こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。新製品の紹介記事を書いていて、「ゲーミングノートが元気だなあ」ということと「外部GPU(dGPU)を搭載する非ゲーミングのスタンダードノートやモバイルノートが増えてきたなあ」ということを感じます。パソコンの用途にもいろいろありまして、職場でひたすらExcelの計算をするとか、客先でプレゼンするためにPowerPointで資料を作るとか、会議に出席して議事録を書くとかいった、以前からある使い方はもちろんですが、Photoshopで画像加工をするとか、YouTubeにアップするために動画編集をするとか、4Kの映画を観るとかいった「ビジュアルな使い方」というのがどんどん増えているように思います。
一番わかりやすいのがDELLの戦略で「DELL CINEMA」というのがありまして、これは「CinemaColor(画質)/CinemaSound(音質)/CinemaStream(通信品質)」の3つの項目に力を入れ、映像コンテンツをより豊かに体験できるように、というものです。
例えばPCでYouTubeにアクセスし、お気に入りのYouTuberの動画を観るのが日課、という人も少なくないでしょう(このくらいなら別に外部GPUはいらないでしょうけどね)。また、ブラウザゲームやオンラインゲームを楽しんでいる人もいると思います。PCの利用目的のうち「グラフィック」に関係するものの比率は急速に上がっていると言えます。
ということで、今回はLenovo、HP、DELLの世界三大PCメーカーの製品から「15.6インチのノートPCでGPU付きのものとGPUなしのもの」を1つずつピックアップして比較してみよう、と思いました。「10万円」としたのは、そもそも予算に制約がないのであれば思いのままに好きな製品を買えばいいだけのことで、そもそも記事を書く必要はないですし、これが15万円とか20万円とかになると、「GPUが気になるんならゲーミングノートかクリエイターノートを買ったら?」ということになると思ったためです。
なお、これはオピニオン記事であり、外部GPUを搭載するノートパソコンのごく一部だけピックアップする形になりますし、私が掲載する「各製品のシステム構成」についても、読者全員にとって納得感があるものとも言えませんので、あらかじめご了承ください。
目次
1.Lenovo ThinkPad
ThinkPad E580
価格: 98,534円(税込み)
※下記の構成にカスタマイズしたもの
※7月7日現在の週末クーポン価格
OS: Windows 10 Home
CPU: Core i5-8250U
GPU: AMD Radeon RX 550 2GB
RAM/ストレージ: 8GB/256GB SSD
ディスプレイ: 15.6インチIPS(1,920 × 1,080)
サイズ: 369 x 252 x 19.95 mm / 2.1 kg
ThinkPad E580
価格: 103,135円(税込み)
※下記の構成にカスタマイズしたもの
※7月7日現在の週末クーポン価格
OS: Windows 10 Home
CPU: Core i7-8550U
GPU: Intel UHD Graphics 620(CPU内蔵)
RAM/ストレージ: 8GB/256GB SSD
ディスプレイ: 15.6インチIPS(1,920 × 1,080)
サイズ: 369 x 252 x 19.95 mm / 2.1 kg
紹介記事:Lenovo ThinkPad E580 - 15.6インチ、ThinkPadとしてはエントリークラスのスタンダードノートがリニューアル!
Lenovo製品ページ:ThinkPad E580
たくさん存在する15.6インチノートの中で最も比較しやすいというか、わかりやすいのがThinkPadだと思います。この記事では「E580」を取り上げているのですが、CPUの型番とGPUの搭載有無、そしてRAMやストレージなど、非常に多くのパーツがカスタマイズ可能なんです。「だいたい10万円くらい」で構成を組むと、「Core i5 + Radeon RX 550」か、「Core i7で外部GPUなし」がのいずれかだろう、ということになりました。一応10万円コースの製品ということでRAMは8GB、ストレージは256GB SSDにしてあります。また、10万円くらい、という制約を抜きにすればさらに高い水準の構成も可能です。
これはわかりやすいですね。CPUの型番をワンランク落として外部GPUを積むか、それともCPUを高性能なものにして乗り切るか、という選択です。決めるのは読者のみなさんですが、私の個人的な意見としては「Core i5 + Radeon」かな、と思います。Excelで複雑なマクロを使うとか、金融や製造業のシミュレーションなど複雑な計算をする必要があるようならCore i7を優先すべきだと思いますが、一般的なビジネスマンが使うExcelとかWord、PowerPointなどの場合、Core i5で性能不足というのはちょっと考えにくいです。特に購入するPCは仕事でも使うしプライベートでも使う、という場合なら冒頭に書いたようにグラフィック性能を重視したほうがいいのではないか、と思います。
