AYANEOのコンパクトなゲーミングUMPC「AYANEO AIR」シリーズのニューモデル、AYANEO AIR 1SがINDIEGOGOでクラウドファンディングを開始しました。従来モデルのAYANEO AIRはウインタブでも実機レビューしており、「性能と使用感はイマイチ。しかしWindows PCをここまで小さく、軽く仕上げたことがすごい」と評価しています。AYANEO AIR 1Sはその「イマイチ」と感じた性能と使用感が大幅に改善されています。
従来モデルのAYANEO AIRの実機レビューについては、こちらからご参照ください。
AYANEO AIRの実機レビュー - 5.5インチディスプレイで重さは398 g、最小サイズのゲーミングUMPC
1.AYANEO AIR 1S 概要
スペック表
AYANEO AIR 1S | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 7 7840U |
外部GPU | — |
RAM | 16GB/32GB(LPDDR5X) |
ストレージ | 512GB/1TB/2TB/4TB SSD(M.2 2280 PCIe) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 5.5インチAMOLED(1,920×1,080) |
ネットワーク | Wi-Fi6E、Bluetooth 5 |
入出力 | USB4 Type-C × 2、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | なし |
バッテリー | 7,350mAh(28Wh) / 10,050mAh(38Wh) |
サイズ | 224×89.6×21.6 mm(最薄部) 224×89.6×18 mm(最薄部) |
重量 | 405 g / 450 g |
バリエーションモデル
Aurora White:
・16GB/512GB
・32GB/1TB
・32GB/2TB
Polar Black:
・16GB/512GB
・32GB/1TB
・32GB/2TB
Retro Power:
・32GB/2TB
・32GB/4TB
Retro Limited:
・32GB/2TB
コメント
従来モデルのAYANEO AIRは搭載CPUが基本Ryzen 5 5560U(AYANEO AIR Pro Advanced EditionのみRyzen 7 5825U)で、他のゲーミングUMPCよりも少し性能の低いものになっていましたが、AYANEO AIR 1SではCPUがRyzen 7 7840Uに変更されています。この型番はゲーミングUMPCの最新モデルに搭載が進んでおり、現状(ゲーミングUMPCとして)最高性能と言えるものです。また、ASUS ROG Allyが搭載するRyzen Z1 Extremeとは一部の仕様が異なるものの、ほぼ同等の性能です。
したがって、他のゲーミングUMPC最新モデルと同等の心臓部を手に入れた、ということになりますし、ゲームプレイ時の快適性も大幅に向上しているものと思われます。
AYANEO AIR 1Sの最大の特徴は「サイズ」です。ディスプレイサイズが5.5インチと小さく、しかし有機ELパネルを採用、非常に高い発色品質を誇ります。ただし、リフレッシュレートについての説明はなく、おそらく60Hzにとどまるものと思います。直近発売されたAYANEO AIR Plusではディスプレイサイズが6インチに大型化しましたが、AYANEO AIR 1Sでは従来モデルと同様のサイズに戻っています。
5.5インチというのは現行のゲーミングUMPCとしては最小サイズです。GPD WIN4が6インチと近いディスプレイサイズですが、GPD WIN4は物理キーボードを内蔵しているため、特に筐体重量が大きく異なります(GPD WIN4は598 g)。
AYANEO AIR 1Sには2種類の筐体タイプがあります。バッテリー容量に起因するもので、「Retro Limited」というバージョンのみバッテリー容量が7,350 mAhで最薄部の厚さが18 mm、重量が405 gになっており、他のバージョンはバッテリー容量が10,050 mAhで最薄部21.6 mm、重量450 gです。
また、バッテリー容量や筐体サイズに関連し、TDPの設定可能範囲が他のゲーミングUMPCとは異なります。Retro Limitedは電源接続時18W、バッテリー駆動時15Wがリミット、他のバージョンは電源接続時25W、バッテリー駆動時が20Wがリミットです。他社のRyzen 7 7840U搭載機は28Wまで上げられるはずなので、「最高性能でのゲームプレイ」ということにこだわると他社の最新モデルに一歩譲ることになるでしょう(特にRetro Limited)。
筐体はこの4色で、繰り返しになりますがRetro Limitedのみバッテリー容量と厚さが異なります。また、選択する筐体色によってRAM/SSDの容量が少し異なります。4TBという巨大なSSD容量を選べるのはRetro Powerのみです。
筐体の仕上げ(スティックやボタンの品質など)は改善されているかと思いますが、基本的に外観やサイズは従来モデルのAYANEO AIRとほぼ同じです。
2.AYANEO AIR 1S 価格など
AYANEO AIR 1SはINDIEGOGOにてクラウドファンディング中で、7月16日現在の価格は下記のとおりです。
Aurora White/Polar Black:
・16GB/512GB:799ドル(111,315円)
・32GB/1TB:955ドル(133,056円)
・32GB/2TB:999ドル(139,179円)
Retro Power:
・32GB/2TB:1,029ドル(143,367円)
・32GB/4TB:1,099ドル(153,111円)
Retro Limited:
・32GB/2TB:999ドル(139,179円)
※クラウドファンディングのアーリーバード(早割)価格です
なんかストレージを大きくするほど割安感が出る、という感じですね。ROG Allyの出現によりゲーミングPCジャンルは全般に価格が下がってきたように感じられますが、このクラウドファンディング価格であればその傾向に照らしても悪くないと思います。
当然ですがPCのディスプレイは小さくなるほど視認性が悪化します。私は視力が悪いので、5.5インチでPCゲーム、というのは少々厳しいものがありました。一方でAYANEO AIR 1Sは7インチとか8インチサイズのゲーミングUMPCよりも遥かに小さく、軽いのが大きな魅力です。パフォーマンスが大きく向上したAYANEO AIR 1S、携帯性を重視したい、という人には素晴らしい選択肢になると思います。
3.関連リンク
AYANEO AIR 1S:AYANEO公式サイト
AYANEO AIR 1S:INDIEGOGO