Windows PCやタブレット、Androidタブレットなどでおなじみの中国メーカー「CHUWI」がクラウドファンディング「INDIEGOGO」に高性能なミニPC「Hi Game」を出品しています。その名の通り、「ゲーミングPCとして使える小型のデスクトップPC」なのですが、ウインタブの関心分野である「ミニPC」と考えることもできます。また、クラウドファンディングへの支払い(厳密には出資となります)は時に通常購入の場合と異なり、一定のリスクを覚悟する必要がありますが、今回の案件は出品者がおなじみのCHUWIで、明らかにPR目的での出品になっていますので、過度の心配をする必要はなく(ただし、保証はできません)、クラウドファンディング価格で入手できるというのが魅力です。
1.スペック
この製品のCPUとGPUは「Kaby Lake G」です。つまり、Intel製のCPUとAMD製のGPUがセットになっているもので、内蔵GPUがIntel HD Graphics 630、外部GPUがRadeon RX Vega M GL(Core i5-8305Gの場合)、Radeon RX Vega M GH(Core i7-8709Gの場合)となります。ただこれ、厳密にはCPUとGPUを分離できないので、「あとでGPUを交換する」というのは無理だと思います。
Kaby Lake Gを搭載する製品だと「DELL XPS 15」がありまして、XPS 15の紹介記事で「Intel Core i + GeForce GTXシリーズ」ほどのグラフィック性能はない、と書いたのですが、実はそうでもないようです。PC Watchにあったこの記事に、Radeon RX Vega M GHの3D Markのスコアが掲載されていて、これを見ると(ノートPC用の)Core i7 + GTX1050Tiのスコアよりも高くなっていました。Kaby Lake Gのベンチマークスコアはまだそれほど多く出回っていませんが、おおむね良好なスコアとなっており、オンラインゲームに使う場合、「GTX1050TiとGTX1060の間くらい」の実力になるようです(ただし、Core i5-8305Gに搭載されているRadeon RX Vega M GLのほうはもう少し低い性能になると思います)。
この製品は標準のRAMが8GB、ストレージが128GBもしくは256GB SSDとなっていますが、DIYによる拡張が可能です。RAMはDDR-4 2400/2133スロットが2つ、ストレージでは2242サイズのPCIe x4/SATA M.2 スロットが1つと2.5インチSATA HDD/SSDベイが使えます。メーカーによればRAMは最大で32GBまで搭載可能とのことです。
現在INDIEGOGOに出品されているのは「Core i5/128GB SSD」と「Core i7/256GB SSD」なのですが、これもクラウドファンディング名物、「出資額が目標(この場合は60万ドル)をクリアしたらRAMかストレージをアップグレードするよ!」というキャンペーンも開催中です。
入出力ポートは相当充実している、というか、デスクトップPCと考えて差し支えないレベルだと思います。ゲーミングPCの場合、複数のディスプレイに同時出力するケースが多いと思いますが、この製品は映像出力専用ポートが4つ、さらにThunderbolt 3も装備しています。USBポートもフルサイズ(Type-A)だけで5つありますので、不足感は全くありません。
2.筐体
サイズは「ミニPC並み」です。173 × 158 × 73 mmというのはミニPCとしては大きいサイズになりますが、それでも通常のデスクトップPCとは比較にならないくらいコンパクトです。ドスパラのコンパクトなゲーミングPC「GALLERIA Mini 1060」よりも一回りくらい小さいサイズとなっています。
デスクに置くとこんな感じ。設置した感じは中華の安価なミニPCと変わらないくらいだと思います。
筐体素材はおそらく金属製で、そのせいもあってか重量は1.3 kgとやや重くなっています。
こちらが背面のポート類。ご覧の通り非常に豊富にポートが装備されます。また、この画像にはThinderbolt 3(USB Type-C)が見当たりませんが、Thunderboltは前面の電源ボタン横にあります。
この製品でPUBGをプレイしている動画が公開されていました(3分50秒くらいから)。ただ、淡々とゲームをしているだけなので、PUBGを知らない人には全然おもしろくないと思います。
3.価格など
CHUWI Hi Gameはクラウドファンディング「INDIEGOGO」に出品中で、出資期間は8月14日まで、価格(出資金額)は下記の通りとなっています。
Core i7-8709G/RAM8GB/256GB SSD: 1,099ドル(約122,500円)
Core i5-8305G/RAM8GB/128GB SSD: 899ドル(約100,200円)
また、上に記載したとおり、出資金が60万ドルを越えるとCore i7モデルのRAMが16GBに、Core i5モデルのストレージが256GBに増量されます。ちなみに8月2日現在の出資金合計は約37.5万ドルです。
この製品は明確に「ゲーミングPC」としての利用を想定していますが、もちろんハイスペックなミニPC(デスクトップPC)としてクリエイターが使用したり、ビジネスマシンとしての利用にも向きます。あとは価格ですね。スペックのところで説明したように、ノートPC用のCore i7 + GTX1050Tiをしのぐパフォーマンスということであればお買い得だと思います。
コメント
これモニターの後ろにつけられる?
VESAマウントが無いので多分無理だと思います。