Lenovoが10.1インチサイズのデタッチャブル(キーボード分離型)2 in 1「ideapad D330」を発売しました。ただこの製品、プレスリリースなどは出ておらず、Lenovo直販サイトでの個人向け販売もありません。現状「販売代理店」での取扱のみ(事実上の法人モデル)となりますが、どっこい「NTT-Xストア」ではしっかり販売されていました。10.1インチでキーボードが分離する2 in 1と言えば、以前は「ASUS TransBook」シリーズとか「acer Aspire Switch 10」なんかが大人気で、現在でもある程度の数の製品が販売されていますが、正直「ピークアウトしている」印象があります。
しかし、このideapad D330は10.1インチのタブレット筐体としては珍しく(というか私は他にLenovo Tablet 10くらいしか見たことがありません)、CPUにGemini Lake世代のCeleronを搭載しているという点で新しいと感じます。また、Lenovo Tablet 10よりもパーソナルマシン的なイメージが強いと感じます。
ここまで書いていくと「Surface Goを忘れたか!」と言われそうなんですけど、スペック面、筐体構造面、そして価格面を考慮すると、「競合する」とは言いにくいものがあります…。
1.スペック
この製品は今後異なるスペックのバリエーションモデルが追加されそうな気もしますが、現状は法人市場(教育市場も含む)を意識してか、OSはWindows 10 Proとなります。CPUはGemini Lake世代のCeleron N4000ですが、処理性能という点では前身のCeleron N3350(Apollo Lake)よりは優れているものの、上位のN4100(Apollo Lake世代のN3450)には及びません。ただし、記事の冒頭に書いたとおり、10.1インチにGemini Lakeが載った、ということを評価したいです。
RAMは4GB、ストレージは64GB eMMCなので、典型的な低価格帯のスペックです。しかし、RAMを2GBにしたり、ストレージを32GBにしたりといったことをしていないので、タブレットとしてもモバイルノートとしても最低限の使い勝手は確保されています。
ディスプレイは10.1インチで解像度は1,280 × 800にとどまります。もちろんタッチ対応のIPS液晶です。実は低価格帯を含む10.1インチのタブレット専用機は多くの場合1,920 × 1,200解像度を実現していますので、この点は少し不満といえば不満です。
入出力ポートはタブレット単体として見ると「USB Type-Cがひとつとオーディオジャック」となりますが、DC-INは別にあります。USB Type-Cを使用しての充電も可能であればこれで文句はありませんが、DC-INからしか充電できない場合は「ACアダプターを持ち歩くのがめんどくさい」という批判も出るかもしれません。
一方、キーボード側にUSB Type-Cが2つありますので、ノートPCとして使う場合は10.1インチとしてまずまずの拡張性を備えていると言えます。あと、カメラは実用品レベルの画素数にとどまりますが、イン側、アウト側に2つ装備されています。
サイズでは、タブレット単体で600 gというのは若干重く感じますが、キーボード込みで1.135 kgというのは悪くありません。この製品だとおそらくキーボードをセットした状態で使う機会が多いと思いますので、小型モバイルノートとして十分な機動性があると思います。
2.筐体
キーボード接続時の雰囲気はideapadシリーズのノートPCそのものです。特にキーボードのデザインがもろにideapadという感じです。また、この製品はタブレット+キーボードという構造のため、こうして見てもディスプレイのベゼルはある程度太くなります。
このアングルから見ると、やはりディスプレイ面(というかタブレット部分)に厚みがあり、少し頭でっかちな印象です。ただ、このタイプの製品はideapad D330に限らず、みんな「こんなもん」ですよね。筐体素材については説明がありませんでしたが、フレーム部分というか、側面は金属製のように見えます。また、筐体色は、これまたideapadシリーズではおなじみの「ミネラルグレー」となります。
2 in 1なので、このように筐体を変形させて使うこともできます。ただし、コンバーチブル2 in 1のようにヒンジが360度回転するのではなく、タブレット部分を逆向きに装着することによって変形の自由度を得ているようです。この画像を見ると、タブレット部分が逆向きについているのがわかります。
側面の画像です。キーボードを接続する前提であれば、USBポートもフルサイズ(Type-A)のものが2つ、Type-Cが1つありますので、実用上は十分かと思います。
3.価格など
記事の冒頭に書いたとおり、この製品は7月22日現在Lenovo直販サイトでの個人向け販売はありません。しかし、NTT-Xストアで販売中で、税込み56,808円となっています。この価格はASUS TrandBook T101HAなどの実売価格(3万円弱くらいです)よりも高いです。もう少し待つと実売価格が下がっていくような気はします。ウインタブ的には、OSをWindows 10 Homeにしたバージョンを直販サイトで個人向けに販売してもらえないかなあ、と思います。そうするとLenovoの週末クーポンでかなり安く買えそうな気がするので…。
しかし、この製品と競合しそうな10.1インチ2 in 1は私が知る限りほぼすべてAtom機となりますし、Gemini Lakeを搭載するLenovo Tablet 10よりもパーソナルマシン的な雰囲気があります。Surface Goの発売の際にも感じたのですが、10.1インチ市場でこのように新しいスペックの2 in 1が登場したことを歓迎したいと思います。
コメント
待ってました。が・・・Yoga 330と迷いますね。。んー。
現在Yoga 330は4万を切っての¥39,152。一ヶ月待たされるとは云え・・・んー。