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スマホ用望遠レンズ「Moge 12×50 Powerful Monocular Telescope」実機レビュー ― 手軽な価格のスマホ用望遠鏡を試してみました

moge telescope
こんにちは、natsukiです。安価な「スマホ用望遠レンズ」を購入してみたので、レビューします。この手のスマホ用の望遠レンズって、Amazonをはじめ、通販サイトには膨大にあるものの、商品ページの簡易的なレビュー以外では、じっくり扱ったレビューって意外にも少ないんですよね。となると、どんなものか気になってくるわけで、実際に買ってみました。Banggoodで販売していた「MOGE 12×50 Powerful Monocular Telescope」という製品で、セール時には2,000円を割ります。その他の割引とうまく組み合わさったチャンスに買いました。ついでに、Aliexpressで300円台の望遠レンズも買ってみたので、オマケで紹介しておきます。

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1.製品スペックと検証

望遠レンズって、本気で突っ込み出すと、ものすごく専門的な世界です。正直、私もさほど詳しいわけではありません。かつ、たかだか2,000円前後の製品なんで、もちろん本格的な製品と同じ水準で語ること自体がナンセンスです。という前提の上で、スペックを見ておきましょう。

倍率と対物レンズ径

基本スペックの倍率と対物レンズ径は「12×50」と表記されています。望遠鏡のたぐいの「A×B」表記は、Aが倍率を、Bが対物レンズ径(単位mm)を示します。この製品の場合、倍率12倍の、対物レンズ径50mmということになります。

12倍というのは、望遠レンズとしては常識的な値ですね。ただし、実際にスマホに付けて撮影した場合は、7~8倍程度の倍率でした。これが、表記がいい加減なためか、スマホを通して撮影した結果の変化なのかは分かりません。対物レンズ径50mmは、実測でもおおむねそのくらいでした。

と、当たり前のことを書いているようですが、この手の製品の「A×B」表記は、「絶対そんなわけないだろう」という数値も多く見かけます。この製品の「12×50」という表記は、まずまず現実的な数値です。

コーティング

ここは、詳しく突っ込みだすときりのない世界ですので、話半分で。この製品は、一応、「FMCコーティング」をうたっています。レンズに特殊なコーティングを行うことで反射を抑え、光の透過率を高めます。

objective lens
ご覧のように、意図的にレンズを反射させると、緑色の反射光が見えるので(色のついた反射光が見えて構わない、もし、色がなければ、コーティングされていないことが疑われる)、何らかのコーティングはされているようです。画像は対物レンズ側ですが、接眼レンズ側も、緑色の反射が確認できます。

2.筐体

box
箱です。ひさびさに見るつぶれ具合でした(笑)。中身は無事。

bundled items
同梱品一覧です。

telescope
本体です。上部のダイヤルで焦点調整。接眼レンズ側の大きなダイヤルで、微調整。対物レンズカバーは、本体につながっているので紛失の心配はありませんが、なぜか接眼レンズカバーは完全に外れる仕様。

extension
あと、接眼レンズ側が微妙に伸びる。双眼鏡ではないので何なんだろうと思ったんですが(双眼鏡は左右の調整のためにこのようなギミックがある)、普通の望遠鏡として使う場合、そのままだと接眼レンズがまぶたに触れるので、伸ばすことで接眼レンズを引っ込めてまぶたに触れないようにするためのものと思われます。多分……。

eyepiece
接眼レンズはこのくらいの大きさがあるので、通常の望遠鏡としても十分に使えます。

weight
重量は、281gと、案外重たい。

clip
三脚と固定クリップを使ってスマホを装着すると、このようになります。お、何かちょっとカッコいいぞ。

3.画像品質

視野角

field of view_x1
スマホのカメラからのぞくと、こう。かなり視野は狭いです。また、後の写真を見ると分かるのですが、このように周囲に影があるとスマホのカメラがうまく光量を調整できず、白飛びしてしまいます。なお、この視野は対物レンズによるもののようで、専用クリップを付けずに接眼レンズを直接スマホに押し当てても、あまり変わりません。

field of view_x2
スマホのカメラを2倍にすると、このくらい。視野的にも、白飛びを抑えるためにも、スマホカメラを2倍ズームにして撮る事になるでしょう。

使用機材

nord n10
撮影に使用するスマホは、先日レビューした「OnePlus Nord N10 5G」です。それなりの性能のカメラを持つ一方、光学ズームは非搭載のため、ズームを苦手としている機種だからです。

mi9
参考までに、光学2倍ズームを搭載する「XIAOMI Mi9」の、ズーム写真も並べてみます。なお、Mi9は、ズーム時はレンズが切り替わってしまい、比較しようとすると条件設定がややこしくなるので、Mi9での今回の望遠レンズ装着時の画像は割愛します。

