BlackviewのAndroidタブレット「ZENO 1」の実機レビューです。8インチサイズでスペックはあまり高くありませんが、Blackviewの独自UI「Doke OS_P 4.2」を搭載し、筐体の機能面でも「なかなか個性的」な製品です。
なお、このレビューはメーカーよりレビュー機のサンプル提供を受け、実施しています。
・軽量で取り回しのラクな8インチサイズ
・UNISOC T615搭載機として高いベンチマークスコアを記録
・取り外し可能なスタンドが付属
・ケースとガラスフィルムが付属
・3年間の長期保証
ここはイマイチ
・スピーカーの配置が悪い
・多彩なAI関連アプリは無駄と感じられる
※クーポンコード「WGC9UN5J」で16,911円(9月11日まで)
1. スペック
スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Doke OS_P 4.2 (Android 15) |
SoC | UNISOC T615 |
RAM | 4GB/6GB(拡張機能により最大12GB/18GB) |
ストレージ | 64GB/256GB |
ディスプレイ | 8インチ (1,280 × 800) 90Hz |
バンド | FDD:B1/3/7/8/20/19/28A/28B TDD:B40/41 |
無線通信 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5.2 |
ポート類 | USB Type-C 、microSDカードリーダー 3.5 mmオーディオジャック |
カメラ | 前面:8MP/背面:8MP |
バッテリー | 6,000 mAh |
サイズ | 198.6×125.9×8.2 mm |
重量 | 336.5 g |
国内販売モデルについて
ZENO 1にはRAM4GB/ストレージ64GBモデルも存在しますが、Amazonで販売されているモデルはRAM6GB/ストレージ256GBモデルのみです。今回のレビュー機はAmazonで販売されている日本向けモデルなので、RAM6GB/ストレージ256GBでした。
WidevineについてはDRM InfoアプリおよびNetflixアプリでL1であることを確認しました。
今回のレビュー機は筐体色グレー(画像左)ですが、Amazonではオレンジとグリーンも選べます。なお、それぞれの筐体色のメーカーサイトでの表記はグレーがRock Black、オレンジがSpace Orange、グリーンがJungle Greenです。
2. 外観と使用感
箱です。特にコメントはありませんが一応掲載しておきます。
同梱物です。画像左上から右に、スタンド、SIM/microSDのイジェクトピン、USB Type-A – USB Type-Cのケーブル、充電器、画像左下から右にケース、ペーパー類(保証案内、ライトの使用説明、取扱説明書)、液晶保護フィルムです。
Blackview製品は付属品が充実していることが多いです。ZENO 1の付属品も低価格帯タブレットとしては内容が良く、ケースはTPU製で高級感こそないものの、あると絶対に重宝すると思いますし、液晶保護フィルムは「ガラスフィルム」です。ちょっと残念だったのは充電器で、日本のコンセントで使えるものですが、出力が7.5Wと小さめです。ZENO 1は15W充電に対応していますが、15Wでの充電を実現するためには別な急速充電器が必要になります。
また、「スタンドはZENO 1の大きな特徴」です。このあと詳しく説明します。
本体前面です。ベゼル幅はやや太めですね、特に上下ベゼル。しかし、使用感を損なうほどではなく、個人的には使っていてあまり気になりませんでした。
ディスプレイの発色は良好です。手持ちのPCモニター (100%sRGBのもの)と比較するとやや白味が強いかな、と感じられましたが、設定で画質の微調整ができますので、それを踏まえると高く評価していいと思います(ディスプレイの設定項目については後述します)。
解像度がWXGA(1280×800)と低めであることが気になる人も多いと思います。感じ方は人それぞれであり、また私の視力が悪いこともありますが、個人的には「動画では粗さを感じることはなく、Web閲覧でもフォントを拡大した際に若干粗さを感じたものの、ほとんど不満は感じなかった」です。
ZENO 1には立派なガラスフィルムが付属しますが、初期状態でも保護フィルムは貼り付けられていました。当面はこのまま使っても良いのではないか、と思います。
背面です。素材は樹脂製ですが、安っぽさは感じません。左上のカメラバンプはシルバーで、デザインアクセントになっています。それと、左下に「丸いもの」がありますよね?