ただし、Radeon RX 550というのは後述するGeForce GTX1050ほどの性能はなく、(ゲームタイトルによりますが)オンラインゲームを快適に遊べるくらいの実力はありません。なので、GPUさえ積んでればどんなグラフィック処理でもへっちゃら、というわけでもないです。E580の場合、もう少しスペックの高いGPUがあればなおよかったと思います。
2.HP Pavilion
Pavilion Power 15
価格: 100,224円(税込み)
※7月7日現在の価格
※下記の構成を選んだ場合
OS: Windows 10 Home
CPU: Core i5-7300HQ
GPU: NVIDIA GeForce GTX1050(4GB)
RAM/ストレージ: 8GB/1TB HDD
ディスプレイ: 15.6インチIPS(1,920 × 1,080)
サイズ: 378 × 254 × 22 – 27 mm / 2.29 kg
紹介記事:HP Pavilion Power 15 - 見た目はセンスのいいスタンダードノート、でも中身はゲーミングPC!(実機レビュー)
HP製品ページ:HP Pavilion Power 15 製品詳細
Pavilion 15
価格: 102,384円(税込み)
※7月7日現在の価格
※下記の構成を選んだ場合
OS: Windows 10 Home
CPU: Core i5-8250U
GPU: Intel UHD Graphics 620(CPU内蔵)
RAM/ストレージ: 8GB/1TB HDD
ディスプレイ: 15.6インチIPS(1,920 × 1,080)
サイズ: 379 × 252 × 22.5 – 25.0 mm / 2.17 kg
紹介記事:HP Pavilion 15-cc000 - 15.6インチ、美しいデザインと高い性能を両立したスタンダードノート
HP製品ページ:HP Pavilion 15-cc100 製品詳細
HPの場合、「だいたい10万円の15.6インチ」だとPavilion 15とPavilion Power 15があります。よく似た筐体デザインですが、「Power」のほうはCPUが第7世代ながら4コアのCore i5-7300HQとなり、GPUはGeForce GTX 1050を搭載します。「Power」のあるなしでの構成の相違点はCPUと外部GPUのみです。
これもわかりやすいです。ウインタブ的な視点だと「Powerなし」を選ぶ理由はないと思います。ちなみにCore i5-7300HQとCore i5-8250Uのベンチマークスコアは下記のとおりです。
Core i5-8250U: 7,659
Core i5-7300HQ: 6,835
一見すると「HQのほうが偉そう」に思われますが、第8世代のCore i5というのは思った以上に高性能です。ただし、外部GPUの搭載有無に関係のないような計算処理なんかの場合、両者の処理性能で大きな体感差を感じる場面はほとんどないと思いますし、外部GPUが威力を発揮する場面でのGTX1050の恩恵は圧倒的です。
ただし、「Powerなし」のほうは第7世代のCore iプロセッサーを搭載するモデルもあり、かなり安価になっているので、第7世代のCore i5-7200Uにしておいて、浮いたお金でSSDを増設したりOfficeをバンドルする、というやり方が賢いかもしれません。
3.DELL
G3 15
価格: 100,961円(税込み)
※7月7日現在のセール価格
※下記の構成を選んだ場合
OS: Windows 10 Home
CPU: Core i5-8300H
GPU: NVIDIA GeForce GTX1050(4GB)
RAM/ストレージ: 8GB/256GB SSD
ディスプレイ: 15.6インチIPS(1,920 × 1,080)
サイズ: 380 × 258 × 22.7 mm / 2.53 kg
紹介記事:DELL G3 15 - DELLに新しいノートPCブランドが誕生!Gは「ゲーミング」と「グラフィックス」を意味します
DELL製品ページ:New Dell G3 15 3579(2018年4月24日発売)
Inspiron 15 5000
価格: 98,1621円(税込み)
※「夏のボーナス特別モデル」のもの
※7月7日現在のセール価格
※下記の構成を選んだ場合
OS: Windows 10 Home
CPU: Core i5-8250U
GPU: Intel UHD Graphics 620(CPU内蔵)
RAM/ストレージ: 8GB/256GB SSD
ディスプレイ: 15.6インチ(1,920 × 1,080)
サイズ: 380 × 258 × 22.7 mm / 2.28 kg
Officeソフト: Office Home&Business 2016
紹介記事:DELL Inspiron 15 5000 - 15.6インチ「スタンダードなスタンダードノート」ながら、第8世代Core iプロセッサーとRadeonを搭載!
