Headwolfのタブレット「FPad6」とHeadwolfのサブブランド「Alphawolf」のタブレット「APad2」の実機レビューです。この2機種はいずれも8.4型でほぼ同じスペック、同じ筐体の「兄弟機」と言え、ストレージ容量が異なるのみです。そのため、この記事では2台一緒にレビューすることとします。
なお、このレビューはメーカーよりレビュー機のサンプル提供を受け実施しています。
ここがおすすめ
・8.4型のディスプレイサイズながら解像度は2,560 × 1,600と高精細
・Helio G99搭載、中国タブとしては高いスペック
・プレーンでクセのないUI
・WidevineはL1、NetflixでもHD画質視聴可能
・質感の高い筐体
・タブレット製品としてはキレイに撮影できるカメラ
ここはイマイチ
・スピーカーの配置が動画視聴向けではない
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1.概要
スペック表
Headwolf FPad6 / Alphawolf APad2 | |
OS | Android 14 |
CPU | MediaTek Helio G99 |
RAM | 8GB(拡張機能により最大16GB) |
ストレージ | FPad6:128GB APad2:256GB |
ディスプレイ | 8.4インチIPS(2,560 × 1,600) |
LTEバンド | FDD:B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20 26/28AB/66 TDD:B38/39/40/41 |
SIM形式 | Nano SIM×2(SIM2はmicroSDと排他) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、microSDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | イン8MP/アウト16MP |
バッテリー | 6,500mAh |
サイズ | 203.7 × 125.8 × 8.5 mm |
重量 | 385 g |
コメント
OSはAndroid 14でSoCはHelio G99、RAMは8GBで拡張機能により最大16GBとして使えます。Headwolf FPad6(以下、FPad6といいます)とAlphawolf APad2(以下、APad2といいます)の相違点は「ストレージ容量」ですね。FPad6が128GBでAPad2が256GB。実際のところ、「どちらを選ぶか」はストレージ容量を見て決める、ということになると思います(当然ですが、容量の大きいAPad2のほうが価格も高くなります)。
この2機種の非常に大きなセールスポイントは「ディスプレイ」です。8.4型という小ぶりなサイズながら解像度が2,560 × 1,600と高くなっています。この点は競合するであろうALLDOCUBE iPlay 60 miniシリーズとの大きな差別化ポイントでもありますね(iPlay 60 mini Pro/Turboは1,920 × 1,200解像度)。また、WidevineはもちろんL1で、NetflixでもL1判定になりますので、ほとんどの動画サブスクリプションサービスでHD以上の画質で視聴ができます。
通信まわりではLTEに対応し、音声通話も可能です。8.4インチの製品なので、ひょっとしたら電話を使う…こともあるかもしれませんね。
では外観から見ていきましょう。
2.外観
外箱です。ロゴや背面の説明文など若干の違いはありますが、ほとんど同じです。
筐体もご覧の通り、ロゴマーク以外の相違点はありません。そのため、以降の説明ではFPad6の画像を使います。
FPad6の同梱物です(APadも同じ内容でした)。取扱説明書は日本語も含む多言語で書かれており、Android OSの基本的な操作方法について書かれていました。あとはUSB Type-A – Type-Cのケーブル、ACアダプター、SIMイジェクトピンです。ACアダプターは出力が10Wで日本のコンセントに合うプラグ形状です。
前面です。ベゼル幅は普通くらいでしょうか。ALLDOCUBE iPlay 60 mini Proと同じくらいですね。Webカメラは「縦持ち時の上部ベゼル」にあります。なお、保護フィルムはあらかじめ貼られており、レビュー個体(2機種とも)に関しては気泡などがなく、キレイに貼り付けられていました。
