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TANGZU SHIMIN LIの実機レビュー - 皇帝の名を冠した高バランスながら購入しやすい価格のイヤホン

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久しぶりにイヤホンレビュー。ひつじです。レビュー詳細はこれから記載するとして、結構「ど真ん中ズドン」なワイヤードイヤホンですねこれ。音作りとか筐体品質とかどこをとっても過不足無くきっちり仕上がってます。

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ということで今回ご紹介する製品はTANGZU社のSHIMIN LI(李世民)です。価格等も含めて自信を持っておすすめできる製品ですよ!ちなみに李世民とは唐朝の第2代皇帝(太宗)。TANGZU社は現在王朝シリーズというイヤホンシリーズを展開中で、この製品はそのラインナップの2つ目、ということのようです。

なお、今回このSHIMIN LIはHiFiGOよりご提供頂きました。ありがとうございます。

1.スペック

形式:カナル式(IEM)
ドライバ構成:1DD(10mm)
インピーダンス:18Ω
感度:109±1dB(1KHz)
周波数特性:20Hz~20KHz
接続プラグ:3.5mm ステレオミニプラグ
ケーブル長:1.2m
リケーブル:可能(0.78mm 2pin)

スペックとしては上記内容の通りですが記載外の特徴として、航空機グレードのアルミニウムを採用したボディが挙げられます。剛性の高さは音質にも影響しますから、この点に魅力を感じる方もいらっしゃると思いますね。

また、リケーブルの端子もIEMでは一般的な0.78mmの2pin仕様。この端子を採用したケーブルは入手性が高く、Bluetoothレシーバー付きのケーブルなどを活用したワイヤレス化もしやすいというメリットがあります。

2.筐体

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外箱はこのような感じ。価格を考えれば高級感があると感じますね。

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付属のケーブル。5N-OFC仕様で1.2m。ツイスト線でノイズ対策も考慮されている様子がありますし、端子もしっかりしています。

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イヤチップはバリエーション豊か。上の3種類も半透明でインディゴブルーに近い色合いです。白色の方がやや密着性が高い気がします。

なお、付属品は上記で全てでした。説明書や色んなカード類がついている製品も多い中でとてもすっきりした内容になっていますね。

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正面のデザインはこのような感じ。ハニカム風のデザインが施されていますがそこに1箇所だけ小さい通気穴が設けられています。

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裏側はこのような感じ。滑らかなボディで装着性は良好。

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側面はこのような感じ。2pin端子がありますね。

説明書の添付がないなど、ある意味割り切った仕様だとは感じますが筐体本体の質の高さは写真からも伝わるかと思います。華美な装飾などはありませんが素材感を存分に活かした仕上がりです。この点は明確に良い意味で価格不相応。あまりに作りが良すぎる気がします。(褒めています)

一方で欠点としては本体のみだとケーブルを挿込する際に左右の判別が付きづらい点でしょう。左右の印字はありますが、取り付けの向きなどにもフォローがないと、特に初めてリケーブル対応イヤホンを使用される場合には戸惑いが発生するポイントです。下記画像の左側の筐体がL側、右側がR側です。ケーブルの接続も合わせて実施しておきましたので参考にしてください。(ちなみにケーブルには2pinコネクタ部にLR記載があります)
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3.使用感

純正のイヤチップはいくつか添付されていますが、今回は白色のLに相当するもの(黄色い軸のもの)を使用しています。

装着感

カナル型イヤホンとしてはやや浅めな装着感ですが、筐体の形状が良いのか収まりは良いです。この装着感であれば圧迫感等は生じづらいと思います。唯一懸念があるとすれば、本体の重さを少し感じる点です。個人的には気にならないのですが普段からこういった部分で苦手意識を持つことの多い方には辛いポイントかもしれません。

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音漏れ・遮音性

音漏れは最初、本体部分に通気穴が空いていたため多少懸念をしていたのですが全く無問題だと言えます。こういった浅い装着感のイヤホンとしては非常に優秀と言って良い部類でしょう。このイヤホンで音漏れする人は恐らく他のイヤホンでも漏れてるでしょうね…。

