先日日本市場に進出した中国・深圳のメーカー「KTC」(日本進出のプレスリリースはこちら)のPCモニター「H25T7」の実機レビューです。24.5インチサイズでリフレッシュレート最大180Hzのゲーム向きのモニターですが、9月3日現在13,910円(クーポン使用後の価格です)と「価格破壊級」のお値段になっています。
このレビューはメーカーより実機のサンプル提供を受け実施しています。
・9月3日現在、13,910円と非常にお買い得
・リフレッシュレート最大180Hz
・Fast IPS液晶で広い視野角、99%sRGBと良好な発色品質
・OSDメニューの項目が充実、細かい画質調整が可能
ここがイマイチ
・筐体構造はシンプルで高さ調整不可、スイング機能もなし
・スピーカーなし、USB Type-CやUSB Type-Aポートもなし
販売サイトはこちら
KTC 24.5インチゲーミングモニター H25T7:Amazon
※5%OFFクーポンコード「05KTC25T」(9月30日まで)
1.製品概要
スペック表
KTC H25T7 | |
ディスプレイサイズ | 24.5インチ |
パネルタイプ | FastIPS・非光沢 |
解像度 | 1,920 × 1,080(16:9) |
視野角 | +89(H)、+89(V) |
輝度 | 350cd/m² |
コントラスト比 | 1000:1 |
リフレッシュレート | 180Hz |
応答速度 | 3ms GTG |
色域 | NTSC:80% Adobe RGB:90% DCI-P3:95% sRGB:99% |
インターフェース | HDMI2.0 × 2、DP1.4、オーディオジャック |
サイズ | 558 x 327 x 49 mm(ベースなし) |
重量 | 3.25 kg(ベース含む) |
コメント
低価格な製品ですが、PCモニターとしての基本性能は決して悪くありません。発色品質は99%sRGB、視野角の広いFast IPSパネル、そしてリフレッシュレートは180Hzです。一方で応答速度は3msと、そこまでの速さではありません。この記事の執筆にあたり、各所で情報を収集しましたが、「ゲームに適した応答速度」については「1msが目安(アイ・オー・データ)」とか「FPSや格闘ゲームなどのジャンルを楽しみたい場合は1ms以下、それ以外のゲームジャンルでは5ms以下を目安(ロジテック)」という記載が見られました。リフレッシュレートにせよ応答速度にせよ、速いほうがいいのは間違いありませんが、実際は予算との兼ね合い、というのが大きいですよね。
NVIDIAもしくはAMDのグラフィックカード搭載PCに限られますが、Adaptive Sync(Free Sync/G-Sync)にも対応しています。
また、HDR10にも対応しています。
一方で、「余計なものはついていない」ですね。このあと筐体をご説明しますが、Webカメラ(ついていないほうが普通です)、スピーカー、USBポートなどはありません。電源ボタンもないです。また、スタンドなどの構造もごくシンプルで「必要最低限」という感じです。
2.外観
同梱物です。左上の取扱説明書は日本語で書かれており、翻訳がおかしいところはほとんど見当たりませんでした。探せば誤字や文法がおかしなところがあるのかもしれませんが、常識的には「日本語話者なら問題なく理解できる」と言っていいでしょう。組立方法やOSDメニューの説明、スペック説明などが詳しく記載されています。
取扱説明書の下にあるのが「ベース(台)」です。ケーブル類は画像上にHDMIケーブル、その下にACアダプターが入っていました。レビューではこのHDMIケーブルを使用しましたが、しっかりリフレッシュレート180Hzに対応していました。画像右下に「ネジが1本と簡易ドライバー」がありますが、H25T7の組み立てに必要な工具類はこれだけです。
背面です。すみません、筐体保護のため梱包材を下に敷いています。背面は非常にシンプルで、表面は樹脂製、中央上部にロゴがありますが、このロゴは「ペイントされている」もので、通電中に光ったり、ということはありません。中央にVESA対応のネジ穴(100 mm)があり、ここにミニPC(ブラケットが必要)を取り付けたり、モニターアームを取り付けることができます。
スタンド部分は開封時すでに取付済みでした。確認したところ着脱は可能です(ネジ2本で固定されています。プラスドライバーが必要)。画像右下に銀色の部分がありますが、ここにポートが配置されています。また、銀色の部分の右下にセキュリティロックスロットもついています。
こちらがポート部分です。画像左からDC-INジャック、HDMI、HDMI、Display Port、イヤホンジャックがあります。H25T7は解像度が最大でも1,920 × 1,080で、この解像度であればHDMIポートからでもDPからでもリフレッシュレート180Hz表示が可能です。
最近のモニター製品の多くはUSB Type-Cポート(映像入力用)やUSB Type-A(周辺機器接続用)がついているものが多いと思いますが、H25T7には「そういうのはありません」。映像に特化、という感じです。
