こんにちは、オジルです。今回はJlinkが販売する24インチのゲーミングモニター、「E24FP1K」の実機レビューをお届けします。ウインタブでは先だって紹介記事を掲載済ですね。
Jlink E24FP1K - 24インチでリフレッシュレート165Hzのゲーミングモニター、IPS液晶で発色品質も高いのでビジネス用としても。Amazonで格安に購入できます
私はゲームがそれほど得意ではありませんが、格闘ゲームを中心にプレイする、世間一般からすると「ゲーマー」な位置づけのプレイヤーです…たぶん。というのも、ゲーミング界隈では別に珍しくもないこと、たとえば私は湾曲ディスプレイを使っていて、アケコン(アーケードコントローラー)の一部ボタンを換装したりしているんですけど、SNSなど共通の趣味を通じて知り合った方以外では、そのような環境でゲームをしている人と一度も出会ったことがないんですよ。自分では全然そう思っていないのですが、妻や職場の同僚のリアクションからすると「ガチじゃん。。」みたいに軽く引かれることは多いですね。
冒頭から脱線してすみません。ゲーミングチェアをビジネス用途で使う方も増えてきていますし、ゲーミングモニターはゲーマーのみならず普段使いでもいいと思うんです。ゲーム用途で検討されている方はもちろんのこと、「そこまでガチでゲームするつもりは…」と思われる方にはむしろ、ぜひ本記事を参考にしていただけたらと思います。なお、記事制作にあたりメーカーよりレビュー機をサンプル提供いただきました。この場を借りまして厚くお礼申し上げます。
目次
1.Jlink E24FP1K スペック
ディスプレイ:24インチIPS 1,920 × 1,080
リフレッシュレート:165Hz
応答速度:1ms(MPRT)、4ms(GTG)
発色:106%sRGB、79%DCI-P3
輝度:250nit(cd/m2)
コントラスト比:3,000:1
その他機能:ブルーライトカット、フリッカーレス、Aim-Point
ポート:HDMIx2、DisplayPortx2、オーディオジャック
サイズ:14 x 54 x 40 cm/4.07 kg
ディスプレイサイズは24インチ、IPS液晶で解像度は1,920 × 1,080、そしてリフレッシュレートは最大165Hzです。この製品が装備しているHDMIポートは1.4規格なので、HDMI接続の場合は最大リフレッシュレートが144Hzとなり、165Hzを実現するにはDisplayPort接続が必要です。ただ、DisplayPort接続が必要なのはPCの話で、もし家庭用ゲーム機に接続する場合は現行の製品ですとフレームレートが最大120fpsまでしかありませんのでHDMIケーブルで事足ります。
ゲーミングモニターならではの要素としてAim-Point(商品説明ではこう書かれていますが、実機では「クロスヘア」表記)という、画面上に強制的に照準を表示させておく機能が搭載されています。
また、ゲーミング系の機能だけでなく、モニターとしての基本品質・基本機能も高いです。発色では106%sRGB、機能面ではブルーライトカット、フリッカーレスといったものが搭載されています。
上記のスペックにない部分でいくと、E24FP1Kにはスピーカーが付属しないため要注意です。ただ、私の憶測かもしれませんけど、純粋にゲーム目的でゲーミングモニターを購入しようとしている層は「モニターのスピーカーにはそもそも期待していないから自分で用意する」、「音にはこだわらないから安いので構わない」(私はこれです)、「ヘッドセットをするからスピーカーの有無は関係ない」のどれかだと思うんですよね。
余談ですが、商品説明ページ(Amazon)のスペック上で応答速度が1msなのか4msなのか分かりづらい書き方になっているのは勿体ないように思います。ゲーミングモニターといえば1ms以下が主流になってきているなか、(私も少ししか理解していませんが)よく分かっていないユーザーが「4msなら遅いじゃん」となってしまうのではないかと…。そもそも応答速度の概念が各社共通になっていない辺りが問題のような気もしますけど、本気でこだわりたいユーザーでなければそこまで違いを感じられないと思います。
2.Jlink E24FP1K 筐体
まずは同梱品から。ACアダプタとHDMIケーブル、説明書です。説明書は日本語対応ですが内容はシンプルなものとなっています。ケーブルに関しては前述の通り、本製品はリフレッシュレートが最大165HzとなっているもののHDMI規格が1.4ですので、HDMI接続の際は最大で144Hzまでしか対応しません。性能をフルに引き出すためにはDisplayPortケーブルが必要となるのですが、残念ながら同梱されてないため、PCでゲームをする際は別途用意しましょう。
