こんにちは、natsukiです。先日も紹介した面白周辺機器ブランドHAGiBiSの、ミニモニター付きドッキングステーションを買ってしまいましたので、レビューをお届けします。まあ、なんというか、見ただけで思わず買っちゃいますよね!
なお、「ハブ」と呼ぶべきか「ドッキングステーション」と呼ぶべきか、迷うラインの製品で、公式の製品紹介にも両方の表記が見られるくらいなのですが、とりあえず、記事中では「ドッキングステーション」と呼んでおきます。
目次
1.製品概要
この製品は、要するに3.5インチ(解像度480×320ピクセル)というミニサイズのディスプレイが付いたドッキングステーションです。レトロなパソコンを模したデザインもそそりますね! ディスプレイは小さいだけで、パソコンからは普通に外部ディスプレイをつないだものとして認識されます。
接続は、パソコン側に映像出力に対応したUSB Type-Cポートがあれば、USBケーブル1本。ない場合は、データ用のUSBケーブルと、ディスプレイ用のHDMIケーブルの2本で接続します。このサイズでケーブル2本接続はかなり不格好になり、場合によってはHDMIケーブルの弾力で傾きかねませんので、基本的に、映像出力に対応したUSB Type-Cポートを持つパソコンで利用した方がいいと思います。
ポートの種類は、ご覧の通り。表面にSD/microSDカードスロット、データ通信5GbpsのUSB Type-Cポート×1、USB Type-Aポート×2。背面に入力用のUSB Type-CポートとHDMIポートが1つずつ、さらに、出力用に3.5mmオーディオジャックと、電力出力5V/2AのみのUSB Type-Cポートを備えます。
2.実機
早速、本体を見ていきましょう。
同梱品です。ケーブルは、両端USB Type-Cですが、USB Type-A変換キャップも付いています。もちろん、このケーブルはデータ転送だけでなく映像転送にも対応しています。ただし、HDMIケーブルは付属しません。マニュアルと、右下の四角い枠は、後述します。
本体のサイズ感はこのくらい。
ディスプレイがある上に、奥行きがあるので、かなり存在感があります。
前面には、先ほど見たように、カードスロットとUSBハブ。また、ディスプレイ脇には、輝度調整とディスプレイON/OFFのボタンもあります。
背面です。中央寄りのUSB Type-CとHDMIポートは、入力専用です。右端に3.5mmオーディオジャック、左端に電力出力のみ5V/2AのUSB Type-Cポートがあります。
側面です。このブラウン管なデザインがたまりませんね!
はじめにみた四角い枠は、このように台にして、少し角度を付けることができます。残念ながら、ディスプレイ部分とドッキングステーション部分は固定で、ディスプレイ部分のみの角度調整はできません。実際に使ってみると、もう少し、角度が調整できて欲しいところです。うーん、DIYでスタンド作るかな……。
3.ディスプレイあれこれ
基本的な使用感
ディスプレイサイズは、おおざっぱに言ってスマホの1/3くらいで、それもスマホと違って目からそれなりに離れた位置に置くので、多くの情報を確認するのには適しません。また、上記のように角度を付けにくいのと、最大輝度が低い(これは上斜めから見ていることも関係しているかもしれません)こともあり、文字などを凝視するのは目が疲れます。「雰囲気」か「ドデカい文字やグラフ」など、ぱっと見で分かるものが、表示に適したコンテンツでしょう。
ディスプレイ設定
3.5インチディスプレイは、パソコンからは、通常の追加ディスプレイとして認識されます。従って、メインディスプレイの複製でも、「拡張」で別ディスプレイとしても使えます。以下、Windows 11環境下で、「拡張」にした前提で話を進めます。
タスクバーは消しておいた方がいいでしょう。設定の「個人用設定>タスクバー」から、「タスクバーをすべてのディスプレイに表示する」をOFFにしておけば、メインディスプレイ以外からタスクバーが消えます。
さて、ここからがクセのある部分です。この製品のディスプレイの解像度は480×320ピクセルなんですが、パソコン側では、倍の960×640ピクセル以下に設定することができません。まあ、そのことは実際の表示にあまり関係無いのでいいんですが、問題は、そこから「拡大/縮小」を調整することができないということです。
やってみると分かりますが、実際にこのモニターに何らかのコンテンツを表示すると、実際に読む気がなくても、あまりにも小さすぎます。上の画像は、Edgeでウインタブを開いて全画面表示しています。
従って、何らかのコンテンツを表示させたい場合、ブラウザで表示してブラウザの機能で拡大するか、そのコンテンツ自体が拡大やレイアウト調整機能を持っていることが求められます。とはいえ、やはり文章を読むコンテンツには正直向きません。上の画像は、ブラウザVivaldiでXを拡大表示したものです。はじめ、用途として、XなどのSNSやメッセージ系コンテンツの閲覧を考えたんですが、ご覧の通り、これらは縦長のレイアウトになっていることもあり、あまり実用的ではありませんね。
公式サイトの利用案内
メーカーサイトの製品ページには、この製品のディスプレイ利用に関する様々なチュートリアルがあります。中国語と英語のみですが、ブラウザの翻訳機能などで十分意味はとれるでしょう。ここでは、次のような使用例が紹介されています。

