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Athlon Gold PRO 4150GEについての情報(読者投稿:近郊ラピッドさん)

AMD Athlon Gold PRO 4150GE
こんにちは、近郊ラピッドです。よろしくお願いいたします。今回はAMDからまだ正式には発表されてはいないものの、存在すると噂されている「Athlon Gold PRO 4150GE」についての記事となります。

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そのため、この記事はリーク情報に基づいた記述となっており、実際の製品仕様とは異なる可能性もありますのでご注意ください。またこの製品自体がまだAMDから正式発表されたものではありませんので、AMD社や関係各社に問い合わせることの無いようにお願いいたします。

なお、今回のAPUはデスクトップ向けの製品です。しかし後述しますが今回紹介する4150GEのように「GE」が付く型番は超小型デスクトップPCに採用されることが多いので、ミニPCが好きな方にも縁のあるAPUだと思います。

1.Athlon Gold PRO 4150GEの概要

スペック

製品名 Athlon Gold PRO 4150GE(geekbench)
コア/スレッド数 4コア/4スレッド(wccftech)
クロック 基本クロック3.3GHz(geekbench)
最大ブーストクロック3.7(wccftech)~3.8(geekbench)GHz
コア・アーキテクチャー Zen 2(wccftech)、geekbenchでもRenoirとある
半導体プロセス技術 恐らくTSMC 7nm
キャッシュ L2キャッシュ:2MB L3キャッシュ:4MB(geekbench)
対応メモリ規格 DDR4-3200(wccftech)とされているものの、geekbenchではDDR4-3000で計測されている
TDP 型番末尾が「GE」のため35W(wccftech)
内蔵グラフィックス ?(5CU(GPUコア数) 1500MHzと言う情報は一応存在する(wccftech)ものの、確証は持てません)

※表中の()は情報源です。
※この表は今までのリーク情報より作成いたしました。

情報源として以下のWebページを参照しました。
AMD Readies Athlon Gold PRO 4150GE APU: An Entry-Level Design With 4 Cores, 5 Vega Compute Units, 35W & 3.7 GHz Max Boost:2022年1月のwccftechの記事
AMD Athlon Gold PRO 4150GE APU Benchmark Leaks Out, Faster Than Alder Lake Pentium But Slower Than Core i3:2022年2月のwccftechの記事
Gigabyte Technology Co., Ltd. B450M DS3H:Geekbench browser

また、この記事執筆途中にCPU-Monkeyでも4150GEの情報が出てきましたが、概ね上記の情報と同じでした。

「Athlon Gold PRO 4150GE」自体は未発表の製品ですが、すでにGeekbench上にもベンチマーク結果が載せられており、ある程度概要が分かっています。wccftechによると4150GEは4コア4スレッドのAPUで、Zen2ベースだそうです。基本クロックは3.3GHzで最大ブーストクロックは3.7GHzとされています。ただGeekbenchでは3.8GHz近くになっていたので多少の変動はある可能性はあります。メモリはDDR4-3200だとされています。OEM向け(メーカー製PCに組み込む用途向けのみでの販売)で自作PC市場向けではないとされています。

情報の信憑性について

今回の情報源はwccftechとGeekbenchとなっていますが、wccftechの情報の多くがリーク情報をツイートするアカウントからの引用となっているため、確実とは言い切れない部分があります。一方でGeekbenchの情報は直接アップロードされたベンチマーク結果であり、システム情報が正確に読み取れているようです。それ故にGeekbenchの方がより信憑性が高いのではないかと個人的には感じています。

コア数はwccftechでもGeekbenchでも4コア4スレッドとされており、前世代の3150GEも同じく4コア4スレッドなので正しいと思われます。

クロックはwccftechでもGeekbenchでもほぼ一緒で、しかも前世代の3150GEとほぼ変わらないため、恐らく正しいのではないかと考えられます。上位モデルのRyzen 3 PRO 4350GEより0.2GHz程度低い値となっている点からも妥当だと思います。