本体表面です。スタンドに取り付ける支柱部分はすでに取り付けられた状態になっていました。
本体裏面です。「ゲーミング感」があるデザインですよね。ちなみに説明書には壁掛けができるような記載があるものの詳細は記載されておらず、外してはいませんが赤い円の内側にある4か所のネジ部分が取付位置になりそうです。参考までに測ってみたところ、おそらくVESA100×100が対応してくるかと思われます。
ケーブル類は下から差し込むタイプとなっています。左から、電源、HDMI(1.4)×2、DP(1.2)×2、イヤホンジャックの構成です。
右下(画面の左裏)部分にはセキュリティロックを備えます。近年ではゲーミングモニターを自宅以外で使うケースも少なくないでしょうから、こういった配慮はニーズのある方にとって嬉しいところです。
左下(画面の右裏)には電源とOSD設定が兼用になったボタンがひとつだけ配置されていて、カーソル移動と押し込みにより様々な操作を行えます。複数ボタンで操作する製品は毎回手探りかつ誤操作を誘発してしまい「なんでこんなに面倒な仕様なんだ…」と長年感じている部分であり、直感的に操作できるため個人的に満足度が高いポイントです。
スタンドの土台部分です。こちらは裏面側で、本体に取り付けられている支柱部分と位置を合わせてネジ止めするだけのシンプルな造り。取り付ける際の工具は付属していないため、プラスまたはマイナスドライバーが必要です。最悪、ドライバーがなければコインでもいけなくはないかも…。画像では少し分かりづらいですが中央と両端にはゴム脚もついています。
取付が完了するとこのようになります。高さの変更はできず首振りも不可、角度は-5°~15°(画像右)まで変更可能です。手持ちのモニターが高さ変更も首振りもできるので欲を言えば対応して欲しかったところですけど、それによって価格が上がるなら…と考えたら不問でもいいような気はします。また、スタンドに関しては見たところ華奢な印象を受けるかもしれませんが、土台が金属製でできていて重量もそれなりにあるため、見た目以上にしっかりと安定します。
ベゼルは手採寸で約5mm。もはやこの水準は当たり前の域に入ってきましたが、改めてすっきりしていると感じます。また、IPS液晶だけあって視野角も全く問題ありません。
OSDの設定画面です。一般的なディスプレイとは異なり、ゲーミング設定の項目が用意されています。「ゲーミング設定>ゲームアシスト」はショートカットが割り当てられており、何も表示されていない状態で左にカーソルを動かすだけで画面右下に設定項目が出現します。
クロスヘアの選択を表示させたところです。プレイ中に少ない操作で設定のオン/オフなどを切り替えられるのは便利ですね。ちなみに私がもともと所持していたゲーミングモニターにも照準を表示させる機能があるのですが、赤のスコープ(画像の一番下のようなタイプ)1種類しかありません。これだけ色や種類があればシーンに応じて使い分けができそうです。
3.Jlink E24FP1K 使用感
発色
私が普段プレイしている格闘ゲーム、「バーチャファイターeスポーツ」のタイトル画面で比較してみました。
左が手持ちの湾曲ゲーミングモニター(AOC C24G2/11)、右がE24FP1Kを撮影したものです。これだけだとそこまで変わらないように見えますが、拡大してみると…
右はグラデーションの細かな色変化がしっかりと表現されていますし、その影響からか、艶があり立体的に感じられるのではないでしょうか。プレイしてみても、特にキャラクターのコスチュームで金色だったり光沢のあるものが動いているさまを見ていると質感が際立っている印象で、より没入感が深まりました。ただ、年齢のせいか疲れのせいかは分かりませんが「よく見えるからこそ目が疲れる」ような気が…。しかしE24FP1Kはブルーライトカット機能も搭載しているため安心です。ここ最近では珍しくない機能ではないですし見え方も若干変わりますけど、眼精疲労を軽減しながらプレイすることも可能です。
FPSプレイ
実は私、三半規管が弱く、FPSをプレイすると具合が悪くなってしまうんです…。でも、以前何かの記事で「画面酔いはリフレッシュレートの低さに原因あり」のようなことを読んだ記憶があったため、半信半疑でやってみることに。これで克服できたらラッキーですし。