FPad6/APad2は2,560 × 1,600解像度のディスプレイを搭載しています。比較的低価格な中国タブレットで「このディスプレイサイズでこの解像度」の製品は他には見当たらず、この点がFPad6/APad2の最大のセールスポイントです。実際、ディスプレイの表示領域は大きく(当たり前ですけどね…)、発色について手持ちのPCモニター(27インチIPS液晶、100%sRGBのもの)と比較してみましたが、若干色味が淡く感じられたものの、遜色のない品質と感じられました。
ディスプレイの発色は色温度のみ変更可能です。個人的には色温度の調整は不要と感じましたが、必要に応じて変更されるといいでしょう。なお、他社製品に見られる色の調整機能はありません。
背面です。筐体素材は金属製で色は「ガンメタw」ですかね、濃いグレー(あるいはシルバー)です。筐体の剛性感(しっかり感)は高く、軽くねじった程度ではミシミシ言いません。しっかり感のある筐体なので、おのずと質感も高いと感じられます。
カメラはイン側が8MP/アウト側が16MPのシングルレンズです。スナップ写真などの撮影では皆さん「スマホが手元にある限りスマホを使う」はずなので、タブレットのカメラというのは基本的にWebミーティングやドキュメント撮影などのメモ用途になります。なので、一応この後カメラで撮影した写真を何枚か掲載しますが、購入検討するうえでの優先順位は低いと思います。
左右の側面です。この画像では筐体が湾曲しているように見え、「どこのバルミューダフォンだよ」と思われるかもしれませんが、これは私の写真撮影がまずかったためで、実際には「ストレート」です、すみません。
右側面には電源ボタンと音量ボタン、左側面にはSIM/microSDスロットがあります。このスロットは「nanoSIM × 2もしくはnanoSIM+microSD」という、よくある構造です。また、左側面の画像左端にはイヤホンジャックがあります。
上側面と下側面です。上側面には何もありません。下側面には中央にUSB Type-Cポート、その両側にスピーカーがあります。スピーカーはステレオですが、この配置だと「縦持ちで使う場合にはいいが、横持ちで使うと片側からのみ音が聞こえる」感じになってしまいます。8型タブと言えども動画視聴では横向きに持つと思いますので、個人的にはこの配置はあまり歓迎できません。
外観説明のラストに「ボタンとカメラバンプ」についてご説明します。ボタンはたてつけがよく、ガタつきはありません。カメラバンプの張り出しは小さいほうですが、背面から飛び出していることに変わりはないので、背面を下にして引きずってしまうと筐体やデスク・テーブルなどにキズがついてしまうと思います。なので、購入される際はケースもセットされることをおすすめします(楽天では購入後にレビューすることによって無料でケースがもらえます)。
3.システム
ホーム画面とアプリ一覧画面です。FPad6とAPad2のプリインストールアプリはほぼ同じで、FPad6のみに「Headwolf」というアプリが入っていますが、アプリの中身は企業情報、既存製品に関するニュース、直販サイトへのリンク、(メーカーの)コンタクト先の案内などで、特に「ないと困る」ようなものではないので、購入の際にFPad6を選ぶ積極的な理由にはならないと思います。
システムUIとプリインストールアプリはプレーンなもので、Headwolf独自のものはほぼ見当たりません。アプリで「WPS Office」が入っていたのが独自性と言えなくもないですかね。なお、FMラジオは対応周波数範囲が76-108MHzなので、日本のFM曲はほぼすべてカバーできる仕様でした(中国メーカーのFMラジオアプリはしばしば日本の周波数範囲にあっておらず、使い物にならないケースが見受けられます。また、FMラジオはWi-Fiやモバイルデータ通信がなくとも利用できますが、アンテナ代わりとして有線のイヤホンが必要です)。
初期状態での使用済みストレージは約14GBでした。また、仮想RAMは最大で8GBを増量できます。
4.カメラ
カメラアプリは本当にシンプル。「Proモード」や「パノラマモード」などはなく、設定項目でホワイトバランスとかISOの設定ができ、あとはHDRのオン/オフ、フラッシュのオン/オフ/自動が選べる程度です。ズームは1倍~4倍まで、1倍より小さい倍率にはできません。
撮影モード(撮影シーンの選択)は豊富です。この画像の真ん中が写真のサイズ、右端が動画のサイズです。アウトカメラでの写真に関しては縦横比4:3のみで、16:9とか1:1はありません。
以下、撮影した写真を何枚か掲載します。すべて16MP(4,632 × 3,480)解像度で撮影したものを1,200 × 902解像度に縮小しています。
