こんにちは。かのあゆです。今回は5インチのタフネススマートフォン「Blackview BV8000 Pro」の実機レビューです。中華スマホのタフネスモデルといえばウインタブでは以前「Zoji Z7」というエントリーモデルの実機レビューをしていますが、今回レビューするBlackview BV8000 Proは高性能で、CPU性能としてはミッドハイクラスの端末となります。この製品は中国の通販サイト「Banggood」に提供していただきました。Banggoodにはこの場にてお礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
OS: Android 7.0
CPU: MediaTek MT6757(Helio P20)
RAM: 6GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 5.0インチ(1,920 × 1,080)ゴリラガラス 3
LTEバンド: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B17/B19/B20
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n、Bluetooth 4.0
入出力: USB Type-C、オーディオジャック、NanoSIM × 2
カメラ: イン8MP / アウト16MP
バッテリー: 4,180 mAh
サイズ: 156.2 × 79.2 × 13.2 mm / 233 g
搭載CPUはMediaTek Helio P20となります。日本では搭載機が出ていませんが、海外ではソニー・モバイルが「XPERIA XA1/XA1 Ultra/XA1 Plus」がこのCPUを採用しています。ベンチマークテストや実際の使用感は後述しますが、性能的には十分なものがあり、重量級の3Dゲームでなければすべての動作においてストレスなく軽快に動作します。
またメインRAMは6GBと大容量のものが搭載されています。基本的に現在のAndroid OSの場合はRAMが4GB搭載されていれば十分で、最上位のCPUを搭載したハイエンド端末でも4GBを搭載した端末がほとんどですが、多すぎて困るということもないので、これだけメモリが搭載されていれば複数のアプリを同時に起動してもメモリ不足に悩まされることはないでしょう。
ストレージ容量も64GBと大容量で、ハイエンド端末に近いミッドハイクラスとなっています。
OSはAndroid 7.0”Nougat”を搭載しており、ランチャーの仕様がAndroidでは一般的になっているドロワーメニュー形式のものではなくiOSやMIUIなどのようにホーム画面に直接アプリのショートカットを配置する仕様になっている点を除けば、おおむね素のAndroidそのものとなっており、BlackView独自の設定やアプリなどを除けば日本語にもしっかり対応しています。
また日本で販売されることを前提に開発しているわけではない中華スマートフォンとしては珍しくドコモのLTEプラチナバンド帯である「バンド19」もサポートされています。
2.筐体
同梱物です。付属品に関してはマニュアル(英語)、液晶保護フィルム、背面にあるSIMスロットカバーを外すための工具、USB-Cケーブル、OTGケーブル、USB-C to MicroUSB変換コネクター、ステレオイヤホン、ACアダプター(EUプラグ、日本では変換アダプターが必要)とかなり充実したものとなっています。
前面デザインは「IP68」対応であることを主張している下部のロゴが目立つものとなっており、すごく印象に残ります。近年ベゼルレスデザインのスマートフォンが増えてきていますが、本端末に関してはベゼルが太めになっています。またナビゲーションボタンはソフトウェア式ではなくハードキー式です。そして、落下時の衝撃を和らげるため、本体上部と下部はラバー加工されています。
左側面はボリュームボタンとファンクションキーが配置されています。ファンクションキーは設定からワンタッチで指定した緊急連絡先にダイヤルすることが可能となっています。
右側面には電源ボタンと指紋認証センサー、カメラボタンがあります。カメラボタンに関してはXPERIAでも搭載されていますが、ワンタッチでカメラを起動しシャッターをボタンで切ることができるためかなり便利です。
本体上部は3.5mmイヤホンジャックがあります。
本体下部はUSB-C端子が配置されています。ただし以前レビューしたZoji Z7もそうでしたが、端子の位置がかなり奥まった場所に設置されているため、付属するUSB-Cケーブルでないとうまく接続することができませんでした。
背面は1,600万画素のアウトカメラが配置されています。SIMスロットも背面に配置されており、SIMカードやmicroSDカードを装着する際は「BlackView」ロゴが配置されているカバーのねじを付属する工具で外してから開閉する仕様となっています。