これ、一応「ネジ」です(形状からして「ダイヤル」というべきか…)。工具なしで緩めることができます。
外してみました。やっぱり構造的には「ネジ」ですね。外すとネジ穴が出てきます。
(縦向き時の)上側面です。画像左端に(見えにくいですが…)イヤホンジャック、画像中央右寄りにSIM/microSDスロット、USB Type-Cポートがあります。
下側面です。こちらにはスピーカーが2つ。配置としては望ましくありません。左右のスピーカーが接近しているためにステレオ感が出ませんし、動画視聴などの際はタブレットを横向きに持つことになるため、この面は左側面、もしくは右側面となります。つまり、動画を観るときは「左右どちらか一方」から音が聞こえる格好になります。
そのため、動画視聴や音楽鑑賞でしっかりステレオを楽しむにはイヤホンの接続が必要になります。低価格帯の8インチタブレットにはこのように「縦持ち時の下側面」にスピーカーが配置されているケースが多いですが、はっきり言ってこの配置は「減点ポイント」ですね。
また、スピーカーの音質もあまり高く評価できません。低価格な8インチタブレットなので「こんなもんか」と言えなくもありませんが、全体的にややこもり気味で音域も狭く(低音や高音が弱い、という意味です)、安っぽさを感じる音質です。また、スピーカーの最低音量がやや大きめで、夜間の利用の際には気になりました。もう少し音量を絞れたほうが良かったと思います。
スピーカー位置、スピーカー音質を踏まえると、高画質な動画(映画)や音楽鑑賞ではイヤホンを使うほうが良いと思います。ニュースとかトーク番組を見るぶんにはこれで問題ないと思いますけどね。
右側面には音量ボタンと電源ボタン。横長のほうが音量ボタンです。ボタンの上を押すと音量アップ、下を押すと音量ダウンです。
左側面にはポート類やボタン類はありません。
スタンドを取り付けてみました。このように縦向きにも横向きにもできます。ただし、ヒンジがあまり強力ではないので、特に縦向きの場合は角度調整が難しいです(中途半端な角度にすると、ヒンジの力がタブレット重さに負けて倒れてしまう)。横向きの場合は多少角度調整ができますが、「足が滑る(これで意味通じます?)」というか、スタンドの先端が滑りやすい形状なので、イマイチ安定しません。
とは言え、ケースなしでもスタンドが使える、スタンドは折りたたむことも外すこともできるので邪魔にならない、というのは大きなメリットだと思います。
なお、筐体下部右側にマグネットが仕込まれており、画像のようにスタンドをたたんだ際、スタンドの先端がマグネットで固定されます。そのため、バッグに入れて持ち運ぶときも安定します。
付属のケースを取り付けたところです。画像右下を見ていただければわかると思いますが、ケースに穴が空いていて、ケースを装着した状態でもスタンドの取り付けが可能です。
3. システム
ホーム画面とアプリ一覧画面です。ZENO 1はAndroid 15ベースの独自UI「Doke OS_P 4.2」を搭載しており、画像左にあるようにビッグサイズのフォルダやスマートウィンドウ(この下に画像を掲載)の表示など、多くの独自機能が使えます。ただし、8インチと小さめのディスプレイサイズのため、PCモードには対応していません。

左:スマートウィンドウ、右:システムスチュワード
プリインストールアプリは多めです。凍結室(登録したアプリのアイコンを表示しない=使えない)やシステムスチュワード(メモリの開放やバッテリー管理、ゲームモードへのショートカットなどの機能が使える)といったDoke OS用のアプリもありますし、各種AI関連アプリ(Hi Dokiやimage X、Soundleなど)もあります。ただ、AI関連アプリは無料だと機能制限があり、フルに使うためには支払いが発生しますし、はっきり言って類似のAIアプリは市場にたくさんありますので、個人的には「無駄」だと思います(必要に応じて自分でアプリをインストールすればいい)。
設定項目は基本的にプレーンなAndroid OSに近いですが、この「タブレット情報」画面のように独自に視認性や一覧性を高めた表示になっているものもあります。
ディスプレイの設定項目がいくつかあります。画像左が「色温度と画面最適化」で、コントラストを3段階に、色温度は手動で細かく設定ができます。真ん中が「ビデオ表示の強化」で、ここをONにすると動画視聴時(YouTubeなど一部のアプリのみ対応)の画質が上がるとされます。色温度と画面最適化については設定変更による画質の変化が確認できました(特に色温度)が、ビデオ表示の強化については、私の感覚では変化があまり良くわかりませんでした。