アーキテクチャーはZen 2とされていますが、4000番台のAPUである以上Zen 2と考えるのは妥当だと思います。L2・L3キャッシュはwccftechやGeekbenchで同じであり、4150GEと同じくZen2世代の4コアAPUであるRyzen 3 PRO 4350GEと同じだったので正しいと思われます。

上記の情報は実物より取得されたものとされるCPU情報などに基づいており、前世代のモデルや同じ世代の上位モデルと比較しても妥当な数値に収まっているため、ある程度参考にできると思います。

一方で対応メモリ規格はDDR4-3200という情報がありますが、Geekbenchで取得されたシステム構成はDDR4-3000のようです。しかし、前世代の3150GEはその世代の上位のRyzen 3・5 APUと同じくDDR4-2933まで対応していた事を考えると、今世代の4150GEが同じ世代の上位のRyzen 3と同じくDDR4-3200に対応しているとされているのは不思議な事ではありません。

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TDPについては、既存のAPUでも型番末尾が「GE」のモデルは35Wとなっているようなので4150GEも35Wと考えるのが妥当でしょう。この辺りはintelの「T」型番に似ています。

しかし内蔵グラフィックスの情報に関しては、wccftechがリーク情報をツイートするアカウントの引用をしているのみで他の情報がありません。ただRyzen 3 PRO 4350GEのグラフィックスが6CU・1700MHzとなっており、4150GEは5CU・1500MHzとそれよりも多少落ちる形となっているのであり得る範囲だとは思います。

搭載製品について

今回の4150GEはメーカー製PCに組み込まれる用途(OEM)向けで、自作PC市場向けに販売される訳では無いとされています(wccftech)。Ryzen PRO 4000Gシリーズは基本的にはOEM向けとされているので、十分あり得る話です。

ただ、AMDは現在自作PC市場向けにエントリー向けAPUやCPUの新製品を中々投入できていない状態なので、4150GEに似たAPU(例えばTDPを65Wにして企業向け機能を削減した「4150G(?)」など)を投入してテコ入れをする可能性はあるのではないかと思います。

実際どんな機種に組み込まれるのかと言う点ですが、他のRyzen・Athlon APUでも「GE」型番は超小型デスクトップPCに採用されているケースが大半であることを考えると、4150GEも恐らく超小型デスクトップPCに組み込まれるのがメインになるのではないかと思います。

また、前世代のAthlon Gold PRO 3150GEはHPの法人向け超小型デスクトップPC「HP ProDesk 405 G6 DM 」に採用されていましたので、後継製品に4150GEが採用される可能性は十分ありそうです。Lenovoにも似たようなRyzen PRO搭載の超小型デスクトップPCのシリーズがあります。断言はできませんがそのシリーズの廉価モデルに採用される可能性もありそうです。

ちなみにHPやLenovoの「超小型デスクトップPC」はウインタブで度々登場するミニPCよりも少し大きなサイズ感(18cm×18cm程度)となっています。そのため他のミニPCほど「超小型」ではないかもしれませんが、スタンドを使えば縦置きにできるようにも設計されており、しかも厚みが3cm台と薄いため設置面積をかなり少なくできます。そのためミニPCが好きな方にとっても検討する価値のある製品になっていると思います。

2.スペックの比較

GPU部分の情報が不足しているため今回はCPU部分のみ比較致します。ご了承ください。GPU部分は現在のリーク情報が正しければ大体Ryzen 3 4300U位の規模になりそうです。

前世代との比較

AMD Athlon Gold PRO 4150GE
4コア4スレッドは据え置きで、クロックはほぼ同じとされています。そのため似ている部分が多くなっています。一方でアーキテクチャーはZen+からZen 2に更新されているため、クロック当たりの性能が大幅に向上しています。

同世代上位グレードとの比較

AMD Athlon Gold PRO 4150GE
Ryzen 3は同時マルチスレッディング(intelでいうハイパースレッディング)に対応しておりクロックも多少高いので、Athlonとはある程度性能差があります。しかし非常に大きな差と言う程でもないと思います。個人的にはAthlonでも十分な性能だと思います。

