HPが法人向け(個人でも購入できます)のデスクトップPC「HP EliteDesk 8 Mini G1a/G1i」を発売しました。突然デスクトップPCしかも法人向け製品の紹介記事を書いているわけですが、それにはちょっと理由があります。この製品、「ミニPCと言っていいくらいに小さい」んです。ウインタブでよく取り上げているGMKtecやGEEKOMのミニPCよりは大きいのですが、設置スペースなどの感覚はほぼミニPCですね。ちなみにHPの個人向けデスクトップPCにはこのサイズの製品はありません。
「HP EliteDesk 8 Mini G1a/G1i」と一括りにして記事タイトルを決めました。AMD CPU搭載モデルが「G1a」、Intel CPU搭載モデルが「G1i」なのですが、実は両者は同じ筐体ながら、細部がかなり異なります。また、正式な製品名もAMD版が「HP EliteDesk 8 Mini G1a Desktop Next Gen AI PC」、Intel版が「HP EliteDesk 8 Mini G1i Desktop AI PC」と、AMD版のみに「Next Gen」という文言が入っており、実際AMD版のみCopilot+ PCの要件を満たしています。
デスクトップPC(ミニPC)としてはそこまで複雑な製品ではないのですが、「AMD版とIntel版の違い」をきちんと把握するのはちょっと大変かもしれません…。
なお、この製品はウインタブ読者向けクーポンで4%OFFになります。以下の「専用リンク」にアクセスし、その後に製品ページのボタンをクリックすると、カート画面で「特別値引き」が表示されます。
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1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen AI 5 340/Ryzen AI 7 350 Ryzen AI 7 PRO 350 Intel Core Ultra 5 225T/Core Ultra 5 235U Core Ultra 7 265T/Core Ultra 9 285T |
RAM | G1a:32GB G1i:8GB/16GB/32GB/64GB ※DDR5-5600, 最大64GB |
ストレージ | G1a:512GB/1TB SSD G1i:256GB / 512GB / 1TB / 2TB SSD ※M.2 PCIe NVMe ※G1iはM.2 SSDスロット×3, RAID1可 |
ディスプレイ | なし |
無線通信 | G1a:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4 G1i:Wi-Fi 6/7、Bluetooth 5.3/5/4 ※G1iはカスタマイズ可能 |
ポート類 | USB4 Type-C (Thunderbolt 4) USB4 Type-C(映像/PD対応) USB Type-C (10Gbps) USB Type-A (10Gbps)×4、HDMI 2.1 DisplayPort1.4×2、LAN (RJ45) 3.5mmオーディオジャック ※詳細は記事本文参照 |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 177×181×34 mm |
重量 | 1.35 kg (スタンド含まず) |
2. CPU
G1a (AMD版)の搭載CPUはRyzen AI 5 340/Ryzen AI 7 350、そして法人などの組織管理に役立つ機能が搭載されているRyzen AI 7 PRO 350です。これらの型番は「ノートPC用」で、ウインタブ読者にもおなじみかと思います。いずれも最大50TOPSのNPUを内蔵し、Copilot+ PCにも対応します。
一方G1i(Intel版)の搭載CPUはCore Ultra 5 225T/Core Ultra 5 235T/Core Ultra 7 265T/Core Ultra 9 285Tです。225Tを除き、組織によるPC管理に役立つvProに対応する型番です。ただ、これらの型番はこれまでウインタブでは取り上げたことがありません。いずれもコードネームはArrow Lakeですが「デスクトップPC用」です。ノートPC用のArrow Lakeと同様にNPUも内蔵していますが最大13TOPSと性能は低めでCopilot+ PCの要件を満たしません。
これはPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。「さすがデスクトップ用のCPU」だけあり、NPUやGPUの性能を含まない、狭義のCPU性能(OSやアプリの起動、プログラムのコンパイル、Excelの大量関数処理・マクロ実行など)ではRyzen AIを圧倒する実力があるようです。
3. RAM/SSD
RAMとSSDの構成はG1aとG1iで大きく異なります。G1aはカスタマイズ余地が小さく、基本RAM32GB/SSD512GBで、Ryzen AI 7 PRO 350のみRAM32GB/SSD1TBとなります。一方のG1iですが、RAMは8GB (8GB×1)、16GB (16GB×1)、16GB (8GB×2)、32GB (16GB×2)、64GB (32GB×2)と幅広い選択肢があり、SSDに至っては最大3つのM.2 SSDを搭載可能です(購入時は2つのSSDまで)し、RAID 1 (ミラーリング)構成にすることもできます。
そうなると気になるのは「G1aもDIYでSSDを3つ搭載できるのか?」という点ですが、残念ながらメーカー製品ページとメーカー開示のスペック表にはSSD増設についての記載や説明はありませんでした。よって現段階では「SSDスロットの数は不明」です。
4. 入出力ポート
これはG1iの前面ポート配置です。基本的にG1aも同じ構成なのですが、メーカー公式のスペック表によればG1iの前面のUSB Type-CポートはUSB Type-C (20Gbps転送)となっています。また、G1aのType-Cポートはスペック表の上ではUSB Type-C (10Gbps転送)ですが、製品画像をよく見ると「20Gbps」のマークが付いています。要するに「どれが本当なのかわからない」ですね。ただし「Type-Cは10Gbps」と考えておけば大きな問題はないと思います。
こちらは背面です。G1aとG1iで全く同じ画像が使われていますが、「9」のみ仕様が異なります。G1aではThunderbolt 4、G1iは「選択可能ポート(オプション)」となっています。自由度が高いのはG1iのほうですが、高速なデータ転送ということならThunderbolt 4搭載となるG1aのほうがいいかもしれません。
若干の不明点はありますが、USBポートの数、HDMIやDPといった映像ポートの数などは十分なものになっていると思います。
5. 筐体
筐体はかなりコンパクトです。ウインタブがよくレビューしているGMKtecやGEEKOMのミニPCの場合、タテ・ヨコがそれぞれ110~125 mmくらいのことが多く、それらのミニPCよりも一回り大きいものの、省スペース性は非常に高いと言えます。このサイズであれば「ミニPC、あるいはミニPCの延長線上のデスクトップPC」と考えていいでしょう。
6. セキュリティ
HPの法人向けPCなので、個人向けPCにはない強力なセキュリティ機能を搭載しています。個人的には「この機能を理由にHPの法人向けPCを購入するのもあり」だと思っています。別に法人でなくともセキュリティがしっかりしたPCを使いたいですよね。
HP法人向けPCのセキュリティ機能について、詳しくはこちらをご覧ください。
HP Wolf Security:HP公式サイト
7. 価格など
HP EliteDesk 8 Mini G1a/G1iはHP公式オンラインストアで販売中で、7月28日現在の価格はG1aが182,100円から、G1iが161,480円から、となっています。また、ウインタブ読者が使える4%OFFクーポンがありますので、この価格よりも安く購入ができます。
…まあ、さすがにGMKtecやGEEKOMのミニPCよりも高価ではありますが、HPの法人向けPCですし、強力なセキュリティ機能も搭載していますので、仕事用に高性能なPCが欲しい、と思っている人にはいい選択肢だと思います。
8. 関連リンク
この製品はウインタブ読者向けクーポンで4%OFFになります。以下の「専用リンク」にアクセスし、その後に製品ページのボタンをクリックすると、カート画面で「特別値引き」が表示されます。
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2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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