株式会社天空がGPD社のノートPC「GPD DUO」を国内発表しました。13.3インチのディスプレイを2枚搭載する個性的な製品です。「ディスプレイが2枚」というのはノートPCジャンルではASUSが得意としており(直近だとこの製品。2019年頃から毎年2画面ノートをリリースしています)、HPやレノボでも販売実績がありますが、「非常に個性的」であることは間違いありませんし、簡単に作れるようなものでもないと思いますので、GPDがこのジャンルの製品をリリースしたということについては敬意を表したいと思います。
1.概要
スペック表
GPD DUO | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen AI 9 HX370 AMD Ryzen 7 8840U |
外部GPU | なし |
RAM(メモリ) | 32GB/64GB(LPDDR5) |
ストレージ | 1TB/2TB SSD(M.2 NVMe 2280) 空きスロット× 1 |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチAMOLED(2,880 ×1,800)60Hz, タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB4 Type-C(フル機能)、USB Type-C(10Gbps/フル機能)、USB Type-C(映像出力のみ)、USB3.2 Type-A(5Gbps)× 2、HDMI2.1、OCuLink、LAN(RJ45)、SDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(500万画素) |
バッテリー | 80Whr(ローカルビデオ再生 最大約30.2時間) |
サイズ | 297 × 209.65 × 23.8 mm |
重量 | 2,285 g |
バリエーションモデル
・Ryzen 7 8840U/32GB/1TB:246,700円
・Ryzen AI 9 HX 370/32GB/1TB:290,000円
・Ryzen AI 9 HX 370/64GB/2TB:321,000円
※左からCPU/RAM/SSD/先行予約割引価格
コメント
搭載CPUはRyzen 7 8840U(Zen4)とRyzen AI 9 HX 370(Zen5)です。性能はRyzen AI 9 HX 370のほうが上で、特にオンデバイスAI処理に関しては大きな差がありますが、Ryzen 7 8840Uでも十分に高性能なので、「オンデバイスAI」という煽り文句に惑わされることなく、あえて価格も低いRyzen 7 8840Uモデルを選択するのもいいかと思います。
RAMは32GB/64GB、SSDも1TB/2TBと、GPD社の製品らしく余裕のある容量です。
RAMについてはオンボードなのかスロットなのかは不明ですが、SSDに関してはこの画像のようにM.2の空きスロットがあり、増設が可能です。
2枚のディスプレイはこのような配置になっています。2枚とも13.3インチの有機EL、解像度は2,880 × 1,800(アスペクト比16:10)と高精細でタッチ対応し、ペン入力も可能です(Microsoft Pen Protocolなので、4096段階の筆圧にも対応します。ペンは別売り)。
余談ですが「13.3インチが2枚なんだから、合わせて26.6インチだろ?」と誤解する文科系の方々(私もそうですし、実際に当初は「おかしいだろ!」と思いましたw)もおられると思いますが、ディスプレイの「インチ」というのは「対角線の長さ」なので、この製品の場合は2枚合わせて約18インチとなります。
まあ、26.6インチというのは置いておいて、2枚のディスプレイを駆使した様々な活用法があります。営業マンやフロントSEの方なんかは「利用シーン2」はめちゃめちゃ便利そうですよね。あと、ペン入力の性能も高いので、「利用シーン3」のイラストやマンガの制作にも良さそうです。
また、安定感を増すためのヒンジスタンド(キックスタンド)もついています。
スピーカーはステレオでDTS:X Ultraオーディオ対応、バッテリーは80Whと大容量で、急速充電(約29分で50%充電可能)にも対応します(ちなみに私が使っている13.3インチノートのThinkPad X13 Gen 4のバッテリー容量は標準で41Wh、オプションで増量しても54.7Whです)。
キーボードです。13.3インチサイズなので狭苦しさは感じませんが、どうやら英語配列のみのようです。メーカーサイトに説明がありませんでした。別に英語配列でもいいとは思いますが、この点は明記してもらいたかったですね。
入出力ポートの配置です。「かなり頑張った」んじゃないでしょうか。GPDらしくOCuLinkポートもついていますので、外付けGPUの接続も可能です。また、ディスプレイ面のところに「映像のみサポート」のUSB Type-Cポートがありますが、セカンドスクリーンに関してはスマホやゲーム機、他のPCの映像を出力することもできます。
個性的というか意欲的な製品ということで、ケチを付けられる部分もあることはあります。特に「重量」については注意が必要ですね。タテ・ヨコサイズ的には13.3インチモバイルノートなんですけど、重量は約2.3 kgと「ゲーミングノート並み」です。なので、「出先でマルチモニター環境にできる」というのはうれしいんですけど、持ち運びはそれなりに苦労すると思います。
2.価格など
GPD DUOは12月13日の発売予定で、すでにGPD Direct、ハイビームオンラインストア、Amazonで予約販売を開始しています。10月22日現在先行予約キャンペーン中で割引価格で予約購入ができるほか、
このような特典もつきます。
価格は下記のとおりです。
・Ryzen 7 8840U/32GB/1TB:246,700円/250,700円
・Ryzen AI 9 HX 370/32GB/1TB:290,000円/294,000円
・Ryzen AI 9 HX 370/64GB/2TB:321,000円/325,000円
※左からCPU/RAM/SSD/先行予約割引価格/通常価格
また、CAMPFIREでもクラウドファンディング中でで、「先着3名限定」ではありますが、上記先行予約価格からさらに3,000円安く購入ができます。
筐体重量がかなり重いことに目をつぶれば、非常に素晴らしいというか、便利に使える製品だと思います。Ryzen 7モデルなら(安くはないけど)リーズナブルな価格とも感じられますしね。
3.関連リンク
GPD DUO:GPD Direct:
GPD DUO:ハイビームAKIBA 天空公式オンラインストア
GPD DUO:Amazon
GPD DUO:CAMPFIRE
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。