こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はHPの最新コンバーチブル2 in 1「ENVY x360 13(ar0000)」の実機レビューです。従来モデルから(キープコンセプトながら)筐体を一新し、CPUに第2世代のAMD Ryzenシリーズを搭載する、注目のマシンです。また、冒頭にお断りしておきますと、この製品はHPのプレミアムブランド「ENVY」を称していながら、最低価格が72,500円(税込み78,300円)からと、その品質の割に非常に購入しやすい価格に抑えられているのが魅力でもあります。
1.スペック
まずスペック表を確認してみます。なんと言っても目を引くのがCPUで、最新のAMD Ryzen 3/5/7を搭載します。従来モデルではRyzen 3と5(いずれもモバイル用としては第1世代)のみでしたが、ニューモデルになってより高性能なRyzen 7も選択可能となりました。RAMとストレージはCPUの型番によって容量が異なります。
ベーシックモデル:Ryzen 3/RAM8GB/256GB SSD
スタンダードモデル:Ryzen 5/RAM8GB/256GB or 512GB SSD
パフォーマンスモデル:Ryzen 7/RAM16GB/512GB SSD
従来モデルからの変更点として、RAM4GBという設定が廃止されました。RAMは最低でも8GBとなります。また、ストレージの最低容量も256GBなので、ビジネス用としてもプライベート用としても、選択するバリエーションによってRAMやストレージ容量に不満が出る、という感じでもなくなりましたね。
ディスプレイは13.3インチのIPS液晶、FHD解像度で、コンバーチブル2 in 1筐体なのでタッチ対応します。また、別売りとなりますが、1,024段階の筆圧に対応する「Spectre アクティブペン(税込み8,640円)」もしくは「Spectre アクティブペン2(税込み10,584円)」が使えます。どちらもMicrosoft Pen Protocol(旧N-trig)を採用していて、アクティブペン2のほうは傾き検知にも対応しますので、タブレットモードに変形できるこの製品では本格的なイラストやマンガなどを描くこともできます。ただし、残念ながら今回のレビューではペン入力については対象外です。
入出力ポートに関しては、13.3インチで薄型のコンバーチブル2 in 1としては悪くありません。USBポートは合計で3つありますし、micro規格ながらSDカードリーダーもあります。また、Type-Cポートは映像出力にも対応します。
サイズのほう、従来モデルよりもほんの僅かに小さくなりましたが、おそらく体感できるようなものではありません。従来モデルのオーナーさんでもわからないくらいのレベル。
レビュー機(ニューモデル): 306 × 212 × 14.5-16 mm / 1.28 kg
従来モデル: 306 × 215 × 15-16 mm / 1.31 kg
まあ、一応は小さくなりました…。それと、もともと従来モデルの頃から、このくらいの価格帯のコンバーチブル2 in 1としては十分にコンパクトかつ軽量でしたから、べつにHPがサボったということではありません。
ただし、サイズをギリギリまで詰めたせいとも言えそうですが、カメラがIR(赤外線)ではなくなりました。つまり、Windows Helloの顔認証には対応せず、代わりに指紋認証に対応するようになりました。この点は賛否がわかれるかもしれません。
レビュー機のシステム構成です。「パフォーマンスモデル」で、「Ryzen 7/RAM16GB/512GB SSD」という、非常に高いスペックになっていました。なお、上にも書きましたが、今回のレビュー機にはスタイラスペンが含まれておらず、ペン入力に関してはレビュー対象外となります。あらかじめご了承ください。
2.筐体
同梱物です。最近は「国内伝統大手メーカーの同梱物は多く、外資系メーカーは少ない」という感じでもなくなりましたね。HPの製品はどれも同梱物が多めです。ペーパー類は大量に入っていましたが、中でも「速効!HPパソコンナビ」と「パソコン生活まるごとガイドブック」の2冊(画像上段中央の2冊です)は、初めてパソコンを購入する人にはとってもありがたいものだと思います。
ウインタブ読者の場合は画像下の「セットアップ手順(スタートアップガイド)」の一枚物があれば、当座困ることはないでしょう。
ケーブル類はACアダプター、電源ケーブル、そしてウォールマウントプラグ(別名:ダックヘッド)がついていました。
ウォールマウントプラグはこうやって使います。ACアダプターに直付けすることにより、電源関係のケーブルを短くし、持ち運びも楽になります。PCの使用場所の近くにコンセントがある場合はとても便利です。なお、ケーブル類の重量は「ACアダプター+ウォールマウントプラグ」が226 g、「ACアダプター+電源ケーブル」が291 g、「ACアダプター+ウォールマウントプラグ+電源ケーブル」が331 gでした(実測値です)。
天板です。この製品の筐体色は「ナイトフォールブラック」といいます。従来のENVY x360 13が「アッシュブラック」でしたから、色名が変わっています。しかし、私にはその違いがわかりませんでした。「漆黒」という感じではなく、光が当たると少しブラウンっぽい色に見えます。筐体素材は「CNC加工のアルミ合金」で、表面には梨地加工(わずかにざらついた手触りで、手にしっくりと馴染む加工)が施されています。また、天板のロゴマークはHPのプレミアムタイプ(個人向けノートではSpectreとENVYに使われます)です。このあたりの高級感の演出は「さすがHP」です。
底面です。この製品はクワッド(4)スピーカーシステムを搭載していて、底面の左右に2つ、キーボード面に2つのスピーカーが配置されています。底面には特にユーザーが手を入れられるようなところはなく、バッテリーも着脱式ではありません。
右側面です。画像左にあるスイッチは「プライバシースイッチ」というもので、カメラを無効化するためのものです。その右にmicroSDカードリーダー、USB Type-C、USB 3.0、そしてDC-INがあります。
背面にはポート類やボタン類はありません。従来モデルではこの部分に「ダマスカス鋼」をモチーフにした模様が入っていましたが、ニューモデルではそれがなくなり、あっさりしたものに変更されています。
左側面です。画像左からUSB 3.0、オーディオジャック、そして電源ボタンがあります。
前面です。こちらにも特にポート類やボタン類はありません。
キーボードです。HPのモバイルノートらしく、Enterキーの右側に一列あるタイプになっています。キーピッチとキーストロークはメーカー公表値があり、キーピッチが上下左右に19 mm、キーストロークが1.3 mmとなっていて、「フルサイズ」です。打鍵していて窮屈さは感じないでしょう。
それと、キーボード面の上部にあるメッシュ状の部分にスピーカーが2つ内蔵されています。また、パームレスト右側に指紋センサーがあります。
キートップはフラットで、やはり梨地加工(と言っていいんでしょうか、要するに「おそらく意図的に」少しざらついた感触です)が施されています。また、バックライトが標準装備され、明るさを2段階に調整できます。
