こんにちは、かのあゆです。Xiaomiが日本参入してからもうすぐ2年が経過しますが、スマートフォンのラインナップも充実してきた印象です。7月に国内販売を開始した「Mi 11 Lite 5G」をサブ端末として購入したので実機レビューをお届けします。
「Mi 11」シリーズとしては現状唯一国内で正規展開されている端末となりますが、高性能なCPUや国内SIMフリーモデルとしては初となるおサイフケータイへの対応など、かなり完成度の高い一台に仕上がっています。
1.スペック
スペック表
Xiaomi Mi 11 Lite 5G | |
OS | MIUI 12(Android 11ベース) |
CPU | Qualcomm Snapdragon 780G 5G |
RAM | 6GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 6.55インチAMOLED(2,400 x 1,080) |
LTEバンド |
5G:n1/3/5/7/8/20/28/38/40/41/77/78/66 FDD LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/66 TDD LTE:B38/40/41 |
SIM | nanoSIM x 2 |
ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB Type-C、MicroSDカード |
カメラ | イン20MP/アウト64MP + 8MP + 5MP |
バッテリー | 4,250 mAh |
サイズ | 160.53 x 75.73 x 6.81 mm |
重量 | 159 g |
コメント
OSはAndroid 11ベースのMIUI 12です。日本向けのXiaomi端末に搭載されているMIUIは当然グローバルROMとなっており、Google関連のサービスもしっかり搭載されています。現在では最新バージョンとなるMIUI 12.5へのアップデートも実施済みです。
CPUはQualcomm Snapdragon 780G 5Gを搭載しています。現時点でこのCPUを搭載している機種はグローバルモデル含めMi 11 Lite 5Gが唯一となりますが、性能としては2年前のハイエンドCPUであるQualcomm Snapdragon 855を上回るものとなっています。ただしGPU周りに関しては癖のある仕様となっており、タイトルによってはパフォーマンスが著しく低下するものもある点は注意が必要です(後述します)。RAMは6GB、内蔵ストレージは128GBという構成で、MicroSDカードによるストレージ拡張にも対応しています。
ディスプレイは6.55インチで解像度はFHD+(2,400 x 1,080)です。国内発表時Xiaomiが「生意気なディスプレイ」といっていたとおり、パネルはAMOLED(有機EL)を採用しており、DPI-P3広色域をサポート、HDR10+にも対応するなど4万円台のスマートフォンとしては高品質なディスプレイです。またリフレッシュレート90Hz表示にも対応しています。
カメラはイン20MP、アウト64MP(メイン) + 8MP(超広角) + 5MP(テレマクロ)という構成です。前モデルとなるMi 10 Lite 5G XIG01でも対応していた「AIスカイスケーピング」など多彩な機能が搭載されており、実際の撮影画質にも満足できます。
ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/ac/axとBluetooth 5.2に対応しています。対応バンドは国内正規モデルということで主要4大キャリア回線をフルサポートしており、楽天モバイルでも利用可能です。一部の海外端末のようにVoLTEが利用できないということもなく、この点はさすが国内モデルといったところです。
バッテリー容量は4,250 mAhで、最大33W出力の急速充電に対応します。Mi 11 Lite 5Gはグローバル市場にも投入されている機種ですが、日本国内向けモデルのみおサイフケータイに対応しています。
2.筐体と使用感
付属品はACアダプター、USB-A to Cケーブル、マニュアルなどのペーパー類、専用TPUケースです。付属品の内容は基本的にグローバル版に準じた内容となっており、33W出力のACアダプターも標準で付属していますので、購入してすぐ使い出すことが可能です。
前面です。エッジディスプレイを採用している上位モデルのMi 11とは異なり、Mi 11 Lite 5Gではフラットディスプレイを採用しています。個人的には見た目的にも美しいエッジディスプレイも魅力的だと思うのですが、こちらの方が使いやすいという方も多いのではないでしょうか。
