増えてしまうような使い方をする場合は自分でいくつかのジャンルを設定してブックマークする際にタグを登録しておきます。
WebブラウザではChrome,Firefox,Safari,Operaに拡張機能(アドオン)が用意されており、iOS,Android用にアプリが用意されています。もちろんWebブラウザでもアプリでもPocketに登録したブックマークは同期され、どのデバイスでも使うことができます。
ちょっと待った!Windowsストアアプリは?というと、残念ながらありません。でも、公式アプリとしてはないんですが、サードパーティーアプリとしてはいくつか出ているのでご安心を!今回はその中から「LaterMark」を紹介します。このアプリを選んだ理由は、無料なので気軽に試せることと、ストアのレビューが相対的に高評価だったことです。
2.LaterMark
最初にLaterMarkアプリをインストールしてPocketのアカウントでログインします。それが終わったらとりあえずブラウザを開いてチャームから「共有」を選ぶとLaterMarkのアイコンが出るので、それを選択すると、上の画像のようになります。TITLEとLINKSは自動的に入っていますから、このまま右上のボタンを押してPocketに送ってしまっても大丈夫です。もしくは、後で整理が容易になるようにタグをつけておくこともできます。使い始めのうちはタグは未登録のはずですから、たとえば「blogmedia」などというタグを作成(「ADD」のところに入力)します。一度登録したタグは次回から「SELECT」のところに表示されるので、いちいち入力しなくても簡単にタグ付けできるようになります。ここで注意!LaterMark上では日本語のタグ名をつけることができません。「ブログメディア」だとタグが登録されません。PCで本家のPocketを使っているときは日本語のタグ名はつけられます。どうしても日本語のタグ名じゃないとイヤ、という人はあらかじめPocketで使いそうなタグを登録しておく必要があります。ともあれ、Pocketに記事を送る作業はこれだけです。
どれどれ、ちゃんと登録されてるかな?ということでLaterMarkのアプリを開いてみると、上の画像のようになります。左側に送られたサイトのタイトルが、右側に選択したサイトが表示されています。サイトの表示はRSSリーダーみたいな簡易表示とWebブラウザっぽい表示が選べます。また、右側(サイトが表示されているほう)にタッチするとブラウザが立ち上がり、ブラウザでサイトが表示されます。
ちなみに、画像の右側に黒い部分がありますが、ここには広告が表示されるようです。広告を表示させないようにするのにはいくつか段階があり、「広告を表示させない(300円)」「広告を表示させず、開発者のサポートも受ける(500円)」「広告を表示させず、もうちょっとだけ寄付する(900円)」だそうです。なんかちょっと笑えますね。
チャームから「設定」を選ぶと、いろいろ細かい設定ができます。上の画像は主にデザインとかフォントの大きさといった見た目を調整できる「Style」というメニューです。これ以外に同期のタイミングやオフライン利用のための記事ダウンロード、記事を読む際にブラウザを立ち上げるかどうかなど、アプリの挙動に関する項目を設定できる「Options」があります。
ちなみにこの「Options」から「Autosave」という項目をオンにすると、共有からLaterMarkを選ぶだけでタグ付けもなく問答無用にPocketに送られます。めっちゃ早いですよ。
3.本来の目的でしか使えない潔さ
Pocketは前回記事にした「はてなブックマーク」のようなソーシャル性はなく、「いろんでデバイスを使ってあとで見る」ことだけに特化したサービスです。LaterMarkもサードパーティ製とはいいながら基本無料で必要十分な機能があります。日本語対応をしていませんが、そんなに難しいメニューもありません。特に「Autosave」をオンにして使う場合、英語であることを意識する余裕もなく瞬時にPocketに送られてしまうので、悩むことはありません、というか悩む暇もありません。
はてなブックマークのようなソーシャル性とか、ニュースまとめサイト的な使い方を必要とせず、個人のブックマークを充実させることも考えず、単純に「あとから読む」ためだけの機能を追求するなら、今回の組み合わせは素晴らしいパフォーマンスです。とりあえずPocketに送っておいて、用が済んだらすぐ削除する、的な使い方には強くおすすめです。無料のままでも十分使えますし、気が向いたら300円か500円か900円払ってあげてもいいでしょう。サポートは全部英語なんでしょうけどね。
4.関連リンク
Latermark:Windowsストア