正面から見たところです。ベゼル幅をわかりやすくするために、設定アプリ(背景が白いので…)を開いています。このように、かなりのナローベゼル(左右ベゼル5.77 mm、上部ベゼル12.5 mm)になっていて、薄型筐体でもあり、非常にスタイリッシュに見えます。
コンバーチブル2 in 1筐体の「お約束」、(画像上から)テントモード、スタンドモード、そしてタブレットモードです。テントモードやスタンド-モードではキーボードが視界に入りませんので、動画視聴やゲーム(コントローラー接続が必要ですね)プレイが快適になります。また、タブレットモードは絵描きさんには特に重要でしょう。いくらペン入力性能が良くても、クラムシェル筐体ではまともに絵なんて描けませんからね(ディスプレイに直接書き込む場合です)。
タブレットモードにした際の側面です。完全に一枚板にはなりませんが、まずまず薄型になっていて、使用感を損なうこともないと思います。
一通り筐体をチェックしてみました。ウインタブではこの3月に従来モデルの実機レビューをしていますが、このニューモデル、細部には違いがあるにせよ、従来モデルとほとんど同じ、という印象です。ただし、悪い意味でそう書いているのではなく、もともと非常に良くできた筐体デザインだったので、それを踏襲して「やっぱりよくできた筐体」に仕上がっている、という意味です。記事の冒頭にこの製品の最低価格を掲載しましたが、少なくとも筐体品質に関しては「価格が安すぎるのでは?」と感じるくらいの仕上がりだと思います。
3.使用感
スピーカー
この製品は底面に2つ、キーボード面に2つ、合計で4つのスピーカーを装備します。プレミアムブランドのENVYなので当然といえば当然かもしれませんが、価格帯を考慮するとかなり贅沢な装備だと思います。また、スピーカーシステムはHPお得意の「Bang&Olufsen」です。
クワッドスピーカーにより、ステレオ感は豊かに出ています。音質設定は「Bang&Olufsen Audio Control」というアプリで行い、イコライザーによる細かい設定も可能です。かなり薄型の筐体なので、低音を強調した状態で音量を上げると少し筐体がビビる感じになります。音量を上げても音は割れませんが、そんなわけであまり音量を大きくする気にはなれません。
一番「きれいだなあ」と感じたのは静かな感じのポップ音楽、特に女性ヴォーカルですね。さすがBang&Olufsenだと思いました。HPの上位機種のスピーカー品質は非常によく、モバイルノートとしては最高クラス!と常々思っていますが、この製品のスピーカーシステムも非常に品質がいいと思いました。さすがにこのサイズの製品に重低音の忠実な再現とかを望むわけにもいかないでしょうし。
ディスプレイ
いつものようにブラウザーのEdgeを開き、「花」を画像検索して手持ちのモバイルノートと比較してみました。発色がよく、黒もちゃんと黒いので、とても鮮やかに見えます。この価格帯の製品のディスプレイとしては非常に美しいものだと感じました。
ただし、より上位のSpectreシリーズと同じものではないですね。メリハリ(例えば「黒の黒さ」)という点ではSpectreのほうが上だと思いますし、十分に輝度の高いディスプレイではありますが、Spectreのように「クソ明るい」というものでもありません。輝度に関しては、通常利用であれば50%から75%くらいで十分使いやすいです。常識的に考えて、このディスプレイで不満を感じる人はまずいないだろうと思います。
キーボード
上に書いたとおり、この製品のキーピッチは上下左右に19 mm、キーストロークは1.3 mmであると開示されています。試用してみて、やはりキーピッチに関しては不満がなく、十分な余裕があると感じました。また、いかにも薄型のモバイルノートらしい浅めのキーストロークですが、確実な打鍵感が得られ、パチパチと気持ちよく入力ができました。
打鍵音は標準的で、特に静音とは言えず、かといって耳障りという感じでもありませんでした。カフェなんかだと問題ないと思いますが、(PC持ち込みOKの)図書館なんかだと少し気になるかもしれません。ただ、図書館でもたまにキーを強打している輩はいますけどね…。
配列に関しては、Enterキーの右側に一列あるタイプで、HPのモバイルノートとしては典型的なものです。私は何度もHP製品のレビューをしてきましたので、もう慣れましたが、この配列に慣れていない場合は、使い始めのうち少しミスタイプをしてしまうかもしれません。それ以外の配列で、特に不満は感じませんでした。しいて言えば右下の方向キーが少し小さいこと、そしてDeleteキーとBackspaceキーの位置関係に少し違和感がありましたが、「モバイルノートのキーボードならこんなもん」と言ってしまえばそれまでのレベル。すぐに慣れると思います。
バッテリー
ディスプレイ輝度を100%、キーボードバックライトをオン(弱)にしてブラウザーを開き、YouTubeの音楽をボリューム30%で流しながらテキストライティングとwebでの調べ物をして、1時間でおよそ18%のバッテリー消費でした。単純計算だとおよそ5時間から6時間使えるということになりますが、今回はディスプレイを思いきり明るくしてしまいましたし、バックライトもオンにしていましたので、この辺に気をつけるようにすればもうすこし稼働時間が伸びると思います。
RyzenはCore iプロセッサーに比べ、公称値ベースでは稼働時間が短めになることが多いですが、この製品に関してはモバイルノートとして割と標準的なバッテリー持ち、という結果になったと思います。
4.性能テスト
今回の実機レビューで、私が「ハイライト」と思っていたのがここです。第2世代のRyzen 7、ひょっとして外部GPUなしでオンラインゲームができるのでは…。
参考:
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 10,020
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 9,643
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 9,058
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 8,909
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 8,923
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 8,727
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 8,676
DELL Inspiron 15 5000 2in1(Core i7-8565U):8,641
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 8,606
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 8,409
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 8,385
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 8,207