DELL製品ページ:New_Inspiron_15_5000_5570(2017/10/3発売)
最後はDELLです。Inspiron 15 5000(Inspironシリーズの中位モデル)と最新ブランド「G3」を比較してみます。実はInspiron 15 5000にも外部GPU(AMD Radeon 530 4GB)を搭載するモデルの設定があるのですが、DELLはもはやBTOメーカーではなく、やたらとたくさんのベースモデルから1つを選ぶ、という方式になってしまったので、「だいたい10万円くらい」でよさげな構成になるモデルを選ぶことができませんでした。
一方でG3のほうはモデルとして新しく、ゲーミング利用を強く意識したブランドではあるのですが、筐体デザインが比較的おとなしく、ビジネスシーンでも全然違和感がないと思いますので、こちらを使って比較したいと思います。
ここも結構わかりやすいです。G3は「第8世代(Coffee Lake)のCore i5-8300H + GTX1050」、Inspironは「第8世代(Kaby Lake R)のCore i5でGPUなし、しかし製品版Officeつき」となります。Coffee Lake世代のCore i5はめちゃめちゃ高性能ですし、外部GPUもGTX1050と、オンラインゲームにも使える性能のものがついていますので、性能面ではG3が圧倒します。
しかし、Inspironのほうも一般的なビジネスシーンで不満を感じるようなスペックではなく、ストレージもSSDなので、各種の動作にサクサク感があるはずです。そして、「どうせ使うよね」の製品版Officeがあるというのもビジネスマンには大きな魅力と言えるでしょう。
4.まとめ
ここまで、世界三大PCメーカーの製品を例として紹介してきましたが、これらは氷山の一角に過ぎません。しかし、各社ともゲーミングPCではないノートPCに外部GPUを搭載する製品ラインを増やしてきており、今後選択に迷う機会が出てくると思います。特にLenovoとDELLの製品を見てみて、参考になる要素があったと思います。
「Core i5 + dGPU」か「Core i7」か
CPUの型番を落としてその分で外部GPUを搭載させるか、それともCPUの型番で妥協しないか、という選択肢があります。世の中ThinkPad E580のように都合よく同一型番でこの選択が可能、という製品は多くありませんが、別に同一製品ではなくとも、このような視点で製品選びをすることはできると思います。
で、「どっちがいいの?」という話になるんですけど、これはどちらとも言えません。私の場合、「自己所有のPCなのであればプライベートなエンタメ利用もするだろうから、CPUの型番を落としても外部CPUを搭載してグラフィック性能を強化すべき」という意見になります。さらに、私は「Core i5だともっさりして、Core i7だとサクサク」という場面に出くわしたことがない、というのも大きな理由となります。しかし、これは正解とは言えず、あくまでも購入する人がご自身で結論を出すべきことでしょう。
製品版OfficeかdGPUか
これもすごく重要なポイントですね。ただ、この場合は「Officeが必要なのか」ということによります。今やブラウザー上でも簡易版のOfficeが使える時代ですし、Office以外でもGoogleスプレッドシートのようにOfficeの機能をある程度代替できるツールはあります。しかし、取引先とOfficeのファイルをやり取りするとか、職場ではOfficeを使っているので、個人用のPCでもOfficeを入れざるを得ない、という人も多いと思います。
仕事用、あるいはプライベート用でも仕事を持ち帰ってやらなくちゃいけない、という機会が多い人は外部GPUを諦める、というのもやむを得ないかもしれないですね。
いかがでしょうか?購入予算が十分にある場合は、「これから買うなら外部GPU搭載モデル」ということでいいと思います。ただ、今回は「だいたい10万円くらい」と予算上限を設けましたので、いろいろと悩んでしまうことになります。
また、ゲーミングノートではない、一般的なスタンダードノートに搭載される外部GPUは、性能面で万能というわけではありません。もし外部GPU搭載機を検討する際に、その理由がオンラインゲームであるということなら、Radeon RX 550とかGeForce MX150といった型番のGPUにはしないほうがいいです。また、VR・MRコンテンツを本格的に楽しみたいという場合も同様で、GeForceであればGTX1060以上を搭載する製品、要するにゲーミングノートかクリエイターノートを選択すべきでしょう(つまり10万円では買えないと思いますし、少しゴツいデザインになってしまいます)。
10万円くらいで購入できるGPU搭載機であっても、この記事で紹介したGTX1050を搭載したものであればある程度「つぶしは効く」と思いますが、やはりこの価格帯であれば「プライベート利用でのグラフィック体験を(広く浅く)より豊かにするため」と考えたほうがいいと思いますし、その認識なら外部GPUは威力を発揮してくれると思います。
コメント
もし私がメインPCとして選ぶとしたら…
1.動画エンコードにはCPUがメインになるから、同じ予算ならcore i7を選ぶ
2.たまにゲームもするし、動画キャプチャー等でGPUも使うからi5+GPUを選ぶ
のどちらにするか悩みますね。
i7とi5と言ってもUシリーズならさほど差はないですし、第8世代ならi5でも十分な性能な気もしますし…
第8世代 i5+GPUを選ぶかなぁ…
(本音はもう少しお金を出して…)
あとで刺せれるミニタワーがいいかな…
10万ぽっちでは、1050クラスしか積んでるノートしか選べず
あとあとGPUを交換することもできないので
やるゲームがきまってからのほうがいいかもしれません
日本人が主にプレイしてるMMORPGではGeForceが向いてます
(それはGeForceの命令をつかってるからです)
海外ゲームになるとRadeon等の命令をつかってるゲームも多いので
プレイするものによってかわってくるかと
あとは、ノートのフラットなキーボードでは、ゲームはむずかしいです
もうちょい出してゲーミングノートを選択肢にいれるのもありです