以下の画像はいずれも縮小していますが、見て分かるように、もともと粗いので性能は十分伝わるかと思います。

遠景 その1

landscape1_nord n10_x1
まずは、遠景を。本題ではないですが、夕方近くの雲の表現がいいですね。OnePlus Nord N10 5Gも、廉価ながらちゃんと「OnePlusブランド」を背負っていることを感じさせる1枚です。話を戻して、この写真の、中央屋やや右寄りのビル群を撮影してみます。

landscape1_nord n10_x10

Nord N10 5G / スマホのみのデジタルズーム10倍


landscape1_nord n10_moge_x1

Nord N10 5G / MOGE望遠レンズ


landscape1_nord n10_moge_x2

Nord N10 5G / MOGE望遠レンズ×デジタルズーム2倍


landscape1_mi9_x10

XIAOMI Mi9 / スマホのみのズーム10倍

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望遠レンズ使用時は、中央部はまあまあながら、やはり周辺部のゆがみとボケが大きいですね。これは、レンズの性能というよりも、「スマホに別のレンズを押し当てている」という構造上、仕方のないことです。ご覧のように、基本的には「作品」として成立するレベルの撮影はできません。ただ、肉眼では視認不可能な遠くのものがなんなのかを判別することはできます。そういう性質の製品と考えるべきでしょう。

遠景 その2

別の場所の遠景です。先ほどは夕方近くでしたが、これは昼の時間帯。

landscape2_nord n10_x10

Nord N10 5G / スマホのみのデジタルズーム10倍


landscape2_nord n10_moge_x1

Nord N10 5G / MOGE望遠レンズ


landscape2_nord n10_moge_x2

Nord N10 5G / MOGE望遠レンズ×デジタルズーム2倍


landscape2_mi9_x10

XIAOMI Mi9 / スマホのみのズーム10倍

先に触れたように、望遠レンズを付けて1倍のままだと、光量調整がうまくできないというのがよく分かりますね。マクドナルドとユニクロの看板に注目です。

距離百数十メートル

先ほどはかなり遠方を見ましたが、今度は撮影場所から百数十メートルの距離の、交差点を撮影してみました。

intersection_nord n10_x10

Nord N10 5G / スマホのみのデジタルズーム10倍


intersection_nord n10_moge_x1

Nord N10 5G / MOGE望遠レンズ


intersection_nord n10_moge_x2

Nord N10 5G / MOGE望遠レンズ×デジタルズーム2倍


intersection_mi9_x10

XIAOMI Mi9 / スマホのみのズーム10倍

自転車の標識が鮮明に見えるのは、よしといったところでしょうか。

夜間撮影

この製品、「ナイトビジョン」などと銘打ってあります。ほほう!ほざいたな? 特に何かギミックがあるわけではないので、そのくらい光量を取り込みますよという意味かと。先ほどの交差点を撮影してみます。もちろん、暗所撮影能力は、昼以上に撮影に使用したスマホ側の性能による部分が大きいと思います。なお、ここまでの写真は、実は手持ちで撮影していますが、さすがに光量の少ない夜の写真はスマホを固定する必要があり、その都合で縦撮りしています。

night view_nord n10_x10

Nord N10 5G / スマホのみのデジタルズーム10倍


night view_nord n10_moge_x1

Nord N10 5G / MOGE望遠レンズ


night view_nord n10_moge_x2

Nord N10 5G / MOGE望遠レンズ×デジタルズーム2倍


night view_mi9_x10

XIAOMI Mi9 / スマホのみのズーム10倍

これは健闘したというべき? Mi9でもさすがに認識不可能な、自転車の標識を撮れているのは褒めていいでしょう。

おまけ ― 300円台の望遠レンズ

ali lens
おまけです。Aliexpressで、300円台で買った望遠レンズ。まあ、さすがに結果は読めていますが、いちおう(笑)。

landscape1_nord n10_ali_x1
landscape2_nord n10_ali_x1
intersection_nord n10_ali
night view_nord n10_ali
うん、ダメだコリャ。

4.動画レビュー

動画でもレビューしていますので、よろしければご覧ください。

5.まとめ

ご覧のように、画像は決して鮮明というほどではなく、周辺部にもどうしてもゆがみやボケが入ってしまうので、きちんとした写真の撮影には、厳しい性能です。遠くのものが何なのかを、確認するための用途としては使えます。識別用、記録用としてですね。一方、レンズ径はそれなりにあるので、肉眼で見ても光量は十分で、「普通の望遠鏡」としてなら、それなりに実用的な性能を持っています。「あ、あれはなんだろう!?」というときには便利なので、アウトドアに持っていってもいいかもしれません。今回購入した「Moge 12×50 Powerful Monocular Telescope」は、記事執筆現在Banggoodでフラッシュセールの対象で、16.99ドル(1,897円)の送料無料となっています。安価なので、オモチャとしてはそれなりに遊べるかと。

こうしてみると、まあ、なんですね、比べるのもおこがましいですが、すでに最大100倍以上に達して、10倍くらいならそこそこフツーに取れてしまうHUAWEIやXIAOMIとかのフラグシップスマホのカメラが、どんだけバケモノかよく分かります。

Aliexpressで300円台の望遠レンズは、さすがにギャグの部類でした。ただし、同価格帯の60倍顕微鏡レンズは十分に実用的なので、そっちはお勧めです。

6.関連リンク

Moge 12×50 Powerful Monocular Telescope:Banggood

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