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 8,186
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 8,129
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 8,106
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 8,055
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 7,920
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 7,722
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 7,646
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 7,481
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 7,405
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 7,363
DELL XPS 13(Core i7-6500U): 7,230
東芝 dynabook VZ72/B(Core i7-7500U): 7,224
FRONTIER NLK(Core i5-7200U): 7,162
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 7,080
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 7,053
HP ENVY 12 x2(Core i5-7Y54): 7,030
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 7,029
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 7,001
参考:
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 4,821
HP ENVY 13 x360(Ryzen 3 2300U): 4,757
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 4,720
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,706
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,605
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,571
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 4,559
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 4,487
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 4,337
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 4,238
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 4,234
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 4,210
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 4,199
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 4,165
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 4,128
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 4,115
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 4,003
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 4,003
DELL XPS 13(Core i5-7200U): 3,958
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 3,895
NEC LAVIE Direct HZ(Core i7-6500U): 3,787
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U):3,724
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 3,674
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 3,670
DELL Inspiron 15 5000 2-in-1(Core i7-8565U): 3,647
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,645
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,634
まず、「ドラゴンクエスト X ベンチマーク(ドラクエベンチ)」に関しては外部GPU非搭載のノートPCとしてはトップレベルのスコアとなりました。Core i7-8565Uよりも上、と言っていいでしょう。ただ、以前レビューした従来モデル(Ryzen 3 2300U)のベンチマークスコアが非常に高かったので、「第2世代のRyzen 7なら余裕でメタルスライム(スコア1万点以上)が出るのでは?」と思っていまして、その点ではちょっと残念かな、と勝手に思ってみたり。
参考:
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 4,465
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,385
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,375
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,365
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 4,247
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 4,154
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 4,079