・Live Wallpaper
Windows標準の壁紙機能を使って、好きな画像のスライドショーを表示させることができます。
・Digital Picture Frame
Windows標準の「フォト」アプリを使って、好きな画像のスライドショーを表示させることができます。手段が違うだけで、実質的には壁紙と同じです。
・Video Player
動画視聴。動画サイトやアプリを開いて、全画面表示するだけですね。サイズ的に、じっくり視聴するのには向きません。流し見用。あるいは、オーディオプレーヤーとして。
・Floating Lyrics
曲の歌詞のみを表示します。これは、使用する音楽配信サービスが、いわゆるリアルタイム歌詞表示に対応していないとできません。メーカーサイトでは、中国の音楽配信サービス「QQ音楽」を例にとって解説しています。上の画像は、Spotifyで行ったものです。無料プランだと広告がかなり邪魔なのは仕方ないところ。パソコンでのYouTubeやYouTube Musicは、リアルタイム歌詞表示に対応していないのでできません。
・PC Health Monitor
パソコンの各種システム情報の表示です。やっぱり、これは憧れますよね!しかし、この辺は私も購入するまで勘違いしていたんですが、この製品は、システム表示用のいわゆるハードウェアモニターソフトそのものは提供しません。その界隈では非常に有名な「AIDA64」というハードウェアモニターソフト(本来はベンチマークソフトらしい)の、この製品に合わせた「テンプレート」を提供するだけです。「AIDA64」は非常にカスタマイズ性が高く、外観や表示情報の種類を自在に設定できます。そこで、この製品に合わせたインターフェースのテンプレートを配布しているというわけです。記事執筆現在、メーカーサイトには、真面目なカッコいいのから、上の画像のようにネタに振り切ったものまで、14種類ものテンプレートが用意されています。ところが……

この「AIDA64」、かなり高価なんです。記事執筆現在で、個人用のAIDA64 Extremeライセンスが、1年×3台までで65.95ドル。うーん、その道の方々なら当たり前に買っているソフトなのかもしれませんが、気軽に手を出せる価格ではありません。買い切りでないのもキツい。
自分なりに用途を模索してみた
色々と、実用的な用途を模索してみました。
・メッセージアプリやSNSチェック用として
結論を言えば、これは先述のように向きません。ブラウザで拡大表示しても、ユーザーインターフェースとの相性が悪すぎます。
・音楽プレーヤーとして
YouTubeやSpotifyなどを流しっぱなしにしておく音楽プレーヤーとしては、ちょうどよいでしょう。まあ、無難に実用的な利用法はこれでしょうね。リアルタイム歌詞表示ができるかどうかがサービスによるというのは、先述の通りです。画像はYouTubeですが、見ての通り、このサイズで歌詞を読み取るのは至難の業です。
・付箋として
メモやToDoなどに。Windows標準の付箋アプリは、フォントサイズが小さすぎて、かつフォントサイズの調整もできないので使えません。逆に言えば、フォントサイズを調整できる付箋ソフトを使えば、メモ欄として使うことも可能です。上の画像は、「付箋紙21FE」という老舗の付箋ソフトです。全画面表示はないので、手動で付箋のサイズを広げています。このソフトの場合、文章の書き込みはメインディスプレイでできるのでその点も便利。

