中国メーカー「CENAVA」の10.1インチWindowsタブレット(2 in 1)をご紹介します。往年のAtomタブレットを彷彿とさせるパッケージングで、専用のキーボードが付属し、価格もかなりお手頃なのがうれしいです。PCとしての性能は限定的、というか、テキスト入力や簡単な表計算など、ごくライトな利用法でないと厳しい感じがしますが、10.1インチのAtomタブレットの後継機と考えればとても魅力的な製品だと思います。
1.スペック
CENAVA W10PRO | |
OS | Windows 10 |
CPU | Intel Celeron N3350 |
外部GPU | なし |
RAM | 4GB |
ストレージ | 32GB/64GB/128GB eMMC |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 10.1インチIPS(1,280 × 800) |
ネットワーク | 802.11 /b/g/n、Bleutooth 4.0 |
入出力 | USB Type-C、USB3.0、microHDMI、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | イン2MP/アウト5MP |
バッテリー | 7.4V/4,000 mAh |
サイズ | 258 × 173 × 8.5 mm |
重量 | 650 g |
CPUはApollo Lake世代のCeleron N3350で、Atom Z8350と大差ないか多少マシ、くらいの性能です。タブレットとしてコンテンツ消費型(Webブラウジングや動画視聴、Windowsストアのライトなゲームアプリをプレイするなど)の使い方をするぶんには悪くないと思いますが、キーボードを接続してノートPCのように使うには少々力不足ですね。まあ、Word系のアプリで文書を作成したり、Excelで簡単な表を作るくらいなら問題なく使えるので、出張や旅行にこの製品を持っていって、タブレットとしてコンテンツを楽しみつつ、キーボードを接続してメールの返事を書いたり、報告書を作ったり、みたいな感じだとぴったり来るでしょうね。
RAMは4GB、ストレージは32GB、64GB、128GBの3種類から選べます。また、スペック表に「eMMC」と記載していますが、これはウインタブの推定です。ただ、おそらくSSDではなくeMMCで間違いないと思います。
で、「32GBはやめておきましょう」と激しくご注意申し上げます。2020年の現在、32GBのマシンだとWindowsをまともに継続利用するのは非常に厳しいです。普通に使っているだけで年2回のWindowsの大型アップデートに必要なストレージの空き容量が確保できなくなります。最低でも64GB以上のモデルを選ぶようにしましょう。
ディスプレイは10.1インチのIPS液晶、WXGA(1,280 × 800)です。最近の10.1インチタブレットはWUXGA(1,920 × 1,200)解像度であることが多く、それを思えばちょっと物足りないですが、使っていて画面が粗いとか汚いとかを感じる可能性は低いと思います。十分使える解像度だと思いますよ。
入出力ポートは10.1インチタブレットとしては並くらいですね。USBがType-AとType-Cの2つあり、microHDMIポートもあるので最低限の拡張性はあると思います。付属するキーボードとの接続はこれらのポートではなく、専用のPOGOピンになりますし、別途DC-INジャックもありますので、マウス接続やUSBメモリーの接続で困ることもないでしょう。
2.筐体
キーボード接続時の正面画像です。この製品はタブレットが本体なので、ベゼルはそこそこの太さになっていますが、Windowsタブレットとしてはごく標準的な形状だと思います。なお、前面にWindowsキー(センサーボタン)はありません。
タブレット単体の画像です。メーカーによれば背面は「手触りの良いマット加工で、指紋や傷がつきにくい加工になっている」とのことでした。低価格品なので質感に過度な期待はできませんが、傷や指紋が目立ちにくいのであれば歓迎したいところです。
ポート配置です。(横持ち時の)左側面にポート類が集中しています。まずまずの数と種類かと思います。
スピーカーは左右側面に配置されています。音質の良さをアピールしていますが、中国メーカーの例にもれず「ステレオだとは一言も書いていません」。Windowsなんでステレオじゃないか、と勝手に思いはするものの、「ステレオだったらラッキー」くらいに考えておいたほうがいいでしょうね。
付属するキーボードです。なんか懐かしい形状ですね…。タブレットカバーとしても使える仕様で、カバーの一部を変形させ、そこにタブレット本体を立て掛けて使います。POGOピンと「爪」が見えますので、タブレットとは物理接続で、それなりにしっかり固定されると思います。
3.価格など
CENAVA W10PROは中国の通販サイト「Banggood」で販売中で、8月11日現在の価格はストレージ32GB版が179.99ドル(19,324円)、64GB版が199.99ドル(21,471円)、128GB版が219.99ドル(23,619円)です。全てのモデルにキーボードが付属します。価格が安いのは32GB版ですが、上に書いたように32GBだとWindows PCとしてはもはやまともに使えないと思いますので、購入されるのなら64GB版か128GB版をおすすめします。
Atomタブレットの後継、ということだと、やはりCHUWI Hi10 Xがイメージされ、おそらくこの製品よりもHi10 Xのほうが「全てにおいて上」だと思います。この製品のメリットはやはり価格で、キーボード付属で200ドル切り(64GB版の場合)というのが大きいですね。タブレットメインのライトな使い方を想定するのであれば、安価なこの製品も悪くないと思います。
4.関連リンク
CENAVA W10PRO(32GB):Banggood
CENAVA W10PRO(64GB):Banggood
CENAVA W10PRO(128GB):Banggood