MicrosoftがWindows8.1の廉価バージョンであるWindows8.1 With Bingを発表しました。従来のWindows8.1との相違点は、「OEM専用で一般向けにOS単体での販売はしない」「低価格のPCにのみプリインストールできる」「InternetExplorerのデフォルトの検索エンジンはBingで、OEMメーカーはこれを変更できない。ただし一般ユーザーがPC購入後に検索エンジンを変更するのは自由」「Office365の1年間無料サブスクリプションつき」ということです。あるいはいくつかのBingアプリ(ツールバーなど)がインストールされているかもしれません。価格はよくわからないのですが、とにかく安いようです。
Microsoftは4月にも「ディスプレイサイズが9インチ未満のタブレットやスマホ向けにWindows8.1を無料にする」ことを発表しており、競合するChromeBookなどに対して攻勢をかける体制を作っています。
このような施策によって、タブレットや低価格のPCにもう一段の値下げがあれば、競合機種、特にAndroidからの買い替え需要も増えそうですね。
こうなると気になるのがWindowsRTの存在です。期待していたSurface Miniの発表が延期となり、「Microsoftはタブレットあきらめたんじゃない?」という話も出たりして、先行きがちょっと心配なんですが、小型タブレット向けWindows8.1の無料化とか今回の廉価版OSの登場とかで、製品コストに占めるWindowsの価格が極小化されていくと、機能限定する代わりに低スペックマシンでも快適に動く、よって製品価格を抑えられる、というのがセールスポイントであるRTの存在意義が低下してしまいそうです。
もう一つ気になるのはWindowsPhoneの存在です。端的にいえば日本市場から撤退している、ということになるわけですが、昨今はスマホ、タブレット、PCと状況に合わせて使い分けるユーザーが増えていますので、日本市場でもこの3つのレンジをしっかりWindows OSでカバーしてもらいたいし、近日中には日本再上陸、って可能性も高いんじゃないかと思っています。
スマホ、タブレット、PCと使い分けるとして、3つのOSは本当に必要なんだろうか?という気がしませんか?WindowsストアとWindowsPhoneストアは統一されていませんが、どちらのOSでも使えるユニバーサルアプリが登場していますし、今後もユニバーサル化は進んでいくものと思われます。なので、モダンUIの世界では3つのOSの融合が一気に進むことになるでしょう。これはWindowsとWindowsPhoneというOSが接近することを意味します。言い換えるとWindowsRTとWindowsPhoneの差別化ができなくなるということになるんじゃないでしょうか?
AppleのMacOSとiOSを見た場合、iOSはMacOSの廉価版だとは言えませんが、Windows8.1とWindowsRTの場合、見た目が一緒であり、実質的にWindows8.1はWindowsRTの上位互換であるといってよいでしょうから、ほとんどの人はWindowsRTはWindows8.1の廉価版であるとみなすでしょう。またMicrosoftが自ら打ち出しているWindows8.1の低価格戦略が進めばWindowsタブレットの価格はOffice込みで3万円台前半とか、場合によっては2万円台突入もありそうですから、WindowsRT機は2万円を切る価格帯で攻めていかない限り、シェアを獲得するのは難しいのかもしれませんね。どうなっちゃうんだろう、Surface Mini…
それにしても早くWindowsPhoneが欲しい…
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