画像右が「スムーズディスプレイ」でリフレッシュレートを60Hzと90Hzから選べます。ただし、アダプティブ(自動設定)には対応していません。
4. カメラ
ZENO 1は前面カメラが8MP、背面カメラも8MPという画素数になっています。前面カメラは同価格帯の他製品よりも高い画素数、背面カメラは低い画素数と言っていいと思います。つまり、Webコミュニケーションには強いが、スナップ写真などの撮影は苦手、という感じの味付けですね。
以下、背面カメラで撮影した写真をいくつか掲載します。すべて8MP・縦横比4:3で撮影し、記事掲載用に1,200×900pxに縮小しています。
写りは良くないです。ピントも甘いし白飛びも目立ちます。ZENO 1は8インチで携帯に便利なサイズなので、スマホ並みの画質は期待しないにせよ、もう少し高い画質にしてほしかったですね。
ZENO 1のカメラはWebコミュニケーションやドキュメントの撮影は問題なくこなせますが、外出先でキレイな写真を撮影するのは厳しい、といいますか向きません。
5. 性能テスト
Antutu Ver.10のスコアは約33万点でした。ZENO 1の搭載SoCはUNISOC T615で、この型番はT606のリフレッシュ版という位置づけなので、「25万点強くらい」と予想していましたが、それを大きく上回る結果となりました。以前レビューしたT606のスコアと比較するとCPU:約9%向上、GPU:約34%向上、MEM:約48%向上、UX:約16%向上、トータルスコア:約38%向上しています。
このことから、ZENO 1のスコアが高い要因としてMEMとUXの項目に影響が大きい「RAM/ストレージの品質(性能)」が挙げられると思います。この件、私の推測のほか、AIアシスタントにも質問してみましたが、ほぼ同様の回答が得られました。数回テストを実施してもすべて32万点を上回る結果だったので、ZENO 1のAntutuスコアは搭載SoCの割に非常に高く、まだ同等スコアの再現もできていることから、妥当な結果だと考えます。
6. レビューまとめ
Blackview ZENO 1はAmazonで販売中で、9月11日までの期間、クーポンコード「WGC9UN5J」を使えば16,911円で購入できます。
8インチ級のエントリー中国タブレットの価格は15,000円以下であることが多く、1万円台後半であればHelio G99搭載、WUXGA(1920×1200)解像度のタブレットも購入できますので、Antutuスコアが高めであるとは言えSoCがUNISOC T615でディスプレイがWXGA(1280×800)解像度のZENO 1は「スペックから見た価格」が少しばかり割高に見えます。
しかし、ディスプレイの発色はよく、リフレッシュレートも90Hz、RAM/ストレージの仕様も優れていて、背面にスタンドが付く個性的な形状であることや、ガラスフィルムと専用ケースが付属するということを踏まえると、必ずしも割高ではないと感じました。というかですね、Blackviewは他製品だと別売りになるようなものまで付属させてしまうので、価格が割高に見えてしまうんですよね。ガラスフィルムと専用ケースだけでも2,000円くらいは価格上昇要因になっているような気がします。
…まあ、もともと「タフネス系が超得意な会社」ですし、「こういう姿勢こそがBlackview」なのだろうと思います。実際、ZENO 1の筐体もしっかり剛性感がありましたしね(ただし、タフネスガジェットではないので、この点はご注意ください)。
レビュー期間中、動画を観たりゲーム(Real Racing 3というレースゲームです)をしたりして、息抜き用としてもZENO 1を使っていました。使っていて、画素数が低いことはほとんど気になりませんでしたし、発色もきれいだと思いました。スタンドも重宝しました。残念だったのはやはりスピーカー位置(横持ち時には片側からしか音が出ない)でしたね。トークショーとかニュース動画ではスピーカー位置はあまり気になりませんでしたが、動画視聴やゲームの場合はイヤホンを使うことになりました。
基本性能に優れ、付属品も充実、デザインや機能も個性的なタブレットです。レビュー機は筐体色グレーでしたが、この製品であれば「オレンジ」が似合うかもしれません。
7. 関連リンク
※クーポンコード「WGC9UN5J」で16,911円(9月11日まで)
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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