中国メーカー「Jumper(中柏)」の14.1インチモバイルノート「EZBook X4 Pro」を紹介します。ウインタブでは以前この製品とよく似た名称の「EZBook X4」を実機レビューしていますが、筐体は別物になっていますし、断然パワフルになっています。また、スペックから見た価格も「中華らしい」といいますか、かなり割安感があります。
1.スペック
この製品のCPUはCore i3です。と言ってもWhiskey LakeやKaby Lakeではなく、Broadwell(第5世代)のCore i3-5005Uなので、性能面では最新モデルのCore i3-8130UやCore i3-8145Uよりもかなり見劣りします。Passmarkの公表値を比較すると、
Core i3-5005U: 2,904
Core i3-8145U: 4,836
Core i3-8130U: 5,070
Celeron N4100: 2,322
※4月27日現在のPassmark公表値
このように、今となってはCore i3というよりは「Celeronをワンランク高性能にしたもの」くらいの実力のようです。ただし、そのぶん製品価格は低く抑えられていますので、旧世代のCore iプロセッサーをうまく活用するというのは悪いアイデアではないでしょう。
RAMは8GB、ストレージは256GB SSDです。他のJumper製品と同じように、底面にM.2 スロットを装備していますが、空きスロットなのか標準の256GB SSDが入っているのか不明です。EZBook X4のレビューの際は、このスロットにはすでにSSDが入っていました。また、Teclast F7 Plusも同様で、あらかじめこのスロットにSSDを搭載していました。ということで、X4 Proに関してもこのM.2スロットはすでにふさがっているものと考え、「増設」はできないが、「換装」はできると考えるのが安全かと思います。
ディスプレイは14.1インチのFHD解像度ですが、IPSという説明はありませんでした。また、EZBook X4の液晶はTNでしたし、他のJumper EZBookシリーズもTN液晶が使われているケースが多いので、この製品の液晶もTNの可能性があります。IPSならラッキー、と考えるべきかと思います。
入出力ポートは割と充実しています。フルサイズ(Type-A)USBが2つのほか、Type-Cもありますし、独立したDC-INがついていますので、充電時にType-Cポートが使えないということもありません。HDMIもmini規格ではありますが装備されていますね。
サイズのほう、EZBook X4と比較してみます。
EZBook X4 Pro:322 x 217 x 14.9 mm / 1.4 kg
EZBook X4:332 × 222 × 13.7 mm / 1.3 kg
このように、明らかにX4とはサイズが異なります。必ずしも全てにおいて小さくなったとは言えず、重量も若干重くなりましたが、横幅を1センチ小さくした、というのはデザイン面でもかなりの影響があります。
2.筐体
正面から見たところです。横幅322 mmというのは国内で販売されている上位クラスの14インチノートとほぼ同じですが、このようにベゼル幅がかなり細くなっています。メーカーの説明によれば「(左右のベゼル幅が)およそ6 mm」とのことです。
こちらはEZBook X4の画像です。かなり雰囲気が異なっているのがわかると思います。X4 Proではベゼル幅が細くなっただけでなく、ベゼル面がブラックなので、より引き締まったデザインになっています。
天板です。中央にJumperのロゴが入っている、シンプルなものですね。筐体素材はアルミ合金です。
キーボードです。EZBook X4は「バックライトがついている」というのがセールスポイントでしたが、この製品にもバックライトはつきます。メーカー説明ではキートップが少しくぼんだ形状になっていて、より打鍵がしやすくなるような工夫が凝らされているようです。
展開図もありました。底面にM.2 スロットがあるのが確認できると思います。また、左右側面の入出力ポートは、USB Type-Aが左右に1つずつ、Type-Cは左側面に配置されます。HDMIも左側面で、メーカー説明だとmicro規格となっていましたが、どう見てもmini規格です。
3.価格など
Jumper EZBook X4 Proは中国の通販サイト各社で販売中で、4月28日の価格はgeekbuyingが425.99ドル(49,106円)で最も安いのですが、送料が23.26ドル(2,681円)かかりますので、実質的にはBanggoodの439.99ドル(50,149円)が最安値と言えます。最近は中華ノートの価格も上昇傾向にあり、Celeron N4100を搭載するモバイルノートが300ドル台半ばくらいになっていますので、それを考慮すると、Core i3/RAM8GB/256GB SSDの製品としては十分安いと言えます。
中国のノートPCもどんどん品質が向上していて、以前のように「品質は不安だけど激安」という感じでもなくなってきました。EZBookシリーズに関しても筐体品質は非常に高くなっていますし、「すぐに壊れる」ような気もしません。また、旧世代のCore iプロセッサーを採用し、Celeronに対して性能面でアドバンテージを稼ぎつつ価格を抑えるという試みも面白いと思います。
4.関連リンク
Jumper EZBook X4 Pro:Banggood
Jumper EZBook X4 Pro:geekbuying
コメント
i3-5005U
5005uはi3ですよ
大変申し訳ありませんでした。またご指摘に感謝いたします。記事の方は訂正させていただきました。
画像のスペック表も修正が必要ではないでしょうか