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 3,987
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,985
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,951
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,940
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 3,935
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 3,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 3,890
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,858
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 3,665
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 3,596
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 3,554
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,487
DELL Inspiron 15 5000 2in1(Core i7-8565U):3,359
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,192
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,012
HP ENVY 12 x2(Core i5-7Y54): 2,829
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 2,728
HP Spectre 13(Core i5-8265U); 2,705
One Netbook One Mix 2S(Core m3-8100Y):2,575
Cube Mix Plus(Core m3-7Y30): 2,264
DELL Inspiron 13 7000 2 in 1(7373)(Core i7-8550U): 2,197
HP 15-db0000(Ryzen 3 2200U): 2,194
ドスパラ Critea DX-K H3(Core i3-7100U): 2,087
「ドラゴンズドグマオンライン(DDONベンチ)」のスコアは思ったよりも伸びませんでした。また、従来モデル(Ryzen 3)でもDDONベンチについてはふるいませんでしたから、「Ryzenの傾向」と言えなくもないですね。何度かテストしましたが、結局DDONベンチではCore i7には及ばない結果、ということです。
参考:
HP ENVY 13 X360(Ryzen 3 2300U): 1,513、5,396
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 1,211、4,871
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 1,189、4,586
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 1,178、4,574
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 1,161、4,719
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 1,157、4,652
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 1,136、4,524
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 1,126、4,746
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 1,116、4,367
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 1,114、4,389
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 1,111、4,325
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 1,097、4,471
DELL Inspiron 15 5000 2in1(Core i7-8565U):1,084、4,421
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 1,084、4,282
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 1,082、4,559
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 1,070、4,365
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 1,020、4,358
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 1,017、4,350
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 1,000、4,304
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 984、4,262
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 949、4,137
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 942、4,118
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 941、3,941
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 936、3,972
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 923、3,857
HP 15-db0000(Ryzen 3 2200U): 903、3447
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y: 878、3,646
Cube Mix Plus(Core m3-7Y30): 680、2,889
One Netbook One Mix 2S(Core m3-8100Y): 676、2,473
