NECが15.6インチスタンダードノートのトップモデル「LAVIE Note NEXT / LAVIE Direct NEXT」の2018年秋冬モデルを発売しました。この製品はウインタブで従来モデルを実機レビューしていて、極めて個性的な外観と高いパフォーマンスを備えた、素晴らしい製品だと記憶しています。
具体的なシェアはわかりませんが、15.6インチのスタンダードノートというのは日本でもっとも販売台数の多いパソコンであり、NECや富士通、東芝といった伝統大手メーカーの牙城であるとも言われています。そして、これら伝統大手メーカーの製品は「さすが」と言いたくなるような出来になっています。
1.スペック
この製品に限らず、NEC製のPCは「カタログモデル(量販店向け)」と「カスタマイズモデル(Web直販モデル)」があり、この製品の場合はカタログモデルが「LAVIE Note NEXT」、Web直販モデルが「LAVIE Direct NEXT」という名称になります。この記事では注文時に構成のカスタマイズが可能なWeb直販モデルについて説明します。
2018年秋冬モデルになって、もっとも大きく変わったのはCPUです。ご覧のようにワイドバリエーションなのですが、ゲーミングノートなどにも搭載される高性能なCoffee Lake世代の6コアCPUであるCore i5-8300HとCore i7-8750Hが選択できるようになりました。ただし、GeForceやRadeonなどの外部GPUの搭載はありません。
RAMとストレージも選択肢が広いです。RAMは4GBから32GBまで、ストレージは2基搭載可能で、256GB SSDや1TB HDDといった単一構成から512GB SSD + 2TB HDDといった大容量の構成も可能です。いつもウインタブで書いていることですが、この製品のようにCeleronモデルがなく、高性能なCPUを搭載している場合、「HDDのみ」という低速な構成はおすすめできません。選択肢に「1TB HDD + 16GB Optaneメモリー」など、Optaneメモリー(HDDキャッシュと呼ばれ、これがあるとアプリの起動が高速になります)をセットしたものも選べますので、最低限Optaneメモリー搭載モデルにするのがいいと思います。
ディスプレイは15.6インチのIPS液晶、FHD解像度となります。「フルフラットスーパーシャインビューLED」という表記になっているのですが、従来モデルのレビューで経験した印象だと非常にキレイです。個人的には文句なし!というレベル。
NECのスタンダードノートということで、イメージ通り光学ドライブはしっかり温存されています。最近は15.6インチでも光学ドライブを装備しない製品が増えていますが、「年に1回くらい」は欲しくなるんですよね…。あと、ブルーレイドライブも選択できますので、レンタル店で借りた映画なんかも楽しめます(一人暮らしの人には意外に重要かも)。
入出力ポートは…、個人的にはもう少し欲しかったかな、という感じ。USBが合計で3つ、HDMIがありますが、有線LANポートはありません。光学ドライブを搭載している関係で(側面のスペースが圧迫されるので)ポートの装備については少し不利なんだろうなあ、と思います。
なお、バッテリー稼働時間はCoffee Lake(CPUの末尾H)搭載モデルとKaby Lake R(CPUの末尾U)のモデルで少し差があります。5.8時間と少し短めなのがCoffee Lakeです。ただこれ、スタンダードノートなんで、稼働時間が長いに越したことはないですが、モバイルノートのように購入時の重要検討項目とは言えないかも知れませんね。
サイズは従来モデルとほとんど変わりません。タテ・ヨコは同寸、厚さが若干違います(従来モデルは25 mm、ニューモデルはCoffee Lakeモデルが24.6 mm、Kaby Lake Rモデルが23.9 mm)が、「ほぼ同一筐体」と考えていいです。「1 mmくらいなんとでもなる」なんて、工業製品にはあるまじき感想を述べてみたりして…。
2.筐体
上に書いたとおり、この製品は従来モデルと外観の差が(見た目上)なく、サイズもほぼ同じなので、適宜従来モデルの画像を使いながら説明します。「全部同じ」という保証はできませんが、下記のレビュー記事が参考になると思います。
NEC LAVIE Direct NEXTの実機レビュー - 大胆にして緻密!「NECらしさ」と「らしくなさ」が同居するハイエンドスタンダードノート
まず、この画像はニューモデルのものですが、少し角ばっていて、他のスタンダードノートとは少し印象が違います。
これは従来モデルの画像です。この製品のデザイン上、実用上の特徴として「落とし込みヒンジ」が採用されている、というのがあります。ヒンジ開口時にヒンジが下に沈むので、下部ベゼル面が視界の邪魔になりません。また、デザイン上のアクセント効果も大きいです。
これも従来モデルの画像です。横幅が361 mmということで、左右のベゼルもかなり細いです。落とし込みヒンジと左右の狭ベゼル、そして「フルフラットスーパーシャインビューLED」の相乗効果は高く、没入感の大きい使用感となります。
これも従来モデルの画像です。キーピッチ18.7 mm、キーストローク1.7 mmというのが公称値で、これは従来モデルもニューモデルも変わりません。また、このキーボードは静音タイプで、打鍵音がかなり小さくなっています。さらに、キーボード面に電源ボタンだとかスピーカー穴だとか、そういったものが一切ありませんよね?これもNECが狙ってやっていることで、キーボード面に打鍵に不必要なものを配置せず、集中して打鍵できるように、という配慮です。
筐体色は全4色。いずれもシンプルなデザインで、素材はプラスティックと思われますが、「マット塗装」が施され、しっとりした質感になっています。
日本メーカーらしく、スピーカーは「YAMAHA」です。いいですねー!
側面とポート配置です。このようにスクエアな形状です。また、この製品は側面に指紋センサーがついています。
3.価格など
NEC LAVIE Direct NEXTはNEC Directで販売中で、10月18日現在の価格は126,720円(税込み136,857円、10%オフ)から、となっています。なお「10%オフ」というのはNEC Directの製品ページにあるクーポンを使った場合の割引額で、NEC Directだといつ買ってもある程度の割引が受けられます。
「Core i5-8250U/RAM8GB/256GB SSD」という構成で試算してみたところ、148,320円(税込み160,185円、10%オフ)でした。上級のノートPCとしてふさわしいスペック、考え抜かれた筐体構造、そしてNECのブランド力ということを考えれば悪くないお値段だと思います。というか、この筐体本当にいいですよ!
あと、追加されたCoffee LakeのCPUですが、個人的には「GeForceとかが搭載できないなら、いらないかな」という気はします。ただ、上記の税込み160,185円となる構成で、CPUのみCore i5-8300Hに変更した場合、165,110円(税込み178,318円)となり、税込みベースで18,000円程度の追加となりますので、これをよしとするなら、より高性能なCoffee Lakeを選ぶというのもありでしょう。