背面です。筐体色は「トリュフブラック」「シトラスイエロー」「ミントグリーン」の3色が用意されており、今回かのあゆが購入したものは「ミントグリーン」となります。「シトラスイエロー」と「ミントグリーン」は人気があるようで、店舗/MVNOキャリアによっては品切れでなかなか購入できないこともあるそうです。
背面に関してはMi 11シリーズ全体で共通となっており、アウトカメラレンズ部に「ハローリングデザイン」を採用しています。個人的にMi 11シリーズが発表された際この背面デザインに「一目惚れ」しましたし、ガラス素材を採用していることもあってなかなか所有欲を満たしてくれると思います。前面、背面ともに強化ガラスとしてコーニング社の「ゴリラガラス6」が採用されています。
左側面には何も配置されていません。
右側面にはボリュームボタン、電源ボタンがあります。
上部には赤外線センサーとマイク。
下部にはSIMトレイ、USB-Cポート、スピーカーが装備されています。
重量は実寸で167.3 gです。
システム
プリインストールされているOSはAndroid 11ベースのMIUI 12でしたが、発売からすぐに最新バージョンとなるMIUI 12.5へのアップデートが配信されています(ここでのスクリーンショットは工場出荷時のMIUI 12でのものとなります)。
プリインストールされているアプリはAndroidシステム標準、Google純正アプリ、MIUI標準アプリ、Netflixです。キャリア向けXiaomi端末に関してはMIUI標準アプリで広告が出ないように設定されていますが、SIMフリーモデルに関してはグローバル版同様広告が表示されるようになっています。MIUI標準アプリの設定で「おすすめを受信する」をオフにすれば非表示にすること自体は可能ですが、アプリごとに設定しないとならない点は残念です。
Mi 11 Lite自体は国内では投入されなかった4G対応モデルを含め、グローバルでも展開している機種ですが、国内向けモデル“のみ”の特徴としておサイフケータイ(Felica)対応、というのがあります。Xiaomi端末としては今年の2月にソフトバンク向けに発売した「Redmi Note 9T」、8月にau向けに発表された「Redmi Note 10 JE」がおサイフケータイに対応していましたが、SIMフリーモデルとしては初搭載となります。
ただし挙動は若干癖があり、おサイフケータイを使用するには「設定」→「接続と共有」→「セキュアエレメントの位置」にある「埋め込みセキュアエレメント」の設定を「埋め込みセキュアエレメント」に、NFCを利用したタッチ決済を使用する場合は「HCEウォレット」に切り替えないといけない点は注意が必要です。
Xiaomi端末ではおなじみとなる赤外線センサーを活用したリモコン機能も搭載されています。ただし日本ではこの機能に対応する家電が少ないのが難点ですが・・・
工場出荷時に搭載されているMIUIのバージョンは「12.0.1」で、Androidセキュリティパッチレベルは「2021年5月1日」のものが適用されています。2021年9月7日現在では「MIUI 12.5.2」が公開済みです。
工場出荷時のストレージ使用量です。システムが使用している領域は8.96GBとなっており、カスタムUIを採用している機種としては比較的コンパクトに収まっている印象です。
ディスプレイ
搭載されているパネルはAMOLEDで、前述の通りXiaomiが発表会で「生意気なディスプレイ」と謳っていたとおり、比較的低価格なミッドレンジモデルでありながらHDR10+にも対応しており、品質の高いディスプレイを採用しています。パネルによっては当たり外れがあるという情報もありますが、かのあゆが購入した個体に関しては特に品質上問題があるとは感じられませんでした。
スピーカー
Mi 11には名門オーディオメーカーの「Harman/Cardon」製スピーカーが内蔵されていますが、Mi 11 Lite 5Gでは仕様が異なっています。ただしデュアルステレオスピーカーを採用しており、音質に関してはこの価格帯のモデルとしては健闘している印象で、各種定額配信サービスで配信されている音楽やYouTube、Amazon プライムビデオなどのコンテンツもクリアな音質で楽しむことができました。
カメラ
カメラアプリはMIUI標準のもので、UIに関してはウインタブで以前実機レビューを行ったPOCO X3やかのあゆがMi 11 Lite 5Gに乗り換える前に使っていたMi 10 Lite XIG01とほぼ共通です。
Mi 11 Lite 5Gではアウトカメラに64MPと高画素のセンサーを採用しています。カメラの性能は画素数だけで決まるわけではありませんが、Xiaomiに関しては元々画質チューニングの良さに定評があり、Mi 11 Lite 5GでもAI任せで簡単に綺麗な写真を撮影することができます。
暗所での撮影も強く、「夜景モード」を使うことで夜景も綺麗に撮影可能です。64MPモードも備えていますが、ファイルサイズが大きくなる上に通常モードでも十分なため、個人的にはあまり使っていません。POCO X3やMi 10 Lite 5Gの時もそうでしたが、ミッドレンジモデルでありながらカメラの性能も十分高く、満足しています。