Lenovo ThinkPad 13(Core i3-6100U): 673、3,183
Lenovo Miix 700(Core m5-6Y54): 611、2,469
DELL XPS 12(Core m5-6Y57): 511、2,113
ドスパラ Diginnos DGM-S12Y(Core m3-6Y30): 496、2,586
DELL Inspiron 13 7000 2 in 1(7373)(Core i7-8550U): 493、2,102
※左からFire Strike、Sky Diverのスコア
続いて「3D Mark」です。ここでもトップレベルのスコアとなり、特にSky Diverではぶっちぎりのスコアが出ました。ただし、Fire StrikeではRyzen 3を搭載する従来モデルと同点です。ここでもCore i7よりも顕著に高いスコアになった、と結論づけることができるでしょう。
参考:
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(Core i7-8750H、RTX2070): 4,893
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(Core i7-8750H) : 4,281
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 3,766
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 2,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 2,873
DELL Inspiron 15 7000(7570)(Core i7-8550U、GeForce MX130): 2,824
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 2,822
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 2,763
One Netbook One Mix 2S(Core m3-8100Y): 2,664
HP ENVY 12 x2(Core i5-7Y54): 2,606
HP 15-db0000(AMD Ryzen 3 2200U): 2,455
ドスパラ Critea DX-KS H3(Core i3-7100U): 2,198
ラストはグラフィック性能だけでなく、PCの総合性能テストと言える「PC Mark」のスコアです。参考データに割とばらつきが大きいですが、「Core i7と同等レベル」くらいには評価できると思います。
全部で4種類のベンチマークテストを実施しましたが、Core i7よりも低い数値と言えるのはDDONベンチのみで、それ以外はCore i7と同等以上の性能を発揮しました。繰り返しになりますが、個人的には「PC Markはともかくとして、ゲーム系のベンチマークテストではCore i7を置き去りにできるのでは?」と過剰な期待をしていまして、確かに良好な結果にはなりましたが、「もうちょっと伸びてほしかった」という勝手な願望が残りました…。
発熱について
試用期間中、発熱が気になったことはありませんでした。しかし、これらのベンチマークテストをすると、さすがに筐体が熱くなります。ベンチマークテスト中の発熱量はCore i7よりもやや大きいと思いますが、危険を感じるレベルではなく、もっと言うと「製品によってはCore i7機のほうが熱くなるよね」というのが感想です。
Ryzenの発熱量が大きめである、というのはよく言われる話ですが、少なくとも第2世代のRyzen 7を搭載するENVY x360 13に関しては「常識的な発熱量」の範疇に収まると評価します。また、繰り返しになりますが、ベンチマークテスト以外の場面で大きな発熱を感じたことはありません。この製品をゲーム用として購入するのでなければ、Ryzenの発熱を気にする必要はないと思います。
5.まとめ
HP ENVY x360 13-ar0000はHP Directplusで販売中で、7月1日現在の価格は下記のとおりです。
ベーシック(Ryzen 3):72,500円(78,300円)
スタンダード(Ryzen 5/256GB):83,500円(90,180円)
スタンダード(Ryzen 5/512GB):88,500円(95,580円)
パフォーマンス(Ryzen 7):106,500円(115,020円)
※カッコ内は税込価格
※別途配送料税込み3,240円がかかります
安いですね…。これまで見てきたように、Ryzenの性能はCore iプロセッサーと同等以上ですし、筐体品質も到底この価格で収まるような水準ではありません。まさに「HPのプレミアム」にふさわしい品質だと思います。
ウインタブではCore i5搭載の13.3インチ・クラムシェルノートで「HP Pavilion 13」「Lenovo ThinkBook 13s」「DELL Inspiron 13 5000」の3機種に注目していて、これらの製品はいずれも税込みベースで8万円以下(セール価格によっては8万円を少しだけ越える場合もあると思います)で購入できます(この3機種の比較記事はこちらです)。このENVY x360 13もRyzen 3モデルであれば配送料込みで81,540円で購入できますので、「ライバル」として名乗りをあげられます。
同じHPのPavilion 13の実機レビューもしていますが、こちらはシンプルかつプレーンなモバイルノートですし、ENVY x360 13はやや個性の強いコンバーチブル2 in 1です。どちらがいいのか、簡単に断ずることはできませんが、個人的にはRyzen 3/RAM8GB/256GB SSD」というスペックでもCore i5搭載のPavilion 13に劣らないパフォーマンスが発揮できると思いますし、Pavilion 13にはない「タッチ液晶」であるとか「タブレットモードへの変形可能」という点を踏まえると、「こっちのほうがいいかも」と感じられます。また、絵描きさんならENVY一択でしょう。
また、レビュー機の「パフォーマンスモデル」に関しては、Core i7搭載機と対等以上に渡り合える実力があり、RAM16GB/ストレージ512GBと、かなりの余裕があります。これで10万円ちょっと、というのは激安と言ってもいい水準でしょう。
あとは、少しばかり個性的な筐体色やデザインをどう評価するかでしょうね。このへんは人それぞれだと思います。
コメント
ペンの評価をしないで「絵かきさんに」って言われても……
発熱は常識の範囲とのことですが、排熱時のファンの音は大きいのでしょうか
ゲームはバッテリーで何時間くらい動きそうですか?
SSDの速度はどれくらいでしょうか
イラスト用途で購入検討して実店舗で触ってみたんですがペンのレイテンシ、精度はsurface、ipadに大きく劣ります。
ただ使えないレベルではないのでアイデアスケッチはペン入力、しっかり描きたいときはペンタブレットをつけて、という感じで使えばいいかもしれません。
結局ipadを買ったんですが未だに「こっち買えば良かったかなあ」と迷ってます…
これ冷却不足で同じCPUを採用してるやつより性能が出ないと言われてたんですけどどうなんですかね