晴天の屋外だと多少白飛びが見られますが、全体的には(タブレット製品としては)キレイな写真が撮れたと思います。「写真撮影」に関しては皆さんスマホを使われるのが普通なので、日頃ほとんど出番のないタブレットのアウトカメラですが、FPad6やAPad2であれば8.4型と小ぶりなサイズ感でもありますし、使用する機会が多めになるかもしれないですね。
6.性能テスト
Antutuベンチマークのスコアです。これはFPad6のものですが、APad2でも401,592というスコアでした(両者のスコア差は誤差レベルと言え、性能差はないと考えていただいて結構です)。Helio G99搭載機の場合、低いものだと35万点程度になりますので、40万点オーバーというのは高い方です。
ただし、このスコアでどんなゲームもサクサク動くかというと、そんなことはありません。私は「原神」を全くプレイしていませんが、原神を相当やり込んでいるライターのnatsukiさんによれば、Helio G99搭載機の場合「画質『最低』なら、十分プレイ可能なくらい動きますが、画質『低』だと、戦闘時には目に見えてFPSが低下し、他も要所でちょいちょいカクつきます」と評価したうえで、「個人的な感覚としては、『最低』と『低』の間には、ゲーム体験に相応の差があると感じます」という見解を述べています。
とはいえ、原神のような負荷の大きい3Dゲームを別とすれば、相当数のゲームはサクサク動作しますので「特定のゲームをプレイするのが主目的」ということでなければ十分満足できるのではないか、と思います。
個人的にはゲームプレイの快適性云々よりも、FPad6/APad2がHelio G99を搭載しているのは「2,560 × 1,600という高いディスプレイ解像度」での各種動作を軽快になものにするため、と理解するのがわかりやすいだろうと感じます。
7.レビューまとめ
Headwolf FPad6 / Alphawolf APad2はAmazonと楽天で販売中です。購入のタイミングによってどちらが安くなるかは一概に言えませんが、12月8日現在だと
FPad6:Amazonで22,999円、楽天で20,999円
APad2:Amazonで23,999円、楽天で25,350円
※製品ページにクーポンがある場合は、それを適用した価格
となっています。また、楽天では12月8日現在「楽天スーパーセール」を開催しているため、読者の方々の会員ランクによっては大きなポイントが得られる可能性があります。また、楽天ではレビュー投稿をする前提でケースなどがもらえますので、これらの特典を加味して購入検討をされるのがいいかと思います。
FPad6とAPad2の品質差はありません(ウインタブの感想です)。あとはストレージ容量が128GBで良ければFPad6、256GB欲しいのであればAPad2、ということになります。また、この製品の最大の特徴は「2,560 × 1,600解像度のディスプレイ」です。おそらく競合製品となるであろうALLDOCUBE iPlay 60 mini Pro/Turboとの比較では、まさにこの点が最大の差別化ポイントとなります。
8.関連リンク
Alphawolf APad2 タブレット:Amazon
Alphawolf APad2 タブレット:楽天
Headwolf FPad6:Amazon
Headwolf FPad6 タブレット:楽天
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
コメント
この両モデル、早くもタッチの不具合報告が聞こえてきてます
Headwolfはタッチエラーは解消しているはずとのことでしたが、何か根拠でもあるんですかね
その話は私も聞き及んでおりますが、私の感覚ではタッチ不具合は感じられませんでした。これ「レビュー」なので、感じたまま書くしかないので…。Headwolfのほうは現在かのあゆさんがテストをしてくれています。かのあゆさんもタッチ不具合の報告があることを知っていますので、かのあゆさんがどう感じるか、というのを待ちたいと思います。
今度のモデルは不具合解消しているとHeadwolfから回答もらったようで、大きな改善を期待していたのです。
気になるメーカーなので、しつこいですが今後もリサーチは続けます。
こちらのサイトは何ら問題ありません。これからも毎日訪れます!
タッチ不具合時の使用状況は分かりますか?
例えば充電しながら使用時とか
昔から中華製スマホやタブレットなどはコストダウンのため電源ノイズなどの回路を簡素化してるために発生しやすい事例が有りました。
対策としてUSBケーブルにフェライトコアを付けるなどがありますが
メーカーの見解を聞きたいですね