また、遮音性もER-4Sや今どきのワイヤレスイヤホンと比較してしまうと可哀想ですが、一般的な製品としては優秀な部類と言って良いかと思いますね。通勤通学であればこれくらい遮音性があれば必要十分だと思われる方も多いと思います。

タッチノイズもIEMとして見れば一般的な範囲です。非IEMのカナル型イヤホンと比較したら多少分が悪いかもしれませんが、少なくともタッチノイズ対策を講じる必要まではなさそうです。

音質

今回、Pioneer U-05をDACとし自作のヘッドホンアンプ(高速駆動で定評がある某OPアンプを使用しています)を試聴環境としています。こう書いてしまうと内容が分かり辛いと思いますが…。とりあえず「まともなピュアオーディオ環境に近い」くらいに認識していただければ。また、製品のバーンインからあまり時間が経っていないレビューである点はご容赦ください。

周波数特性としては「フラット」とすべきか悩みましたが、ややかまぼこ型だとしておく方が語弊が少なそうです。周波数特性上、超低域や超高域の見晴らしが多少悪いですが、バランスとしては良好な範疇でしょう。ちなみに音作り上はダイナミック型としての迫力よりも繊細さをやや意識したような質。後述する音のエッジの丸さや音質の温かみから刺々しさ等はないのですが、基本的にはモニターライクな鳴らし方をするキャラクターだと思います。

比較的個性の薄い音作りながら、筐体の剛性の高さは明確に伝わってきますね。筐体の鳴りが少ないため、特に中音域の描写で付帯音が少ない点が魅力的です。解像度的にも中音域の印象が非常に良く、エレキギターの表現等が魅力的です。一方、低域や高域は極端な個性がなく中音域ほどの魅力はありません。ただ中音域を邪魔しない設えにはなっており、これはこれで良いように思います。強いて言うなら高域の鮮やかさや低域の解像度はもう少しあった方がいいかもな、位ですね。

音場は狭く耳にも近めですがフォーカスはきっちり分かります。特にこの点も中音域の良さが光る場面が多いですね。

逆に少々気になったのは音の密度が増えたときの分離です。これは最近のイヤホンがマルチドライバーを採用していることが多い点も影響している気がしますが、楽曲のサビなどに突入した時、音場や解像度の良さが引き立っていた中音域がやや団子になってしまう傾向はあります。また、付帯音が少なくフォーカスが分かりやすい割に、音の「エッジ」と言える部分がわずかにぼやける傾向は感じます。これは個性の範疇に収まる程度であり、好ましいと思う方もいらっしゃるでしょう。

超低域や超高域の見晴らしが多少悪い点も含め、これらの弱点や個性はイヤホンの本体というよりは添付のケーブルに由来している部分も大きく、リケーブルすることで解消できる箇所は多い印象。手持ちに互換性のあるケーブルがあれば試しに付け替えしてみてもいいかもしれません。

なお、ボリュームの稼ぎやすいイヤホンであるため再生機器は選ばないのですが、機器の個性がかなり全面に出てくるタイプのイヤホンであるようにも思います。本体そのものの個性があまり強くない分、ケーブル変更や再生機器変更の結果が非常に分かりやすい製品です。

ちなみに販売価格を考えればかなりピュアオーディオ的な音作りのイヤホンだとも言えると思います。音作りのバランスの良さだけでなく、色んな機器と組み合わせたときのイヤホン側の限界が比較的高そうな様子があります。

4.まとめ

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TANGZU SHIMIN LI(李世民)はHiFiGOにて販売されています。価格は日本円換算で4,734円です。また、HiFiGOで「Priority」という配送方法(無料)を選択すると、購入金額によっても異なるようですが、送料や税金がHiFiGO負担となるようです(詳しくはこちら)。

総括すると筐体品質が高く、また音作りもそこまで強い癖がないこと、ケーブル変更でより高音質が狙える点などといった魅力を持つイヤホンですね。この内容で送料込の価格が5,000円台で収まる、というのはコストパフォーマンス面でも優秀であると言えます。

イヤホンが好きな方には勿論、あまりワイヤードイヤホンに手を出してこなかった方にもおすすめしたいですね。質の高い万能選手でかつ、拡張性も高いので長い間相棒になってくれるようなイヤホンだと思います。

5.関連リンク

TANGZU SHIMIN LI :HiFiGO

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