3.システムと使用感
前述のとおり、ランチャーアプリに関してはiOSやMIUIなどでよくみられる「アプリのショートカットを直接配置する」タイプのものとなっています。ただしそれ以外のユーザーインターフェイスに関しては特に弄られてはいません。BlackView独自のメニューは翻訳されていませんが、Android OS本体の部分は完全に日本語に翻訳されているため、初心者の方でもとっつきやすいのではないでしょうか。
Androidのセキュリティパッチレベルは今回のレビュー機にインストールされていたファームウェアでは2017年7月5日付とほぼ最新のものが適用済みです。
初期導入されているアプリに関してはほぼAndroid標準アプリとGoogle純正アプリとなっています。
そのほか目立ったところではタフネススマホらしく独自アプリとして「Outdoor Tools」がインストールされており、コンパスやフラッシュライト、歩数計などの機能がついています。
面白い機能としては心拍数モニターも搭載されており、アウトカメラ経由で心拍数を計測できます。そのほか緊急警報(ETWS)の受信にも対応しており、災害時の緊急警報通知を受信することができるようになっています。
中華スマートフォンの場合アウトカメラに関しては全体的に暗所の撮影はどうしても弱くなってしまう印象があるのですが、本端末は暗所でも明るく美しい写真が撮影可能となっています。
これだけの性能であればデジタルカメラ代わりとして十分活用することができるのではないでしょうか。全体的にソフトウェア面もしっかり作りこまれており、良い意味で中華スマートフォンらしくない完成度の高い端末になっている印象でした。
4.性能テスト
ベンチマークテストはいつも通りAntutu Benchmark v6.2.7で計測しました。
参考:
LeEco Le Pro 3(Snapdragon 821): 161,331
LeEco Le Max 2(Snapdragon 820): 135,484
Lenovo ZUK Z2(SnapDragon 820): 132,410
UMI Z(Helio X27): 110,070
Vernee Apollo(Helio X25): 93,251
Elephone S7(Helio X25): 92,543
DOOGEE MIX(Helio P25): 61,975
DOOGEE Y6 MAX(MT6750): 45,070
CoolPad Max A8(Snapdragon 617): 43,832
スコア的には後継CPUであるHelio P25を搭載したDOOGEE MIXやSnapDragon 650を搭載したXPERIA X Compactと同等のスコアを計測しています。すでにスマートフォンとして一通り使う分においては現在販売されているエントリーモデルでも不満がないものになっていますが、本端末の場合は搭載RAMが6GB搭載されていることもあって3Dゲームなどをプレイしても十分快適に動作してくれます。
実際にかのあゆが普段プレイしている「Need For Speed No Limits」を一通りプレイしてみましたが、目立った処理落ちが起きるような個所もなく高画質なグラフィックでゲームプレイを楽しむことができました。これだけの性能であれば十分メイン端末として運用していくこともできるでしょう。
5.まとめ
BlackView BV8000 ProはBanggoodにて245.99ドル(28,452円)で販売中です。タフネスなだけでなく、基本性能も十分に高く、さらにアウトカメラの性能もかなり高いので、日本で正式に販売しても十分通用するのではないかと思うくらいに品質の高い製品となっています。
日本で販売されている同ジャンルのスマートフォンでは京セラが販売しているTORQUE G03に性能的には近いでますが、TORQUEの場合は液晶が4.7インチHD、ストレージ容量が32GB、RAM容量が3GBとなっており、本端末はそれよりも高性能なものとなっています。タフネススマートフォンでハイエンド寄りの製品が欲しい方にとってはこの端末は購入候補として十分検討する価値がある一台になっています。
関連リンク
BlackView BV8000 Pro : Banggood
コメント
最近はBand19対応の中華スマホ増えてきましたね。非常に広域のband対応のアンテナが増えてきているのでしょうね。格安SIMが当たり前になってきていて対応バンドさえ合っていれば世界中から買って貰える利点があるしOEM提供で日本のセカンドメーカーにも売れる。
ユーザーには良い事ですね。(技適は日本のメーカーがなんとかしてくれるはず)
>>匿名さん
近年ではUMIDEGIやUlefoneが日本向けにODMで端末を提供するようになりましたし、意外とこの機種もどこかのメーカーがそのまま出す展開もあり得そうですよね。
完成度も高い上に日本国内ではこのジャンルの製品の選択肢が少ないので意外とヒットするかもしれません。