3.性能テスト
参考:
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 750):500,573
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
Antutu Benchmark v9.1.1での総合スコアは496,587点となっており、ハイエンドCPUであるSnapdragon 888と比較すると総合スコアは落ちるものの、かのあゆがメインとして使用しているGalaxy Fold SCV44に搭載されているSnapdragon 855のスコアを上回るスコアを計測しています。Galaxy Fold SCV44に関しては現在でもメイン端末として快適に使用できるのですが、4万円台で購入できる端末がすでにこの性能に追いついてしまったのを見ると時代の流れを感じてしまいます。
ただし、すでに他サイトでの実機レビューやSNSでも指摘されているとおり、GPU周りに関しては本来の性能を生かせていない状況です。AntutuでのGPUベンチのスコアは15万点と高い数値を計測しているのですが、実際に「原神」をプレイしてみたところ、デフォルトのグラフィック設定でもフレーム落ちが激しく快適にプレイするには厳しい印象でした。
Helio G95を搭載しているiiiF150 R2022ではこのグラフィック設定であれば快適に動作するので、単純にチューニング不足の可能性もありますが、パフォーマンスチューニングが行われたとされているMIUI 12.5でも改善されていないほか、現状Snapdragon 780G 5Gを搭載している端末がMi 11 Lite 5Gのみであることを踏まえると、今後改善されるかどうかも未知数です。そのため、本格的な3Dゲームを楽しむのであればMi 11 Lite 5Gはおすすめしづらいというのが正直な感想です。
4.まとめ
Xiaomi Mi 11 Lite 5Gはソフマップ、ビックカメラ、ヤマダ電機などの家電量販店やAmazon、MVNO各社で販売中です。9月8日現在、Amazonでは税込み37,700円から購入できるようです。
かのあゆは職場近くにあるビックカメラ・コジマにて購入しましたが、MVNOキャリアによっては音声SIMとのセットで大幅に安く購入できることも多いのでMVNO回線での運用を検討しているのであればセット購入を検討するのもよいかもしれません(ウインタブ注:ただし、MVNOキャリアによっては初期契約解除の場合は端末代金が高くなったり、SIM契約を短期間で解約すると違約金名目の費用が発生するケースもありますので、ご注意ください)。
個人的に初めて国内SIMフリー版Xiaomi端末を購入しましたが、「技適の電磁表示があり」「おサイフケータイにも対応している」Mi 11 Lite 5Gを使用していると、いろいろと感慨深いものがあります。
日本では現時点では未発売のフラッグシップモデルMi 11と共通のデザインを採用しながら約166gと薄い筐体や、数年前のハイエンドCPUに匹敵する性能を持ち合わせるSnapdragon 780G 5Gなど、4万円で購入できる端末とは思えない品質となっていますが、現状GPU周りに関してはチューニング不足という印象を受ける点は残念に感じられます。
いずれにせよグローバルモデルとは異なり、現在では店舗でも実機を触れるようになっているのでまずはその質感の高さを体験してほしいと思います。個人的にも購入してよかったと思っています。
5.関連リンク
Mi 11 Lite 5G:Xiaomi Japan
Xiaomi Mi 11 Lite 5G 6+128GB
コメント
〉おサイフケータイを使用するには「設定」→「接続と共有」→「セキュアエレメントの位置」にある「埋め込みセキュアエレメント」の設定を「埋め込みセキュアエレメント」に、NFCを利用したタッチ決済を使用する場合は「HCEウォレット」に切り替えないといけない
おサイフケータイはタッチ決済じゃなかったという事ですか?
具体的にどれとどれがおサイフケータイで、タッチ決済はどれとどれ何でしょう?
モバイルPASMOやSUICAなど国内の決済サービスで使われているのがいわゆるおサイフケータイ(Felica、NFC-Type F)でグローバル市場も含めVISAのタッチ決済などで使われているのがNFC TypeA/BなのですがどうもMi 11 Lite 5Gだどいちいち切り替えないといけない仕様になっているようです・・・
ベータ版ですが、
ゲームのカクツキ等は修正されています
年内にはユーザー全体で修正されるはずです。
カメラレビューでは、画面の中央(またはピントの合っている場所)が無いと
比較画像を載せてもわかり辛かったです。
もう少し発売直後に記事が読めると参考にしやすいと思いました。