では、スタンドにベース(モニター台)を取り付けてみます。ご覧の通り、付属のネジを付属の簡易ドライバーで締めるだけです。ここも「最低限」という感じですよね。
スタンドの裏に「ロッカバー(メーカーの呼称。実際は上下左右に動かせ、プッシュボタンとしても使えるスティックです)」があります。これを使って後述するOSDメニューを操作します。
H25T7のスタンドには高さ調整機能はなく、左右に傾ける機能もありません。この画像にあるように前傾(最大で-5°)と後継(最大で15°)ができるのみ、非常にシンプルです。
上面です。通気口があります。また、下面にはなにもなく「普通あるだろ!」と思われる電源ボタンはありません。PCの電源が落ちている状態だとH25T7は「省エネモード(画面は消灯)」となりますが、完全に電源を落とすためには電源コードを抜く必要があります。
ディスプレイ面です。ベゼル幅は十分に細いですが、まあ最近のPCモニターはみんなベゼル幅が細いので、特にどう、ということはありませんね。IPS(Fast IPS)パネル・ノングレア(非光沢)なので視野角は広く、映り込みも気になりません。デスクトップ用モニターなんで、映り込みに言及する必要はなかったかな…。
3.使用感
今回のレビューでは、ちょうどレビュー時期が重なっていたミニPC「GEEKOM GT13 Pro」を接続して使用感を確認しました。また、PCとモニターの接続は「H25T7に付属していたHDMIケーブル」を使用しました。
接続後、PCの設定を確認しました。このようにリフレッシュレートは50Hzから180Hzまでの範囲で調整が可能になっていましたので、180Hzに設定しました。
OSDメニューを呼び出したところです。背面にある「ロッカバー(スティックボタン)」を押すと表示されます。メニュー項目は豊富です。
どう説明しようか悩みましたが、結局この一覧表で「欲しい機能」があるかを見ていただくのが一番わかりやすいかと…。
実際の発色品質ですが、手持ちのPCモニター(27インチIPS液晶、FHD解像度、100%sRGBの発色品質のもの)と比較して、遜色ないと感じました。製品価格が安く、ゲーミング特化、という印象の強い製品なので、当初「発色は大丈夫かなあ」と少し心配していたのですが、その心配は不要だったようです。
ただし、OSDメニューで色域を「Native、sRGB、Adobe RGB、DCI-P3」に設定できるのですが、ここで設定を変えると「やたらと激しく色味が変わってしまう」ので、ちょっと疑問を感じました。発色に関しては「明るさ、コントラスト、FPSモードやRTSモードや読書モードなどのモード設定、色温度、ガンマ値、色相、彩度」など、非常に多くの設定項目がありますので、必要があれば手動でお好みのものにできると思います(個人的には色域をNativeに、あとはデフォルト状態で十分満足できました)。
あと、個人的に面白いと思ったのが「ブラックイコライザー」という項目です。私としては初めて見る項目でしたが…
すみません、この製品は解像度がFHDということもあり、画面を写真撮影すると少々汚らしく見えてしまいますが、実際は決して汚くありません…。この画像は上段がブラックイコライザーを「標準」にした状態、下段がブラックイコライザーを最大に効かせた状態です。静止画であっても「黒の見え方」が違っているのがわかると思います(ただし、下段の状態で普通のWebサイトを閲覧したところ、黒が強すぎ、と感じられました)。
PCモニターは「黒がしっかり黒いと画面が引き締まって見える」ので、必要に応じてブラックイコライザーを微調整するといいんじゃないか、と思います。
それと、筐体説明のところでも触れましたが、この製品はスピーカーもありませんし、スタンドの角度調整も限定的です(前傾と後傾しかできない。高さ調整やスイングは不可)。USB Type-CポートやType-Aポートもありません。もちろんスピーカーがついていないPCモニター、高さの調整ができないPCモニターというのは普通にありますので、H25T7がダメ、ということはありませんけど、周辺機能については「エッセンシャル」な製品である、ということは知っておいていただきたいです。
4.レビューまとめ
KTC H25T7はAmazonで販売中で、通常価格17,800円のところ、製品ページに3,000円OFFクーポンがあり、さらに5%OFFクーポンコード「05KTC25T」が併用できますので、13,910円で購入ができます(クーポンコードの期限は9月30日)。この価格はリフレッシュレート180HzのPCモニターとしては最安値だと思います。
これからPCゲームを始めたいという方の手頃な「ゲーマーデビュー用モニター」として、ノートPC用の拡張モニターとして、またウインタブでよくご紹介しているミニPC用のモニターとして、この価格にしてこの品質であればおすすめできます。
5.関連リンク
KTC 24.5インチゲーミングモニター H25T7:Amazon
※5%OFFクーポンコード「05KTC25T」(9月30日まで)
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。