・AIDA64の代わりのハードウェアモニター
悔しいんで、AIDA64の代わりになりそうなソフトがないか探してみました。ネックは、やはり表示の小ささで、相当にシンプルなWindowsタスクマネージャですら、上の画像の通り。ハードウェアモニターソフトとしては定番のHWMonitor、HWiNFO、CPU-Zなどは細かすぎて適しません。また、全画面表示ができないXbox Game BarやMSI afterburnerもレイアウトが合わない。
まだましかな、というのが「NZXT CAM」くらい。それでも文字は小さく読みづらいことは否めません。

あとは、ガチでやるなら、「Rainmeter」などのデスクトップ上の表示をカスタマイズするソフトを使うといったところでしょうか。

なお、USB接続でシステム情報を表示するハードウェアモニター専用ディスプレイのソフトを流用できないかと試してみましたが、ダメでした。
4.ハブ性能
いちおう、ハブの性能をチェックしておきます。計測したのは、カタログスペックでは10GbpsのUSBメモリサイズのSSD「MOVESPEED SSD」です。USB4やThunderbolt 3/4などのデータ通信速度に十分余裕のあるポートの接続すれば、実測のシーケンシャルアクセスでも1,000MB/sは出る製品です。この製品についての詳細は、下記記事をご覧ください。結果は、上の画像の通り。5Gbpsの理論値500MB/s(なんで625MB/sではないかという話は省略)まではいきませんでしたが、5GbpsのUSBポートの実測値としては妥当なところでしょう。

5.まとめ
ハブとしては、カードリーダーに、USB×3と、オーディオジャックに充電用ポートと、十分に実用的な機能を持ちます。あとはもちろん、この3.5インチディスプレイをどう活かすか、というアイデア次第ですね。とりあえず、なんか画像を表示しておくだけでも、テンション上がるものです。デザインとしても面白いし、使い方を色々考えて工夫するのが非常に楽しい製品です。
6.販路と関連リンク
Aliexpress「HAGiBiS Official Store」
下記のAliexpress内の「HAGiBiS Official Store」は、私が購入した出品者であるとともに、メーカー公式サイトよりリンクしているメーカー公式の出品者です。ざっと見たところ、信頼性に不安のある出品者からの出品も見られるようなので、Aliexpressでのここ以外からの購入は自己責任でお願いします。
ただし、Aliexpressではよくある話なのですが、同じ「HAGiBiS Official Store」から、同じこの製品が記事執筆現在に確認できる限りで5つ出品され、それぞれに異なる価格がついています。これらは、それぞれに価格だけでなく適用される割引なども異なる場合があり、最終価格はまちまちです。そのときそのときで、割引をうまく組み合わせて最安値となる製品を探るのは、Aliexpressの面白いところでもあり、めんどくさいところでもあります。従って、下記にリンクした商品ページは、実際に私が購入したものではありますが、購入のタイミングによっては、同じ出品者からでもっと安く買える可能性があることにご注意ください。タイミングによってかなり価格の変動する製品で、私は、夏の比較的大型セールでうまく割引を組み合わせて5,000円台半ばで購入しましたが、継続して見ていると、だいたい、月初めセールなどで割引込み最終価格が6,000円台といったところのようです。
実際に購入した商品ページ
メーカー公式サイト
下記のメーカー公式サイトの製品ページには、この製品の利用方法のマニュアルや、AIDA64用テンプレートのリンクがあります。


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