FFF SMART LIFE CONNECTED(旧社名はMARSHAL)が8インチのUMPC(コンバーチブル2 in 1タイプ)「MAL-FWTVPCM1」を発売します。UMPCとして必要にして十分なスペックを備えていると思いますし、日本メーカーが自社ブランドで発売する製品なので、サポートや製品保証という点でも安心感は非常に大きいです。
1.スペック
あえて書きませんが、このあと掲載する製品画像を見れば、ウインタブ読者ならこの製品のベースモデルが何なのかはわかると思います。しかし、スペック面ではかなりの独自性があります。まず、OSがPro版です。価格面では不利だろうに…、と思いますが、Pro版OSで困る、という人はいないでしょう。
CPUはPentium Silver N5000です。開発コードネームはGemini Lakeなので、Celeron N4100の上位モデル、という認識でいいでしょう。パフォーマンスはCore iプロセッサーに及ばないものの、UMPCにはよく合うCPUだと思います。
RAMは4GBです。この点は人によって不満を感じることでしょう。まあ、「使い方による」んですけど、あまり多くのアプリを同時起動しないのであれば問題なく使えると思います。CPU性能とのバランスでも「こんなもんかな」という気もします。また、ストレージも128GB eMMCで、容量的にそんなに悪くはありませんが、他社製のUMPCが256GB SSDくらいになっていることが多いので、それらとの比較だと少し見劣りしますね。
ディスプレイは8インチのIPS液晶でWUXGA(1,920 × 1,200)解像度、もちろんタッチ対応です。サイズ的にはONE-NETBOOKやGPDの最新モデルよりはやや小さく、CHUWI MiniBookと同じです。
入出力ポートも充実しています。この製品が8インチサイズであることを考慮すれば、合計で3つのUSBポートやminiHDMI、そしてmicroSDカードリーダーと、十分な構成になっていると思います。
サイズのほう、ほぼほぼ期待通りと考えていいと思います。というか、他のUMPCと比較して特に小さいとか軽いということはありませんが、一般的なノートPCよりは圧倒的に小さくて軽いので、不満はありません。
2.筐体
はい、この画像を見ていただいて、現在国内外で販売されているUMPCの画像と比較していただければベースモデルが何であるかはすぐわかると思います。外観はほとんど変わりませんね。キー配列はメーカーのオリジナルで、しっかり日本語のひらがなも印字されていますし、さすがに周辺のキーサイズは少々厳しいものの、アルファベットキーのサイズとピッチを優先しているので、テキスト入力はそこそこ快適にこなせるんじゃないでしょうか。
また、タッチパッドはなく、そのかわりにポインティングデバイス(オプティカル・フィンガー・ナビゲーションタイプ)がついています。この構造は他のUMPCでもよく見られるものです。「B」と「N」の間にある四角い部分がセンサーになっていて、ここを指でなぞってマウスカーソルを動かします。ウインタブではONE-NETBOOK One Mix 2Sの実機レビューで同様の機能を試しましたが、割と使い勝手はいいです。
底面の画像もありました。この製品は標準で128GB eMMCを搭載していますが、底面にM.2 スロットがあり、DIYでM.2 SSDの増設が可能です。
側面と入出力ポートの配置です。上にも書きましたが、UMPCとしてはとても充実した構成になっていて、拡張性に不安はないですね。
国内メーカー品ということで、もっともうれしいと感じたのがこの画像です。いままで中国メーカーのUMPC(だけでなくタブレットやノートPCも含めて)の製品紹介記事を掲載してきましたが、これ以上にわかりやすい説明をつけてくれるメーカーはありませんでした。これなら読者の皆さんも「細かい仕様がわからなくてイライラする」ことはないですよね?
3.価格など
MAL-FWTVPCM1は「5月出荷予定」で、4月7日現在、楽天内のMarshalダイレクトで予約受付中で、価格は税込み59,800円です。また、Amazonにも製品ページがありますが、こちらは4月7日現在だとまだ販売がスタートしていませんでした。
GPDにせよONE-NETBOOKにせよ、日本国内で正規輸入販売がスタートしていますが、このMAL-FWTVPCM1は(ベースが中国製品とは言え)日本メーカーが自社のブランドで発売する製品です。メーカーのサポートや保証(1年保証)もしっかり受けられますし、並行輸入品に見られる「技適マークへの不安」もありません。
あとは、Pentium Silverと4GBのRAM、128GB eMMCというシステム構成をどう評価するか、ということになるでしょう。UMPCも高性能化が進んでいて、他社製品だと、例えば自宅で外部ディスプレイやキーボードを接続するような使い方をしても十分満足できる性能になってきていますが、そういう使い方だとこの製品は少々パワー不足と言えるかもしれません。一方で、UMPCらしく、本体のみで出先でちょこちょこ作業するのが主目的、ということならMAL-FWTVPCM1は十分期待に応えてくれると思います。というか、その場合Core i7とかはあまり意味がないと思います。UMPCはどうしてもサイズ(言い換えるとディスプレイの視認性やキーボードの操作性)にボトルネックがありますからね。
ウインタブ的には、「モバイルノートとして使うなら、これでちょうどいい」んじゃないか、と思います。
4.関連リンク
MAL-FWTVPCM1:メーカー公式サイト 製品ページ
MAL-FWTVPCM1:Marshalダイレクト(楽天内)
MAL-FWTVPCM1:Amazon
コメント
RAMが8GBでROMがSSD256GBになったことでまともに使える様になったのに日本メーカーになると先祖帰りしちゃうのが切ない。