検証したのは、つい最近リリースされた「オーバーウォッチ2」のPS5版です。PS5はタイトルにより120fpsのフレームレートに対応しており、オーバーウォッチ2も対象となっています。
残念ながらプレイイングスキルには一切期待できないため、違いが分かるように60Hzと120Hzで同じように「視点移動のみをグリグリ回転させている状態の画面をカメラで撮影」を行ってみました。リフレッシュレートが分かりやすいようにE24FP1Kの「ゲームアシスト」機能で「FPSカウンター」をONにして右上に表示させています。
まず60Hzですが、ご覧の通りだいぶズレが生じていますよね。画面では伝わらないと思いますけど、実際にこの様子を見ている私はまるで遊園地のコーヒーカップに乗っている気分で、軽く具合が悪くなってしまいました(泣)。
120Hzの画面です。比べてみると一目瞭然、描画数が倍なので当たり前ではあるのですが、小刻みに切り替わっているのがお分かりいただけるかと思います。不思議なもので、この状態でしばらく画面を見ていても60Hzの時のような画面酔いはほぼありませんでした。
その後も何度か60Hzと120Hzを行き来してプレイしてみましたが、はっきりと分かったのは「普通のディスプレイでFPSなんてやるもんじゃない(三半規管…)」ということ、そして「別ゲーかと思うくらい難易度が違う」ということです。60Hzですと視点移動の際に明らかに背景がカクつきますし、素早く動く敵は分身しているかと思ってしまうくらい。結果、画面酔いでフィジカルを削られ、なかなか倒せない敵にメンタルをえぐられる最悪の展開に…。これまでずっとFPSが完全に向かないタイプの人間なんだと信じ込んでいましたけど、もしかしたら最初からゲーミングモニターでプレイしていたら全く違うゲームライフを送っていたかもしれません。そう思えるほどにリフレッシュレートの差は大きく、もし(60Hzの一般的な)テレビでFPSをプレイしている、もしくはこれからプレイしようとしている方は真っ先にゲーミングモニターの購入を検討するべきでは?と感じました。
クロスヘアに関してはキャラクターによって位置や大きさが異なりますし、色も背景が白っぽいとほぼ見えなくなりますから、プレイヤーのニーズにもよるでしょうけど便利そうですね。
PCモニターとして
ゲームは所持しているPCのスペック的に検証が難しそうだったため、代わりに本記事の制作の大半をE24FP1Kでリフレッシュレート165Hzにて作業してみました。やはり一番印象に残るのはブラウジングの際で、画面をスクロールした時の「ヌルヌル感」が全然違います。ためしに自動スクロールを一番遅いスピードにして60Hzと比較してみたところ、60Hzは常に残像により文字が滲んでいるように見えていましたけど、165Hzでは常にくっきりとしたまま見ることができました。また、Photoshopでの作業も少し行ってみましたが、普段使っているモニターよりも発色の良さは明らかでした。
4.Jlink E24FP1K レビューまとめ
Jlink E24FP1KはAmazonにて販売中で、10月26日現在の販売価格は29,980円です。しかし!今なら6,000円引きのクーポンがあり、実質23,980円で購入可能です。
一般的な24インチのPCモニターと比べると1万円程度高くなるのですが、IPS液晶・165Hzでその差を埋められるかどうかと聞かれたら…私はイエスと断言できます。特に、PS5を買ったけどずっとテレビでFPSをプレイしているとか、ゲームはしないけどパソコンとセットになっているモニターしか使ったことないとか、そういった方は騙されたと思って一度触れてみていただきたいですね。価値観変わると思います(言いすぎたかもしれません…でもそれくらい違います)。
今回はレビューという観点で比較しながら使ってみたことで、単にゲームを快適にプレイできるだけでなく、PCでの作業を行う際に「あー、普段こんなに目が疲れることしてたんだな…」と実感できました。言葉でうまく伝えられないのがたいへん心苦しいのですが、これはゲーミングモニター所有者だけが理解できる領域なんです。また、やはりIPS液晶というところが心強いポイントで、視野角の広さや発色の良さはゲームだけでなく幅広い用途で活用できるため歓迎すべきです。完全にビジネスユースでも後悔はないと思いますので、ぜひご検討ください。
5.関連リンク
Jlink 24インチモニター E24FP1K:Amazon