こんにちはこうせつです。中国メーカーのCHUWIが発売した13.3インチモバイルノート「Herobook Pro+」の実機レビューをお届けします。こちらの機種は先日紹介記事を掲載済みです。 CHUWI HeroBook Pro+ - 低価格なエントリー・モバイルノート。でもディスプレイは3K解像度です! 今回、メーカーのCHUWIより実機をサンプル提供いただいてのレビューです。この場を借りてお礼申し上げます。
良い点・気になった点
CHUWI HeroBook Pro+ の良い点と気になった点です。
良い点
- きれいで明るい3Kモニタ
- 使いやすいキーボードとタッチパッド
- CPUの割にそれなりに快適に使える
- 見た目よりも軽く感じる
気になった点
- 端子が少ない、UBS-Cがない(USB3.0 x2とmini_HDMIのみ)
- スピーカーの音がチープ
- 画面輝度の調整がFnキーとの組み合わせでできない
- 複数アプリでの動作には遅さを感じる
スペック概要
HeroBook Pro + | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Celeron J3455 |
GPU | Intel UHD Graphics 500 |
RAM | LPDDR4 8GB |
ストレージ | 128GB eMMC |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチ 解像度:3200×1800 |
ネットワーク | Bluetooth:5.0 Wi-Fi:2.4G/5G(ac / b / g / n) |
入出力 | USB 3.0×2、mini-HDMI、3.5mmヘッドホン、Micro SD、DCジャック(充電口) |
カメラ | Webカメラ(200万画素) |
バッテリー | 38Wh(7.6V / 5000mAh) |
本体サイズ | 330 × 220.8 × 18.5 mm |
重量 | 1160g |
CPU
CPUはCeleron J3455です。2016年に販売が開始された、開発コードネームはApollo Lakeのモデルです。古めのCPUですがデスクトップPC用に区分けされています。 先に掲載した紹介記事では
Passmarkが公表しているベンチマークスコアは2,272、エントリークラスのノートPCによく使われているCeleron N4100が2,471、N4000が1,454(すべて1月20日現在の数値です)ですから、「Celeronとしては悪くない」また「N4100といい勝負」くらいの性能と思われます。
とありました。後ほど使用感でも触れますが良い意味で「Celeronとしては悪くない」というのが妥当な評価だと思います。
本体
CHUWI HeroBook Pro+の本体を写真で紹介します。
CHUWI HeroBook Pro+は天板から底面まで、MacBook Airを意識したであろう本体です。電源ボタンも同じ位置です。それが悪い方向ではなく、良い意味で洗練された印象を与えてくれます。強めにキー入力をしても底面の大きめのゴム足で安定しているし、開閉できる角度も申し分なし。
キーボードは各キーが独立しているアイソレーションタイプで打ち間違いが起こりにくいつくりです。キーピッチが約19mm、キーの高さが約1mmなのでしっかりとした打鍵感があります。ちなみに英語キーボードなので、日本語入力するときはタスクバーのアイコンから日本語入力に切り替える、もしくはキーボードの[CapsLock]と[Shift]を同時押しです。
画面は解像度3Kだけあって非常にきれい。明るさも十分あり、色合いも青っぽいとか黄色っぽいということもなく、白は白、黒は黒としてしっかり表現できています。唯一と言っていいぐらいの気になるポイントは映り込み。表面加工である程度の映り込みは軽減できるはずですが、そのあたりはコストダウンのためなのか一般的な機種に比べても映り込みが気になります(私は特に画面に自分の顔が映るのが嫌なので気になるのかもしれませんが)。
PDA工房で販売されている反射低減フィルム「Perfect Shield」を貼り付けたところ、画面への映り込みがほぼゼロになりました。私は以前にもNintendo Switchの映り込みが気になるので反射がほとんど無くなる「ペーパーライクフィルム」を貼り付けたという記事を書いたことがありますが、それに劣らず「Perfect Shield」も反射をほぼゼロにできています。今回、フィルムはPDA工房からご提供いただきました。ありがとうございました。
画面輝度を[fn]キーとの組み合わせで調整できず、設定画面から操作が必要というところが個人的にちょっと残念です。
使用感・ベンチマーク
ブラウザでWebページを見たり、YouTubeで動画を見たりという程度の軽い作業であれば全く問題なく動いてくれます。YouTubeでもフルHDで動きの比較的早いミュージックビデオなども読み込みが止まることなく、ちゃんと再生してくれます。ただ、通常視聴モードからフルスクリーンモードに切り替えるときやおすすめ動画をクリックした際など、若干のもたつきを感じます。
WebカメラのテストとしてマイクロソフトのTeamsを使ってみましたが、ある程度明るい部屋であればハッキリと顔や表情が表示できる解像度でした。相手側の顔や共有画面を見ながらのWeb会議も問題なくできます。ただし、自分が発表者側となった際にこちら側の画面を共有する、表示するアプリの切り替えを行うなどいうの操作には若干のもたつきを感じました。今回は3名程度のミーティングで使用しましたが、人数が多いWeb会議だとさらにもたつきを感じるかと思います。そのあたりは価格相応の操作性といえます。
