レノボが3月23日に発表し、3月26日から直販をスタートした14インチモバイルノート「ThinkPad T14s Gen 2」をご紹介します。ThinkPadというノートパソコンはワイドバリエーションで、今回ご紹介するT14s Gen 2は「ThinkPad Tシリーズ」の製品です。Tシリーズは14インチと15.6インチの「スタンダードノート(頻繁に外に持ち出すことを想定していない、半据え置き型のノートパソコン)」ですが、このT14sは「Tシリーズ唯一のモバイルノート」と言えます。
なお、もともと「スタンダードノート」「モバイルノート(頻繁に外に持ち出すことを想定した、薄型で軽量なノートパソコン)」という用語は正式なものではなく、メーカー側ではっきりと定義をしているわけでもありません。
ウインタブでは「おおむね14インチ以下のディスプレイサイズで、筐体が薄く重量が軽いもの」をモバイルノートと呼んでいます。Tシリーズの14インチにはT14sのほかに「T14 Gen 2」という製品もあり、こちらも「モバイルノート」と呼べなくはないサイズ感なのですが、相対的にT14sのほうが薄くて軽いため、便宜的にT14をスタンダードノート、T14sをモバイルノートとみなしています。この点あらかじめご了承ください。T14 Gen 2およびT15 Gen 2(15.6インチ)については、別に紹介記事を掲載していますので、詳しくはこちらをご覧ください。
Lenovo ThinkPad T14 Gen 2 / T15 Gen 2 - GeForce MX450の搭載も可能なThinkPadシリーズの高性能スタンダードノート
1.スペック
スペック表
ThinkPad T14s Gen 2 | |
OS | Windows 10 Home/Pro |
CPU | Intel Core i5-1135G7/Core i5-1145G7/Core i7-1165G7/Core i7-1185G7 |
GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB/32GB |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチIPS(3,840 × 2,160)タッチ 14インチIPS(1,920 x 1,200)タッチ 14インチIPS(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth、4G/5G(オプション) |
入出力 | USB 4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.2 Gen1 × 2、オーディオジャック、HDMI、イーサネット拡張コネクタ、SIMスロット(オプション) |
カメラ | Webカメラ(720p)顔認証対応可 |
バッテリー | 最大 約23.6時間 |
サイズ | 327.5 x 224 x 16.1 mm |
重量 | 1.28 kg~ |
コメント
先にご紹介したThinkPad T14 Gen 2 / T15 Gen 2(以下、単にT14、T15と書きます)に近いスペックですが、下記の相違点があります。
●外部GPUのGeForce MX450の設定がない
●選択できるRAM/ストレージ容量の範囲が狭い
●筐体が薄くて軽い
ThinkPad T14s Gen 2は、他のThinkPadシリーズと同様、注文の際にシステム構成をカスタマイズできます。CPUは第11世代(Tiger Lake)のCore i5/Core i7で、法人などの組織でパソコンの一元管理に役立つvProに対応するCore i5-1145G7/Core i7-1185G7の選択も可能です。ちなみに、選べるCPUの型番はT14/T15と同じです。
薄型・軽量筐体のためか、T14/T15に設定のあった外部GPU「GeForce MX450」の搭載はできません。また、RAMは「オンボード(マザーボードに直付けされていて、ユーザーが換装するのは困難)」のみで、容量も8GB/16GB/32GBの3種類のみとなります。T14/T15のように24GBとか40GB、48GBといった選択肢はありません。ストレージも128GBというのがなく、最低でも256GBからとなります。
ディスプレイは下記の5種類を選べます。
●FHD(1920×1080)250nit
●FHD(1920×1080)300nit
●FHD(1920×1080)300nit、タッチ
●FHD(1920×1080)400nit、72%NTSC
●UHD(3840×2160)500nit、100% Adobe RGB、タッチ
下の2つは発色性能がよく、輝度も高いのでクリエイター向けと言えそうです。また、「次に買うなら4K(UHD)ディスプレイ!」と思っている人もいるでしょう。
なお、ディスプレイのアスペクト比は従来モデルと同じ16:9で、軒並み16:10(一般的なノートパソコンのディスプレイよりも少し縦方向に長い形状)に移行してしまったXシリーズとの差別化ポイントになるかと思います。
2.筐体
従来モデルのT14s Gen 1と比較すると、タテ・ヨコが2ミリ前後ずつ小さく、厚さは「コンマ何ミリか」小さくなっていますが、体感差はほとんどないと思います。また、重量は(構成によって異なりますが)最小重量ベースで40グラムほど重くなっています。まあ、こちらも体感差はないと思っていいでしょう。
横幅327 mmというのは14インチのモバイルノートとして小さいほうとは言えず、そのためベゼル幅も特に細くはありません。他社の上位クラスのモバイルノートとの比較ではやや太めとも言えます。
天板のデザインはThinkPadシリーズ共通です。
キーボードです。14インチサイズなのでテンキーはつきません。英語配列(バックライト有無も選べます)と日本語配列(バックライト付き)を選べます。ThinkPadの最大のセールスポイントの1つがキーボードで、赤いデベソ(トラックポイント)がつき、非常に打鍵しやすいものになっています。
側面と入出力ポートの配置です。14インチのモバイルノート(薄型・軽量ノート)としてはポート類は充実しているほうだと思います。なお、T14/T15には装備されている有線LANポートとmicroSDカードリーダーはありません。
3.価格など
Lenovo ThinkPad T14sはレノボ直販サイトで販売中で、3月28日現在の価格は税込み131,824円から、となっています。なお、この価格は週末セール価格なので、週末もしくは平日の夜(ナイトセール)にほぼこれに近い価格で購入ができると思います。
T14sは先にご紹介したThinkPad X1 Carbon、X1 Yoga(以上14インチ)とX13 Gen 2(13.3インチ)の「中間くらい」の位置づけのモバイルノートだと思います。また、これらXシリーズの製品とはディスプレイ形状が異なり、T14sはトラディショナルな形状になっていますので、こちらが好み、という人もいるでしょうね。購入検討をされる場合はX1 CarbonやX13 Gen 2とじっくり比較されるといいと思います。
4.関連リンク
ThinkPad T14s Gen 2:Lenovo