スペックの考察

仕様自体は結構モバイル向けAPUのRyzen 3 4300U(4コア4スレッド、TDP10-25W、最大3.7GHz、GPUはVegaアーキテクチャーで5CU、1400MHz)に似ています。TDP枠は違いますが、そもそも4300UはCINEBENCH R23で全コア最大ブースト状態になるように負荷をかけても22Wしか電力を消費しなかった(!)ので(ちなみに実際に検証して確認した値です)、TDPが35Wの4150GEでもTDPを25Wに設定した4300Uと同じようなCPU性能になるのではないかと思います。ただTDP15W時の4300Uよりは性能がある程度上がると思います。

また4コア4スレッドと言う仕様はCore i3-9100T(TDP35W、skylake系コア、最大3.7GHz)にも似ています。同一コア・スレッド数で同一クロックならばZen 2アーキテクチャーはskylakeマイクロアーキテクチャーよりも高い性能を発揮する傾向がありますので、Core i3-9100Tより性能が高くなるでしょう。

具体的なベンチマーク

具体的に分かっているベンチマークの結果はGeekbenchのものしかありませんが、既にある程度スペックが判明しているため、大体の性能は見当が付く状態となっています。

CINEBENCH R23だと、マルチコア4200pts、シングルコア1070ptsぐらいになるのではないかと思います。他のZen 2コア採用APUから算出した数字なので、間違っているかもしれませんがご了承ください。

またPassMarkのスコアですが、Ryzen 3 4300Uが2022年2月現在7598になっている事を考えると、4150GEは8000~9500程度になるのではないかと思います。

3.おわりに

今回は未発表のAthlon Gold PRO 4150GEについての情報について紹介いたしました。4150GEはZen 2ベースで4コア4スレッドとなっているため、性能は普段使いに十分なものとなっています。分かりやすく大雑把に言うとRyzen 3 4300UのTDPを35Wにした感じのスペックとなっています。

今回紹介した4150GEはデスクトップ向けの型番ではありますが、「GE」型番のAPUは超小型デスクトップPCと呼ばれる製品に搭載される可能性が高く、4150GEもそうなるのではないかと思います。そのため4150GEはモバイル向けCPU・APUが搭載される事が多いミニPCなどの小さなデスクトップPCが好きな方にとっても縁のあるAPUになっているのではないかと思います。

CPU-Monkeyではリリース日が2022年第2四半期とされています(根拠はよくわかりません)が、果たしてその時期に登場するでしょうか。実際に発表されるのを楽しみに待っています。

4.関連リンク

CPU情報 記事一覧

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コメント

  1. pon より:

    AMDはPS5とXbox Series X用のZen2コアのAPUをそれぞれのメーカーに納品する契約をしているため、同じ7nmプロセスで作れるより高性能のZen3コア製品ではなくZen2コア製品を未だにTSMCに製造させていると考えられます。
    当然ながら、歩留まりの関係で、CPUコア部分、GPUコア部分、その全部ないし一部が正常に機能しない欠陥品も大量に出てきます。
    このうち、GPUコアの一部だけが動作不良のをAthlon Proとして販売し、GPUコアが全部動作不良のを
    Renoir-xとして販売する計画なのだろうと推測しています。

    • 近郊ラピッド より:

      Zen 2コアのRenoirは長期供給前提の組み込み向けにも製造されていますし、コメントしていただいたように、大量に販売されるゲーム機向けのAPUにもZen 2ベースのものが採用されていますので、まだまだZen 2コア製品はTSMCで製造されそうですね。
      Renoir-Xの噂話は把握していたのですが、iGPUをわざわざ無効化して販売する理由までは推測できていませんでした。iGPUを無効化しているというより、大量にあるiGPUが不良のものをdGPU必須のプロセッサーとして製品化するという推測は正しそうですね。確かにZen 2ベースAPUのiGPU部分不良品は今でも増え続けていそうですし、そうしたものをiGPUなしの製品として比較的安価で販売するのであれば納得が行きます。それならばAMDにも消費者にもメリットがありそうです。

      参考になるコメントをしてくださりありがとうございます。