逆に、3万円以下なのに(といっては失礼かもしれませんが)価格以上の品質だと感じたのはタッチパッドです。4点タッチまでしっかり対応しています。私が使っている状況では3点タッチと4点タッチを間違えることはなく、2本指でのタップやスクロールもストレスなく感知してくれます。もちろん、1本指でのカーソル移動も反応がよく、止めたいところにちゃんと止まってくれます。キーボード入力の際に手のひらがタッチパッドに触れてしまい、カーソルが思ってもいないところに移動してしまうという経験、誰でもあると思います。でも、CHUWI HeroBook Pro+のタッチパッドは親指の付け根部分など面積が広い部分で触れても反応せず、指などある程度細い部分が触れるとカーソル移動ができます。国内メーカーのPCでもこのあたりの挙動が適当な機種も少なくないので、ちょっと大げさですが感動しました。マウス派の私ですが、これならタッチパッドだけでも作業できそうです。
CHUWI HeroBook Pro+は液晶画面13.3インチで本体重量1,160gというのも評価できます。例えば、Surface Laptop Goは12.5インチで1,110g、MacBook Airが13.3インチで1,290gというところを見ても、悪くないどころか優れているといって良いでしょう。実際、数日間持ち歩きをしてみたのですが、本体サイズや重さなどそこまで苦にならないという印象ですね。
PCMark 10 ベンチマーク
CPUがCeleron J3455ということもあって、ゲーム系のベンチマークではなく表計算ソフトやビデオチャットなどPCの総合性能をチェックするPCMarkでベンチマークを測定しました。結果、総合スコアは「1116」でした。ここ最近のウインタブで計測した中では一番低いスコアです。ただ、画面の綺麗さとタッチパッドの反応の良さからくるものだと思いますが、体感的にはそこまで低くて使い物にならないということはありませんでした。
(追記)ドラゴンクエスト10 ベンチマーク
CHUWI HeroBook Pro+ の追加検証として「ドラゴンクエスト10 ベンチマーク」を実施しました。
このCHUWI HeroBook Pro+でオンラインゲームをやるという人もあまり想定されていないと思いますが、他のPCとの比較のために動かしてみました。CPU がCeleron J3455ということもあり、想定通り良い結果にはなりませんでした。体感的にはもう少し上が出るかと思っていたのですが、他機種と比較してもAtom x5-Z8350程度となりました。
【標準画質・1280x720・ウィンドウ】でのベンチマーク結果一覧
Teclast X6 Pro(Core m3-7Y30): 3,572
PEPPER JOBS GLK-UC2X(Celeron N4100)(TDP Unlocker最大): 3,127
PIPO X10s(Celeron J4105) : 2,502
ドスパラ raytrektab DG-D10IWP(Celeron N4100): 2,348
ドスパラ raytrektab DG-D10IWP2(Pentium N5000): 2,314
YEPO 737A6(Celeron N3450)(SSD換装): 2,239
BMAX Y11(Celeron N4100):1,845
Ockel Sirius A Pro(Atom X7-Z8750): 1,823
ドスパラ Altair VH-AD3S(Celeron N3350):1,816
T-bao Tbook 4(Celeron N3450): 1,794
Jumper EZBook 3L Pro(Celeron N3450): 1,774
YEPO 737A6(Celeron N3450): 1,696
Jumper EZpad 6 Plus (Celeron N3450) : 1,677
Jumper EZBook X4(Celeron N4100): 1,582
Teclast F7 Plus(Celeron N4100): 1,537
BMAX X14(Celeron N4100): 1,522
Chuwi UBook(Celeron N4100): 1,521
PIPO X12(Atom x5-Z8350): 1,513
CHUWI HeroBook Pro+(Celeron J3455): 1,406
One Netbook One Mix(Atom X5-Z8350): 1,359
CHUWI HeroBook(Atom X5-E8000):1,353
ドン・キホーテ NANOTE(Atom X5-Z8350): 1,135
Chuwi UBook Pro初期状態(Celeron N4100): 1,077
まとめ
CHUWI HeroBook Pro+はCHUWIオンラインストアで販売中で、2月22日現在の価格は279ドル(約29,500円)です。おすすめポイントは以下の通りです。
- 3K(3200 x 1800)で明るく、視野角の広い液晶
- 独立キー採用のキーボードと好反応のタッチパッド
- 13.3インチで1kgちょっとというサイズ感の良さ
メインマシンとして使うのは少々物足りなさを感じますが、Webブラウザでの軽作業や動画の再生などは問題ないのでサブマシンとして使うには十分活躍してくれそうです。持ち運びもしやすいサイズなのでテレワーク中に近くの喫茶店でちょっとした作業する、といったときにも広い画面が役立ちそうです。また、メインマシン不調に備えて保険的に用意しておくには、スペックそこそこで値ごろ感もあり良いですね。
関連リンク
PDA工房 CHUWI HeroBook Pro+ 保護フィルム【各種】